もやい結びの用途とは
古くから人類の日常で使われ、「結び目の王」とも形容されるもやい結びは、知っておくことで自宅の屋内でも屋外でも、趣味でも仕事でも活かすことができます。結び方はちょうちょ結びのように容易ですし、覚え方の方法として動画を見ることもいいですね。もやい結びが具体的に日常の何の用途に使えるのかを見ていきましょう。
アウトドアの趣味で活かすことができる
もやい結びを覚えると、アウトドアの趣味を持っている人にとってはかなり有益です。たとえばキャンプで、テントやハンモックのロープを樹木に固定する時、釣りの時に釣り針を取り付ける時、ロープで海水を汲む場面、湖でボートを係留する時など、小型船舶の免許取得でも必要です。アウトドアの趣味を極めている人ほど、もやい結びをその中に活かしています。
仕事でも度々使う機会が出てくる
強度のあるもやい結びは、様々なお仕事の中でも活用することができます。トラックに重たい荷物を固定する時、もやい結びを使えます。重たいものをロープで引っ張る場面、釣り上げる場面でもです。空中に体を持ち上げ高所作業をする林業、ビル清掃、救助活動でも頻繁に使われています。もやい結びを覚えるのは、安全性の向上のためでもあるのです。
もやい結びの歴史を確認しておこう
用途は枚挙に暇がないもやい結びですが、世界で利用されてきた歴史は、意外と長いものがありました。いつ頃からもやい結びは存在して、どんな使い方がされたのかは気になります。そしてもやい結びの呼び名にも、興味を惹かれるものがありませんか。
石器時代から使われていたというもやい結び
欧米の英語圏では、もやい結びはBowline(ボウリン)、Bowline knotと呼ばれています。今から数万年前の石器時代の段階から、すでにもやい結びが使われていたと言います。もやい結びにより船を浜辺に係留したり、漁の時の網に使ったりした形跡が確認されています。
日本のもやい結びの「もやい」の意味はなに?
日本ではもやい結びと言いますが、「もやい」とは何のことか知っていますか。漢字で書くと「舫い(もやい)」であり、これは船を係留する意味を持っていて、英語のボウリンと全く似た意味合いであるのです。なお、イースター島のモアイ像や、渋谷のモヤイ像は一切関係ありませんので、間違えないようにしてください。
1・もやい結びを簡単な図解で覚えてみよう
もやい結びのやり方は、文章よりも図解を見ることによって、スムーズに覚えられるようになります。わからないようであれば、まずは画像を用意するところから初めてみてください。もやい結びの図解は、ネットの画像検索からでも手に入れることが簡単にできます。手元にロープや紐を用意して始めてみましょう。
a・まずは∝型を作るところから
最初は紐で輪っかを作るところから始めます。∝の形は、筆記体のLと覚えることもできます。この時に気をつけたいのが、輪っかを作る時に重ねた紐の上下を間違ってしまうことです。ここでやり方を間違えてしまうと、もやい結びを完成させることができません。必ず輪っかは「紐の先端側が上に重なること」を意識してください。
b・輪っかにひもの先端を通すこと
輪っかを作ったあとは、作った輪っかに、紐の先端を通します。紐が通ることによって、輪っかが2つになり、8の字が作られることになります。この時の注意すべきポイントは、輪っかの下側から上側に紐を通すことです。上から下に入れてしまうと、もやい結びは上手くいきません。
c・反対側の紐に引っ掛けて2番めの輪っかに戻す
もやい結びの最後の段階です。2つ目の輪っかを作ることができたら、紐の先端を反対側の紐に引っ掛けます。そしてUターンして、2番めの輪っかに上から通します。中の紐をぎゅっと引っ張ることで結び目が固まって完成し、強度を得ることができるでしょう。輪っかの大きさの調整も自在なことを確認してください。
2・見れば簡単!もやい結びの解説動画を紹介!
