バーテープとは何か?
自転車のハンドルに欠かせないパーツ
バーテープというのは、自転車のハンドル部分に巻き付けるテープの事を指します。主に使用するのはスポーツ用のロードバイクなどに多い「ドロップハンドル」という形の自転車ですね。バーテープを巻きつけることで、路面から伝わる振動や衝撃を緩和する効果やグリップ力が増す効果があります。テープのデザインや種類も豊富で、実用的な効果以外にも外見がおしゃれになるため熟練者になるとバーテープでこだわりや個性をアピールする人も多いですよ。
消耗速度が早く、非常に安価
ロードバイクのパーツの中でも、バーテープは最も消耗が激しいパーツであると言われています。プロの選手であれば毎日交換するのが当たり前とされており、例えばこれからロードバイクに乗り始める初心者でもその消耗速度は意識しておいた方がいいでしょう。消耗速度だけでなく、自転車パーツとしては最も安価であるという事もバーテープの特徴として挙げられます。安いものなら数百円、高くて良いものでもせいぜい二千円程度ですから、頻繁に交換するとしてもお財布への負担は軽めですね。
バーテープの特徴って?
ポイントはクッション性と厚さ
バーテープには高いものから安いものまで豊富な種類があります。一般的に注目するべきポイントは厚さとクッション性で、バーテープが厚ければ厚いほどクッション性が高く、走行時の振動を軽減してくれて乗り心地が快適になるとされています。ですがバーテープは分厚くなると握りにくくなる傾向があり、特に手の小さい人はあまり厚いバーテープを選ぶとハンドルが満足に握れなくなってしまうという欠点もあります。選ぶときには、自分の手に合った厚さとクッション性を探すと良いでしょう。
バーテープの加工も種類がいろいろ
バーテープは厚さ以外に表面加工のタイプにも様々な種類があり、それによって性能や使い勝手も変わってきます。外見にもかなりの差が出てくるので、自分なりのおしゃれを追求する人にとってもこの種類の違いは非常に重要ですね。
バーテープの表面加工その1・ステッチタイプ
グリップの中央部分にステッチ、つまり縫い目が入っているタイプですね。この縫い目があるおかげでグリップ力が通常より更に高くなっており、少し分厚いタイプでもハンドルが握りやすくなるので人気の高い加工ですね。シンプルな外見に縫い目のアクセントがあって、外見的にもおしゃれなバーテープに多く見られる加工と言えます。
バーテープの表面加工その2・波型模様タイプ
こちらもステッチ加工と同じようにグリップ力の向上を目的とした加工ですね。バーテープの表面に波型の凹凸をつけることで握り心地が大幅に向上しており、平らなタイプよりも高いグリップ力が得られますよ。こちらは外見もですが、特にハンドルを握った時の手触りが良いと好評です。
バーテープの表面加工その3・穴あきタイプ
こちらはグリップ力だけではなく、通気性に注目したタイプの加工になります。バーテープに細かい穴がたくさん開いているおかげで、ハンドルを握っていても手のひらの蒸れを抑える効果があります。特にロードバイクは長期間乗り続ける事が多いため、握った時に手が蒸れにくいのはありがたいですね。蒸れにくいおかげで手汗による滑りなども抑えられるので、グリップ力にも期待できます。
バーテープには素材が色々ある
加工や厚さも重要な点ではあるのですが、バーテープを選ぶときに最も注目しなければならないのはやはりその素材です。バーテープは使われている素材の種類も様々で、それぞれに特徴も異なっています。素材に加えて「コルク入り」やら「ゲル入り」といった複数種類のバリエーションがあるので、ロードバイク初心者がまず理解するべきはこのバーテープの素材とその特性だという意見もよく聞きます。
バーテープの素材の種類その1・ウレタン
現在のバーテープの中でも最もポピュラーな素材として使われているのがウレタンですね。軽量であること、クッション性が高い事などまさにバーテープとして最適の素材と言われており、非常に人気が高いです。素材の特性上雨などの濡れる状況にも強く、耐久性も他の素材に比べて高め。たくさんのカラーが揃っているので、自分の欲しいデザインや色合いのものを探しやすい事が嬉しいですね。
バーテープの素材の種類その2・革
革製のバーテープは、1980年代くらいまでは高級バーテープとして高い人気を誇っていたのですが、近頃は商品の種類も減ってきています。とはいえグリップ性能や強度はなかなかに良いので使い勝手が良くないと感じることは少ないと思います。革製の特徴は何といってもその色合いやデザイン性などの外見の良さですね。性能も決して悪くない上に高級感やビンテージっぽい雰囲気を演出してくれるおしゃれ向きのバーテープとして、今でも好んで使う人は多いですよ。
バーテープの素材の種類その3・EVA素材
ウレタンや革以外の素材でと言われた時に出てくるのがこのEVA素材と呼ばれるものですね。価格帯が低めの商品ラインナップでは結構定番の種類となっており、高級なバーテープでも内側のクッション材として使われている事が多いようです。軽い事や衝撃吸収性が高い事が人気の理由ですが、EVAの肌触りはスポンジっぽいため、ハンドルの握り心地はお世辞にも良いとは言えません。そのためEVAを基盤にして表面を別の素材にするものが多く存在しています。
バーテープの「コルク入り」「ゲル入り」って?
