ブラックアンドデッカー KA320E
リョービ(RYOBI) サンダ MS-30A
マキタ(makita) 仕上サンダ BO3710
BOSCH(ボッシュ)GSS23AE
オービタルサンダーとは
オービタルサンダーとは主に木材を研磨するための電動工具です。サンドペーパーを取り付けた板が振動(回転運動)することで研磨してくれます。サンダーのなかでは研磨力は弱い種類で仕上げの研磨に向き、塗装を剥がす等の強い研磨力が求められる作業には向きません。木工においては仕上げの研磨作業は絶対必要な作業で、手でサンドパペーパーをかけるのはかなり労力がかかります。そこでサンダーを使うと作業がぐっと楽になり、サンダーなしには戻れないほどです。
言葉の意味
オービタルサンダーの「オービタル」と「サンダー」に分けてそれぞれの言葉の意味を確認してみましょう。
オービタルの意味
orbital(オービタル)には「環状の」とか「軌道の」という意味があります。天体などの軌道を意味するorbit(オービット)が「オービットの」という意味に変化するとorbital(オービタル)になります。工具にだけ使われる単語ではないので色々なところで見かけますね。オービタルサンダーはサンドペーパーがだ円運動をしているのでこの名前になっています。
サンダー
サンダーのスペルはsanderで「研磨機」という意味で、雷のthunderとは違います。研磨機全般を指すことばですね。JIS規格ので定義では「サンダ」と言います。
サンダ (sander) 研磨材を使用して材料の表面を除去するように意図された電動工具。
定義としては上記のようですね。サンダーにも色々な種類があり、オービタルサンダーもサンダーの一部です。オービタルサンダーのJIS規格での定義は以下の様に定義されています。
オービットサンダ・ポリッシャ [orbital sander or polisher (oscillating sander or polisher)] 工作物表面に平行な軌道揺動運動をするプレートを備えたサンダ又はポリッシャ。
オービタルサンダーはサンドペーパーを取り付けた板がだ円運動することで研磨しているのでこの種類に入ります。ほかによく使うサンダーにはランダムサンダーがありますが、オービタルサンダーとは研磨剤の動きが違うので、ランダムサンダーという別の種類になります。
サンダーの種類
オービタルサンダー
オービタルサンダーがサンダーの中では一番研磨力が弱く、平面の仕上げに適しています。サンドペーパーをつけるラバーパッドが四角いのが特徴です。価格は他のサンダーに比べて安く、市販のサンドペーパーを取り付けてつかえるのでコストパフォーマンスに優れています。木工で初めてのサンダーであればオービタルサンダーがおすすめです。
ランダムサンダー
ランダムサンダーはオービタルサンダーとは違い円形のパッドがついています。これがだ円運動で振動しながら回転しています。これにより複雑な方向に研磨できるので研磨跡が付きにくく、オービタルサンダーと比較すると研磨力が強いです。サンドペーパーはマジックテープで取り付けるようになっていて、円形のサイズの合うものしか取り付けられないのでコストが高くなりがちです。サンドペーパーでなくバフを取り付けることもできるので車のワックスがけや家具の磨き上げに使うこともできます。
コーナーサンダー
コーナーサンダーはオービタルサンダーと仕組みは同じですがパッドの形が違います。コーナサンダーはパッドの形が三角形になっていて家具の隅などに届きやすくなっています、見た目はアイロンに似ていますね。サンドペーパーはマジックテープ式になっていて、市販のサンドペーパーを使えず割高になってしまいます。
ベルトサンダー
ベルトサンダーはベルトが回転することで研磨していて、サンダーにベルトコンベア状のサンドペーパーが付いた形になっています。ベルトが動くことで研磨力が最も高く、材料の荒削りやペンキの塗装落としに向いています。逆に木工の仕上げの作業には向いていません。ベルトサンダーは上下をひっくり返して固定すればベルトディスクサンダーと同じ使い方ができ、木材の面取りや加工に使うこともできます。
オービタルサンダーの仕組み
振動する仕組み
オービタルサンダーはモーターの回転軸に中心をずらした重りを付けて回転させることで振動を生み出しています。実際には細かくだ円運動をしていますが、モーターとプーリーとパッドの割りと簡単な構造になっています。モーターの中心からどれだけずらされているか(偏心しているか)で振動する大きさが変わり、大きいほど研磨力が大きくなります。これをオービットダイヤといい、カタログに書かれているのでサンダー選びの時には参考にしてみて下さい。
ランダムサンダーとの違い
オービタルサンダーとランダムサンダーの2つを比較するとまず形が違います、四角いのがオービタルサンダーで丸いのがランダムサンダーと覚えておけば間違えません。ランダムサンダーの方が研磨力が高く、曲面やバフがけができて一見良さそうですが、平面の仕上げと平面出しにはオービタルサンダーの方が優れています。木工においては平面の仕上げは重要になりますので最初に買うのはオービタルサンダーがいいです。オービタルサンダーの方がパッドが動く量が少ないので反動が少なく扱いやすいのもおすすめするポイントです。
オービタルサンダーの使い方
オービタルサンダーの研磨の使い方
オービタルサンダーの使い方は本体を両手で持って木材に押し当てて使います、強く押し付けてはいけません。早く作業しようと強く押し付けたくなる気持ちは分かりますが、オービタルサンダーはパッドに均等に力がかかるように持ちましょう。サンダーはアイロンがけのように動かして全体を研磨します。オービタルサンダーは粉塵の排出が苦手なのでゆっくりかつ止まらずに動かしてどんどん削りカスが排出されるように動かすのが使うコツです。
