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ふわふわの花!猫柳(ネコヤナギ)とは?名前の由来や花言葉をご紹介!

春先によく見る白くてふわふわの猫柳。猫の毛のようになめらかでしなやかなその姿は、猫好きならずともつい触りたくなる魅惑の植物です。猫柳のあのふわふわって花なの?実なの?そのナゾの生態や花言葉、その名前の由来や自分で育てる場合の留意点などについて調べてみました。
2020年8月27日
豆飼
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猫柳とは?

猫柳は、ヤナギ科ヤナギ属の落葉低木樹で、別名狗尾柳(エノコロヤナギ)と呼ばれます。湿地を好み、山間部から平地まで河川などの水辺に多く自生しています。北海道から九州まで日本各地で見ることができる植物です。早春に咲く白くふわふわした綿毛が特徴的で、その滑らかな質感と美しさから生け花などにも使用され好まれています。

出典: https://item.rakuten.co.jp/greenbox/800702/

白綿のようなふわふわが特徴的

猫柳のふわふわは花?

猫柳の最大の特徴でもある白いふわふわした物。これは実は花なんですが、正確には「花穂(かすい)」といいます。稲穂のように、長い花軸に花が群がってつくもので、猫柳のほかにはススキやエノコログサなどがあります。 猫柳は柳の中でも早く咲き早春に花穂が開くため、春の訪れを知らせる花として親しまれています。まだ肌寒い季節に咲く白いモフモフが温かみがあって和みますね。また、この花穂の先は必ず北を向くため、モクレンやコブシなどもそうですが「コンパス(方位磁針)プラント」と呼ばれます。

出典: https://item.rakuten.co.jp/greenbox/238501/

ふわふわの花穂

猫柳の名前の由来

白くモフモフした綿毛に覆われた花穂が猫のしっぽに似ていることから「猫柳」と名づけられたようです。地域によっては「エノコロヤナギ」と呼ぶところもあるようですが、こちらは「仔犬のしっぽ」という意味です。どちらもやっぱり「しっぽ」なんですね。 「ヤナギ」はもちろん、ヤナギ科の植物であることからつけられています。モフモフのイメージが強くて葉っぱのイメージが薄いですが、7~13cmの細長く先のとがったヤナギ科らしい葉を付けます。

猫柳には雄雌がある?

猫柳は雌雄異株の植物です。イチョウなどと同じように株によって雄と雌が分かれ、基本的に雄の株は雄花、雌の株は雌花のみ咲かせます。猫柳の雄花は雌花に比べて大きく、花穂が開いた後にオレンジ色の葯(やく)が先端に付いた「シベ」が出てきます。雌花は成熟すると綿毛に覆われた種が出てくるのが特徴です。

出典: http://www.hanahiroba.com/fs/hanahiroba/c/0000004570

シベが出た猫柳の雄花

猫柳の花言葉

猫柳の花言葉は、自由、思いのまま、率直、開放的、自由な心、気ままなど、どれも前向きで天真爛漫な印象の花言葉です。木全体で見れば、柳の仲間なだけあってちょっと暗く寂しく感じますが、確かに花穂はほんわかしてしなやかで明るい印象があります。名前が猫柳なだけあって、猫のような自由奔放なイメージの言葉が花言葉になっていますね。

猫柳の花言葉は「自由」「努力が報われる」など前向き


色で違う猫柳の花言葉

猫柳は白や銀色のイメージが強いですが、観賞用にピンクや黒に改良された物もあります。ピンクの場合は花言葉も通常の色とは多少異なります。ピンクの猫柳の花言葉は、努力が報われる、率直、自由、親切です。通常と同様にやはり前向きで素直な言葉が多く、それにピンクのイメージらしくあたたかさが加わった印象があります。

