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アオウオとは?幻の巨大魚攻略のために知っておきたい10の知識!

アオウオという巨大魚をご存知でしょうか?神社やテーマパークの池で鯉より明らかに大きな魚を見た事はありませんか?アオウオは鯉の倍以上ある巨大な魚で、遠い昔に食用として移入された魚で、稀に人目に付く場所にも居ます。今回はそんな巨大魚のアオウオの攻略に迫ります!
2020年8月27日
adanokinawa83
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アオウオとは

アオウオとはこんな魚

アオウオは中国の大きな河川に生息する、中国の「四大家魚」のひとつの魚で、アオウオの他にソウギョ、ハクレン、コクレンの4種で何れも日本の淡水魚では大型魚とされている、鯉より大きな超大型魚です。非常に大きくなる魚で雑食の大食漢で、その大きさ、成長度に着目し明治から戦時中に食料として移植され、昭和30年代では藻の駆除を目的に再度移入されました。その巨体を釣り上げようと、近年では大物釣りの対象魚としても人気の魚です。

アオウオの見た目、形

アオウオは形態は鯉に似ていますが、口元に髭は無く、鯉より頭部が尖っています。鯉とボラの中間の様な顔つきで、体つきも鯉より細長く、鱗は鯉と同等か若干大きく、巨大なサイズのアオウオのウロコはポテトチップス大です。色は黒色の鯉に比べ若干青みが掛かった物や、緑色が強い物が多く、色的には野性味があります。背びれと尾びれは鯉とは比べ物にならない程大きく、この尾びれで揚子江などの世界有数の大河を行き来するのかと、イメージするのに充分過ぎる物です。スマートで巨大な体躯に力強いヒレを持つその容姿は東洋的な美しさがあり、釣り人が惚れこむのも納得がいきます。

アオウオの分布

アオウオの世界と国内での分布

アオウオは元々中国を中心とした大陸の大河の淡水魚で、元々の正確な分布は確定していませんが、中国の全域、北方では中国とロシアの国境のアムール川、南はベトナムでも多く分布するとの報告があります。台湾にも分布し、日本には人為的分布で移入されています。大きな魚の為か自然繁殖の例は少なく、日本では利根川水系のみ繁殖が確認されています。

アオウオの歴史

アオウオの移入の歴史

アオウオの移入の歴史は古く、明治維新直後に遡ります。効率の良い動物性タンパク質として明治以降、国家の事業として大陸からアオウオなどの成長の速い大型魚の稚魚を移入しています。その移入養殖事業は長きにわたり持続し、明治から太平洋戦争時まで続きます。特に戦況の逼迫した昭和17年以降は、年間100万尾移入し養殖されました。

アオウオの移入後の繁殖

アオウオ他四大家魚は上述のように日本全国に移入され、北は東北の北上川、南は九州の筑後川へと数百万尾と移入され、自然繁殖を期待されましたが、ことごとく失敗し、唯一成功したのが利根川水系でした。現在日本で四大家魚のハクレン、コクレン、アオウオ、ソウギョが自然繁殖している河川は利根川水系とそれに繋がる江戸川だけとなっています。

アオウオの釣りの歴史(中国)

アオウオの祖国の中国では古くからアオウオなどの釣りが盛んで、ゲームフィッシングでは無く、食べる目的として釣られています。古くからの釣り方で釣果を上げ、そのスタイルは10m近くの延べ竿に尻手に長いゴムロープを取り付け、竿が持たないと感じたら竿を離し、ゴムロープの弾力を利用し回収し、それでも難しければゴムロープをもって泳いで魚とやり取りするという物です。この釣法は2000年代半ばの情報ですが、10年以上経つ現在はリールを使っている可能性が高いですね。釣果もすさまじく、体長2m、重量100kgを超える記録が写真としても残っています。

アオウオの釣りで知っておきたい知識①:生態


アオウオの釣り方・大きさ、習性

アオウオの大きさは上述でも触れましたが非常に巨大で、四大家魚の中でも最も大きく成長し、その体長は本場中国の揚子江では2mにも達します。国内での最も大きな釣り上げた記録では1.7m、重量は60kgにも達しています。国内の淡水魚の大型の鯉の4~5倍の重量で、信じられない程大きく、その大きさ故に1部の熱狂的なファンの支持を受けています。習性は未知の部分が多いですが、数匹の群れを成し、河川の岩盤や石積み下流付近を回遊し、産卵期は中流域へ移動します。

アオウオの近縁種、四大家魚

アオウオは移入する際に中国の4大四大家魚の稚魚と共に移入されました。この4種が移入された目的は上述の通りですが、中国ではこの4種が同じ池で水域と食性で棲み分けをしていて、移入の際に稚魚が類似しているために、4種混合で移入した経緯があります。日本の希望としては、草食でコストが掛からず、成長の速いソウギョのみが希望でしたが、4種混合での移入となりました。4大家魚でも2番目に数が少なく、一番大型化するのがアオウオで、水底の餌を捕食する魚です。次に大きいのがコクレンで大きな物は1.8m×50kgに達します。ハクレンは繁殖力が強く1番数の多い最大1.3mの大型魚です。ソウギョはその名の通り草食魚で2番目に数が多く、大きさは1.6mに達し、アオウオ、コクレンに次いで大型になります。この4種が中国では「四大家魚」と呼びます。

