ソリッドティップのロッドとは何か
「ソリッドティップってどんな竿を選べばいいかわからない」「感度がよくないって聞いたけど?」 ということをが思い当たり、敬遠していた方もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、実は超有用なソリッドティップのロッドを、様々な視点からシェアします!
『ソリッド』とは
以下に、ソリッドという言葉の概要を引用しましたので、ご覧ください。
ソリッド[名・形動] 1 固体。また、固体状であるさま。「ソリッドにした整髪料」 2 堅固なさま。硬質であるさま。また、うつろでなく中まで密であるさま。(中略)「プラスチックのソリッドモデル」
ソリッドティップとはつまり、穂先の数十センチの部分だけが密になっている竿、ということですね。 それにより様々な効果が期待できる竿なのです。
ソリッドティップのメリット
食い込みがよい
食い込みの良さがソリッドティップに求める最たるメリットではないでしょうか。 食い渋ったとき、アタリはあるが乗らないとき…そのようなときに柔らかいティップで魚の口奥までルアーや餌を届けることができます。 また、クッション性が抜群ですので、急激なアタリでも身切れを起こさず、しっかりとフッキングすることが可能となります。
ティップが柔らかくベリーが強い、理想的なロッドに
柔と剛を兼ね備えた非情にバランスがよくなるのがソリッドティップ最大のメリットです。特にフィネスなど操作する釣りにおいて非情に優秀で、繊細な釣りになればなるほどロッドで差がつくともいえます。
竿先までしっかりと曲がるので、ロッドの性能を引き出せる
実はチューブラーのロッドは、限界まで曲げても穂先はまっすぐになりやすいのです。故に負荷がロッド全体で均一になりにくく、それによるバラシや折れといったリスクが大きかったといえます。 しかしソリッドティップのロッドは竿先までしっかりと曲がるので、ロッド全体に負荷がかかり、魚の衝撃を無理なく受け止めることが可能です。これにより、ロッド本来の性能をより引き出してくれるのです。
真冬に大活躍!
たとえば、真冬のバス釣りでダウンショットリグなどを使用する場合が独壇場です。ゆっくりズル引きも効果的ですし、少し持ち上げて瞬時に落とすリアクションの釣りも行いやすいです。モゾ…といった微細なアタリでもフッキングが決まるようになるのです。 さらにシャッドの釣りにも向いているロッドですので、冬のフィネスには心強い味方となります。
フルソリッドで巻きものや超軽量ルアーに特化
バスロッドの中には、フルソリッドのロッドもあります。これは穂先からエンドまで、一貫してソリッドを用いた素材のロッドとなります。 ティップだけソリッドの場合、ファストテーパー(先調子)となりやすいです。しかしフルソリッドの場合、全体がゆったりと曲がってくれるスローテーパー(胴調子)なロッドになり、主に巻きものでの使用や、スーパーフィネス向きなロッドとなります。
チューブラーとは?ソリッドティップとどう違うの?
チューブラーとは
逆にチューブラーとは、ソリッドとは逆に『中身が空洞の竿』です。一般に、ほとんどの竿はチューブラーのロッドとして製造されています。 チューブラーロッドは軽くて感度がよいです。まだ軽い竿を作る技術が発展途上の際に、先のような理由から絶対的な存在として備わっていたといえます。
チューブラーとソリッドを継いでロッドができあがる
バス用ソリッドティップロッドの場合、ソリッドは穂先から20cm程度のものが多いです。工場でチューブラーのブランク(竿芯)とソリッドティップを、2ピースロッドのように継いでその上からガイドを取りつけ、コーティングを施します。 実はこのチューブラーとソリッドの境目を見分ける方法があり、明らかに他のガイドより根元のエポキシが盛り上がっていたり、ブランクの色が変わっている場所が境目となります。
チューブラーとソリッドの使用感の違い
近年はあまり差がなくなってきていますが、チューブラーが先端まで張りがあるのに対し、ソリッドはややもったりしたような感覚です。 しかしこれはデメリットに感じることはあまりなく、適材適所ではありますが、食い込みの良さにつながる要素なのです。 また、ソリッドティップのほうがボトムでルアーを引く際、障害物のキワに絡ませやすいといえます。
ソリッドティップのロッドはカワハギ釣りに多かった?
