ベニヤとは
DIYをはじめた方の多くが目にするのがベニヤですね。家具にはじまり壁や床にと加工によって形を変えるこの素材。木目をいかして塗装をせずにそのまま使うも良し、軽く塗装をほどこし更なる風合いをプラスするも良し。
ホームセンターや今ではインターネット通販でも手に入るこのベニヤ。一口にベニヤといっても実はいろいろと種類があるのですが、それは後述するとして、そもそもベニヤとはいったい何なのでしょうか?
ベニヤとは大根の桂剥きのように薄くスライスした木の板のこと!
皆さん、ダイコンって食べたことありますよね?サンマのお供に美味しいあのダイコンです。ダイコンのカツラ剥きを思い浮かべてください、あのイメージで大きな一本の木をスライスしていった状態がベニヤなんです。
ちなみにこのベニヤの元となるのはラワンという名前の南国原産の樹木で、日本の建築文化を何十年も支えてくれている有能な素材なんです。
ベニヤってもっと厚みがなかった?
ベニヤといわれて皆さんがパッと浮かぶものはもっと厚みがありましたよね?そうなんです、皆さんが常日頃DIYで見事な品へと加工しているものはもっと厚みがあるんです。
あの厚みの秘密、それは実はハリ合わせ!うすーくうすーくスライスしたベニヤを接着剤で互い違いにハリ合わせてシッカリズッシリしたサイズと強度の板にするのです。そんな工程を経て皆さんの知っているベニヤという素材はできあがるというワケなんです!
シナベニヤとは?特徴を解説
シナベニヤとは正しくはシナベニヤ合板です。合板とは前述しましたとおり、ダイコンのカツラ剥きの要領でうすーく切った木の板をハリ合わせて厚みと強度が確保できるように加工したものですね。
シナ+ベニヤでシナベニヤ、シナって何なの?
シナというのはズバリ、木の名前です。表面がなめらかで木目も美しく色合いも落ち着いていて上品な木で、古くから加工利用され重宝されてきた材料です。このまま木材として加工塗装し、風合いをつければ上等な家具の出来あがり!実際に、家具職人もよく利用しているくらいに人気の木なんですね。
シナを表面にはりつけた合板がシナベニヤ
この上質なシナを材料にしてベニヤの表面に張って加工したものこそがシナベニヤなんです!独特の滑らかな質感をもつシナの木を薄く切った板を強度のあるベニヤ合板にはりつけることでシナの木のもつ性質を受け継いだ上質の合板へと加工するというわけです。
シナベニヤの特徴
シナベニヤはDIY初心者からベテランの方にいたるまで幅広く愛されている素材の一つです。その特徴は良い点もあり、もちろん悪い点もあります。素材のメリットデメリットを正確に把握してシナベニヤを上手に家具や壁などに使えるようになればDIY上級者の仲間入りです!
シナベニヤはコストも安い!
シナベニヤは先述したようにシナという木とベニヤ合板を組み合わせた素材というわけですが、ベニヤ合板自体がもともと安価なことにくわえ、このシナの木も実はとてもリーズナブルでお求め安い価格設定なのです。なめらかで上品な質感、それでいて安価でコストも安いのが特徴です!
シナベニヤがかもしだす一流の雰囲気!
シナベニヤの特徴、それはまずなめらかな質感であることは先で述べましたがこの材料の驚くべき魅力はその質感だけではないのです。皆さんは建築士の建てる高級住宅の壁材や床材を見たことがあるでしょうか?
木目調のやさしい風合いがかもしだす暖かで上品な雰囲気、その壁材や床材として採用される材料こそが、何を隠そうシナベニヤなのです!
シナベニヤは塗装必須?
確かにシナベニヤはスバらしい素材なのですが、もちろんシナベニヤにも欠点はあります。それは何を隠そう「汚れやすさ」です。実はシナベニヤは汚れに弱く繊細なんです。
その繊細さたるや少し触るだけで指紋がくっきりはっきりと残って目立つほど!そのシナベニヤの欠点を補う方法がアルのか?アルんです!それは塗装を施すことなんです。
シナベニヤに塗装してワンステップ上のDIYを!
汚れや劣化もまた味わいであると思える方々もたくさんいます。ただ、そうでない方がシナベニヤを使う場合には表面を塗装して汚れから保護し劣化を防ぐ必要があります。
ただ、塗装というひと手間はDIYの醍醐味の一つでもあります。クリア塗装で木目を生かすも良し、さらに色味をつけて風合いをつけるも良し。皆さんの感性をフルに生かしてワンステップ上のDIYを目指しましょう!
塗装が苦手な人は塗装済みのシナベニヤを選択しよう!
塗装はDIYのなかでもとりわけ苦手とする人も多い作業ですよね。汚れますし塗料特有の臭いも出ますし場所もとります。「できれば塗装は避けたいな……」そういう方はすでに塗装が施されたシナベニヤを購入してみると良いでしょう!
クリア塗装で汚れや劣化を防ぐ加工が施されたシナベニヤもメーカーより販売されています。アナタのニーズに合わせたものを探してみるのもまたDIYの醍醐味ですね。
シナベニヤの塗装方法を動画でチェック
シナベニヤ染料まぶし塗り
オイルステイン・自然塗料を塗ってみた
シナベニヤ購入時は規格の確認が大事
シナベニヤの使用用途は多岐に渡ります。建物の壁を仕上げるときにも使用されますし、家具の素材として家具職人にも広く愛されている優秀な素材です。そのため、シナベニヤはユーザーの需要に答えられるようにいろいろな規格が用意されています。
シナベニヤを購入するときは規格の確認を!