アオウオの釣りで知っておきたい知識②:歴史・分布

アオウオの国内での釣りの歴史

アオウオは古くから利根川水系だけに生き残り、数少ない事からあまり知られる存在では無く、釣り好きの一部のマニアの間での共通知識の中の存在の様な魚でした。繁殖し始めてから半世紀その様な存在で、稀に鯉釣りの仕掛けに掛かり釣り人を賑わす程度の存在でしたが、90年代からの釣りやその他のアクティビティーなどの文化の熟練度の高まりに比例し、シーバスなどが80年代後半から専門に狙えるようになったのと同じべくして、アオウオも釣り人と業界の連携によって狙って釣る事が可能になりました。現在では餌、仕掛け、ポイントが確定され幻の存在では無くなりましたが、まだ簡単に釣れるターゲットでは無く、故にマニアには垂涎の熱狂的な魚として利根川水系に生息します。

アオウオの釣り方・国内で釣れる場所

アオウオは国内では利根川水系と江戸川に分布しています。数は非常に少ないので釣る事は簡単ではありませんが、それ故にロマンがあり、釣り人を熱狂させています。元々移入量が少なく、繁殖も好調といえない様ですが、釣果は確実にあり、利根川中流域、江戸川中流域、霞ケ浦水系が分布、生息場所であり、釣れている場所です。

アオウオの釣りで知っておきたい知識③:ポイント

アオウオの釣り方・狙うポイント

アオウオを釣るポイントは川の流れのカーブの外側を探ります。川の流れが当たる外側のカーブはカケアガリがあり、カケアガリの奥側にアオウオの餌を捕食するポイントがあります。また、この様な場所はテトラや石積があるので水流の変化やもあり魚が付きやすい条件も揃っています。河口域では潮と河川の流れが緩む深場などの場所がポイントです。大潮の干潮時に地形を確認し、カケアガリの状況を見ておくと参考になります。

アオウオの釣り方・実釣記録

過去に実際に釣り上げられた超大型のアオウオの記録の一部をご紹介します。 ①「日時2001年7月12日早朝」「場所:利根川長豊橋上手」「サイズ:体長172㎝重量不明※日本最大記録」 ②「日時2001年9月26日早朝」「場所:江戸川下流、葛飾柴又矢切の渡し付近」「サイズ:体長155㎝重量不明」 ③「日時2002年5月22日早朝」「場所:利根川下流域、木下」「サイズ:体長152㎝重量不明」 ④「日時2004年5月9日早朝」「場所:江戸川、金町付近」「サイズ:体長160㎝重量不明」 ⑤「日時:2008年5月10日昼12時」「場所:利根川河口堰上流7㎞」「サイズ:体長162㎝重量60kg」「日時:2008年5月10日昼12時」「場所:利根川河口堰上流7㎞」「サイズ:体長162㎝重量60kg」 ※この記載以外にも数々のアオウオの釣果記録があります。

アオウオの釣りで知っておきたい知識④:食性・餌

アオウオの釣り方・国内での食性、餌は


アオウオの食性は肉食性の強い雑食性で、自然化ではタニシやカラス貝や底生昆虫を好んで捕食しています。過去には鯉の餌でも稀に釣れた事があり、芋系の練り餌さも好んで捕食するようですが、現在ではアオウオの愛好者の発見によって、カラス貝やタニシが釣果が良い事が判明し、釣りでの餌は外道をあまり寄せ付けない餌として、タニシ、カラス貝、シジミのむき身を主流の餌として、芋系の練り餌さや、生き餌のゴカイ、ハサミを取ったザリガニ、手長エビも実績のある餌で特に冬に有効で使用します。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑤:ベストな時期

アオウオの釣り方・ベストな時期は

利根川では、産卵の為に埼玉県の栗橋市付近まで遡上し、産卵時期は6月~7月に行う事が確認されています。この産卵時期に備えた4月から6月が水温も安定し、鯛ののっこみの様に餌を荒食し、釣果も比例するベストな時期です。また10月~11月も冬の時期に備え餌の荒食いをする良い時期です。真夏は水温上昇で餌食いが鈍る時期で、夜間に釣果が上がります。冬の寒い時期は水温の高い汽水域で日中にゴカイやエビなどの動物質の餌での釣り方もあります。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑥:時間帯

アオウオの釣り方・ベストな時間帯は

時期によって時間帯が変わりますが、ベストな時期の春から初夏の時間帯は朝まずめ、夕まずめの前後となります。夏の高温時期は夜間~朝方にかけてが釣果が良く、真冬の寒い時期は昼から夕方にかけての釣果が良いとされています。また潮も大きく関係し、下げ潮の時に釣果が良いと報告されています。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑦:タックル

