シーケンシャル(流れる)ウインカーとは?
現在ウインカーは車の中でも自己の車両の行き先を示す方向指示器として、また後方車両に危険を知らせるハザードなどとして重要な保安部品となっています。 最近では、高級外国車が流れるタイプのウインカー(シーケンシャルウインカー)を搭載した車種を投入したことにより、日本のメーカーでもレクサスやトヨタのC-HRなどがこれに習い搭載するようになりました。
シーケンシャル(流れる)ウインカーの特徴
複数の球によって構成されている
シーケンシャルウィンカーは流れるという特性上から複数の球を順番に点灯させる必要がありますので、ひとつのウインカーの中に最低でも5個多いもので40個もの球が入っています。
最近のものはほぼすべてがLED
最近の車両はヘッドライトやスモールランプなどがLEDを搭載している車両が多く(メーカーや車種・グレードによってオプションで設定をする)持ちがよいようになっています。 これに伴いウインカー部分もLED化する傾向にあり、例えばシーケンシャルウインカー標準搭載車のC-HRも下位グレードのSはLEDヘッドライトを選択できませんが、スモールランプ部分はLEDが標準となっているため、シーケンシャルウインカーとなっています。 ※C-HRでも上位グレードと特別仕様車はLED選択可
シーケンシャル(流れる)ウインカーの特徴
シーケンシャルウィンカーでは、流れるパターンや速度をある程度調整できることが出来ます。また、取り付けられているのが最近では高級車に多くなっておりますので、搭載車にも同様に高級感が出ることが特徴です。
車種によってはフロントだけの場合も
今画像を出しているハリアーや上で例に出しているC-HRはフロントのみが流れる仕様となっていますので、車種のよっては前か後ろのどちらかだけが採用されている場合もあります。C-HRなどの場合は両側にシーケンシャルウインカーを搭載する場合には後付けする必要があります。 ※同じトヨタグループでもレクサス車は前後シーケンシャルの車種が多い。
最近ではバイクへの取り付けも
最近ではバイク用のウインカーキットも販売されていますので、シーケンシャルウインカー使用のバイクも数が増えてきています。バイクの場合250cc未満の車両は車検を受ける必要が無いということも一つバイクの強みとなっています。
シーケンシャル(流れる)ウインカーを搭載している車種
アウディA8
アウディのライトや技術は日本の車種にも多大な影響を与えました。このアウディA8は現在のシーケンシャルウインカーブームの火付け役となっており日本車や輸入車を含めて多くの車種へ影響を与えました。
レクサスRX
日本車の火付け役となったのがこのレクサスRXです。日本の高級車の代名詞となったレクサスですが、前後療法にシーケンシャルウインカーを採用しています。レクサスではこの他にもレクサスNXやレクサスLXに加えて、今後販売される予定のコンパクトSUVレクサスUXにも搭載される予定です。
トヨタ C-HR
トヨタの世界戦略車として発売されているC-HRはフロントのみ純正のシーケンシャルウインカーが搭載されている車種です。コンパクトでありながら世界戦略車のの位置づけをもつC-HRはその名の通り世界の流行を取り入れた車種となっております。
トヨタ ハリアー
C-HRと同じくトヨタ自動車が販売しているSUVでミドルクラス車となります。他のメーカーの同じクラス・グレードよりも価格が高い分、高級感がありその高級感を演出するための要素の一つとしてシーケンシャルウインカーが採用されています。リアはノーマルのウインカーですがこれも後付けでシーケンシャル化可能です。
車検におけるウインカーの基準
日本で自動車に乗る場合に避けて通れないのが車検です。ウインカーは自車の行き先を他の車両に知らせるという重要な役割があるため、車検に合格するためにはこの基準をクリアする必要があります。 特にメーカー純正ではなく後付けできるキットや、自作などで後付けした場合には車検基準をクリアするための加工が必要となりますので注意が必要です。
法律で決まっている車検基準とは
車検は法律の上では道路運送車両法で定められているものであり、この中にはウインカーの基準が存在します。これには取り付け位置など細かな項目が設定されていますが、シーケンシャルウインカーにかかわる部分だけを解説します。 1.色が橙色であること 2.点灯の回数が1分間に60-120回であること。 という条件があります。またシーケンシャルウインカーの場合は初めのランプが点灯してから、最後のランプが点灯するまで初めのランプは消えてはいけませんので、その点も注意が必要です。
シーケンシャル(流れる)ウインカーの車検対策
車検の基準はわかったけれど、実際に車検に通るにはどうすればいいのか?そんな不安があると思いますのでこの項目では車検対策をご紹介します。自動車に限らずバイクにも共通している部分ですのでご参考になさってください。
メーカー純正でシーケンシャルウインカーの車種を買う
メーカーは車検に通るように車を設計していますので、この方法が一番簡単です。もし万が一車検に通らないなんてことがあればメーカーを巻き込んでの大問題になってしまいます。 ただし、バイクには純正でシーケンシャルウインカーの設定がある車種がないという欠点がありますし、購入できる車種も限られてしまいます。
純正パーツを残しておく
