バーベキューとは
バーベキューの意味 「バーベキュー」と「barbecue」
皆さんは、「バーベキュー」と聞くとどのようなイメージが浮かびますか。湖畔やキャンプ場、山林で煙の下での網焼き調理をイメージされるかと思いますが、実際には「バーベキュー」とは本来、弱火でじっくり焼くことを意味するらしいです。これが転じて、和製英語のバーベキューという言葉が生れ、レジャーを目的に野外での調理や食事を指すようになったと言われています。 実際に、barbecueという英語を辞書で引いてみると、対義語としてgrillという単語が出てきます。grillも日本語でよく使われています。チキンのグリルやグリル料理なんてよく聞きますよね。grillとは直火を用いて短時間で調理することを意味し、こちらは和製英語になっても語源の意味から離れていないようです。
バーベキューは難しい!?
大自然の中で、川のせせらぎと肉の焼ける音、香ばしい匂いと緑の景色、親しい友人や家族と頬張るご馳走を思い浮かべる方が多いはず。とはいえ、実際にやってみると結構難しかったりしますよね。筆者も焦がしてしまったり生焼けだったり、現地に行ってからあれが足りないこれが少ないと気がついたり、、、。 そこで、今回は、バーベキューのおすすめ食材と食材を最大限美味しく串焼きにするコツをご紹介します。
串焼きはなぜ難しいのか
バーベキューには二種類の焼き方がある
バーベキューには、大きく二種類の焼き方があります。まずは、食材をそのまま、もしくは適当な大きさに切って直接網にのせる焼き方です。これに対して一口大に切った様々な食材を一本の串に刺して焼く方法が串焼きです。お肉やお野菜、お好みの食材を一本の串で堪能できますし、見た目も彩鮮やかになるのでバーベキューにおいては大変人気の焼き方です。
圧倒的に失敗しやすい串焼き
バーベキューで失敗するのは、主に串焼きでの調理です。理由は単純で、様々な食材を同時に焼くためです。適切な焼き時間や火加減は食材によって異なるので、一本の串で異なる食材を同時に焼くのはとても難しいのです。
美味しい串焼きのコツ①:串焼き食材の準備
串焼きに適した食材とそうでない食材
経験の長い人は結構持ってきてたりします。
前述したように、バーベキューには二種類の焼き方があるので、串焼きにすべき食材とそうでない食材を見極めましょう。まず、野菜全般はあまり串焼きには向きません。というのも、串焼きにするためにカットしてしまうと、切り口から水分が飛び過ぎてしまいパサパサになりやすいのです。基本的に野菜は丸焼きにした方が美味しいです。串焼きにしたい場合は、肉厚の鶏肉などとは一緒の串に刺さず、薄く切った肉と一緒に調理して調理時間を縮めたり、野菜の表面にオリーブオイルを塗るなどの工夫をして、野菜の乾燥を防ぎましょう。また、魚介類であれば、貝なども串焼きには向きません。
串焼きの準備における注意点 食材の下ごしらえ
串焼きにするレシピが決まれば、上手く焼けるように準備しましょう。食材はなるだけ同じ大きさにカットしましょう。また、お肉が肉厚になり過ぎないように注意しましょう。串に刺す順番としては、先端に肉がくるようにしましょう。先端に野菜を刺すと抜けやすくて危険です。また、レタスやキャベツなどは生で食べる分を準備しておくとよいでしょう。生野菜をとることで、お肉の消化を助けてくれます。
串焼きの準備における注意点 串選び
おろそかにされがちですが、串焼きに用いる串もとても大切です。串を選ぶ際には、ステンレス製のものがおすすめです。アルミ等に比べると熱伝導率が低いので、持ち手が熱くなりにくいです。とはいえ、ステンレス製のものを用いても、熱くて串を持てないという方もいらっしゃいます。特に女性に多いです。筆者はあまりに気になりませんが、不安な方は持ち手を木などでカバーしているものを選ぶとよいでしょう。また、長さを何種類か用意しておくと、様々なレシピに対応できます。安価に済ませたい方は竹串がよいでしょう。100均でも手に入ります。ただし、筆者はあまりおすすめしません。焦げやすく食材の風味を損なうことがあるので、調理が難しいです。
