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シマノコンポーネントのグレード別性能を解説!選び方はこうして決める!

自転車部品メーカーの雄、シマノのロードコンポーネントについてグレード別に解説!グレードごとの比較を踏まえておすすめ自転車パーツのグレードを見つけるの着眼点を紹介していきます。初心者から上級者までおすすめできる幅広いグレードを持つシマノコンポーネントの記事です。
更新: 2021年1月16日
おおかみ
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シマノってどんなメーカー?

シマノ(SHIMANO)は、日本の大阪、堺市に本社を置く自転車コンポーネントメーカーであり、自転車ウェアの製造などに加え、釣具の製造も行っています。

イタリアのカンパニョーロ・アメリカのスラムと並んで世界の三大自転車パーツメーカーの一つであり、ロードバイク・マウンテンバイク・シティバイクなど、様々な種類の自転車コンポーネントを製造しています。

特にロードバイク用のコンポーネントのシェアは世界1位で、トップカテゴリーのワールドツアーチームのほとんどが、シマノのコンポーネントを使用しています。17年度のツールドフランスでは、すべてのステージ優勝チームがシマノコンポーネント使用チームでした。

シマノのコンポーネントの特徴

この記事ではシマノの主力製品である自転車パーツの中でも高いシェアと評価を持つロードコンポーネント・パーツについて見ていきましょう。

パーツ・コンポのデザイン

シマノのコンポーネントのデザインは、よく言えば機能的、悪く言えば無機質なデザインが特徴のひとつです。他の三大メーカーであるカンパニョーロやスラムといったようなメーカーのコンポーネントやパーツと比較すると、遊びの少ないデザインといったような印象を受けます。

パーツのセッティングの簡単さ

シマノコンポーネントのパーツは、高い精度を持っていることもあり取り付けやギア変速調整が他のメーカーのパーツと比較してやりやすいです。

多少雑なセッティングをしてしまっても、パーツが持つ性能である程度はカバーし、しっかりと変速してくれる優秀なパーツ揃いのコンポーネントです。初めて自分で自転車を組む、メンテナンス、調整を行う初心者向けのコンポーネントとも言えるかもしれません。

コストパフォーマンスの高さ

世界のトッププロの過酷な使用に耐える、変速・耐久・重量面に加え、メンテナンス性も良好なシマノコンポーネントですが、加えて価格面でも優秀です。

日本企業ということもあって、スラム・カンパニョーロといったメーカーのパーツのように関税がかからないということで、他の二つのメーカーの同グレードコンポーネントと比較した際、2/3ほどの値段になることすらあります。

他のコンポーネントメーカーの製品と比較して、初心者の初めの一台に乗せるコンポーネントとしておすすめするに間違いのないコンポーネントメーカーがシマノです。

シマノコンポーネントの構成

ロードバイクのコンポーネントを構成するパーツは、基本的にはスポーツ用でない自転車と同じです。どのようなパーツで構成されるのかを見ていきましょう。

変速系のパーツ

デュアルコントロールレバー(STI)(STーモデル名)

シマノコンポーネントにおいて変速を司るパーツがデュアルコントロールレバーです。STIはシマノトータルインテグレーションの略ですが、デュアルコントロールレバーのことを指すこともあります。

グレードによってレバーの材質が違い、左右それぞれ2本のレバーが付いています。右のブレーキレバーを内側に押し込むことでリア変速機をシフトダウン、ブレーキレバーの内側にあるシフトレバーを押し込むとリア変速をシフトアップ方向に動かすことができます。

左のレバーはフロント変速ようのレバーですが、シフトアップとダウンを受け持つレバーがリア変速と逆になっています。他のメーカーの変速レバーと比較して、クリック感は中間といった感じです。スラムのダブルタップテクノロジーはとても強いクリック感があります。

リアディレイラー(変速機)(RD-モデル名)

