ナズナとは
ナズナは、果実の形がしゃみせんのバチに似ていることから、「ぺんぺん草」や「しゃみせん草」とも呼ばれ、日本各地のどんな土壌にも生える越年草です。かつては、野菜の育ちにくい冬の、貴重な作物とされていたこともあり、薬草としても用いられています。
ナズナの名前の由来
ナズナの名前の由来には、いくつか説があります。1つは、夏になると枯れてなくなることから「夏無(なつな)」が変化してナズナになったという説です。他には、撫でたくなるほどかわいい姿をしているということから「撫菜(なでな)」と呼ばれ、徐々に変化してナズナになったという説もあります。
春の七草の1つ
ナズナは春の七草のうちの1つでもあります。七草には、健康効果が期待されるものが選定されており、ナズナは利尿作用や解毒作用、止血作用があり、胃腸の調子を整えると言われています。また、ナズナという名前から、撫でることで穢れを取り除くことができる、縁起の良い作物とも言われています。
ナズナの花言葉
ナズナには、「あなたに私のすべてをささげます」という素敵な花言葉が付いています。西洋でも「I offer you my all」、つまり、同様の花言葉が付けられいます。ナズナは素朴な花ではありますが、告白やプロポーズにぴったりな花でもあります。
ナズナの花言葉の由来
ナズナは、英語では「Shepherd's purse」と言います。直訳すると、「羊飼いの財布」という意味で、ナズナの果実の形が由来になったと言われています。
そのため、ナズナを贈ることは財布さえも贈る、つまりすべてをささげでも構わない相手だということを表していることから、「あなたに私のすべてをささげます」という花言葉になったという説が有力です。
日本では、ナズナの果実をしゃみせんのバチに例えて、「ぺんぺん草」や「しゃみせん草」という別名が付いていますが、同じものを見て何を連想するか、国ごとに異なるのはとても興味深いですよね。
ナズナの開花時期
ナズナは、季節で言うと春の花ではありますが、まだ寒さが残る2月から開花し、6月頃まで咲き続けます。1つの花の開花期間は3日程度ですが、複数の花が茎の先端にまとまって咲くので、比較的長い間花を楽しむことができます。全盛期には、一面に白い花を咲かせ、とてもきれいですよね。
ナズナの誕生花
ナズナは1月17日生まれの人の誕生花です。1月はまだ寒さが厳しいため、花は咲いていない地域が多いですが、芽は出てきていますので、ぜひ探してみてくださいね。もし、1月17日に誕生花を贈りたいと考えている人は、ドライフラワーやハーバリウムといった形で贈るのも良いかもしれませんよ。
ナズナの食べ方
春の七草として、ナズナはおかゆにして食べますが、ナズナは普通の野菜と同じような食べ方もできます。もちろん、道端に生えているナズナも食べることができますが、動物の糞尿や排気ガス、除草剤などの農薬による汚染が心配される場所に生えているものは、食べないようにしましょう。
また、生長しきったものは固く、食べにくいので、できるだけ若葉を選ぶようにしましょう。ナズナを食べて、暖かい季節の訪れを舌で感じてみてくださいね。
ナズナのおひたし
ナズナのおひたしは、ナズナの味をダイレクトに味わえる、おすすめの食べ方です。ナズナをきれいに洗ってから、さっとゆでて、醤油を掛ければ完成です。ナズナには、さほどえぐみはえりませんが、気になる場合は茹でる前に15分程度水に浸け、あく抜きをしましょう。
ナズナのチヂミ
ナズナはチヂミにしても美味しく食べることができます。ナズナは葉物野菜で言う「1束」程度用意し、よく洗って、根を切り取り、柔らかくなるまで茹でてから細かく刻んでおきましょう。通常のチヂミのレシピの、ニラに相当するため、ニラの代わりに入れても良いですし、ニラとナズナを半分ずつ入れても美味しいです。
ナズナの餃子
ナズナのしゃきしゃきとした食感を活かせる、餃子もおすすめのレシピです。 通常の餃子を作るレシピの中の、キャベツやニラの代わりにナズナを使用するイメージです。ナズナは、先に茹でておいた方が良いですが、茹ですぎると食感が失われてしまうので、色が少し変わったらすぐにザルに上げて、水を切ってくださいね。