コルク入りやゲル入りのバーテープは、主にウレタン製やEVA製の物に見られる特徴ですね。細かいコルク片を素材に混ぜることでクッション性と吸湿性を向上させる効果があります。握った時のグリップ力や握り心地を追求したものなので、定番の素材組み合わせバーテープとして高い人気を誇っています。ゲル入りも同じように握り心地やクッション性を高めるために組み合わせられたもので、手のひらの衝撃を少なくしたい人向きのバーテープとして利用している人も少なくありませんよ。
バーテープ巻きなおし時期の目安
テープ巻きなおしの時期はさまざま
最初にご紹介した通り、バーテープはロードバイクのパーツの中でも特に消耗速度の速いものです。乗り心地についてももちろんそうですが、ぼろぼろになったり汚れてきたバーテープを巻きっぱなしではロードバイクそのものがみすぼらしく見えて印象もよくありません。性能とおしゃれさの両方を考えると、それほど高価ではないバーテープの巻きなおしは結構頻繁に行う事になりますね。
見た目で劣化が目立つなら巻きなおし
主にバーテープの交換目安としてロードバイク乗りや自転車ショップがおすすめするタイミングは「見て分かるほど汚れたとき」「ハンドルに巻いたテープがずれてきたとき」「ワイヤー交換のとき」など複数あります。基本的には外見を重視して、遠目で見てもわかるくらいにテープが汚くなったら交換するという意見が多いですね。ワイヤー交換の時というのは、パーツの構造上必然的にバーテープも剥がす必要が出てくるので、どうせなら一緒にテープも新しいものに変えてしまうことをおすすめします。
日付で時期を見るならだいたいどのくらい?
外見的な目安以外にも、日数的な時期としての目安もあります。最初にご紹介した通り、プロであれば毎日巻き換えると言いますし、プロでなくても毎日乗るのであれば巻いてから1か月くらいの時期を目安にして交換するのがベストですね。種類によって交換時期は前後しますが、そこまで頻繁に乗るわけではないのなら2か月に1度、人によっては半年に1度なんていう人もいるようです。時期としての最長は半年に1度くらいまでのようですね。
バーテープの巻き方は自分で習得しておくべき
バーテープの交換はショップに任せて綺麗に巻きなおしてもらうことも可能ですが、ロードバイク乗りの人々からは自力で交換することを推奨する声がとても多いですね。別にショップの巻き方やクオリティに問題があるわけではなく、バーテープ交換はメンテナンスとしては簡単な部類のため初心者でも慣れておいて損は無い事と、自力で巻きなおしをしたほうが自分のロードバイクへの愛着が増すからという理由が主なようです。自分のバイクは自分で手入れできた方が良いですね。
バーテープ巻き方その1
まずは古いバーテープを剥がす手順から
バーテープの巻きなおしをする際に一番最初にしなければならないのは、当然ですが既に巻かれている古いバーテープを剥がすことです。この時の注意点として、テープを剥がすときにハサミを使ってはいけません。ハサミを使えば手っ取り早いのは事実ですが、ハンドルに傷が付いてしまう可能性が高いので必ず素手で行いましょう。
基本の巻き方の前に準備しておくこと
巻きなおし作業を行う前に、まずは必要な道具の準備を忘れないようにしましょう。ハサミとビニールテープがあれば道具はひとまず大丈夫です。また、テープを巻くときに綺麗に仕上げるためのコツとして、作業開始前にバーテープの端から中指一本分くらいの長さを1つ切り離しておく事をおすすめします。
キャップ・カバー・ビニールテープを剥がして作業開始
