何故電動ドリルを使うと穴がズレたり曲がる?
経験豊富なベテランでも、時々道を間違えた、麺を茹ですぎたみたいな失敗もありますが、電動ドリルでもフリーハンドでは同じです。電動ドリルを使った時にネジ穴の位置が微妙にズレてしまったり、ネジ穴が斜めに開いてしまう経験はありがちです。誰でも起こりうる事態ですが、どうしてこうなるのでしょうか。
まっすぐなつもりが垂直ではない人間の感覚の誤差
定規を使わずに、まっすぐなタテ線を軽やかに引いてみてください。どんなにまっすぐを意識しても、曲がったりブレたりしてしまいますよね。ドリルガイドを使わないで電動ドリルを使用する場合でも、鍛錬を積めばある程度精度が上がりますが、日々の体調や気持ちや状況によっても、誤差が大きく出てしまいます。
一度開けたらやり直しが効かないリスク
テキトーな仕事やDIYなら、多少の位置のズレや、斜めに穴あけしてしまうことも容認してしまいます。しかし出来栄えを重視するDIYやプロの仕事なら、そんなテキトーな事態は避けたいものです。木材に一度開けた穴は修復が難しいこともあり、やり直しが効かない、だからこそ垂直なガイドをしてくれるドリルスタンドの出番です。
ドリルガイドを使えば穴あけ精度が上がる仕組み
ドリルガイドを使うことで電動ドリルでの穴あけの精度が向上すること、これは使っている人ならばすぐに認識をできます。しかしドリルガイド未経験者の場合は、まだ理解できていなでしょう。ドリルスタンドで精度がまっすぐになる仕組みを認識してください。
穴あけの方向をガイドするからズレなくなる
ドリルガイドはタイプによっては土台にしっかりネジで固定することにより動かず、また電動ドリルの穴あけの方向が完全に一方向に定まるように設計されています。簡易式なドリルガイドの場合は土台に固定されませんが、穴あけ方向をガイドする意味では同じです。だからドリルガイドを使わない穴あけよりも、精度の高いまっすぐな穴が開けられるのです。
正確な穴を開けて間違いとリスクを減らせる
ドリルガイドを現場やDIYに導入すると、間違いのない綺麗な穴が開けられるだけではありません。作業の間違いを減らすことで、クレームがなくなります。満足度が高い仕事になるのは、望む所ではありませんか。やり直しすることがなくなって、コストダウンも図れます。これから色んな意味でメリットが出てくる、ドリルガイドの種類と使い方から見ていきましょう。
種類①・一般的な据え付け垂直型のドリルガイド
一般的に広く普及しているドリルガイドの選び方をするなら、垂直型タイプのドリルガイドです。最もよく使われるだけに、メーカーもサイズも色々で、木工用、金属加工用などの用途でも見つけることができます。名前はドリルスタンドとも言うし、ドリル一体型はボール盤と呼ばれます。
垂直ドリルガイドの特徴は安全性と使いやすさ
木工用で板材や柱の加工に使う垂直ドリルガイドの大きさは、高さ25~50センチほど。アルミダイカストなどの金属製で頑丈でありながら軽量な設計なので、現場に持ち運ぶことも楽々です。卓上に据え付けて加工に使うこともできるし、床や壁などに固定して正確に穴を開ける時にも使えます。このドリルガイドは、市販のドリルを装着し、高さ調整もできるのが通常です。
垂直ドリルガイドの使い方
まずドリルスタンドは、基底部をネジで固定することで、ドリルの安定性が向上するように出来ています。上部にいつも使用している電動ドリルを装着したら、レバーを下げることによって電動ドリル全体の位置が下がり、同時にドリルの回転が始まります。ものによっては斜めに穴あけすることも可能です。安全性を一番に考えた電動ドリル作業という意味でも、確実に取り入れたい道具です。
種類②・ドリル付属のボール盤
