大橋産業(BAL) トルクレンチ 2059
アストロプロダクツ プリセット型 トルクレンチ TQ969
KTC ホイルナット用トルクレンチ WCMPA103
エマーソン トルクレンチセット EM-29
タイヤ交換に便利な道具―トルクレンチとは
トルクレンチとは、ネジやナットをその部品の規定されたトルク値で、締めたり緩めたりするための道具です。 また。既定のトルク値でナットやネジがきちんと締まっているか、時間が経過し緩めの状態になっていないか測定検査するときにも使われます。
複数のナットやネジを、同じトルク値で、つまり均一の力の状態で締めなければならない時に便利な道具です。 愛車のDIY整備のために、こうした道具があれば、愛車の状態を快適に保つことができ、楽しいドライブを楽しめます。
CMPB0152
ブランド | 京都機械工具(KTC) |
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材質 | ゴム |
重量 | 0.3kg |
タイヤ交換にも関係するトルクとは?
ネジやナットを締めるためのトルク(T)とは、ネジやボルトを回転させるために押す力(F)とネジが回転する中心部分から力を入れる部分までの距離(L)をかけた値、単位です。 T(N.m)=力(F)×距離(L)で計算されます。
トルクの単位は“N.m”と表記し、読み方はニュートンメーターです。 ネジやナットは、目的や使用場所、材質などによりどれくらい締める実用があるのか、その数値、つまりトルクが変わっってきます。 ですから特定の状況に合わせたトルクの値が設定されており、車のタイヤにも規定のトルクが設定されています。
自動車のホイールナットの規定のトルクは?
自動車のホイールナットにもトルクという単位が設定されています。 普通自動車のホイールナットのトルクは、90~110N.mの間くらいです。軽自動車のホイールナットのトルクは、70~90N.m程度です。
整備書やディーラーに確認するなどの方法で、自分の車の適正なトルク値を知ることができます。
タイヤ交換をトルクレンチで行うことのメリット
タイヤ交換をトルクレンチで行うことにはいくつかのメリットがあります。 タイヤ交換でトルクレンチを使うことの3つのメリットを紹介します。
1.タイヤのナット・ボルト部品が長持ちする
タイヤ交換をトルクレンチで行えば、ナットやネジといったタイヤ・ホイールに関係する部品を長持ちし、快適・安全に運転できるというメリットがあります。
ホイールナットはとにかくきつく締めればいいと思うかもしれませんが、もし適正なトルク値以上に締めてしまうと、ナット部分が破損したリ、ネジ山がつぶれたり、ボルト部分が伸びてしまうことがあります。 そうなると部品交換しなければなりません。
上の写真左下にあるトルクインパクトという道具を使用して、迅速にタイヤ交換を行うという方法もありますが、経験のない人がこれを使うと、きつく締め過ぎて、部品が破損する、次にタイヤ交換するときに外れない、などのトラブルが起こる場合があります。
ですからナットを外す場合は別として、締める時は、写真真ん中にあるようなトルクレンチを使うことがおすすめです。
2.安定走行につながる
ホイールナットの締め付けが緩めの状態なら、ナットが緩んで、タイヤがガタガタし、最悪の場合はタイヤが外れる可能性もあります。 トルクレンチは規定のトルク値に達すると、“カチッ”という音がして、ナットがきっちり締まっていることを伝えてくれるものがあります。
こうした道具を使えば、ネットの緩みを防ぐことができ、タイヤがしっかりと付いた状態で、安定した走行を楽しむことができます。
3.すべてのナットを均一の力で締めることができる
タイヤ1本に少なくとも4本のナットがあります。車全部で16本のホールナットがあります。 タイヤ交換の時に、これらすべてを普通のレンチだけを使い、均一の力で締めていくには、そうとうの熟練した技術と集中力が必要です。
最初からトルク値を設定できるプレセット型のトルクレンチなどを使用すれば、簡単にすべてのタイヤのナットを均一の力で締めることができ、これも安定した走行につながります。
タイヤ交換におすすめのトルクレンチの種類
トルクレンチには大きく分けると2種類あります。 ①シグナル式トルクレンチ ②直読式トルクレンチ タイヤ交換におすすめなのは、シグナル式トルクレンチです。