テープを剥がす手順ですが、まず最初にテープの端を固定している「バーエンドキャップ」という部分を取り外す必要があります。同様に、ハンドル根本部分をビニールテープなどで固定している場合が多いので、それも剥がします。この時にブレーキレバーの根本にあるカバーも上にめくっておけば剥がし作業がスムーズに進みますよ。 あとは根元部分からテープを剥がしていけばいいだけなのでそう難しくはありません。手元がぐちゃぐちゃにならないよう、巻き取りながら剥がすことをおすすめします。
バーテープ巻き方その2
基本の巻き方・下から上向きに
新しいバーテープの巻き始めはハンドルバーの下側から始める、という意見が一般的には多いようです。手順として、まずハンドルバーの下端にバーテープを一周ぐるっと巻きつけます。この時の巻き方として、テープの横幅半分くらいだけを巻き付けて残り半分は余らせておくようにしましょう。一周しっかりと覆ったら、あとはそのまま少し斜めに角度をつけて、くるくる巻いていきます。テープ同士の隙間を作らないように気をつけながら、横幅が1/3くらい重なるように巻くと綺麗に仕上がります。
ブレーキレバー部分の巻き方は特に注意
下端から上向きに巻いていってブレーキレバー部分まで来たら、先ほど切り離しておいたバーテープの切れ端の出番です。切れ端のテープを、ブレーキレバーとハンドルの結合部に張り付けておきましょう。こうしておくことで、結合部分にそのまま巻き付けるとできてしまう隙間をなくすことができますよ。あとはそのテープを覆うようにバーテープを巻きつけてそのままハンドルの端まで巻いていけばもうほぼ完了です。
仕上げはビニールテープ
最後まで巻ききった後は、端がハンドルバーと垂直になるようにバーテープを切り、その上からビニールテープで固定します。外見のおしゃれさを求めるならその上から化粧テープを巻くのもありですね。最後にハンドル下端部分にバーエンドキャップをはめれば完成です。
巻く向きや巻き方は結構自由
おしゃれな巻き方は探せばたくさん
ここで紹介した巻き方はあくまでも一例なので、より自分向きの巻き方や巻く向き・コツが見つかったらそちらに変えていくのもアリです。ハンドルの下側から上向きへの巻き方も、逆に上から下向きに進める巻き方も複数存在します。ネットで検索すればロードバイクに乗る人それぞれの巻き方がたくさん紹介されているので、参考にしてみるといいですね。 「忍者巻き」や「二色巻き」など、おしゃれな巻き方はたくさんあるので慣れてきたらぜひ探してみてください。
バーテープはロードだけじゃなく、クロスバイクにもおすすめ
クロスバイクもバーテープでもっとおしゃれに
本来バーテープはロードバイクに取り付けるものなのですが、実はクロスバイクに取り付けるのも人気が高いんですよ。クロスバイクのハンドルはロードバイクと形状が異なるフラットバータイプのものなので、専用のグリップを取り付けるのが基本です。しかし外見のおしゃれさを求める時に「クロスバイクもロードバイク寄りのスポーティーな外見にしたい」と考えるならバーテープを巻くのがオススメなんです。
ロードバイクよりさらに安く済む?
クロスバイクにバーテープがオススメな理由もロードバイクと同じ「安い・簡単・おしゃれ」なのですが、特に「パーツ費用が安く済む」という効果はロードバイク以上に大きいです。もともとロードバイク用であるバーテープは、ドロップハンドル用に長いテープが左右一本ずつの二本セットで販売されているのですが、クロスバイクはロードバイクよりもハンドルが短いため1本で左右を巻けてしまいます。実質使える本数がロードバイクの倍になるので、高性能でもお財布に優しいんですよ。
まとめ
ロードバイクの基本パーツであるバーテープは種類が豊富で、初心者でも手に取りやすいものです。安いし交換もさして難しくないし、ちょっとした気分転換で交換できる気軽なアイテムなのでここからロードバイクやクロスバイクへの愛着を深めていくのもいいですね。