検索アイコン
エックス
Facebook
LINE

ポリカーボネート(PC)とは?材質の特徴と用途を詳しく解説!

プラスチックは熱に弱いイメージを持っている人が多いかもしれませんね。しかしポリカーボネートは同じプラスチックでも熱に強く強度も高く、それでいて加工もしやすいという優れ物です。そのためポリカーボネートは意外と身近な製品に使われてます。
更新: 2021年2月6日
揚げ餅
※商品PRを含む記事です。当メディアはAmazonアソシエイト、楽天アフィリエイトを始めとした各種アフィリエイトプログラムに参加しています。当サービスの記事で紹介している商品を購入すると、売上の一部が弊社に還元されます。

ポリカーボネートとは

産まれはドイツ

ポリカーボネートは1953年にドイツのバイエル社が開発した熱可塑性プラスチックの一種です。日本では1971年に三菱ガス化学が量産化に成功し、国内シェアはトップを占めています。発見は1898年には発見されていたのですが1953年まで製品化すること出来ませんでした。

材質はプラスチック

ポリカーボネートとはプラスチック素材の一種です。一般的にプラスチックは軽いけどれすぐに割れたり熱に弱く、チープに見えたりして安っぽい印象になるかもしれません。しかしポリカーボネートはハンマーで叩いても壊れることがなく、熱にも非常に強いプラスチックでありながらまるで別の材質のような特性をもっています。

ポリカーボネートは透明度のある素材

ガラスのような特性

ポリカーボネートは非常に透明度の高い特性をもっています。そのためアクリル樹脂(アクリル板)と同じように有機ガラスに分類されます。有機ガラスとは透明度の高いプラスチック製品の事をさします。

若干アクリル樹脂より透明度は落ちますが普通のガラスと同等の透明度を持っています。材質としては強度もあるので航空機の窓に使われたりしています。

透明度の高さを利用した用途

航空機の窓以外にも鉄道の窓、幼稚園の窓など安全が求めれる場所に使われています。他には光を通すのでCDやDVDなどの光学機器、光ファイバーなどに使われたり、自動車のヘッドライトカバー、信号機、自動車のヘッドライト部分のレンズ、照明器具のレンズなどにも使われています。

ポリカーボネートは耐熱性のある素材

一般的にプラスチックは火に弱い材質です。アクリルも同じように火に弱いのに対しポリカーボネートは非常に日に強く燃えにくい特性です。およそ130度までの耐熱性を持っています。

これはプラスチックの中でも高めの温度です。また耐熱性と言うのは高い温度だけではなく低い温度もあります。ポリカーボネートはおよそマイナス100度まで耐えることが出来ます。


耐熱性を活かした用途

低温に非常に強いことから冷蔵庫、雪かきにつかうスコップ、また高温に耐えることができるので電子レンジ、哺乳瓶や食器など暖かなものを入れたり冷たい物をいれるという日用品にも使われています。

ポリカーボネートは強度のある素材

強度は既にプラスチックではない

耐衝撃性は一般的なガラスの200倍以上と言われています。このため誤って落としても、ハンマーで叩いても粉々になるということはなく、基本的には割れないという非常に強度な素材です。

ただしここで言う強度は割れたり砕けたりしないという事で傷が付かないという訳ではないので気をつけてください。ポリカーボネートはアクリルと比べると傷は付きやすい材質です。

強度を活かした用途

非常に強度があることからポリカーボネートは軍事用品にも使われています。映画などの立て籠もり事件警察官が透明の盾を持って犯人が立て籠もっている家屋を包囲するシーンがあると思いますが実はその盾はポリカーボネートで出来ています。

特殊部隊などのヘルメットの透明なサンバイザーみたいな部分もポリカーボネートで出来た防弾バイザーです。

紫外線にも強い

紫外線による劣化は少ない

紫外線にも強く劣化することは少ないので一般的なプラスチックよりも屋外で使用されることが多いです。一般的なプラスチック(ポリプロピレン製)は紫外線を浴び続けると発色が変わってきたり、脱色してしまい白くなる、強度が極端に落ち少しの衝撃でもあっさり折れてしまいます。

耐紫外線性を活かした用途

サングラスや眼鏡、スイミングゴーグルなど真夏のレジャーで使う物によく使われています。

形成(加工)がしやすい


ポリプロピレンなどの他のプラスチックと同様に

強度があると固く加工しにくいのかと思われますがポリカーボネートは他のプラスチックと同様に収縮性がり同じように成型することができます。加工がしやすいので大きな製品から小型の製品と幅広く使われています。