昔から存在していたソリッドティップ
実は以前からソリッドティップというものは存在していました。日本の様々な釣種の中でも、胴付き仕掛けでカワハギを狙う竿がそうだったのです。中古釣具屋さんなどでカラフルな穂先を備えた船竿を見かけたことはありませんか?曲げてみると、その竿の特徴がハッキリ伝わってきます。
昔から穂先が柔らかく張りのあるカワハギ竿
カワハギ竿は穂先がとても柔らかく、また胴(ベリー)の部分はかなり固いことがわかります。これは、操作性と食い込みの良さを追究した竿で、竿のカーブの頂点から胴部分の張りで仕掛けを上下させやすくするためです。 さらにカワハギは餌取り名人。柔らかい穂先でないとなかなか掛けることができません。 ですので、カワハギにはソリッドティップが有効とされてきたのです。
バス釣りに見られるソリッドティップの可能性
ソリッドティップを開拓したのは江口俊介プロ?
今でこそメジャーになってきたソリッドティップのロッドをバス釣りに浸透させたのは、江口俊介プロの功績が大きいです。 2000年代後半よりジャクソンから発売されている『デュナミス』シリーズ。彼が手がけたスピニングロッドは、バス釣りにおけるソリッドの概念を一新しました。後に廉価版ともいうべき『トリックスター』シリーズは、手軽にソリッドティップ、フルソリッドの感触を味わえる人気作となりました。
バス釣りにうってつけ!巻きにもフィネスにも
あらゆるルアーを扱うバスロッド、特にオカッパリでは持ち運べるロッドの数にも制限がありますね。 そんなときにぜひソリッドティップモデルをオススメします!スピニングもベイトも、先調子で感度と操作性がよく、かつ巻きものロッドに必要なクッション性も備えていますので、実はかなり汎用性が高いものなのです。
そして現代に普及する数々のソリッドティップモデル
2018年現在では、もはや出していないメーカーのほうが少ないのでは、と思うほどラインナップが豊富なソリッドティップ。ダイワ、シマノ、アブガルシア、エバーグリーン、レジットデザインetc… バスロッドだけでもかなりの種類がそろっています。ここで重要なのは、自分に合ったモデルを見つけることです。ぜひ釣具点などでいろいろお手に取ってみてください。
「ソリッドティップは感度が悪い」はもはや過去
一昔前までは言い逃れできませんでしたが…
2000年頃までのソリッドロッドは、フィネス用の最高機種でも重くてダルい、感度が悪いという三拍子がそろっていました。それでも商品が出続けたのは、アングラーが長所を部分的な釣法に求めていたからです。デメリットがメリットを圧倒していた時代です。
技術躍進でチューブラーに近い高感度
しかし現代のソリッドはチューブラーと同じくらい軽量化され、シャープで感度がよいものが出そろっています。フィネス用スピニングでもベイトでも、ストレスなく使用できる代物が出来上がったといえます。 フルソリッドでも多少の持ち重りはするものの、リールを取りつければ気にならない程度のデメリットでしかありません。
さらに軽く、デメリットはほぼ皆無?
これまでの説明を読んで「ソリッドティップってデメリットがないのでは?」と感じられた方もいらっしゃるでしょう。 事実、その通りなのです。さすがに感度や重さはキンキンに尖ったチューブラーには敵いませんが、総合力では掛けやすくバレにくいということを実現して見せた類いのロッドです!
スタックのしやすさは感度で回避
強いて言えばですが、ソリッドティップはその食い込みのよさ故に、根掛かりが深くなり、スタックしやすいともいえます。 ですが、これもロッドが高感度化された現代では、アングラー側での操作により回避もしやすいとも見て取れます。 メリットがデメリットを上回ることは間違いありませんので、さして気にならない程度です。
ソリッドティップはロッドの究極系
もはや従来のフィネス用バスロッドからエギングロッドでさえソリッドティップのモデルが出ていますので、様々な可能性があることがうかがえます。デメリットを解消し、メリットを引き延ばしたロッドの究極系ではないでしょうか。
ソリッドティップの注意点
ソリッドティップはどこまでも曲がる?