自転車のリアエンド、エンド金具と呼ばれる場所に取り付けられるパーツです。STIによって巻き取られるワイヤーによって決められた量だけ移動し、チェーンのかかるスプロケットのギアを移動させることで変速します。

ケーブルから伝わる電気信号によってモーターを駆動させるタイプのものもあります。調整が比較的簡単で、メンテナンス初心者にもなんとか調整できる部品だと思います。

フロントディレイラー(変速機)(FD-モデル名)


自転車の前三角・後三角両方に属するシートチューブ下部に取り付けられる部パーツです。これもSTIによって決まられた振り幅を移動し、フロントのギアであるチェーンリングにかかるチェーンを移動させることで変速させます。こちらも電動式のグレードが存在します。

駆動系のパーツ

クランクセット(FC-モデル名)

コンポーネントの顔とも言えるのがクランクセットでしょう。シマノのクランクセットは、上位グレードはひとつ前のモデルから、中・下位グレードは現行モデルから4アームのクランクデザインになりました。

軽量化とともに剛性を高め、踏力をより効率的に駆動力に変えるパーツになっています。初心者向けグレードでも特に目立つクランクセットの大きく見た目が変わらない点は、これから始める方にも嬉しいですね。

カセットスプロケット(CS-モデル名)

シマノのスプロケットは、ギアが一枚ごとに別体になっています。基本的にはアルミ作られていますが、上位コンポーネントの大きい歯数のものは、一部カーボンやチタンといった素材を使うことによって軽量化を図っています。

カセットスプロケットとしての注文ではなく、スモールパーツ扱いで各歯数がラインナップにあるため、一つの歯が急にかけてしまった場合でもその歯数のギアのみの購入が可能です。(大きい歯数のものは3枚で一つの部品となっているものが多いため、一枚ごとのの注文は不可)。

ボトムブラケット(BB-モデル名)

コンポーネントの中では目立ちませんが、クランクシャフトを収めるBBシェルに取り付ける大事な部品です。クランクシャフトが滑らかに回転するように、ベアリングが搭載されています。多様化するBB規格の中、シマノが製造していない規格のBBも出始めてきました。

BB規格乱世とも言える今、シマノがBBを出している規格、という安心感はなんとも言えないものがあるので、その規格のロードフレームから選ぶのいいかもしれません。おすすめです。

チェーン(CH-モデル名)

ペダル・クランクから入力された踏力をリアホイールに伝えるための部品です。シマノのチェーンは、グレードによって表面処理や肉抜きの程度といった際があり、比較すると細かい違いが見えてきます。

ブレーキキャリパー(BR-モデル名)

STIによってワイヤーを引くことで、ブレーキキャリパーが閉じ、ブレーキシューをホイールのブレーキ面に押し当てることで自転車に制動をかけるためのパーツです。シマノブレーキは他メーカーと比較して、初期制動力が高く効きが強いと言われています。安心感が強く、おすすめのブレーキを作るメーカーです。

ペダル(PD-モデル名)

シマノが製造しているロード用ペダルは、上位3グレードまでがそのシリーズの名を冠したモデルとして販売されています。それよりも下のグレードのモデルは、シリーズ外品としてシリーズ名がつかないモデルとしての販売になっています。踏み面が広く、初心者の最初のビンディングペダルにもおすすめです。

ホイール(WH-モデル名)

コンポーネントの中でも特に高額になりやすいパーツです。現行のシマノのホイールは、最上位グレードのみがシリーズ名を冠したモデルとしての販売となっています。

最上位グレードのホイールはリムハイトのバリエーションが3種(c24,c40,c60)、リムの素材が2種(カーボンTU,コンポジットCL)で、c24CL/c40TU/c40CL/c60TU/c60CLのラインナップになっています。

ホイールテクノロジー


シマノのホイールには、「D2リム」「オフセットリム」「デジタルコーンベアリングアジャストメントシステム」「オプトバルスポークパターン」という代表的なホイールテクノロジーが搭載されています。