また加工がしやすいので細かいところまでデザインをすることが可能でiPhone5では本体の外装に使われていました。

素材を活かした身近にある製品

日用雑貨

強度が高いだけではなく加工が容易なので日用雑貨にもよく使われています。スーツケースの外装として用いられたり、ラジコンカー、ミニ四駆のボディーやパーツに使われたり20年ほど前にブームにもなったハイパーヨーヨーなどおもちゃにも使われたりしています。

万年筆やオフィースチェアーなどにも使われています。文房具では万年筆だけに限らずカッターやハサミのプラスチック部分、筆箱などにもポリカーボネートが使われています。

特に身近にあるポリカーボネート製の日用雑貨

洗濯物を干す時に使う洗濯ハンガー、洗濯バサミなどはポリプロピレン製(PP)がありますが紫外線に弱く劣化したすいので少し価格が高くなるのですがポリカーボネート製の洗濯バサミ、洗濯ハンガーが多種多様にあります。少し高めの洗濯ハンガー、洗濯バサミなどはポリカーボネートで間違いないです。

電子機器

iPhone5のボディーだけではなくMacBookWhite(アップル社のノートパソコン)では筐体がポリカーボネート使用されています。アップル社だけではなく強度があるので家庭用ゲーム機、携帯ゲーム機にも使われています。

また強度だけではなく変形しにくいのでICカードの基盤やプリンターなどの複写機などにも使われています。強度と加工が容易なので携帯電話やSDメモリーカード、フラッシュメモリーなどの小さな物やデザインが細かい物にも使われています。

特に身近にあるポリカーボネート製の電子機器

電子機器ではありませんが関連するものでは一番身近にあるのはスマホケースです。ソフトケースではなく硬いハードケースの大半がポリカーボネート製です。商品の材質表示で「PC」なっているものはポリカーボネートです。

強度と耐熱と透明度があるのでスマホケースにしやすいのと硬いのでプリントやシールなどを施しやすいのでよく使われています

アウトドアや屋外で使われるもの

デジタルカメラのボディー、双眼鏡のボディーなどアウトドアで使っていて万が一落としても大きく損傷しないようにポリカーボネートで作れています。

また紫外線に強く頻繁に外気にさらしても劣化しにくいので衝撃と劣化の二重対策としてポリカーボネートが選ばれています。他には温室の壁や天井板、サンルーフなバルコニーどにも使わています。

波形の板などもホームセンターで簡単に手に入るのでDIYで使われることもよくあります。


自動車やオートバイにも使われている

自動車、オートバイのヘッドランプレンズ、テールランプ、ヘルメット、新幹線の荷棚や証明カバー、自動車のハンドル部分オートバイの防風にも使われています。

これはポリカーボネートの持つ透明度の高さ、衝撃に強い強度、高温、低温に強いという特性が活かされる場所です。特にランプ類は内部は熱を持ち、外側は外気に晒され低温になるので通常のプラスチックではすぐに劣化してしまいます。

家庭用品

屋外で使用できるポータブルコーヒーメーカーやミキサー、アウトドア用マグカップ、計量カップなどにも使われています。これらも衝撃に強く透明で高温にも強い特性があるのでポリカーボネートで作ることが出来ます。

カミソリの柄やキャップ、化粧品などのキャップなんかにも使われています。必ずしも透明ではないのでポップな子供用のプラスチック製の箸なども材質表示などを見るとポリカーボネート製になってるかもしれません。

工具類

電動工具の大半のボディーはポリカーボネートです。屋外で使うのとやはり強度があるので使用されます。またポリカーボネートで出来たネジもあります。特に透明なボルトを見けたらそれはポリカーボネート出来います。同様にナットもポリカーボネートで出来ているものがあります。

まとめ

高性能と加工の自由度が両立出来ている

ポリカーボネートはボルトやナットの用に精密な形を作ることも、波形の板のようにざっくりとした形状の物もあります。これは加工が従来のプラスチックと同様に非常にしやすい為です。

最近は3Dプリンターでの使用もできるようで簡単にポリカーボネート製パーツを作ることが出来るようになりました。また、透明度の高さ、強度、耐熱性があるので様々なものに応用され工業用ものから身近なものまでたくさんあります。

汎用性が高くコストも金属より安いので新製品への応用が期待される素材です。