もやい結びの覚え方は画像を見てもわかりやすいですが、動画を見ることによって、さらにやり方の理解度が高まることになります。適切な動画は探すのが面倒な方にも、この場で適切な動画をご紹介しています。ここでもやはり手元に紐を用意しながら、実践してみてください。
動画を見ることにより理解度が向上
動画を見るもやい結びの覚え方が推奨される理由があります。画像だと静止画なことで利点がありますが、動きまではわかりません。一方で動画のもやい結びのやり方は、一連の動きが一体となって全て見れるので、もやい結びの真似がしやすいというのは大きな利点になるでしょう。
もやい結びの動画はこんなキーワードで探すことができる
もやい結びのやり方の動画はネットに幾つもあります。グーグルやYouTubeで「もやい結び」と検索すると多数登場します。あるいは英語で「Bowline」で検索をすることでも、もやい結びの動画が登場します。いろんな動画をどんどん見ることで、単純なもやい結びにも気づくことがあるので、チェックをしてみてください。
3・もやい結びを覚えるならば練習することが大切
毎日1分の練習だけでも体で覚える
もやい結びの覚え方では、なにも365日24時間ずっと練習をする必要などありません。1日にわずか1分だけ、画像や動画を見ながら練習をするだけでも、それを継続していけば確実に2~3日で完璧に覚えることが可能になります。すぐ練習ができるよう、紐やロープは身近なところに用意しておきましょう。
もやい結びは常に現場で使っていてこそ身につく
もやい結びの練習は大切ですが、練習だけ繰り返していてもダメなのを知っていますか。何事でも同じですが、ただ単純に練習を繰り返しているだけでは、現場で使えるもやい結びにはなり得ません。確実な覚え方をするなら、アウトドアでの趣味の現場で仕事の現場でもやい結びの実践を重ねて行くことも大切です。
もやい結びには関連する結び方がある
もやい結びの基礎が分かったところですが、もやい結びには基礎を応用したり、関係している違った結び方も存在しています。練習を重ねて、もはやもやい結びのプロと言えるほど完璧にこなせるようになったら、こちらも調べて覚えて実際に使ってみたいですね。
様々なもやい結びの親戚を知っておこう
「一重継ぎ」は機結びとも呼ばれて昔から使われていますが、これは紐やロープの端同士を繋ぐ時の結び方であり、もやい結びが応用されています。「二重もやい結び」とは、紐を二重にしてもやい結びを作る方法です。これは主に救助活動などで使われていて、強度が高い方法の1つです。いずれも動画でも見ることができます。
外国のもやい結びの親戚にはこんなのがある
「イングリッシュマンズ・ノット」は、もやい結び・止め結びの2つを組みあせて、水に濡らすと強度が向上し解けにくいという性質を持っている方法です。「スペインもやい」という方法もあり、これも道具を吊るしたり救助活動に使われているのですが、結び方は通常のもやい結びとは違って別種ということです。これも動画で確認してみてください。
もやい結びが評価される理由
もやい結びは自分が使う結び方なので、自分さえ覚えていればそれで構いません。しかしそのせっかく覚えたもやい結びは、誰かのために使ってみませんか。自分が身につけたもやい結びによって、誰かに喜ばれたりするなら、自分自身の評価も上げることに繋がります。
率先してもやい結びを使って人を助けてあげよう
救助活動の用途でも使えるもやい結びですが、人を助けてあげると言っても、それは別に人命救助の意味だけではありません。キャンプや仕事現場など、人が大勢いる場所でもやい結びが必要になった時です。結び方を知っているからこそ、誰より率先して行動することができます。それが自然と周囲を助けることに繋がっています。
もやい結びを人に教えてあげよう
せっかく完璧に覚えたもやい結びなので、これは自分だけで使っているのはもったいないことです。キャンプや日常生活の中で、家族や一緒に行動する友人知人に対して、もやい結びを教えてあげてください。教えてあげることで自身の評価に繋がるだけでなく、自分の身近なところのレベルアップにも繋がるはずです。
まとめ
もやい結びは太古の昔から、人類に使われた伝統的な結び方でした。全く知らない人にとっては未知の結び方でしかないですが、図解や動画を使った覚え方は簡単であり、わずかな練習を重ねることでやり方が身につくことも分かりました。お仕事でもアウトドアの趣味でも必要になる結び方であり、知っているの知らないのでは、今後の生活も違ってくる存在です。いろんな場面でもやい結びを使ってみて、毎日に活かしてみてください。