ソリッドティップは中身が密なため、理論上はどの方向にネジレが発生しても均一な復元力がかかります。つまり、折れやすい方向がない、というわけです。これがチューブラーだと、断面から見ますと、負荷がかかった方向へブランクが潰れ最後には折れる…ということになります。
楽観視は危険
しかし、ソリッドだからといって決して折れないわけではありません。 丈夫ではありますが、過度に付加を掛けると折れにつながります。また、密なぶん細く作っている竿も多く見られますので、当然細い竿ほど折れやすいです。 特にバスやエギング用の竿は張りの強い竿に仕上げてありますので、注意が必要です。
折らないための対処法
具体的には、魚が掛かったり根掛かりしても、竿先とグリップまでに90°を超える角度がつかないような扱いが必要です。ソリッドティップに限りませんが、「根掛かりを外そうと思い切り煽ったら竿が折れた」「大物に足元で不意に突っ込まれて急に折れた」という話もあります。 いずれも急激な負荷や、急角度で曲げるといった使い方になってしまったがために起きた破損になります。
現在では様々な釣種に作られているソリッドティップ
ルアーでも餌釣りでも
バスのフィネスフィッシングが主体でしたが、エギングや餌釣りの分野でも実績が多数あげられています。 特にダイワは『メガトップ』という独自のテクノロジーでのソリッドモデルを展開し、各ジャンルを網羅しているほどです。
アジ、メバル、エギング、ジギングなども
ソルトではメバルやアジでも以前から実績が高く、各社から様々な機種が登場しています。磯釣りや船竿、鯛ラバ、ジギング、エギングにまでラインナップは増え続けました。 特にエギングにおいては、イカに違和感なくエギを抱かせるため、繊細なティップが有用とされています。
魚種別!おすすめソリッドティップロッド
バス(スピニング)
シマノ ゾディアス 264UL-S/2 (スピニング) / バスロッド (お取り寄せ商品) / セール対象商品 (2/28(水)12:59まで)
長さ:6f4in 自重:92 ルアーウェイト:2~6g ソリッドティップ、ウルトラライトパワーのモデルです。 安価で高品質!バスだけでなくエリアトラウトにもグッド!
バス(ベイト)
(予約品) ダイワ エアーエッジ 671MB−ST E (ベイトタイプ) (2月発売予定)
長さ:6f7in 自重:112g ルアーウェイト:3/16~5/8oz ジグ・テキサス用ロッドで、チューブラーではトレースできないわずかな隙間にリグを通し、感じることが出来るモデルです。
メバリング
長さ:7f4in自重:73gルアーウェイト:0.5~7g 超軽量、超高感度を追究したメバリングロッドの決定版! ガイドにトルザイトリングを採用し、バットパワーも兼ね備えたモデルがこの値段は正直破格と言わざるを得ません。
アジング
【ヤマガブランクス】ブルーカレント [ BLUE CURRENT ] 68II
長さ6f8in 自重:68g ルアーウェイト:JigHead 0.3~5g / Sinker 1.8~6g 人気のヤマガブランクス、アジングモデルです。軽量で、穂先を感じさせないほどの繊細さを備えたロッドで、非常にバランスよく作られています。6フィート8インチの長さは、常夜灯から沖の潮目など、あらゆるポイントで使いやすいです。
エギング
ダイワ エメラルダス AIR AGS (アウトガイドモデル) 83M-S
長さ:8f3in 自重:89g エギサイズ:2.5~4.0号 ダイワ独自のAGS(エアガイドシステム)を採用し、極限まで軽量化!1日中ロッドをシャクるエギングにおいてはかなりのアドバンテージになります。83ーMは長すぎず短すぎずの、オールラウンダーなロッドです。
まとめ
いかがでしたか?ソリッドティップの竿ってよくわからないと敬遠していたあなたも、興味がわいていただければ嬉しいです。ぜひ、ご自身の釣りにソリッドティップのロッドを取り入れてみてください!