美味しい串焼きのコツ②:炭火の準備
串焼きが美味しくなる準備 炭の置き方
串焼きのコツとして、やはり炭火の準備は重要です。IHやガスコンロと違い炭火は火加減の調節が難しいので、焼きながら、火加減を切り替える方法だけでは対応しきれないことも多いです。そこで、スリーゾーンファイアと呼ばれる手法がおすすめです。その名の通り炭火のゾーンをそれぞれ強火、中火、弱火と三分割する方法です。やり方は非常に簡単で、強火にしたい所に炭を二重に敷き、中火のゾーンには一重、弱火のゾーンには炭を敷きません。こうすることで、炭火の強さを三段階に分けられます。
串焼きが美味しくなる準備 熾きをつくろう
炭を敷いたら火をつけて炭火をつくりますが、炭が燃えたらからといってすぐに調理に進んではいけません。火がついたばかりの炭は温度が安定せず、調理には不向きです。しばらく置いておくと、炭の内部が赤くなり、表面には灰がついて白くなってきます。この状態になった炭を熾き(おき)といいます。熾きになった炭は温度が変化しにくくて調理しやすいです。オーブンやトースターを温めてから食材を焼くように、炭火はこの熾きの状態になってから使用するようにしましょう。
串焼きが美味しくなる準備 焼く前の火加減
炭が熾きの状態になったら、焼く前に火加減を調整しましょう。網と炭火の距離を調整すれば、火加減を変えられます。目安としては、炭火と網の間に握りこぶしが収まるくらいがちょうどいいです。とはいえ、実際に炭火の真上にこぶしをかざすのは危険なので、だいたいこぶし一個分の距離をとって網を設置したら、網の上二十センチくらいのところに手のひらをかざして火加減を確認します。五秒間我慢できなければ火が強すぎます。逆に十秒以上立ってもじんわり暖かい程度だと弱すぎます。かざすと直ぐに熱さを感じるが、五秒から十秒程なら我慢できるくらいがベストの火加減です。
美味しい串焼きのコツ③:炭火焼きの仕方
遠赤外線の活用
調理を行うときに意識したいのが、バーベキューでは炭火焼き、つまり、直火ではなく炭火から放出される遠赤外線の熱で食材を焼くということです。直火と違って、炭火焼きは表面を焦がさずに内部にまで熱を加えることができます。バーベキューを初めてやる方に多いのですが、炭から上がる炎に食材を当てたり、網を極端に炭に近づける方がいらっしゃいます。上記の方法では、表面を焦がしやすいので避けましょう。なんとなく炎が上がったり、直接鉄板に接していないと焼けそうな気がしないのは分かりますが、炭からでる熱をじっくりと食材に加えたほうが味がよくなります。最初に述べたように、バーベキューとは本来、弱火でじっくり加熱することを意味するので、焦らずに待ちましょう。
灰の活用
炭火焼きをしていると、うちわで扇いだときに灰が飛び散るかと思います。灰が食材に付着するのを気持ち悪がる方がいますが、実は炭火焼きでは飛び散る灰もレシピの一部なんです。肉に灰がかかることで、脂肪酸を中和してうまみを強くします。身体に悪い気がしますが、灰にもミネラルなどの栄養が含まれていますし、少量であれば、むしろ身体にもいいです。
煙の活用
また、灰と同様に毛嫌いされがちですが、煙もレシピの一部といえます。炭火焼きでは、肉の脂が滴り落ちると煙があがりますが、煙で燻されることで食材のうまみがさらに引き出されます。また、灰と同様に香ばしい自然の香りがアクセントになり、炭火焼きならではの風味に仕上がります。
美味しい串焼きのコツ④:調理中の火加減
調理中の火加減 火を強くするには
炭火焼きでの火加減はなかなか調整が難しいです。なので、基本的には三分割したゾーンを上手く使って串を移動させながら焼いていきましょう。とはいえ、微妙な火力の調整も可能です。火を強くしたい場合には大きく二つの方法があります。一つは単純に炭を増やす方法です。炭を重ねるとより多くの熱が放出されます。このときも、炭を熾きの状態にしてからくべるようにしましょう。もっと簡単な方法として、炭についた灰を落とすことでも火加減を変えられます。表面の灰を落とすことで、よりスムーズに熱が放出され火加減が強くなります。