「D2リム」は、高いリムハイトを持つホイールのリム形状において、前方からだけでなく横方向からの風も意識したリム形状を指します。「オフセットリム」は、リアホイールのドライブサイド側にかかる駆動力を余さず推進力に変えるためにオフセットさせたリム形状のことです。

「オプトバルスポークパターン」も同じく、リアホイールのドライブサイド側にかかる駆動力を余さず推進力に変えるために、スポークパターンを最適化したものです。

「デジタルコーンベアリングアジャストメントシステム」は、専用工具無しでベアリングの玉当たりを調整できるとともに、クイックリリースによる横からの力をベアリングに伝えないようにする構造のハブ技術を指します。

電装系のパーツ

Di2(Digital Integrated Intelligence)と呼ばれる電動変速を行うコンポーネントに必要なパーツです。この変速方式を採用したモデルを持つシマノコンポーネントは上位2グレードのみです。

ジャンクション(JC-モデル名)

電装系変速の信号中継のための部品です。拡張できる部品(サテライトスイッチ・スプリンタースイッチ)の数によってポート数のバリエーションがあります。

バッテリー(BTR-モデル名)

フレーム形式に合わせて内蔵式と外装式のモデルがグレードごとに存在します。後述するシンクロシフトの基盤はここに由来します。

シマノコンポーネントのグレード

シマノコンポーネントのうち、ロードバイクによく搭載されるものを上から見ていくと、「DURA-ACE」「ULTEGRA」「105」「Tiagra」「SORA」「Claris」の六つのグレードになっています。

グレード間には、分かりやすい変速段数の差以外にも、使われている素材による重量差や、使われている技術によるシフティングフィールの差などがあります。

また、大きくグレードに差があったり、世代が違う場合は互換性がない場合が多いです。この六つのグレード一つ一つを見ていきましょう。

シマノ上位2コンポーネント

世界的自転車部品メーカーであるシマノの看板商品とも言えるのが、この「DURA-ACE」と「ULTEGRA」です。この2グレードのみ電動式シフトである「Di2」モデルがラインナップされています。

DURA-ACEはもちろん、ULTEGRAを採用してレースに臨むプロチームも存在することから、この2コンポに対する信頼感は絶大なものがあるといえるでしょう。

シマノコンポの最高峰・「DURA-ACE」

言わずと知れたシマノのフラッグシップコンポーネント、DURA-ACEです。現行モデルはR9100(Di2は9150)とナンバリングされています。軽量でありながらプロのハードなレースユースに耐えうる耐久性を持ち、メンテナンス性も良好というトータルバランスに優れたコンポーネントです。

その耐久性、長寿命は、正確無比なギアチェンジを可能にする変速系の精度によって、ギアの磨耗を減らしていることが一因になっているとも言わています。予算さえ許せば、レースユースのみならず、初心者にもおすすめできるコンポーネントです。

シマノセカンドモデルコンポ・「ULTEGRA」

シマノのセカンドモデル、ULTEGRAです。現行モデルはR8000(Di2は8050)のナンバリングがされています。フラッグシップコンポーネントであるDURA-ACEに肉薄する性能を持ち、様々な部分でその上位技術や形状を踏襲したお買い得モデルです。個人的なおすすめモデルです。

このULTEGRAまでが上位モデルとして受け継いでいるものは多く、その一例として、クランクセットの設計・リアディレイラーの設計・Di2モデルの展開・シンクロシフトの搭載があります。DURA-ACEとの違いは、もはや重量のみと言っても過言ではないほどに完成度が高まっています。

シマノ上位2コンポのみのDi2


Di2(Digital Integrated Intelligence)と呼ばれる電動変速を行うことができるモデルを展開しているのは、上位にモデルであるDURA-ACEとULTEGRAのみです。

STIにあるスイッチでシフティング動作をすることで、各ディレイラーに内蔵されたモーターを駆動させギアチェンジを行うため、STIのレバーストロークを気にすることなく確実なギアチェンジがおこなえます。

