チョークアートとは
チョークアート用の黒板は学校などで使われる黒板とは少し違います。特殊な塗料が塗られていて、そこにオイルチョークという消えないチョークで文字やイラストが描きだされています。イギリスのパブ発祥の黒板の看板がオーストラリアで完成されたアートです。以前は小粋な海外の街角の風景だったチョークアートも最近では日本でも当たり前のように見ることができるようになりました。
チョークアートのやり方①準備
チョークアートは道具を用意して描き方のテクニックを身につければ誰にでも簡単にはじめることができます。チョークアートの描き方の前に道具の準備からはじめましょう。
準備する道具
チョークアートの描き方を習う前に、まずはチョークアート用の黒板作りに必要なものを用意しましょう。MDFボード、ジェッソ、ローラー。MDFボードは画材屋で売られています。イラストや文字を描きだす道具として、オイルパステルやダーマトグラフを使います。この他マスキングテープ、鉛筆削り。定規や綿棒、新聞紙とシリコンラッカースプレーも用意しましょう。はじめは下書きをしてから黒板にそのデザインを写すのが失敗が少ない描き方なので下書きを描いた紙とカーボン紙も用意しましょう。
チョークアートのやり方②黒板作り
チョークアートといえば黒板ですが、この黒板は学校などで使う黒板とはちょっと違います。特殊な塗料を塗ったMDFボードという板を使用します。ちょーとアートのやり方は黒板づくりからはじめます。
黒板作り①ボードをカットする
画材屋では色々な大きさのMDFボードが売られています。自分の欲しい大きさのボードが市販の中にない場合はホームセンターなどでMDFボードをカットしてもらいましょう。
黒板作り②ジェッソを塗る
次のチョークアートのやり方は、用意したMDFボードにジェッソを塗っていきます。これはMDFボードの色塗りを定着させて色づきを良くしてくれる薬剤です。ジェッソを塗っておかないと色の乗りが悪くなってしまうので必ず下地作りをしてからチョークアートをはじめましょう。
チョークアートのやり方③文字やイラストを描き方
ジェッソでの下地処理が終わったらいよいよチョークアートのやり方も要といえる文字やイラストを描く段階になります。ここが一番頭を悩ませるところでしょうが、最初はあまり考えずに模写からはじめてもよいでしょう。まずは練習のつもりでいくつか作品を仕上げることが大切です。慣れてくるとだんだんと描きたいものが増えてきてチョークアートが楽しくなってきますよ。
描き方のヒント
チョークアートの描き方のヒントですが、やはり他の作品をたくさん見るということが大切です。特に自分がチョークアートをはじめてみたいと思った作品は徹底的によく見てどこが自分の気に入ったポイントなのか考えてみます。文字の選び方なのか、色使いなのか、描かれているイラストなのかじっくり見ているうちに自分の描きたいもののイメージが浮かんでくるでしょう。
チョークアートのやり方④仕上げ
チョークアートのやり方の最後の工程は仕上げです。仕上げ作業は塗りのときにはみ出たものを消したり、上から塗って隠したり、長く綺麗に保つための処理をします。
描き方仕上げのやり方1.隠し塗り
塗り間違いやはみ出した部分の処理のやり方には消す方法と上から塗り隠してしまう方法と2つあります。手軽にできるのはジェッソを綿棒につけて汚れた部分を塗り隠すやり方です。この他黒のダーマトグラフで重ね塗りしてわからないようにするやり方もあります。
描き方仕上げのやり方2.シリコンラッカーを塗る
チョークアートの最後の最後の仕上げはシリコンラッカーを使います。これはパステルなどの色を落ちにくくする働きと、チョークアートを通常の黒板のように使うときの使いやすさを出すための2つの目的があります。特に黒板として使う時は1回ではなくて3~4回重ねてスプレーするとよいでしょう。しっかりとシリコンスプレーが乾いたら完成です!