後付けのシーケンシャルウインカーを自作やキット取り付けを行った場合は、万が一のことを考えて純正ウインカーのパーツを残しておくことをお勧めします。特に自作の場合が重要です。最悪、車検の際には純正に戻して車検を受けるという抜け道的な手段があります。 ただし、自作品やキットを再取り付けする必要がありますし場所や時期によっては抜き打ち車検を行っていることもありますので注意が必要です。
シーケンシャル(流れる)ウインカーDIYキット
車種によって専用のキットがある
車種ごとにウインカーの設置位置や大きさは異なってきますので、それに合わせたサイズや配線とその説明書が付属しているシーケンシャルウインカーキットを使用するのがおすすめです。ただし、車種によってはウインカーキットが販売されていない車種もあるので、そういった場合には自作する必要があります。 車種専用に調整されているため車検対策やモノによっては点灯パターンを選択できるものもあります。
車種専用が無い場合は、汎用キットを加工する
この方法は、車種ごとに専用に用意されているキットではないためある程度加工が必要となってしまいますが完全な自作よりは完成度が高いものが製作できる方法です。また、下手な加工を行ってしまうとずれなどが生じ後付けであるということがモロに見えてしまうという注意点もあります。
シーケンシャル(流れる)ウインカーの自作とは
専用キットがなく、汎用キットも使えない場合の方法
最近の車種の多くは、ヘッドライトとウインカーが一体となっているため汎用のキットで後付けすることができますが、ウインカーとヘッドライトが別々の場所にあるなど汎用キットが使えない場合はLEDランプと回路を組み合わせて自作する必要があります。 この場合、車検に通せる仕様のものを製作するのはかなり難易度が高く配線にも注意が必要です。
自作シーケンシャルウインカーが車検に通らない原因
車検に通るシーケンシャルウインカーを作る場合は、始点ランプから終点ランプが最後まで同時に点灯する必要があります。ですが、この動画でも最後のランプが点灯する前に始点のランプが消灯しているためキットではなく自作のシーケンシャルウインカーを使用した場合の最大のネックとなっております。 また、ハロゲンを使用している車種などの場合は抵抗が減ってしまい片方のランプが消えてしまっていると認識してランプ点灯が高速になるハイフラッシャーを起こすので、その対策として抵抗器を間に挟むなどを行う必要がありますが、これは配線に割り込ませるパーツですので電気的知識がない場合不必要な配線をカットしてしまうなど事故の原因となってしまいます。
自作の際の最大のデメリット
ウインカーなど電気的部品を自作し、取り付けた場合の最大のデメリットはディーラーやメーカーの補償が受けられなくなる可能性があるという点です。必ずそうなるというわけではありませんが、配線に電気抵抗を挟むなどといった改造を行った場合には、ディーラー補償や整備が受けられなくなってしまうケースが多々ありますので、これから自作を検討されている方は注意していください。
シーケンシャル(流れる)ウインカーのまとめ
現在純正で採用されている車種は高級車が多い
シーケンシャルウィンカーの火付け役であるアウディA8をはじめメルセデスやBMWのハイグレードモデル車種に加え、日本ではレクサスと各メーカーの中でもフラッグシップクラスのモデルがシーケンシャルウインカーを採用していますので、高級車に搭載されているイメージがあります。当然メーカー純正なので車検の問題はありません。
シーケンシャルウインカーは条件を満たせば車検OK
色が橙色で、なおかつ60-120回点灯するという条件を満たせば自作のシーケンシャルウインカーでも車検を通すことが出来ます。ただし、1回の点灯で終点のランプが点灯する際に開始点のランプが点灯し続けている必要がはうるので注意が必要です。
自作の場合は補償がなくなる可能性も
電気的な部品に加工を加えたりする場合はディーラー補償がなくなってしまう危険性がありますので、注意してください。ただ配線を取り付けるだけのものならば問題になりにくいのですが、配線の途中で抵抗器やユニットを組み込むタイプのキットや加工を行う場合は補償対象外とされる場合がたた報告されています。
おまけ
今では高級車に搭載されているが
シーケンシャルウインカーを搭載した車の元祖と言えば、実はデコトラなんです。今でこそバイクにも取り付け可能な現在ではほとんど街中で見かけることがないデコトラですが、特にリアバンパーに複数のランプを搭載したシーケンシャルウィンカー仕様の車両がありました。
昔のシーケンシャルウインカーはランプが少なかった
この動画のウインカーはLED製なのでひとつの点灯部に複数のランプが入っていますからランプの数は多いです。ですが、昔はLEDがなく一つ一つハロゲンの球を使用していたりしましたので、この動画の車両であれば片側3つずつのシーケンシャルウインカーという仕様になっていました。
元祖なのに現代で見かけられない理由
現代においては、近隣住民に対して威圧感を与えるなどの理由から運送会社側がデコトラの入場を禁止しているところがほとんどなため、輸送用のトラックとして使用することが出来ません。 イベントや趣味の車両として現存こそしていますが、シーケンシャルウィンカーなどドレスアップパーツを搭載したデコトラは運送業という意味では街中で見かけることはなくなってしまったのです。