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ブルーベリーの育て方と栽培方法!鉢植えの時期や植え替えのコツも紹介!

コンパクトな鉢植えでも栽培できる、ブルーベリー。初夏に収穫できる果樹です。育て方は難しくないので、初めての果樹栽培でも品種系統選びや土作りを失敗しなければ大丈夫。ブルーベリーの育て方を、品種系統や、苗から鉢に植え替える時期について触れながらご紹介します。
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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ブルーベリーの育て方を基本から解説

鉢栽培も可能な育て方を紹介

ブルーベリーは庭やベランダで育てやすい果樹の筆頭です。鉢植えで育てれば、人の腰までのコンパクトな樹高にまとまります。地面に直接植える「地植え」でも、人の身長ほどのサイズにとどまり、管理しやすいのが特徴です。暖地・寒地のそれぞれに適した系統の品種が存在するので、まずはお住まいの地域に適したブルーベリーの苗を購入し、気軽に育ててみましょう。品種選びから収穫まで、ブルーベリーの育て方の基本を分かりやすく解説します!

ブルーベリーの栽培方法1.品種系統の基礎

苗の購入前に知っておこう

ブルーベリーを育てるにあたって、まず第一に知っておきたいのがこれ!「品種系統」です。ブルーベリーの栽培品種は2つの系統に分けられます。寒冷地向けの「ハイブッシュブルーベリー」、暖地向けの「ラビットアイブルーベリー」です。九州に住んでいるのに寒冷地向けのハイブッシュを育てる……ということを知らずにやってしまうと、成功率が低いので要注意です。いわゆるワイルドブルーベリーと呼ばれる「ローブッシュブルーベリー」もあるのですが、これはあえて日本で栽培されることは希ですので、割愛します。

ブルーベリーの栽培方法2.ハイブッシュ系統

寒冷地向きで味が良い

涼しい気候を好むのが「ハイブッシュブルーベリー」です。酸味と甘みのバランスがよく、「スパルタン」や「デューク」といった大粒でおいしい品種が多く存在します。 ややこしいのですが、ハイブッシュブルーベリーの中でもさらにグループが存在します。古くから栽培されており、味も優れている品種は「北部ハイブッシュ」です。1970年以降に暖地でも育てられるよう改良されたものは「南部ハイブッシュ」で、こちらは寒冷地向けではありません。涼しい地域で育てたいなら北部ハイブッシュ、西日本でもハイブッシュ系を栽培したいなら南部ハイブッシュを選ぶとおおよそ間違いないでしょう。

ブルーベリーの栽培方法3.ラビットアイ系統


暖地向きで育て方が易しい

ハイブッシュブルーベリーが「おいしい系統」なら、このラビットアイブルーベリーは「丈夫な系統」です。味は少しぼけたような印象で、ハイブッシュほどの甘酸っぱい「ブルーベリーらしさ」のある味わいを楽しむのはなかなか難しいのですが、暖地でも育てることができ、かつ樹勢が強いです。 ブルーベリーは本来、北欧のような寒い地域の果樹。日本の暑さは、ブルーベリーにとって酷な環境といえます。また、酸性土を求めるというのも大きな特徴です。酸度は測定しない限り目に見えないものですから、初心者さんにはなかなか難しいポイントでしょう。ラビットアイ系統なら、日本の蒸し暑い夏も比較的乗り越えてくれます。かつ、土壌への適応力もあるので、枯れにくいです。

ブルーベリーの栽培方法4.系統比較

育てやすいのは?

寒冷地ならハイブッシュ系統の品種、暖地ならラビットアイ系統の品種です。関東周辺にお住まいなら、最初は丈夫なラビットアイ系統を育てて、慣れてきたらハイブッシュ系統を取り入れるのがおすすめです。

安く買えるのは?

ハイブッシュ、ラビットアイともに苗の値段はあまり変わりません。高いのは流通が少ない品種で、安いのはメジャーな品種だという傾向があります。1200~2500円ほどが主な価格帯です。植え付けてから2年目の「2年生苗」は「3年生苗」より安いですが、早く収穫を楽しみたいなら、多少高くても「3年生」以降の苗を買うと良いでしょう。ブルーベリーは幼木のうちから収穫をしてしまうと、木が疲弊してしまう果樹なので、2年生のうちは買ってもすぐに収穫できないからです(詳しくは「剪定」の項目で解説しています)。収穫しないうちに枯らしてしまっては、元も子もありません。

