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スイスの物価が高すぎる!世界一物価が高いその理由とモノの値段とは?

ヨーロッパは日本より物価が高い!というイメージはありませんか?中でもスイスは「銀行」「永世中立国」「高級腕時計」で有名な国。清潔で格調高いイメージは、あらゆるモノが高いような気がします。小さな国土、さほど多くない人口のスイス。物価世界一の理由が気になりますね!
更新: 2021年3月2日
gssjotthkel921
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物価とは、個々のモノの価格ではない?

「物価」は、確かに「モノの値段」です。ただ、鉛筆の物価が100円、消しゴムの物価が50円・・・というように、個々のモノの価格を指すものではありません。

鉛筆はA店では100円かも知れませんが、B店では98円かも知れない。無地の鉛筆は30円かも知れませんが、キャラクター鉛筆は120円かも知れない。C国では70円かも知れないし、D国では300円かも知れません。つまり物価とは、様々なモノ(あるいはサービス)の価格を、統計的に平均化した値(物価水準)なのです。

【スイスの物価が世界一高い理由】その1

国の場所

スイスは、ヨーロッパ大陸の真ん中より少し左寄りに位置します。北にドイツ、東にリヒテンシュタイン公国とオーストリア、南にイタリア、西にフランスと四方を囲まれているため、海はありません。

国土の大半は森林・山岳・農村地帯で、アルプス山脈(Swiss Alps)、マッターホルン(Matterhorn)、ユングフラウ(Jungfrau)などは、日本でも聞いたことのある山の名前でしょう。

この地理的状況により、海産物の輸送費、他国からのエネルギー供給費、永世中立の立場により、自国防衛にかかる軍事費などが物価に反映され、物価高を引き起こしているのです。

【スイスの物価が世界一高い理由】その2

国の信頼度

永世中立宣言をしているスイスは、軍事・外交的な安定感が他国からの信頼を呼び、世界一有名・守秘義務が非常に堅いといわれるプライベートバンクが多数存在します。それにより多額の外貨が流れ込み、スイスの財政を潤しているのです。

その信頼を維持するには、人材・設備などに多額の投資が必要であり、それがまた物価上昇を引き起こす要因でもあるのです。

出典: https://internationalbanker.com/banking/complexities-private-banking-wealth-management/

さらに国家的信頼は国の通貨も強くし、スイスフラン高となります。それがまた物価高騰の理由ともなるのです。

【スイスの物価が世界一高い理由】その3

食糧自給と環境保全

スイスの農業・畜産業と、観光資源でもある牧歌的な景観は、お互いに切り離せない関係にあります。そして国はこれらの産業に大きな予算をかけ、保護しています。国境に接する隣国の町では、もっと安いモノがたくさん売られているかもしれません。


それでも自国の主要産業を守り、物価高も辞さないのは、資源の少ない小国が有事にも対応できるための策であり、食料の安全性や環境保護を求める国民性が影響しているのでしょう。

【お金の比較】 1.スイス×ユーロ圏

スイスの通貨単位は「スイス フラン(CHF)」です。つまりスイスは、ヨーロッパで多く出回っているユーロ(Euro)を導入していません。

ユーロは欧州連合(EU)に参加している国々が、共通の単一通貨として使用(一部、不使用の国もあり)しているものですが、スイスはこの欧州連合(EU)への加盟も2016年に取りやめました。(元々加盟申請のみで加盟はしていなかった。)

関税や為替変動リスクをなくし、ドルへの対抗を掲げてできたユーロ(Euro)ですが、政治・経済・軍事・治安・教育・環境・福祉・医療など、どれをとっても全体的に安定しているスイスには、欧州連合(EU)加盟・ユーロ(Euro)導入にメリットが見出せなかったのです。


ではユーロと比較した為替レートを見てみましょう。(2018年2月15日時点) 1ユーロ(EUR)=約1.15スイス フラン(CHF) ほぼ対等です。 他の国々との比較はどうでしょうか。