チョークアートの描き方①デザイン
おおまかなチョークアートのやり方の流れがわかったら、早速自分のチョークアート作りをはじめましょう!初心者向けのチョークアートやり方は、まずどのようなチョークアートを描くかデザインを紙に描くところからはじめると良いでしょう。メニューやウェルカムボードなど利用目的を考えながらデザインを考えます。
チョークアート描き方・デザインのヒント
チョークアートは海外発祥のアートなので、おしゃれなデザインが載っている洋書などを参考にするのもおすすめです。おしゃれなカフェのメニューやアーリーアメリカンの雑貨屋にあるウェルカムボードには素敵なデザインが多いですよ。下書きを描く紙は何でも構いません。上からなぞることを考えるとあまり厚くないけれどある程度丈夫な紙がよいですね。
チョークアートの描き方②文字・フォント
チョークアートの特徴として、おしゃれな飾り文字があります。チョークアートをたくさん見るのも良いですが、少し別なところを探してみると素敵な飾り文字が見つかることがあります。中学生の頃に美術の授業で習った人も多いレタリングや特別なペンで描く飾り文字「カリグラフ」の本などがアルファベットのフォントの参考になるでしょう。
描き方は他のチョークアートを参考に
海外のチョークアートのプロによる看板作成の動画をご紹介します。アルファベットの飾り文字はとっても種類がありますが、よく使われるフォントというのはある程度決まっています。基本的なアルファベットの飾り文字の描き方、文字に影をつける方法まで動画に納められていますので参考になります。
お気に入りのチョークアートがあるなら、そのフォントを真似して描いてみるのもよいですね。かわいらしいフォント、おしゃれでモダンなフォント。フォントのイメージでチョークアートの雰囲気が変わるといっても過言ではありません。チョークアートはイラストのデザインと共に文字のデザインも重要です。
チョークアートの描き方③線画を描く
下書きが描けたらそれをチョークボードに線画を写していきます。黒板・カーボン紙・下書きの紙という順番で重ねてマスキングテープでずれないようにしっかりと固定してから描きはじめましょう。下書きさえしっかり描ければあとは写して塗るだけなのでスラスラと楽しく進められます。
線画の描き方のポイント
下書きを写す方法は先にデザインが決まっているので描き直しはなくなりますが、写し忘れが心配です。そんな時は、どこをなぞったかわかりやすいように下書きとは違う色のペンや鉛筆でなぞりましょう。すでに描き終わったところがわかりやすくてなぞり忘れを防げます。
チョークアートの描き方④色を付ける
黒板に下書きの線画を写し終わったら、早速オイルパステルやダーマトグラフを使って線画に色を着けていきます。描きだす物の質感を薄く塗ったり、重ね塗りしたり色々な塗り方を試してみましょう。最初は難しいなと感じるかも知れませんが、後述で塗り方のコツもご紹介しますので参考にしてみてください。
描き方のコツは慣れ?
最初はイメージ通りにいかないかも知れませんが、何度も描き続けてていくうちに自分のイメージ通りに仕上げる描き方のコツがわかってきます。こうなってくるとチョークアートがとても楽しくなってきますので、小さいものでも良いので何作品か描いていきましょう。
チョークアートの描き方⑤装飾~完成
チョークアートの中には外枠やフレームなどの中にイラストや文字を入れているものも多く見られます。出来上がった作品が少し寂しいなと感じたら外枠を付けるとおしゃれなチョークアートになる場合もあります。素敵な作品にはおしゃれな枠がしばしば登場しているのを見かけることも多いでしょう。リボンが波打っているような枠や、破線の枠、植物のつたが絡まっているようなアーティスティックな枠など様々な枠の形があります。
枠の描き方も印象を決める
初心者向けの直線で描く外枠フレームの描き方はとっても簡単で、マスキングテープで保護してからガシガシと塗っていくだけです。こんな簡単な枠でも太めにすると手書き感がでるし、細い二重枠を描くとカッチリとした印象に仕上がるなどできあがりの印象が変わってきて楽しいです。
チョークアートの描き方・テクニック
チョークアートの大まかな描き方がわかっても、出来上がった作品がどうもイメージに合わないときもあります。たくさんの他のチョークアートを見ることでだんだんとそのテクニックがわかってきますが、そんな時間ももったいないという人にちょっとしたチョークアートのコツを伝授しましょう。
描き方テクニック①指でこする
チョークアートのデザインは気に入っているけれどうまく色を塗れないという人も多いようです。ポップアートなデザインならベタ塗りでも十分雰囲気は出ますが、リアルなイラストの描き方はなかなかはじめての人には難しいです。そんな時に使いたいのがぼかしのテクニックです。主に指でこすってだんだんと色がかすれて薄くなる様子を表現します。花びらの柔らかさなどを表現するのに使える塗り方のコツです。
描き方テクニック②色を重ねる
イラストに奥行きを出しリアルに描きだすには色の重ね塗りテクニックが効果的です。基本的な色を重ねるテクニックは1色のものを表現するのに3種類の色を使った描き方をします。例えば丸い玉を描くとき、玉に明るく光が当たっている部分の色を塗ります。その色よりも濃い目の色で影色を重ねます。この時光の当たっている方向を考えながら全てのイラストの影の方向を揃えるのが描き方のコツです。
描き方テクニック③光の表現
