梅の特徴
梅は日本では桜や桃のように春に咲く木として有名ですが、桜や桃のように綺麗で可愛らしい花を咲かせることやおいしい梅の実がなることは皆さんご存知でしょうか?梅は身近な木で公園や庭でよく見かけますが、原産国や枝葉の特徴など意外と知らないことも多いと思います。まずは梅の特徴について紹介します。
梅の歴史
梅は元々中国で栽培されていました。中国では梅は2000年ほど前から腰や胸の痛みを和らげる薬としてや、調味料として使われていました。日本には平安時代の頃に伝わったと言われています。
当時の貴族は梅の花を主に楽しみ多くの梅の木を庭に植えたと言われています。その後梅干しも作られるようになりました。日本で本格的に梅が栽培されるようになったのは江戸時代の頃からだと言われています。
梅の枝葉の特徴
梅の木の枝は真っ直ぐ上に伸びるため高さは5m~10mほどに達します。枝は太くゴツゴツとしています。葉は丸みの強い楕円形をしていて長さは5㎝ほどです。葉の表面には細かい毛が生えています。梅は落葉樹のため秋ごろに葉を落とします。
梅の開花時期
梅は2月~3月頃の時期に2,3㎝ほどの大きさの赤やピンク、白の香りの良い花を咲かせます。花びらは丸く枝にくっついて咲きます。梅は枝の1つの節につき1つの花をつけるため桜や桃のようにたくさんの花はつけません。
梅の実の収穫時期
梅に雨と書いて「梅雨」というように梅は6月の梅雨の時期に実をつけます。実をつけ始めた頃の青い梅は有毒な成分が含まれている上、酸味が強く実は固いため梅酒などに加工して使われることが多いです。
一方、しばらく経ち黄色く熟した梅は甘く、実は柔らかいため梅干しやジャムなどに加工して使われることが多いです。梅の実にはクエン酸が多く含まれているため疲労回復や骨を強くするのに効果があり健康に良いです。
梅が好む環境
梅は日当たりと水はけがよく、年の平均気温が7度以上の場所で良く育ちます。ー4度以下の低温になると実がならなくなってしまいます。梅の生産量が一番多い和歌山県は、日当たりが良く温暖な気候で雨もほどよく降るため梅が育つには最適な環境です。
梅の剪定時期
梅の剪定は春夏冬の3つの時期に行います。「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」ということわざがあるように、桜の枝は切らないほうが良いですが、梅はよく枝が成長し、多少の強い剪定にも耐えられます。
そのため梅は必ず剪定をしたほうが良いです。剪定をすることで木全体の見た目が綺麗になる他、日当たりが良くなり栄養を梅の木全体に行き渡らせることができ、害虫の予防にもなるため適切に手入れをしましょう。
梅の剪定方法 用語説明
園芸に詳しくない人にはあまり馴染みがない言葉がの説明をします。他の木や植物などの剪定の仕方を調べたときにも頻繁に出てくる言葉なので名前や意味を覚えておきましょう。
徒長枝とは
徒長枝とは勢いよく真っ直ぐ伸びた枝のことです。そのままにしておくと徒長枝ばかりに栄養が集中してしまい他の枝の成長が遅れてしまうので短く切るなどの手入れが必要です。
切り戻しとは
切り戻しとはの伸びた枝を短く切ることです。剪定は主に切り戻しのことを指し、「切り戻し剪定」とも言われます。
間引きとは
間引きとは密集している部分の一部の枝を切り戻して数を少なくすることです。間引きをすることで栄養を他の枝に集中させることができ、よく成長します。
剪定に使う道具
剪定作業にはいくつか道具が必要です。様々な種類があるため、自分に合っていて使いやすいと思える道具を選びましょう。いい道具は作業をはかどらせます。
刈り込みばさみ
刈り込みバサミとは持ち手の長さが平均50㎝~70㎝ほどある長い剪定用のはさみです。高いところにも届きやすく葉が長いため切りやすく便利です。使い方は、まず柄の部分の真ん中の部分を持ち右利きの場合は左手は動かさずに右手を動かして切るとやりやすいです。使い終わったあとはさびないように油を塗っておくと長持ちします。