1ユーロ(EUR)=約1.25米ドル(USD) 1ユーロ(EUR)=約0.89ポンド(GBP) 1ユーロ(EUR)=約7.92元(CNY) 1ユーロ(EUR)=約1,331.6ウォン(KRW) ユーロ(EUR)と大体対等な通貨は、米ドル(USD)や英ポンド(GBR)という大国の通貨です。

スイスの通貨がいかに強いかが分かります。

【お金の比較】 2.スイス×日本

次に日本との比較を見てみましょう。(2018年2月15日時点) 1スイス フラン(CHF)=約114.7円(JPY) 他の国々との比較も見てみましょう。

1米ドル(USD)=約106.2円(JPY) 1ユーロ(EUR)=約132.6円(JPY) 1ポンド(GBP)=約149.2円(JPY) 1元(CNY)=約16.7円(JPY) 1ウォン(KRW)=約0.1円(JPY) やはり一国の通貨としてスイス フラン(CHF)は強いです。

【物価事情】1.世界

物価世界一(2017)はアンゴラ・ルワンダ

世界最大級の組織・人事グローバルマネジメント・コンサルティング会社マーサー(MERCER)では、200品目を超す様々なモノ・サービスなどの価格を世界209都市で調査し、毎年その結果を発表しています。

昨年の「2017年都市別生活コストランキング(2017 Cost of Living City Ranking)」によると、生活コストの高いベスト10は以下の順でした。

1位 アンゴラ・ルアンダ 2位 中国・香港 3位 日本・東京 4位 スイス・チューリヒ 5位 シンガポール(都市国家なので、国そのものが首都) 6位 韓国・ソウル 7位 スイス・ジュネーブ 8位 中国・上海 9位 アメリカ・ニューヨーク 10位 スイス・ベルン

【物価事情】2.スイス

スイスの物価はやはり世界一

マーサーの「2017年都市別生活コストランキング」では、3都市がベスト10入りしていたスイス。中国も2都市がベスト10入りしていますが、国の大きさや人口から考えてみても、スイスの物価高は際立ちます。

また過去数年のデータを見ても、ベスト10に2都市以上ランクインしている国はスイスのみであり、やはりスイスの物価は世界一といえるでしょう。

2016年のランキングではチューリヒ(3位)、ジュネーブ(8位)、2015年はチューリヒ(3位)、ジュネーブ(5位)、ベルン(9位)、2014年はチューリヒ(5位)、ジュネーブ(6位)、ベルン(8位)となっており、スイスの物価高は一時的なものではない、ということがうかがえます。

【物価事情】3.日本

日本の物価も高い

日本はベスト3に1都市がランクイン(「2017年都市別生活コストランキング」:マーサー調べ)しており、東京の突出した物価高が特徴的です。

その他、大阪は20位、名古屋は34位に位置しているため、全体的には209都市の中でかなりの上位を占めているといえるでしょう。 ちなみに2016年は東京(5位)、2015年は東京(11位)、2014年は東京(7位)となっています。

【モノの値段】世界

生活に関する情報を、世界中のユーザーがタイムリーに登録できる「Numbeo」というデータベースがあります。 その情報の一つ「Cost of Living(生活コスト)」には、「レストラン(Restaurants)」「市場(Markets)」「輸送(Transportation)」「家賃(Rent per Month)」「年収(Salaries and Financing)」などの項目があります。

地図を見れば明らかなように、先進国のある地域ほど赤いバルーン(生活コストが高い)が目立ちます。しかしそれは一部の地域のみで、世界の大部分は緑のバルーン(生活コストが低い)、または生活情報の登録すらない地域になっているのです。


【モノの値段】スイスと日本の比較 1.レストラン(Restaurants)

それでは、Numbeoによるスイスと日本の生活コスト比較をしてみましょう。この値段は、スイスや日本の各地域に住むユーザーが登録(2018年2月時点)した、モノやサービスなどの値段を平均化したものです。また参考までに、1スイスフラン=115円(2018年2月時点)として計算してみました。

スイス

・ 安いお店で食事をする → 約24スイスフラン(約2,760円) ・ 中レベルのレストランで3品コースを2人前頼む → 約100スイスフラン(約11,500円)

・ マクドナルドでの食事 → 約14スイスフラン(約1,610円)