先程の玉の描き方の続きです。影まで描きましたが、これに光が一番当たっている場所に光の反射を描き込みます。玉なら小さな白い点となるでしょう。テクニック1で紹介した指でぼかす描き方のコツをここでも使って色のグラデーションをつけると更にリアルな奥行きのあるイラストに仕上がります。
チョークアート作業時間の目安
カフェのメニューや結婚式のウェルカムボードなどのチョークアート。いったいどのくらいの時間で描きだせるものなのでしょうか。プロの方の作業時間やチョークアート体験講習の時間を目安に作業時間を見ていきましょう。
プロのウェルカムボードの作業時間
まず、プロの方が依頼を受けて看板としてウェルカムボードを作成する作業時間から見ていきましょう。A4サイズのMDFボードに塗料を塗るところから時間をはかり、アルファベット8文字フルカラーのウェルカムボードを作成するのに25時間~26時間かかります。プロにこれだけ時間をかけて描いてもらってお値段はA4サイズで18,000円(2018年1月現在の価格)。結婚式やカフェなどのウェルカムボードに使われるそうです。
ウェルカムボード体験講習
もっと簡単なデザインで文字と花、それに簡単なフレームを描き…というウェルカムボード作成の体験コースは5時間の講習でした。チョークアート体験コースなので初心者にも簡単なデザインが考えられているため早く仕上がります。凝ったデザインを自分で考えるとどうしても時間がかかってしまいますね。機会があれば最初はこのような体験講習を受けてみるのもよいでしょう。
ウェルカムボードの体験授業
もう少し小さなウェルカムボード(B5サイズ程度)で大きな静物画に簡単なフレームを描きます。こちらのチョークアートスクールの体験授業は2時間で開催されていました。こちらもいくつか用意されたデザインの中から好きなものを選んで描き方を習うことになるので、デザインを考える手間がなく、はじめての人でもこの程度の時間で描ききることができます。
メニューの作業時間
ずっと飾られているウェルカムボードに比べ、カフェで使われる季節のメニュー、今日のランチなど描き換えていく文字だけのメニューの作成はスピードが必要です。カフェのメニューはプロに依頼することもありますがカフェの店主さんが描いていることが多いのでそれほどチョークアートに時間がかけられないとというのが本音のようです。文字だけで構成されたメニューはあらかじめ用意された黒板にガイドラインを引くところからはじまり3時間程度かかるそうです。参考にさせていただいたカフェのメニューのケースは文字は白一色です。
プロに描いてもらうカフェのメニュー
カフェなどから依頼を受けてチョークアートのメニュー作成を仕事にしているプロがいます。描くメニューもカフェの顔となるおしゃれなデザインのものですから、文字とイラストを豪華に散りばめられていて大きさは2mx4mと大きなものが基本の形です。そこにお店のメインメニューを描いていくことになりますが、その制作時間は1日~1.5日かかります。こちらは、文字だけでなくおしゃれなイラストも入ってこの時間で描けるのはさすがプロですね。
チョークアート描き方のコツ
いきなりプロのような出来を求めるのは絵心のある人ならいざしらず全くの初心者には少しむずかしいです。でも、初心者でもここに気をつければかなり満足できる作品になるコツがあります。ここでは簡単に見栄えがよくなるチョークアートのコツをご紹介します。
描き方のコツ①おしゃれなフォント選び
チョークアートは何といってもイラストに添えられた文字フォントが独特の味を出しています。筆記体であったり、デザインされたフォントであったりと様々ですが何も参考にするものがないところで自分で考えるのには無理があります。そんなときに使えるのが海外のフリーフォントサイトです。50,000以上のおしゃれなフリーフォントを集めたサイトが「FontZone」です。丸い文字、手書き風な文字、3Dアートな文字と細かくカテゴライズされているので探すのも簡単で見ているだけで楽しくなるサイトです。フォントをダウンロード、印刷して黒板に写すだけですので誰でも丁寧に作業すればプロ並みの文字が描けます。
描き方のコツ②おしゃれな作品を参考にする
チョークアートは黒板にカーボン紙で写してから描く方法なら初心者でも最初から素晴らしい作品が出来上がります。でも、そのためにはまず参考にしたいチョークアートを探すところから始めましょう。文字をどのくらい大きくしたら良いのか、イラストの描き方はどうしたらいいのか、上手な人のチョークアートをたくさん見ることが上手に描くコツです。
チョークアートのコツ・参考動画
カラフルな色使い、簡単なモチーフを選ぶことでとても短時間で素敵なウェルカムボードを描かれています。チョークアートのコツがわかる動画です。
チョークアートの描き方でもご紹介した指でなぞって色をなじませていくグラデーションのコツを見せてくれる動画です。リアルなイラストを描くコツとして参考になります。
描き方の動画ではなく、素敵なチョークアート作品集です。とても細かく描かれているおしゃれで素晴らしい作品がまとめられているので、自分好みのチョークアート作品を探しだすお役にたつのではないでしょうか。
まとめ・評価
チョークアートは描き方がちょっと難しそうと思われる方も多いようですが、慣れた方の作業の様子を見ていると迷いなくサクサクと楽しそうに描かれています。はじめは誰でもわからないことで戸惑って時間もかかってしまいますが、自分のイメージにあったパターンを見つけられればスラスラとペンが進むでしょう。チョークアートの描き方やコツをご紹介してきました。ぜひ参考になさってあなたも素敵なウェルカムボードなどを描いてみませんか?