シグナル式トルクレンチは、特に締め付け作業に適した道具で、調整し設定したトルク値に達すると、“カチッ”と音がして、それ以上の締め過ぎを防ぐ仕組みがついています。
もう一つの直読式トルクレンチは、測定検査用で、トルク値をデジタルやアナログ式の方法で表示することができます。 タイヤ交換に便利なのはシグナル式トルクレンチの方です。
タイヤ交換のためトルクレンチの使い方をマスターする
タイヤ交換時の便利なトルクレンチですが、適当に使ってもホイールナットがきちんと締まるということはありません。 しっかりとした手順と方法を踏まえてトルクレンチを使うことで、ナットが緩めの状態のままではなく、しっかりと規定のトルクまで締まった状態を得ることができます。
タイヤローテーションやスノーシーズン前など、タイヤ交換を自分で行う機会もありますから、トルクレンチの正しい使い方を習得しましょう。
使い方その1:タイヤ交換前にトルク値を調整設定する
プレセット型のトルクレンチの目盛りの合わせ方は、主目盛り・副目盛りを使いながら調整し、規定のトルク値という単位に合わせます。
最後にダイヤルロックネジを固定することで調整したトルク値がくるわないようにできます。 自分の車の既定のトルク値にトルクレンチの目盛りを合わせましょう。
使い方その2:ナットをボルトにはめて、徐々に締める
ナットは、最初からトルクレンチで締め付けるのではなく、指でナットをボルトにはめて、ある程度指で締めてから使うものです。 狭くて指が入らなければ、付属のソケットである程度締めていくことができます。
また、ナットを1本だけ最後まで締め付けてしまうと、タイヤホイールが斜めに付いた状態になることがあります。 そうすると他のナットが締まりにくくなり、無理にその状態で全部のナットを締め付けてしまうと、タイヤがガタガタする原因にもなります。
タイヤ1本に4本のナットとボルトがあれば、対角線に沿って、順番に締めていくことができます。 タイヤ1本に5本のナットとぼるとがあれば、星型を描くイメージで順番に締めていきます。
使い方その3:トルクレンチでカチッと音がするまで締め付ける
それぞれのナットをトルクレンチで締め付けますが、調整した規定のトルク値に達した時の、カチッという音や手ごたえを感じるまで締めましょう。
この手ごたえを感じる前に締めるのをやめてしまうと、ナットが緩めの状態で終わることになり、走行しているとナットがさらに緩んで、外れる原因になります。
使い方その4:力任せで一気に締め付けない
力任せでナットを一気に締めようとすると、締め過ぎてしまう可能性があります。 そうするとナットやボルトの破損、次のタイヤ交換の時に、ナットが外れにくくなるなどの不具合の原因にもなる可能性があります。
一気にトルクレンチに力を加えるのではなく、車のボディのサイドの部分に並行するような位置に立ち、体重を徐々に乗せる感じで、力を加えていきます。
使い方その5:カチッと音がした後は、締め付けない
規定のトルク値に達したの音や手ごたえを感じた後は、締め過ぎないようにするために、それ以上トルクレンチを回さないようにします。
カチッと音がしたので、もう一度確認のために締め付けてカチッという音を聞きたいと思うかもしれませんが、それは締め過ぎにつながるのでやめましょう。 締め過ぎは、先ほど述べたように、ナットやボルトの破損につながります。
トルクレンチを長持ちさせる正しい使い方
せっかく購入したトルクレンチの間違った使用方法や保管方法により、正確にトルク値を出せる道具ではなくなってしまう場合があります。
どんな使い方や保管方法を実践すれば、壊れず長持ちするのか3つ紹介したいと思います。
1.逆方向に回転させない
トルクレンチには、回す方向つまり締める方向が書かれたしるしがあります。 それとは逆方向の緩める側に回らないわけではありませんが、それでナットやネジを緩めると、トルクという単位を計測するための精度が低下する原因になります。
単なるレンチやスパナのような、締めたり緩めたりするための道具ではなく、トルクという単位を計測するという意味のある精密機械であることを意識しておきましょう。
2.振動の激しい場所で保管しない
特にデジタル式のトルクレンチなどは、精密機械と同じように扱う必要があります。 他の道具といっしょにゴチャゴチャにして保管したり、振動の激しい場所で保管するなら、正しい数値を計測できなくなってしまいます。