サンドペーパーの取り付け
サンドペーパーは消耗品です。オービタルサンダーはクランプで止めることができるので市販のサンドペーパーを自分で切って取り付けることができます。集塵用の穴が開いているので同じ位置に穴を開けておいて下さい、専用のパンチプレートが別売りされているのでこれを使えば便利です。専用のサンドペーパーであれば最初からサイズも合っていて穴も開いていますが割高になっています、使う頻度が少ない方であれば専用品でもいいと思います。
オービタルサンダーの選び方
パッドの大きさ
まず比較するのはパッドの大きさです。大きいほど研磨できる範囲は広いですが細かい所に使いにくくなります。木工で一般的なのは93×185mmです。これを半分にしたぐらいのサイズが110×100mmでミニサンダーと呼び、小さい家具の研磨に向いています。
集塵機能
研磨作業ではどうしても粉塵が舞ってしまいます、目に見えないほどの粉塵でも吸いすぎると健康に影響が出るので集塵機能は欲しいところです。集塵バッグが付いているものと集塵機(掃除機など)を取り付けて集塵するものがあります。取り回しを考えて集塵バッグのほうがいいでしょう。
プロ用とDIY用
電動工具にはどんな道具にもプロ用とDIY用があります。プロ用のほうが性能がよく、毎日使っても壊れない耐久性がありますが値段が高いです。毎日木工をするのであればプロ用をおすすめしますが、週末だけの使い方であればDIY用で十分です。
おすすめオービタルサンダー
BLACK+DECKER コンパクトオービタルサンダー KA320E
ブラックアンドデッカー KA320E
アメリカの工具メーカーブラック・アンド・デッカー製のオービタルサンダーです。とてもパワフルなのが特徴で、集塵バッグ付き、6段階に変速する調整ダイヤルが付いています。比較的安いのもおすすめです。パワフルな分騒音が大きいのと集塵バッグが小さいので小まめに削りクズを捨てないといけないのが不満なところです。
リョービ(RYOBI) サンダ MS-30A
リョービ(RYOBI) サンダ MS-30A
リョービのDIY用サンダーのなかでもエントリー機のモデルです。軽くて取り回しが良いのと安いくて初めてのDIY用オービタルサンダーにおすすめです。集塵バッグは付いていないので、集塵機を付けて使わないと削りカスが飛び散ってしまいます。そのため取り回しが良くなくウッドデッキなど広い範囲の研磨には向かないかもしれません。
マキタ(makita) 仕上サンダ BO3710
マキタ(makita) 仕上サンダ BO3710
電動工具といえば世界のマキタ、マキタのオービタルサンダーの中でもプロ用に入るオービタルサンダーです。研磨力が高めでサンドペーパーの番手を荒くすれば薄い塗装も削れます。音が静かで住宅街でDIYすることの多いユーザーにはうれしいところですね。特に耐水ペーパーを濡らして使っても駆動部に水が入らないように止水構造(Oリング)がついています、さすがマキタは違います。集塵バッグの集塵機能が少し弱いのが残念なところです。細かい番手で使うと粉が舞ってしまいますので、マスクとゴーグルは必須です。屋外で使う前提のプロ用といったところでしょうか。
BOSCH(ボッシュ) 吸じんオービタルサンダーPRO GSS23AE/MF
BOSCH(ボッシュ)GSS23AE
これもボッシュのラインアップの中ではプロ用の種類です、そのため至れり尽くせりな機能が付いています。ダイヤル式の変速機能で最適な強さを設定でき、市販のサンドペーパーをたわみなく取り付けられるイージーフィットシステム、振動を打ち消すカウンターウエイト内臓の握りやすく疲れにくいグリップとオービタルサンダーに欲しい機能が目白押しです。特に集塵機能が良く、マイクロフィルターは細かい削りカスまでシャットアウトしてくれて、どれだけ削りカスが溜まっているか外から見えるように半透明になっています。あえて文句をつけるなら少し重いことでしょうか、女性には重いかもしれませんが木工をやろうという方には苦にならないでしょう。いいものを長く使いたい方におすすめの間違いない製品です。
オービタルサンダーのメンテナンス
オービタルサンダーは単純な構造ですがパッドの扱いには注意して下さい。パッドが密着することで平面の研磨をしているのでこのパッドを傷つけたり、変形しないように使って下さい。特にしまうときに電源コードをぐるぐる巻きにするとどんなパッドの種類であれコードの跡が付いてしまいます、コードを巻くならグリップの方にして下さい。使い終わったらサンドペーパーを外してパッドを解放してやるのと、集塵穴にゴミがたまらないように掃除してやると長持ちしますよ。
オービタルサンダーの使い方のコツ
オービタルサンダーは仕上げの研磨に向きますが、研磨痕が目立ってしまう場合があります。単純なだ円運動をしているサンドペーパーに削りカスが詰まってしまい、これが木材を削ることで無数の丸い跡が付いてしまいます。オービタルサンダーは削りカスの排出が苦手なのでこの研磨痕がつきやすいです。ほとんど目立ちませんが塗装をした時によく見ると気になることがありますね。おすすめの使い方はオービタルサンダーを進行方向に対して少し斜めに使うことです。まっすぐ使った時に比較して削りカスの排出が良くなり研磨痕が付きにくくなります。
まとめ
木工ではやすりがけは必ず必要な作業です。これをサンダーですれば手作業と比較して楽になりますし、強い研磨ができ、正確な平面を研ぎ出す事ができます。木工をやりだすと直角や平面が重要なことが分かってきます。木工では平面のやすりがけが多く、DIYには時間が足りなくなりがちです。そこでオービタルサンダーがおすすめです。電動工具の中では比較的安いので性能のいいモデルにも手が届きやすいので自分に合ったオービタルサンダーを見つけて下さいね。