寒椿の花言葉
寒椿の花言葉は『愛嬌』『謙譲』『申し分のない愛らしさ』。 寒椿を誕生花とする誕生日は12/8と12/10です。 寒い季節にも関わらず健気に咲く寒椿。少し控えめな花を付けるというイメージからこの花言葉がつけられたそうです。
花言葉は椿の花の色、紅色系か白色系かで少し変わるとのこと。こちらもご紹介したいと思います。
紅色系の花の花言葉
「控えめな素晴らしさ」 「見栄を張らない」 「高潔な理性」 「慎み深い」 「謙虚な美徳」 「気取らない優美さ」
白色系の花の花言葉
「最高の愛らしさ」 「申し分のない魅力」 「理想的な愛情」 「誇り」 「冷やかな美しさ」 「至上の美」
ピンク系の花の花言葉
「控えめな美」 「簡素」 「静かなおもむき」
どの色合いの花も「愛らしさ」や「美しさ」「理性」を象徴している物ですが、各々すこしニュアンスが違うようにも感じますね。どちらかと言えば紅色系はありのままの魅力、白色系は少し大人で落ち着いた雰囲気のある人、ピンク系は素朴で控えめな感じをイメージさせてくれるような気がします。
寒椿の特徴
寒椿の基本データ
サザンカとツバキの交雑種である園芸品種といわれツバキ科・ツバキ属の常緑低木で高さは1.5m〜3mほどになります。学名『Camellia hiemalis』もしくは『Camellia sasanqua』。
樹高の高いタイプは「立寒椿」または「獅子頭」と呼ばれるそうです。耐寒性のある寒椿の開花時期は冬の季節11月〜2月。つける花の色には赤の他に白、ピンクがありその模様の入り方も色々あります。
2種類の寒椿
中国原産の寒椿を『Camellia hiemalis Nakai』、山茶花と交雑して作られた品種を寒椿群『Camellia sasanqua Kantsubaki』と呼ぶそうです。見た目はあまり変わらずどちらも直径5~7cmほどで、八重咲きもしくは千重咲きの花をつけます。
寒椿の花
花びらの数は14枚以上、八重咲きで濃い紅色が多いとされていますが一重や八重咲きの白やピンクの花をつける品種もあります。また花には香りはなく、花びらにはあまりシワが出来ないそうです。
花びらと雄しべが合着している椿の特徴と、花びらが1枚ずつ散るという山茶花の性質を併せ持っているのも寒椿の花の特徴のひとつのようです。
寒椿は何に強い?
みなさんはどんなところにある寒椿を思い出しますか?いつも通る道路脇、家の垣根や公園で見た事を思い出される方も少なくないのではないでしょうか?
寒椿は名前や開花時期の示す通り寒さに強いこと以外にも、大気汚染にも強く日陰でも育つことで知られているそうです。
また枝が横に伸び芽を出す力が強い上に自然に形が整いやすいといった性質もあるため、扱いやすく整備しやすい木ということで頻繁に手の掛けられない公道や公園に多く見られるのかもしれませんね。
寒い季節に花をつけ耐寒性はある寒椿ですが、西日や冬の寒風には弱いようです。
椿の種類
椿の園芸品種は非常に数が多いことでも有名です。日本で作り出された椿の品種だけでもその数2,200以上。海外で作り出された椿に至っては5,000以上の品種があるそうです。
椿の花の色
椿の花の色は大きく分けて「白色系」「桃色系」「紅色系」「斑入系」「絞り系」「覆輪系」「黄色系」「紫色系/その他」の8種類があります。
ちなみに一口に「絞り系」と言っても、その模様の現れ方は「小絞り」「縦絞り」「吹きかけ絞り」「紅覆輪」「白覆輪」の5種類に分別されます。
有名な品種では太郎冠者という中国原産のの品種から派生したと言われている「侘助」や、江戸椿の品種のひとつである「岩根絞」などです。どちらも花びらの地色に白班が入るものが多いそうです。
椿の花の咲き方
椿の咲き方は下記に分類される7通りあると言われています。 「一重咲き」「八重咲き」「唐子咲き」「牡丹咲き」「獅子咲き」「千重咲き」「二段咲き」です。 ここではあまり馴染みがないかもしれない「唐子咲き」「牡丹咲き」「獅子咲き」をご紹介させて頂きます。
唐子咲き
唐子咲きは花芯のおしべ全体あるいは葯(花粉の入った袋)が小さな花弁に変形した椿です。
唐子咲きの花をつける椿の色は「白色系、桃色系、桃色系、斑入系、絞り系、覆輪系、黄色系」で他の紫色系の花には見られない咲き方だそうです。
牡丹咲き
八重咲きの花の中でも大きく膨らみ、見た目がさらに華やかになったものを「牡丹咲き」と呼ぶそうです。
獅子咲き
こちらも華やかな八重咲きの一種ですが花弁の間に雄しべが見え隠れしています。このような一種の変化咲きを「獅子咲き」というそうです。
椿と山茶花
椿の基本データ