現行モデルのR9150系とR8000系は、バッテリーに組み込まれた基盤によって、フロントの変速も含めてギア比を順に切り替えることのできるシンクロシフト機能を搭載し、シームレスなギアチェンジが可能になっています。

小さな指の動きで確実に変速してくれるので、体力を出し切るようなエクストリームロングライドなどにもおすすめです。

シマノコンポのミドル2モデル

シマノコンポのミドルモデルはかつて「まずは105」という言葉があった105と、現行モデルへのアップデートでかなりの様変わりを果たしたTiagraの二つです。

レースレディのシマノミドルコンポ・「105」

ミドルモデルの中でも、そのままレースにでることすらできる性能を秘めたコンポーネントが「105」です。この105までは、常にモデルと同じフロントギア2段×リアギア11段の変速段数を持っています。

上位にモデルと比較して、標準のフロントディレイラーが旧世代の設計のままであったり(同じグレードでマイナーチェンジ版として新設計のものが発売されています)、STIのブレーキレバーがカーボンではなくなっている、リアディレイラーの設計が異なるなどの変更点はありますが、11速モデルの中では最も廉価で手を出しやすいモデルになっているため、これからロードバイクを始めて、レースにも出てみたい初心者におすすめのコンポーネント筆頭です。

シマノコンポの普及モデル・「Tiagra」

105など上のモデルと比較して、リアギア10速という変速段数に大きな壁を感じてしまいがちなTiagraですがレースユースでもなければ全く問題ありません。

ブレーキも不安を感じさせず効きますし、ルックスも現行の4700系から大きく上位モデルに近づきました。クランクは4アームに変更され、ブラケットの横から触覚のように飛び出ていたアウターワイヤーも、ハンドルに這わせたルーティングに変更になりました。

フレームが少し高めの完成車に、比較的安価なバリエーションモデルとして組み付けられる事が多く、初心者が完成車を買うときに目にしやすいおすすめコンポとも言えるでしょう。

シマノのエントリーグレード2コンポ

シマノのエントリーグレードの中で、ロードバイクに組み付けられる事が多いものは「SORA」と「Claris」です。

エントリーグレードとは思えない質感「SORA」

Tiagraからさらにリアの変速段数が減ってしまい、2×9段変速モデルとなっているSORAですが、見た目は大きく変化していません。

どのグレードのものも、一世代前までは見るとグレードロゴを見なくてもどのグレードかわかってしまうほどルックスに格差がありましたが、現行のシマノコンポには、中位グレードと下位グレード間にぱっと見でわかりやすい格差はなくなりました。

高いグレードを買う人にとっては少し残念な部分かもしれませんが、見た目が良くなっていくのは喜ばしいことですね。初心者・入門グレードの完成車に組み付けられることが多く、とりあえずの一台が欲しい初心者の方にもおすすめです。

ロードだけではなくクロスにも・「Claris」

SORAからさらにリア変速段数が一つ減って、2(オプションにフロントトリプルもあります)×8速になった初心者・入門グレードのClarisです。

画像のように、STIやディレイラー、クランクセットは上位モデルのデザインを踏襲し、一見しての比較ではどのグレードかわからない質感をもっています。

その安価さから、エントリーグレードのロードバイクはもちろんの事、クロスバイクの完成車用コンポーネントとして使われていることもあります。

まとめ

シマノのコンポーネントについての記事でした。シマノのコンポーネントについて総括すると、パーツ一つ一つに、操作上においても調整作業上においても変な癖がないことが特徴だと言えるのではないでしょうか。

スラムやカンパニョーロといった他のメーカーよりも値段が安いということで、性能が劣るのではないかというふうにお考えの方もいらっしゃるか分かりませんが、海外のトップレーサーたちが使い続け、勝利をなんどももぎ取っている中で主流となっているシマノコンポーネントの性能は間違いないものと言えるでしょう。