ブルーベリーの栽培方法5.揃えるべき土と肥料

ピートモスは必須

土は必ず「ピートモス」を使いましょう。ホームセンターの土コーナーで買うことができます。ブルーベリーは酸性の土でなければうまく育ちません。土の酸度が原因で枯れることもあるので、高く感じてもちゃんと土にお金をかけることをおすすめします。さらに鉢植えなら、水はけを良くするために鹿沼土をそこに混ぜます。余裕があれば、酸度測定器(インターネットでも買えます)も揃えるとなお良いです。


肥料

3月上旬ごろ、枯れ木のように落葉していたブルーベリ-は紅色の芽をふくらませます。このタイミングで、緩効性肥料(ゆっくり効いていく肥料です。液体ではなく、固形のもの)を株周りにばらまきましょう。幼木のうちは、肥料の量が多すぎると「肥料焼け」しやすいので、控えめでOK。さらに収穫時期には追肥を行います。 肥料の種類ですが、「この肥料でなくてはならない」というものはありません。葉をつけ木の成長を促す「チッ素」、花と実つきをよくする「リン酸」、病気や冷害に強くなる「カリ」という、肥料の3大要素の配合量を見て、目的に応じて与えていくのが一番です。

ブルーベリーの栽培方法6.苗の植え付け

植え付け時期

買ってきたポット苗からご自宅の鉢や地面に植え替えるのは、春か秋にします。夏に安く出回っている苗が多いですが、それはいわゆるジャンク品で、植え付けをするには時期はずれです。

鉢植え

サイズに余裕のある鉢を用意し、穴を鉢底ネットでふさぎます。上から鉢底石を敷き詰め、鹿沼土と混ぜたピートモスを入れ、買ってきた苗を中央に固定してください。あとは縁をうめるようにピートモスと鹿沼土の混合土を足します。たっぷりと水やりをして、緩効性肥料を表面にばらまいたら完成です。

地植え

大きな植え穴を掘り、水につけておいたピートモスと、元の土をなじませます。根が触れる範囲だけでなく、さらに広いところまでピートモスになるようにしてください。地植えすると根はどんどん広がるので、ピートモスを施す範囲が狭いと、酸度の関係で枯れやすくなります。 かなり大きく掘った植え穴に苗を固定したら、周りをピートモスで埋め、たっぷりと水やりしてください。最後に緩効性肥料を置いておきます。

ブルーベリーの栽培方法7.置き場所と水やり

日当たりの良い場所に置きます。ただし、暑すぎる場所だとハイブッシュブルーベリーは枯れがちなので注意してください。西日よりも、午前中の日当たりが大切です。水は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。夏場は朝晩の2度、こまめに水やりしてください。鉢植えは水切れすると果実がシワシワになり、食べても渋くなってしまいます。ただし鉢植えではなく、地植えした場合、特に水やりは必要ありません。

ブルーベリーの栽培方法8.剪定と植え替え


剪定の注意点

購入時のブルーベリーは、だいたい2年生もしくは3年生苗です。2年生苗はまだ幼木なので、3月の芽が付いた時期に剪定して、果実を付けさせないようにします。栄養を結実ではなく成長に使わせるためです。芽をすべて切ってしまってください。3年目以降は、収穫のため、枯れ枝や弱い枝を切り、元気な枝と芽を残す剪定に切り替えます。ちなみに増やし方は種ではなく挿し木ですので、剪定枝を取っておいて使い回しても良いです。

植え替えのタイミング

鉢植えは、ずっと同じ鉢で育てていると、根がいっぱいに回って「根詰まり」します。窮屈そうに思えてきたら、ひとまわり大きな鉢か、地面に植え替えてください。植え替えの時期は植え付けしたときと同じで、春か秋です。関東地方では秋の植え替え、寒冷地では冷害を受けにくい春の植え替えがおすすめですよ。

ブルーベリーの栽培方法9.収穫

品種によって前後しますが、ハイブッシュブルーベリーは収穫時期が早く、6月から実がなります。ラビットアイブルーベリーはもっと遅めです。ハイブッシュブルーベリーとラビットアイブルーベリーの両方を揃えておくと、より長く収穫が楽しめます。鈴なりになったブルーベリーは空気に触れないよう冷凍するか、ジャムに加工すると、長期保存が可能です。ちなみに、収穫前に害虫でだめになってしまうことは少なく、むしろ鳥が問題です。防鳥ネットを張ると良いでしょう。

ブルーベリーの育て方まとめ

コンパクトな鉢植えで栽培できるブルーベリーは、夏の時期の人気者。ブルーベリーの収穫はたまらなく癒やされる時間です。ぜひ1度栽培に挑戦して、生ジュースや自家製ジャムで至福のひとときを味わってみてください。