・ 国産ビール(500ml) → 約7スイスフラン(約805円)

・ 輸入ビール(330ml) → 約6スイスフラン(約690円) ・ カプチーノ(レギュラー) → 約4.6スイスフラン(約529円) ・ ペプシ/コーラ(330ml) → 約4スイスフラン(約460円) ・ 水(330ml) → 約3.2スイスフラン(約368円)

日本

・ 安いお店で食事をする → 約800円 ・ 中レベルのレストランで3品コースを2人前頼む → 約4,000円 ・ マクドナルドでの食事 → 約680円

・ 国産ビール(500ml) → 約400円 ・ 輸入ビール(330ml) → 約500円 ・ カプチーノ(レギュラー) → 約377円 ・ ペプシ/コーラ(330ml) → 約132円 ・ 水(330ml) → 約105円

【モノの値段】スイスと日本の比較 2.市場(Markets)

スイス

・ 牛乳(1l) → 約1.5スイスフラン(約172.5円)

・ 白米(1kg) → 約2.7スイスフラン(約310.5円) ・ 卵(普通サイズ12個入) → 約5.5スイスフラン(約632.5円) ・ 国産チーズ(1kg) → 約23スイスフラン(約2,645円) ・ 牛肉(1kg) → 約47スイスフラン(約5,405円) ・ ジャガイモ(1kg) → 約2.6スイスフラン(約299円)

・ タマネギ(1kg) → 約2.4スイスフラン(約276円) ・ 水(1.5l) → 約1.3スイスフラン(約149.5円) ・ リンゴ(1kg) → 約3.7スイスフラン(425.5円)

出典: http://offers.kd2.org/de/ch/aldi/pbziW/

日本

・ 牛乳(1l) → 約184円 ・ 白米(1kg) → 約432円 ・ 卵(普通サイズ12個入) → 約222円 ・ 国産チーズ(1kg) → 約1,812円 ・ 牛肉(1kg) → 約1,837円 ・ ジャガイモ(1kg) → 約399円 ・ タマネギ(1kg) → 約346円 ・ 水(1.5l) → 約124円 ・ リンゴ(1kg) → 約703円

【モノの値段】スイスと日本の比較 3.輸送(Transportation)

スイス

・ タクシー初乗り料金 → 約6.5スイスフラン(約747.5円) ・ タクシー(1km) → 約3.8スイスフラン(約437円) ・ ガソリン(1l) → 約1.5スイスフラン(約172.5円)

日本

・ タクシー初乗り料金 → 約600円 ・ タクシー(1km) → 約340円 ・ ガソリン(1l) → 約129円

出典: https://nippontaxi-grp.co.jp/taxi/car/

【モノの値段】スイスと日本の比較 4.家賃(Rent per Month)

スイス

・ アパート(1ベッドルーム/都心) → 約1,404.4スイスフラン(約161,506円) ・ アパート(1ベッドルーム/郊外) → 約1,129スイスフラン(約129,835円)

・ アパート(3ベッドルーム/都心) → 約2706.5スイスフラン(約311,247.5円) ・ アパート(3ベッドルーム/郊外) → 約2176.2スイスフラン(約250,263円)

日本

・ アパート(1ベッドルーム/都心) → 約82,165円 ・ アパート(1ベッドルーム/郊外) → 約53,580円 ・ アパート(3ベッドルーム/都心) → 約167,672円 ・ アパート(3ベッドルーム/郊外) → 約103,359円

【モノの値段】スイスと日本の比較 5.年収(Salaries and Financing)

スイス

・ 月額平均給与(税込) → 約4,642.6スイスフラン(約533,899円)

出典: https://swiss-banking-lawyers.com/news/how-big-is-the-salary-of-a-normal-swiss-banker/

日本

・ 月額平均給与(税込) → 約282,288円

まとめ

スイスの物価が世界一高い理由、そしてスイスのモノの値段はいかがでしたか?なぜ物価が高くなってしまうのか、理由はさまざまでした。しかし戦争に中立な立場をとり、自国の美しい自然を大切にし、必要なことのためには高い税金も厭わず、信頼を守る努力をする国民性は、素晴らしいですね。