作業台で電動ドリルを使うことに特化した仕事があります。例えば木工所や鉄工所、DIYでも本格的ならば作業台を持っている人もいます。そんなふうに完全固定を最初から決めているなら、しっかりした構造でドリルも一体化しているボール盤を選んでみてください。
ボール盤の特徴は地に足つけたどっしり作業
ボール盤は一般的にドリルガイドよりサイズは大きめで、高さ50センチから90センチを超えるものまであります。重さも小型でも5キロ以上は普通で、業務用では大型なら60~100キロにもなります。ドリルは機械に付属していて、完全に台に固定をして使うことも通常です。木工・鉄工で、地に足を付けた使い方を求めているなら必須の道具です。
ボール盤の正しい使い方は覚えたい
ボール盤は万力が付属しているタイプを選ぶと、木材などを固して作業をすることができます。ボール盤の作業台であるテーブルの高さは、ハンドルを回して調整することができます。電源を入れることでボール盤は作動し、主軸のドリルの回転をさせることができます。主軸上下用ハンドルにより、テーブルの位置までドリルを上下させます。
種類③・どこでも使える簡易式の垂直ドリルガイド
お手頃なドリルガイド、そしてやや高額にもなるボール盤のほか、安くて持ち運びがしやすいドリルガイドもあります。非常にコンパクトで軽量なドリルガイドがあれば確かに作業ははかどりますが、問題点もはらんでいます。果たして簡易式垂直ドリルガイドは使えるか、検討してみましょう。
穴あけしたい場所に当てて使用する
このタイプは手のひらサイズなので、片手にドリルガイドを持って、もう片手に電動ドリルを持ちます。ドリルガイドを穴あけしたい場所に置いて手で固定し、ドリルの刃を挿入して穴あけを行うという手順です。メーカーに寄っては穴1つタイプ、穴が複数開いているタイプ、穴のサイズを取り替えるタイプなどがあります。
小型で軽いので壁に使うとズレる危険性もあり
持ち運びとお手軽さが売りなこのタイプのドリルガイドですが、危険性も考えておく必要があります。壁に使う時ですが、まっすぐな穴を開けられる反面で、穴の位置が正確にならない場合が考えられます。電動ドリルが作動中にズレたりすることもあるので、選び方や使い方についてはよく考えなければいけません。
種類④・即興で自作の簡易ドリルガイド
ドリルガイドの選び方では、ここまでに紹介したスタンドタイプや簡易タイプなど、色々選ぶことができます。しかしお金をかけない選び方をしたいなら、即興で自作することもできます。どんな風な形状と能力を持った自作ドリルガイドを作れるでしょうか。
板材の切れ端で作る単純ドリルガイド
DIYをした時、必ず材木の切れ端が出るものですが、これを使えば簡単な構造のドリルガイドを作れるって、ご存知でしたか。基本的には材木の切れ端にまっすぐな穴を開けたり、切れ端を集めて作れば、それだけでもドリルガイドになります。ただし木製だから削れてしまい、何度も使うほど精度が劣ります。その都度作り直すのが良いでしょう。
自作でもここまで出来る!こだわりドリルガイド
DIYでドリルガイドを作っている人のなかには、こんな凄いのも作っちゃうの?と唸らせる人もいます。要するに板材を組み合わせて、ボール盤やドリルスタンドに似たものを、即興でこしらえてしまうのです。DIYが趣味の人なら楽しい時間になるので、ぜひ作ってみてください。
ドリルガイドの選び方で気をつけるポイント
作業場や自宅DIYでドリルガイドを導入するとなった時、間違った選び方をしてしまうと、使いづらかったり、返品するような事態を招きます。選び方については、メーカーやタイプが重要になってきますが、耐用年数を考慮した選び方も考えて行きたいところです。
電動ドリルのサイズやメーカーに対応しているか