ナズナの天ぷら
ナズナは、天ぷらにしても食べることができます。ナズナはよく洗ってから、水気を切ります。そして、天ぷら衣を軽く付けて揚げるだけで仕上がる、お手軽なレシピです。
他の野菜や鶏肉などを合わせて、かき揚げのようにして食べるのも美味しいですよ。天つゆで食べても良いですが、塩で食べた方がナズナの美味しさが引き立つので、おすすめです。
ナズナの飾り方
ナズナは、野菜のように舌で味わうこともできますが、観賞用としても楽しむことができます。ナズナはどこにでも咲いていて、シンプルな植物ではありますが、その1つ1つをじっくり観察してみると、愛らしい姿に魅了される人も多いのではないでしょうか。
実際、ナズナはフラワーアレンジメントなどでもよく使用されています。そのまま花瓶に生けてもかわいいですが、ぜひいろいろな方法で、ナズナの良さを引き出してあげてくださいね。
ブーケや花束
ナズナは、草丈が長く、茎には果実が付いているため、フラワーアレンジに動きを出すのにもってこいの植物です。少し落ち着いた雰囲気の花束や、グリーン系でまとめた花束などに入れると、ナズナの美しさが際立ちますよ。
ドライフラワー
ナズナは、ドライフラワーにすることもできます。ドライフラワーにすると、季節や開花時期を問わずナズナを楽しめるのがうれしいですよね。ナズナは乾いていく過程で、花がかなり小さくなってしまいがちです。
しかし、一方で果実の部分はドライフラワーにしても厚みが残り、とてもかわいらしい雰囲気になります。そのまま花瓶等に飾ってもかわいいですし、スワッグやリースづくりの材料として利用するのもおすすめです。
ハーバリウム
ナズナは、最近流行しているハーバリウムにもおすすめな植物です。すっと背が高いので、ハーバリウムによくある細長い瓶とのバランスが絶妙で、とてもおしゃれに仕上がりますよ。また、ナズナは手軽に入手できるので、ハーバリウムの手作り初心者の方の練習にもぴったりです。
ナズナの遊び方
ナズナは、音遊びの道具としても利用することができます。「ぺんぺん太鼓」とも呼ばれ、一度は遊んだことがあるのではないでしょうか。
ぺんぺん太鼓の作り方
1.ナズナの果実の部分を優しく下側に引っ張り、茎から少し剥がします。 2.茎の下側をつまみ、指の腹をすり合わせるようにしてナズナを回転させます。
ナズナの果実は、たくさん剥がした方が気持ち大きな音が鳴ります。「太鼓」という名前が付いていますが、聞こえるのは太鼓のような音ではなく、シャラシャラという、きれいでかわいらしい小さな音です。 まだ作ったことがないという方は、ぜひ作ってみてくださいね。
ナズナの美容効果
ナズナには、美容効果もあるといわれています。便秘改善やむくみの改善が期待できるため、特にダイエット中の人にはおすすめの植物でもあります。
料理にして食べてもよいですが、「ナズナ茶」にすると、手軽に摂ることができるのでおすすめです。ナズナ茶として販売されているものもありますが、ナズナ茶は簡単に手作りすることもできるので、ぜひ試してみてくださいね。
ナズナ茶の作り方
3月~6月頃、ナズナの花がたくさん咲いている時期に収穫し、ナズナの地上部全てを使ってお茶にします。 1.ナズナをきれいに水洗いします。 2.3日間程度日陰で乾かします。 しっかり乾燥していることが確認できたら、水から5分程度煮出しします。
ナズナ茶の注意事項
ナズナ茶は、むくみなどに効果がありますが、妊娠中の方は飲まない方が良いと言われています。もし興味があって飲みたい場合は、産婦人科医に相談してから飲むようにしてくださいね。
まとめ
ナズナについてさまざまな情報をご紹介してきましたが、いろいろな表情を持っていて、本当に興味深い植物です。ナズナは、とても強い植物なので、あらゆる場所に生えています。遊んで、食べて、飾って、ぜひナズナをフルコースで楽しんでみてくださいね。