猫柳の種類

花言葉の項目でも触れましたが、猫柳には白や銀色っぽいものだけでなく、種類もいくつかあります。背の低い鑑賞に適したものなどもありますのでご紹介します。

猫柳の種類①「銀猫」

よく見る、一般的な白い猫柳です。通常「猫柳」というとこのイメージがありますよね。専門家の間ではその見た目の色から、通称「銀猫」と呼ばれています。

猫柳の種類②ピンク猫柳

ふわふわの綿の下の部分がピンクがかるためにピンクや赤に見える猫柳の種類です。樹高は1.5m程で手間もかからない品種です。庭に植えても美しい色が映えますが、ふわふわでかわいいピンクの枝を切り花として使用できます。色んなアレンジメントでアクセントになりますので人気が高いです。

猫柳の種類③その他の色

普通の猫柳やピンク猫柳のほか、ゴールデン(黄金)猫柳、灰猫柳、黒猫柳など違った色のものもあります。ゴールデン(黄金)猫柳は樹皮の色まで黄金色の珍しい品種です。他の品種よりも開花が半月ほど遅く、サイズも小さめで観賞用に適しています。 灰猫柳はピンク猫柳とは逆で、初めは花穂がピンク色ですが、徐々に灰色になっていきます。黒猫柳は真っ黒な花穂がシックでおしゃれで、モダンなインテリアに合う生け花に適しています。その他、穂が短くてまるっこいピンクパール猫柳などもあります。

出典: https://item.rakuten.co.jp/engei2/106104/

ゴールデンや黒など色んな色がある猫柳

猫柳の種類④四万十猫柳

名前の通り四国の四万十川の川辺に自生する品種です。高さ30cm程度の小型の猫柳の品種で育て方も簡単に手軽に栽培でき、庭植えでもいいですが鉢植えで盆栽としても販売されています。小さいながらもちゃんとふわふわの花穂が咲き、苔のむした盆栽に白いふわふわのコントラストが美しく映えます。

出典: http://b-harukaze.nn.shopserve.jp/SHOP/524.html

盆栽なら手軽に栽培・鑑賞できます


猫柳の育て方

モフモフの猫柳を庭で栽培したり、枝を切って室内にも飾りたいという場合は、ぜひ苗を買って自分で栽培をしてみましょう。ヤナギ科の植物は一般的に栽培方法が簡単で、放っておいても成長するのでむしろあまり植えない方がいいとまで言われる種類ですが、猫柳でしたら樹高1~3m程度の低めの落葉樹なので初心者でも育て方は簡単で安心です。猫柳の栽培や植える時期や植え替え、肥料の与え方などについて見ていきましょう。

出典: http://www.hanahiroba.com/fs/hanahiroba/0000004570/niwaki_nekoyanagi_gin

育てやすい猫柳は初心者にもおすすめ

猫柳の育て方①植える時期

猫柳の植え付けや移植は落葉の時期が適していますので、秋の終わり頃から春の初め頃がよいでしょう。ふわふわの花穂も落葉の時期の3月頃に咲きますので、蕾が付いた状態で販売されている苗を買うと、すぐにかわいらしい花穂が楽しめるのでおすすめです。 なお、土質は乾燥よりも湿気を好みますのでやや粘質の土壌の方が生育がよくなります。湿気を好みますが日陰よりも日当たりの良い場所を好みますので、日の当たる場所で栽培しましょう。

猫柳の育て方②肥料

猫柳の肥料は、2月頃に化成肥料や有機質肥料を株元に与えてあげましょう。肥料が多すぎると枝が伸び放題になって見栄えが悪くなってしまいますが、生育を見て必要そうであれば花が咲いた後にも肥料を与えてください。

猫柳の育て方③植え替え

猫柳の植え替えは、植え付け同様落葉の時期に行いましょう。ある程度生育したものでも枝を切り詰めれば比較的容易に根付き、植え替えも簡単にできます。植え替える際にも土質は乾燥した場所はさけて粘質の湿り気のある日当たりのいい場所を選びましょう。乾燥した場所では枝枯れしやすくなりますので植え替える場所選びは慎重に行ってください。

猫柳の手入れ方法

猫柳の苗を植えたら、次はお手入れです。モフモフの綿毛が咲く前に枯れてしまっては台無しですので、きちんと手入れをしてきれいな綿毛を見たいですよね。猫柳は手入れもあまり手間のかからない植物ですが、水やりや害虫対策、剪定はどうしたらいいのでしょうか。猫柳の手入れ方法についてまとめてみました。