木工用の電動ドリルは、マキタ、RYOBIなど有名メーカーから無名メーカーの製品までもあります。ドリルのサイズも、超小型で軽量なタイプから、重量感ある大型までも存在しています。選ぶドリルガイドが、はたして手元の電動ドリルとぴったりしっくり来るものか、このあたりはよく事前調査をすべきことです。
あまり安い製品に手を出すと耐用年数が短い
安物買いが人生のテーマになっている人は、ドリルガイドの購入はお値段からもよく検討すべきです。すぐ買い換える人なら安物や中古でも良いかもしれません。しかし「安かろう悪かろう」とは言ったもので、安物のスタンドはすぐ壊れるリスクがあります。耐用年数を伸ばして何年も使い続けるなら、商品レビューをよく見てしっかりしたものを選ぶことが大切です。
ドリルガイドの精度を少しでも上げる方法
仕事は精度が上がってこそ、見た目の美しさや評価に繋がります。電動ドリルを使う時も、ドリルガイドの精度が高くなってほしいものです。最低限これをしておけば、電動ドリルの精度が高い状態を保てる、そんな方法は頭に入れておきたいですね。
どっしりした工作台に固定することで精度が向上
足元がゆるい状態だと全体が崩れてしまうのは、大地震の時の液状化現象を見れば理解できることです。これと同じく、ドリルガイドやボール盤でも、使う場所の足元がしっかりしていてこそ、精度を高めることができます。もし作業台を用意するなら、どっしりとしてピクリとも動かない、そんな作業台を選んだり自作してみてください。
簡易型ではドリルサイズにぴったりな穴を用意する
簡易型のドリルガイドの場合ですが、装着しているドリルの幅と、簡易型ドリルガイドの穴のサイズが、ぴったり合わないまま使ってしまうことがあります。これだとドリルにわずかに傾きが生まれて、正確な穴あけができかねます。必ずぴったりフィットするドリルと穴、稜堡揃えることが精度を高めます。
ドリルガイドの安全な使い方では絶対的注意点
作業の安全性とは、機械の頑丈さや安全対策から生まれますが、それと共に使う人の心がけや、使い方からも生まれてきます。ドリルガイドの使い方を極めるためには、機械と自分自身の安全対策がどのくらい出来ているか、それが鍵を握っていると言えます。
安全を考えた衣服を身に着けているか
ドリルガイドを使う時、半袖だと怪我をしやすく、ぶかぶかな衣服はドリルに巻き込まれる可能性があります。だから怪我をしない、邪魔にならない作業服や長袖を着用してください。また、手には最低限で軍手を使うべきです。足元は裸足やサンダルなことも、怪我をする原因なので、安全靴か最低限でも運動靴などしっかりした靴を選びましょう。
固定を怠ってゆるいことは危険
パンツのゴムがゆるゆるだと、ズボンがずり落ちる可能性があって極めて危険ですよね。同様にドリルガイドを使う時も、固定がゆるゆるだと極めて危険過ぎます。電動ドリルの固定、木材の固定、ドリルガイド自体の固定など、コテコテに固定を追求していくことが、安全第一につながります。
こんな使い方は極めて危険
傾いた場所にラーメンを置くと、こぼしてもったいなくて危険ですが、ドリルスタンドを立てる時も、傾いた場所では倒れてしまう危険性があります。使い方としては、必ず平らな場所でまっすぐに置けるか、確認する必要があります。作業中に土台や足元の板がズレたりすると危険ですから、足元がしっかりしているかも確認をしてください。
ドリルガイドによって正確な仕事をしよう
ドリルガイドは垂直型、ボール盤、簡易型、自作型などが存在し、いずれも精度の高い、まっすぐで正確な穴あけをするのに使えるアイテムでした。電動ドリルでの穴あけが上手く行かなかった人、もっと正確な仕事をしたい職人。そんな人たちがみんな使っていくべき道具です。自分の使い方に合うドリルガイドをじっくり探して使ってみましょう。