剪定ばさみ
剪定ばさみとは長さ10㎝~15㎝ほどのはさみです。片手で使え、コンパクトなため小回りが利きます。自分の手のサイズと合ったものの方が持ちやすいため使いやすいです。使い方は、工作ばさみのように片手で持ち切っていきます。
太めの枝を切るときは木の繊維に対して斜めに刃を入れると切りやすいです。使い終わった後ははさみの支点の部分に油を塗っておきましょう。
のこぎり
梅の木は太い枝も多いためはさみでは切りづらいこともあります。太い枝を切るときにはのこぎりを使うと便利です。のこぎりを使って太い枝を切るときは一回で切ろうとせず、枝先の方から何回かに分けて切ると途中で裂けて切り口が汚くなるのを防ぐことができます。
脚立
脚立を使うと高いところでもよく見渡せ、作業がしやすくなります。四脚の脚立だと木にぶつかりやすく作業しにくいです。そのため三脚の脚立の方が作業しやすく比較的安定していておすすめです。使用するときは水平な場所に置き倒れないよう安全に使いましょう。
手袋
枝やはさみなどの刃で手を傷つけないためにも手袋をつけましょう。滑り止めがついているものだと道具を持つときも滑りづらくなるのでより安全に作業することができます。生地が薄めのものだと細かい作業がしやすくなります。用途に合わせて選びましょう。
梅の春の剪定方法
梅の花が咲き終わった後の春の時期に開花した枝についている枝を3~4芽ほど残して切り戻します。4月頃にはしっかりとした強い新芽が出てきます。このような芽は徒長枝になりやすく、見た目が悪くなってしまうので摘んでしまいましょう。枝が混み合っていて見栄えが悪い場合は間引きをしてすっきりとさせましょう。
梅の春の剪定の注意点
梅の春の剪定での注意点は切り戻し過ぎないことです。来年咲くはずの芽も切り戻してしまう可能性もあるので気になる部分だけ切り戻しましょう。加減が難しい場合は新芽だけを摘んで後は夏まで放置しておくのもありです。樹形を整える程度の剪定で十分です。
梅の夏の剪定方法
梅は7月~8月の夏の時期に花芽をつけます。花芽とは後に花になる小さな芽のことです。花芽がついたことが確認出来たら不要な枝を切って切り戻しをし、枝の3分の1程度を残します。切り戻す枝は、徒長枝、長く伸びた枝、根っこの方から伸びた枝、木の幹の方に伸びた枝です。交差した枝は元気のない方を切り戻します。
梅の夏の剪定の注意点
梅の夏の剪定の注意点は枝を外芽が生えている部分で切り戻すことです。外芽とは木の外側に向かって生えている芽のことです。外芽の部分で切り戻すことことで徒長枝が生えてくることが少なくなります。また夏は害虫がつきやすいため注意です。消毒をすると害虫が寄り付きにくくなります。
梅の冬の剪定方法
冬も夏と同様に手入れをします。徒長枝や長く伸びた枝、根っこの方から伸びた枝、木の幹の方に伸びた枝を選定します。枯れてしまった枝も切り戻してしまいましょう。混み合っている場所は間引きし、樹形を整えます。
梅の冬の剪定の注意点
梅の冬の剪定の注意点は春と同じように切り戻ししすぎないようにすることです。葉が落ちているため全体が見やすくついつい切り戻したり間引きしすぎることがあるので注意が必要です。樹形を整える程度にしておきましょう。
まとめ
いかがでしょうか、梅の木は春夏冬の時期に剪定を行います。梅は枝がよく成長するため多少の強い剪定にも耐えられる木です。少し思い切って手入れするくらいがちょうどいいですがあくまでも切り戻しすぎには注意です。
また自分に合った使いやすい道具をつかって安全に剪定しましょう。適切な時期に正しい剪定をして綺麗な花とおいしい実がなる梅を庭で育てましょう。きっと華やかな庭になりますよ。