猫柳の手入れ方法①水やり

水辺に自生しているだけあり、猫柳は湿り気を非常に好みます。乾燥すると弱ってしまいますが、水やりする分には与えすぎても腐れたりする心配がないほどです。庭など地植えの場合は日頃から水やりする必要はありませんが、土が乾燥しないように日照りが続く日や夏には水やりをしてあげるといいでしょう。

猫柳の手入れ方法②害虫対策

猫柳は比較的害虫に強い樹木ですが、春先にはアブラムシが付きやすく、梅雨時期にはウドンコ病で葉が白く覆われることがあります。また、湿気が強すぎたり風通しが悪いとさび病という病気になり、落葉の時期より先に葉が落ち始めたりすることがあります。これらの予防のためにも、日頃から葉や葉の裏までよく観察し、予防や駆除のための散布剤をして対策をとっておきます。


猫柳の手入れ方法③剪定

猫柳の剪定は、株元から勢いよく出てくる「ヤゴ」と呼ばれる枝が出てきますので、こちらは早めに切り落とした方がいいですが、ほかは重なり合った余分な枝を切る程度であまり必要はありません。剪定しすぎると次に出てくる枝が細く弱くなってしまう場合もありますので注意しましょう。 剪定の時期は、花が咲いたあとすぐと、生育が良すぎるようだったら6月頃にも剪定しましょう。夏ころにはすでに花芽ができていますので、それ以降に剪定してしまうと早春に咲く花がなくなってしまいますので切り落とさないようにしてください。

猫柳は鉢植えできる?

猫柳は鉢植えでも栽培できます。育て方も簡単で比較的小型の樹木で、品種によっては1m程度の樹高にしかならない物もありますので、鉢植えで軒先や室内で鑑賞するのもいいですね。地植えでの場合同様、乾燥に弱いので水やりは十分に行うようにしましょう。水やりしすぎても丈夫ですので枯れたりはしませんが、土が乾燥しない程度の水やりで十分です。 猫柳の種類でも取り上げた「四万十猫柳」は鉢植えだけでなく盆栽としても人気の高い小振りな猫柳です。苔と花穂のふたつのモフモフがかわいく、とても癒されますね。ぜひ栽培してみてください。

猫柳は挿し木できる?増やし方は?

猫柳は挿し木をすることができます。猫柳は非常に丈夫ですので、挿し木方法も簡単で根が出やすく、高い確率で株を増やすことができます。時期は3月上旬頃に、前シーズンに伸びた枝を切り取って挿し木に使います。長さは20~30cmを使用します。挿し木用の土と鉢を準備し、切った枝を中心に差して、土が乾かないように水やりをし続けます。根付いてきたら、鉢植えの場合は大き目の鉢に、地植えの場合は庭などに植え替えをします。

猫柳を使ったフラワーアレンジメント

猫柳はそのモフモフのかわいらく美しい特徴的な花穂から、生け花やフラワーアレンジメントなど様々な装飾品やアートとしても用いられます。華道ではメインを引き立てる名脇役から、猫柳だけを大胆にあしらったシンプルモダンな印象の物や、モフモフだけを集めたリースなど、様々なアイディアで活用されています。もちろん、鉢植えで猫柳そのままでも十分味があって素敵ですよね。

猫柳は海外にもある?

猫柳はもちろん海外にもあります。英語では”pussy willow”や”cat kins”と表されます。”pussy”も猫をさしますので、やっぱり海外でも猫のようだと例えられるんですね。 台湾では、猫柳は旧正月を祝う定番アイテムのひとつ。縁起のいい赤に色付けされてド派手に飾られて使われます。アメリカなどでは枝物の花は珍しく、その風貌が「和」のテイストに近いとされていて、和風モダンなアレンジに使うために人気があります。そのまま生けたりアレンジしたり、カラフルに色付けしたりして使用されています。日本でも海外でも、モフモフが好まれるのは世界共通なんですね。