3.使い終わったら目盛りを元に戻しておく
これから紹介するプレセット型のトルクレンチは、特定の数字に目盛りを合わせて使いますが、作業終了後は、目盛りを最低限の数値のところにまで戻しておきます。
タイヤ交換におすすめのトルクレンチ
タイヤ交換におすすめのトルクレンチを4つ紹介します。 初心者向けから熟練者向けまでのトルクレンチを紹介しますので、自分の好みや技術に合った道具を選んでみてください。
1.BAL(大橋産業)トルクレンチ6pcセット
トルク値を目盛りを使ってあらかじめ設定できるプレセット型のトルクレンチです。 初心者向けの扱いやすいトルクレンチです。 特徴のひとつにアルミホイール対応の薄型ディープソケットが付属されています。
アルミホイールの中には、ナット部分をはめるホール(穴)の部分が広くなく、普通の分厚さのソケットでは、締めにくい場合があります。 しかし、薄型ディープソケットがあれば、アルミホイールのナットをはめるホールが小さくても、作業が困難になることはありません。
大橋産業(BAL) トルクレンチ 2059
ブランド | 大橋産業 (BAL) |
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材質 | アルミニウム |
重量 | 1.32kg |
2.アストロプロダクツ AP 1/2 プレセット型 トルクレンチ
トルク値30N.mから180N.mと幅広い範囲をカバーしているので、タイヤ交換はもちろんですが、他の用途でも十分使える多目的対応のできるトルクレンチです。 グリップを回転させて目盛りの数字を規定のトルク値に合わせます。
グリップエンドで値をずれないようにロックします。 ソケットは別売りですから、タイヤ交換用に使う場合は、自分の自動車のタイヤのナットの幅に対応したソケットを購入する必要があります。
アストロプロダクツ プリセット型 トルクレンチ TQ969
全長 | 456mm |
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重量 | 1.4Kg |
材質 | スチール |
3.KTCホイールナット専用トルクレンチ
上級者向けのホイールナット専用トルクレンチです。 自動車メーカーの規定しているトルクに合わせて、3パターン展開されています。
①規定トルク85N.m スズキ・日産軽自動車用 ②規定トルク103N.m トヨタ・ダイハツ ③規定トルク108N.m 日産普通車・ホンダ 自分の車のホイールナットの規定トルク値を確認して、適合するタイプを選ぶことができます。
KTC ホイルナット用トルクレンチ WCMPA103
ブランド | 京都機械工具(KTC) |
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サイズ | 32×40×423mm |
重量 | 1.1kg |
4.EMERSON(エマーソン) デジタルトルクレンチ EM-243
デジタルでトルクを調整し設定できるトルクレンチです。 高価な道具になりますが、デジタル式なので作業中に調整した値がくるうことがなく、トルク値の調整変更も簡単に行えます。
付属パーツのソケットの種類も豊富です。エクステンションも付属されているので、作業困難を経験することはないでしょう。快適にタイヤ交換等の作業を行えます。
エマーソン トルクレンチセット EM-29
サイズ | 高さ : 7.00 cm 横幅 : 8.40 cm 奥行 : 50.20 cm |
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重量 | 1.8kg |
トルクレンチの正しい使い方を習得してタイヤ交換
ホイールナットの規定されたトルク値に合わせることも、プリセット型のトルクレンチがあれば、怖くはありません。
カチッという音が聞こえるまで締めることや、それ以上は締め過ぎないという正しい使い方習得すれば、きちんとタイヤ交換でき、その後の自動車の走行も安定します。 愛車整備のDIYを極めるために、トルクレンチという素晴らしい道具を手に入れてみるのはいかがでしょうか。
トルクという単位は力×長さで計算できます