「Camellia japonica」という学名をもつ椿は日本原産の植物です。 開花の季節は冬、植え付けや植え替えは3、4月もしくは9、10月が適しているそうです。
椿の名前の由来は諸説ありますがその中で良く言われるものが、厚みのある葉をもつと言う意味で「あつば木」、その葉のつややかさから「艶葉木(つやばき)」、同じように葉に光沢があることから「光沢木(つやき)」などという説があるそうです。
山茶花の基本データ
山茶花は学名「Camellia sasanqua」といい、ツバキ科ツバキ属に分類されます。こちらも日本の固有種です。 開花の季節には種類によってばらつきがありますが、椿よりも耐寒性が弱く野生種は晩秋から冬にかけて花をつけます。
そして山茶花から作出された品種として先出の寒椿(C. sasanqua ‘Shishigashira’)や、開花時期が12月〜4月と遅めの椿と山茶花の交雑種であるハルサザンカ(C. × vernalis)があるそうです。
椿と山茶花の花言葉
椿の花言葉
椿の花言葉は椿と山茶花の交雑種である「寒椿」とほぼ同じです。 なので、ここでは有名な品種「侘助」の花言葉をご紹介します。本家の椿に比べて小さいピンクの花をつける様が遠慮しているような印象から「控えめ」「簡素」「静かな趣」そして「慰めてあげます」という花言葉をもつそうです。
ちなみにこの特に椿の中でも慎ましく咲く「侘助」は「わび、さび」があるとして茶花としても多用されていますが、花言葉を合わせても茶花にぴったりですね。
山茶花の花言葉
『困難に打ち克つ』 『理想の恋』 『ひたむきさ』 山茶花の花言葉も寒い過酷な季節にも負けず花を咲かせる姿に由来しているそうです。また椿と同様、その花の色によっても少し変わってきます。
赤/『謙譲』『あなたがもっとも美しい』 白/『愛嬌』『あなたは私の愛を退ける』 ピンク/『永遠の愛』 白の花の花言葉は愛嬌があって愛を退けるだなんてなかなか小悪魔な女性が想像されますね。
椿と山茶花の見分け方
開花時期
どちらも耐寒性があり寒い時期に花をさかせる椿と山茶花ですが、花をつける季節は少し違います。地域によって多少誤差は出てくるかと思いますが、椿は12月〜5月の冬から早春にかけて開花し、山茶花は10月〜2月の晩秋から冬が開花時期となります。
花の違い
椿の花は5枚か7枚を基本とし大きさは極小輪の4cm以下から極大輪の13cm以上と花の大小が幅広く、カップ上で花弁が開ききらない事が特徴です。 山茶花の花は椿よりも大きさの範囲が狭く平均5〜7cm、ツバキのように筒状にはならず完全に花弁が大きく開く事が特徴です。
花の散り方の違い
椿と山茶花で大きな違いは花の散り方かもしれません。 椿は花が落ちる時は丸ごとぽろっと落ちますが、山茶花は花びらがひらりひらりと散るように一枚ずつばらばらに落ちていきます。
葉の長さと形の違い
山茶花も椿の葉も全体的な形はあまり変わりませんが葉の長さと葉縁の形態が少し違うそうです。 椿の葉は5cm~12cm程、ギザギザは目立たず毛も生えていません。対して山茶花の葉は3cm~7cm程ギザギザがあり毛が生えています。また葉の形として山茶花は先がすこし尖っているのが椿の葉との相違点です。
寒椿と山茶花の見分け方
寒椿と山茶花の開花時期
寒椿の開花時期は10月から2月、山茶花の開花時期も寒椿の開花時期とあまり変わらず10月末から2月です。寒椿が山茶花と椿の交雑種群ということを考えると開花する季節が同じなのは納得がいきますね。開花時期だけで寒椿と山茶花を見分けることは難しそうです。
寒椿と山茶花の葉
どちらも暗緑色、小さな槍のような形、縁にギザギザがあるという同じ形、特徴を持っています。ここでも見分けるのは難しいと思います。
花びらで見分けよう
最後に頼れるのはやはり花の特徴の違いのようです。
寒椿の花には「花弁と雄蕊が合着している」「花びらが多く14枚以上」「しわしわにならない」という特徴があり、山茶花の花には「花びらが少なく5~10枚」「しわができるものが多い」という特徴があるそうです。
一重咲きの寒椿もあるので一概に花びらの枚数だけでは言えませんが、他の「しわ」と「花弁と雄しべ」の違いも留意して見分けるのが妥当だと思います。ぜひ挑戦してみてください♪
さいごに
いかがでしたか? 一口に「椿」「山茶花」と言ってもその品種、咲き方、色、模様の入り方はとても多様で同じ花なのかわからなくなる程だと思います。
もし道ばたで、公園で、ツバキ科の花を見かけたらぜひ観察してみてはいかがでしょうか。どちらにしても寒い季節に色とりどりの花をつけてくれるのをみると温かい気持ちになりますね。