例えば、「暮らしの製材店 90013尺×6尺 シナベニヤ T1 厚5.5mm×幅910mm×長1820mm」という製品があったとします。尺やmmは長さや厚みの規格です。
ベニヤ合板はサイズや厚みでかなりたくさんのバリエーションが販売されています。そして「T1」という記号も重要です。この規格もサイズや厚み同様、シナベニヤをはじめ他のベニヤ合板に広く採用されている規格です。
T1とT2について
ベニヤ板というのはダイコンのカツラ剥きのように薄くスライスした木をハリ合わせたものだと先に述べましたが、このハリ合わせる作業のときに接着剤を使います。
それにくわえてこの木なのですが、熱で圧縮させているのでカサカサに乾燥しています。ここまで言えば察しの良い皆さんならもうお分かりですよね?そう、このベニヤの合板、水にものすごく弱いんです。
湿気に強いT1規格
T1という規格があらわすもの、それは「耐水性」です。T1と記されているシナベニヤは湿気に強いものなんですね。お風呂場やトイレの壁や床、その他湿気の多い環境で使うときにはこのT1規格のシナベニヤを使用しましょう。
なぜ湿気に強いかと言えば、それはズバリ接着剤の違いです!T1規格のシナベニヤは接着にメラミン樹脂などの耐水性のある特別なものを使用しています。T1規格でないものより湿気に強いというわけです。
湿気に弱いT2規格
それではT2規格のシナベニヤはどうなのでしょうか。T2規格のベニヤ合板はいわゆるノーマルタイプです。T1規格のものとは接着剤にユリア樹脂などを使用している点で異なります。
もちろん、耐水性を持たせたT2規格のものよりも湿気に弱いという特徴を持っていますが、通常ホームセンターやインターネット通販でよく見られるタイプのシナベニヤ合板といえばこちらが多いのではないでしょうか。
価格もT1規格のものよりリーズナブルでお求めやすいです。通常のDIYで家具や壁に使用するのならノーマルのT2規格でも十分ですよ!
サイズについて
シナベニヤをはじめとしたベニヤ合板のサイズは基本的に3尺×6尺なんです。尺単位だとピンとこない方も多いですよね。mmに換算すると大体910mm×1820mm前後になります。なぜこのサイズが基本なのか。それは日本の建築界で使用されてきた建材の古くからのメジャーサイズがこのサイズだからなのです。
分かりやすくタタミで考えよう!
3尺×6尺は本業の大工の方たちにしてみれば「ああ、またか」と思われるほどよく見られるサイズ規格です。サブロクなんていうふうに略語で言われたりもしていますが、DIYをこれからはじめるという方たちにしてみれば、「うーん、3尺×6尺って言われてもどのくらいのサイズなんだろう」と疑問に思われるのではないでしょうか?
一番、分かりやすい例としてよく出されているものがタタミなんです。タタミ一畳が3尺×6尺のサイズと考えていただければおおよそのサイズが分かるかと思います。
もちろんサイズは他にもたくさんある!
基本サイズが3尺×6尺といっても、当然それだけが流通しているサイズというわけではありません。例えば、3尺×9尺というものもメーカーによっては販売されていたりします。
それにホームセンターやインターネット販売でも数百円のカット代金を支払うことで自由なサイズに加工してくれるサービスをしているところも多いですね。用途に応じて上手に利用してより楽しいDIY生活をエンジョイしましょう。
厚みについて
シナベニヤを選ぶ際にはサイズだけでなく厚みも重要なポイントですね!家具を作りたいのかそれとも床材として利用したいのか、はたまた壁として張りたいのか。用途によってシナベニヤの厚みを変えたいところです。
一般的な厚みと言えば2.5mmから
シナベニヤをはじめベニヤ合板は厚みもメーカーによってさまざまあります。そのため、一概に言えない部分ではあるのですが、そうは言っても大体の厚みは知りたいところですよね。
一般的には2.5mmから3mm、4.5mmと少しずつ厚みを増していき最大で21mmあるいは24mm程度のものが市販されているシナベニヤの厚みの規格と言えます。
使い方によって厚みを変えよう
壁に張りつける用途の場合は一般的には厚みの少ないものを使用している人が多いですね。逆に、家具などをDIYで製作する場合はある程度の強度が必要なため厚みの多いものを使用すれば頑丈な家具ができます。
シナベニヤとよく似た素材「ランバーコア」って?
ランバーコアというのは合板の一種です。ただ通常のベニヤが薄い木を接着剤で何枚もハリ合わせたものであるのに対してランバーコアは中央に核となるブロックを木で作り、それをはさみこむ形で薄いベニヤを表面にハリ付けています。
シナベニヤとランバーコアの違い
合板材としてはランバーコアのほうがベニヤと比べてリーズナブルで軽量です。ただ、だからといってランバーコアのほうがベニヤと比べてより優秀な素材なのだ!と断言することはできません。ランバーコアは中央の部分が一つの核になっていて密度がありません。端的に言えば、スカスカなのです。
ランバーコアの特徴は短所でもある
ランバーコアは中身のコアに空洞がある代わりにコストを下げて重量を軽くしたのが特徴の素材です。そのため強度に少々難があります。
衝撃がかかる物や場所に使う場合には強度の低さが災いして穴が開いたり折れたりする可能性があるのです。逆にベニヤの合板の場合は木を密に重ね合わせているので強度があり多少の衝撃が加わっても破損の心配は少ないです。
まとめ
ランバーコアもシナベニヤも、両方ともDIYでは利用頻度の高いとても有用な素材です。家具に加工するのはもちろん、壁や床に使用したりと用途はさまざまです。サイズや厚みなどの規格から強度や耐水性などの性質、そして価格も考慮にいれてDIYを楽しみましょう!