アオウオの釣り方・必要なタックルは

アオウオはとにかく超巨大魚なので、タックル、仕掛け共に規格外の物を使用します。竿は大鯉用の投げ竿、ヒラマサ用の磯投げ竿、もしくは石鯛用の投げ竿を使用します。取り込みに有利な5m以上の物を使用する事をおすすめします。大きな物は50kgを越えますので、「超大型のたも網」は必須です。超大型魚に合わせ道糸、リール、仕掛けも合わせます。リールはスピニングリールの6000番クラス、または石鯛用の両軸受けリール、道糸はナイロンの15号から18号を200mセットします。また、仕掛けや竿を持って行かれない様に、竿と杭などをワイヤーで接続し、置き竿で待ちます。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑧:仕掛け

アオウオの釣り方・釣れる仕掛けは

アオウオの仕掛けは底住性の魚なのでぶっこみ釣りの仕掛けを使用します。道糸に遊動式の20号~40号の捨てオモリを仕掛け、超大物用の大型スイベルにハリスと道糸を接続します。餌をアピールする仕掛けとし、ハリスはPEラインの10号を使用し水面に餌を漂わせアピールします。ハリ丸セイゴの20~25号を使います。単純な仕掛けですが超大型魚なので結びの抜けや、ハリの破損はバラシの原因となりますので、定期的に仕掛けの確認は行います。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑨:釣り方

アオウオの釣り方・釣り方のポイント、コツは

アオウオ釣りはぶっこみ仕掛けをポイントに投入後は待つ釣りとなります。釣り方のコツ、ポイントは、時期に合わせた餌の適切な選定、釣れるポイントの選定、ベストシーズンを押さえ、時間を惜しまず釣行する事です。特に釣れるポイントの選定は時間を掛けて通い、同時に色々な情報収集が必要です。元々日本に居ない魚で数も少なく、釣れる場所も限られていますので、根気がポイントでかなり必要な釣りですが、釣り上げた時の喜びは他の魚の喜びと、希少性、大物性から比較にならない程高いものです。

アオウオの釣りで知っておきたい知識⑩:取り込み


アオウオの釣り方・合わせのコツは

置き竿の際注意する事は上述の竿と杭の繋ぎと、ドラグの設定です。ドラグを閉めているとラインブレイクや竿の損傷の危険がありますので、適正なドラグ設定が必要です。アタリは餌にもよって変わりますが、早合せは厳禁です。置き竿の竿先が1m位下を向いた頃合いでゆっくりと合せます。

アオウオの釣り方・取り込みのコツは

合わせを入れたらいよいよランディングの開始です。アオウオは1m以下の釣果は無く、アベレージで1.3m、大きい物で1.6mなので長期戦を覚悟しましょう。1.3mでも15分以上の格闘となります。鯉などと違いアオウオは口が非常に硬いので口切れの心配は無いので、ドラグを徐々に締め、アオウオが横に逃げれば竿を逆に振り、アオウオの力が緩むまで徐々に糸を出しつつ巻き取ります。アオウオは他の魚と違って一度浮かせた位では余力があるので、2度、3度と空気を吸わせる位まで水面に浮かせます。1人でやり取りする場合は、完全にアオウオが横腹を見せる位まで弱らせて、ネットインさせます。出来れば釣れる事を前提に仲間とのネットワークでランディングする事がベターで、人間にも魚にもダメージが少なく、安全に取り込めおすすめです。

アオウオの釣りの外道

アオウオの釣りでの外道は

アオウオ釣りでの外道の筆頭は鯉です。特にタニシを餌とした場合や練り餌さの場合に、大型の鯉が釣れて初心者は有頂天になり、ランディングでがっかりします。練り餌さでの外道はハクレンも稀に掛かります。こちらはヘラブナの外道としても有名ですが、鯉もハクレンも外道ですがランディングの練習として最適なので、やがて来るであろうアオウオとのやり取りに備える為に良い練習として取り込みましょう。

アオウオ釣りの攻略/まとめ

アオウオ釣りの魅力

アオウオは明治~昭和にかけて移入された中国の四大家魚のですが、その比率はハクレンが90%、次いでソウギョが8%、残りの2%をコクレンとアオウオが分け合っていて、非常に希少な移入種の子孫といえます。また、全国の二十数箇所に移植された四大家魚ですが、利根川水系以外は全て繁殖せず、この確立も奇跡的と言われています。この確立の妙の中、連綿と利根川水系を半世紀以上生き抜いてきた超巨大魚達に、ある種の畏敬の念を感じずにいられません。この浪漫溢れる釣りが、今後も楽しめる様に釣りファンとしては願わずにいられません。また国内最大、最重量の純淡水魚が首都圏で狙える奇跡も興味深く、一度チャレンジせずにはいられない気持でいる事をお伝えし、まとめとさせて戴きます。