調理中の火加減 火を弱くするには
反対に火を弱くするには炭を取り除きましょう。単純に取り除けば取り除くだけ火加減が弱くなります。とはいえ、調理中に頻繁に炭の量を変えるのは好ましくありません。取り除いた炭の処理にも困りますしもったいないので、可能な限り炭を除かずに調理しましょう。初心者の方は、炭を使い過ぎて失敗することが多いです。少な目の炭からはじめて、必要に応じて炭を足していきましょう。
串焼きにおすすめのバーベキュー食材&レシピ:お肉編
串焼きにおすすめの部位 牛肉編
バーベキューでは、お肉であればなんでも美味しくいただけます。牛でも豚でも鶏でもいいのですが、特におすすめの部位をご紹介します。まず、牛肉であればサーロイン、肩ロース、モモ、ハラミがおすすめです。逆に、煮込み料理用のすねや肩肉はおすすめしません。
串焼きにおすすめの部位 豚肉編
豚であればロース肉がおすすめです。とんかつやステーキ用のものが好ましいです。逆に豚バラは脂が落ちてきて串では食べにくいので直接焼く方がおすすめです。また、調理中にも脂が下の炭に落ちると火があがって、焦げる原因になりやすいので注意しましょう。
串焼きにおすすめの部位 鶏肉編
鶏肉であればモモ肉がよいでしょう。唐揚げ用のものがあればベストです。手羽先も炭火焼きに向いているので、串には難しいですが網焼きするととても美味しいです。ムネ肉は外した方が無難です。串焼きでも網焼きでも、なかなか美味しくなりません。水分がとんでパサパサになりやすいです。
串焼きにおすすめのバーベキュー食材&レシピ:野菜編
串焼きに向いている野菜
串焼きにおすすめの野菜としては、玉ねぎ、ズッキーニ、ピーマン、アスパラガス、パプリカ、マッシュルーム、ナス、しいたけ等です。型崩れしにくく、串に刺しやすければ、大抵なんでも美味しくいただけます。
串焼きに不向きな野菜
逆に、柔らかく型崩れしやすい野菜や串に刺しにくいものは避けましょう。ヤングコーンやミニトマト、またニンジンやゴボウのような根菜もあまり向いてません。
串焼き以外のおすすめバーベキューレシピ
定番のブロックサイズのお肉を焼こう
これが調理できると喜ばれます。
串に刺す一口サイズの牛肉も美味しいですが、ここでは、大きなブロック肉を紹介します。必要な材料は、牛ももか牛肩ロースのみです。ブロックサイズのものをそのまま調理するのがおすすめです。レシピとしては、まず塩コショウで表面に味をつけます。多めにかけなければ薄味になりやすいので、かなり塩コショウをかけましょう。もしくは、切り分けてからタレや塩をつけて食べるようにしましょう。味をつけた牛肉をまずは中火でそのまま網で焼きます。五分程焼いて表面に焼き目がついたら、アルミホイルで巻いて、弱火でじっくり焼きましょう。五百グラム程の大きさなら十分、一キロを超える塊は二十分は加熱しましょう。切ってみて中まで火が通っていたら食べごろです。
漫画のような見た目、骨付き肉を作ろう
定番のお肉料理もいいですが、変わり種レシピとして漫画に出てくるような骨付き肉をご紹介します。肉がついた大きな骨を仕入れるのは難しいので、骨に肉を巻き付けて作りましょう。必要な材料は、豚骨と牛バラ肉です。まず、豚骨に火を通してから、一度冷まします。これを芯にして、塩コショウで下味をつけた牛バラを巻いていきます。バームクーヘンの要領で焼けたら巻いてを繰り返していき、ほどよい大きさになれば完成です。お子さんはとくに喜ばれますし、見た目が面白いので、写真を撮りたがる方も多いです。
最後に、バーベキューのマナー
火の後始末
楽しいバーベキューですが、最低限のマナーは守りましょう。一番大切なのは、炭火の後始末です。鎮火後、必ず炭に水をかけるようにしましょう。そのまま砂浜や山中に埋める方がいますが、非常に危険なので絶対にやめましょう。筆者も幼少期に、兄が砂浜に埋められた炭火で足を火傷したのを覚えています。幸い大事にはいたりませんでしたが、炭火の不始末による火傷は毎年多いので、炭火を安全に扱い、バーベキューを楽しみましょう。
大自然での乾杯は爽快ですよね。