柊(ヒイラギ)ってどんな花?
柊(ヒイラギ)の花名の由来
柊(ヒイラギ)は、漢字で、木に冬と書きます。これは柊(ヒイラギ)が、冬の訪れとともに花を咲かせることから由来しているようです。もうひとつ、柊(ヒイラギ)の葉のトゲに触ると痛いので、ヒリヒリと痛むという意味である「ひいらぐ」という言葉が語源という説もあります。
柊(ヒイラギ)の花の季節
柊(ヒイラギ)の花は、晩秋から初冬に開花します。白く可憐でとても可愛らしい花を咲かせます。小さい花が集まったような花模様です。梅雨の頃から初夏にかけて、黒い実が膨らみます。
柊(ヒイラギ)の花は、とても良い香りがします。柊(ヒイラギ)は、秋の香りで有名な金木犀と同じモクセイ科で、大きく同じ種類です。やさしくて甘い香りは金木犀と似ています。
柊(ヒイラギ)の花言葉
柊(ヒイラギ)の花言葉は5つあります。一見、相反する意味の言葉にも感じられますが、どの言葉も柊(ヒイラギ)の持つ特徴をよくあらわした言葉になっています。
花言葉1・用心深さ
柊(ヒイラギ)の葉には険しいトゲがあります。動物などが、むやみに近づいたり食べたりできないよう、用心深く我が身を守っている様子から、付けられた花言葉です。
花言葉2・剛直
柊(ヒイラギ)の幹はとても硬く強靭です。その硬さを利用して、職人が使う大金槌の柄にもなっています。この特徴から付けられた花言葉です。
花言葉3・先見の明
柊(ヒイラギ)の葉のトゲは、年月とともに少なくなり、次第に丸みを帯びていきます。この特徴から、はじめの姿にとらわれずに先のことを見渡す意味である「先見の明」という言葉が、連想されたようです。
花言葉4・保護/「あなたを守る」
柊(ヒイラギ)は葉の険しいトゲから、古くより魔除けに使われる風習があります。大切なものを守る、という意味から「保護」という花言葉が生まれました。
したがって、柊をプレゼントする際は、「あなたを守る」というメッセージを贈ることができます。大切な人への贈り物にピッタリの花言葉ですね。
花言葉5・歓迎
柊(ヒイラギ)の花は、その可愛らしさとともに、やわらかな甘さのある香りを漂わせます。見るもの全てを歓迎しているような様子から、この花言葉が付けられました。
柊(ヒイラギ)の花言葉は怖いの?
柊に怖い意味の花言葉はない!
柊は日本で古くから魔除けの植物として扱われてきたこともあり、「何か怖い意味の花言葉があるのでは?」「プレゼントには不適切かも?」と思う方もいるでしょう。
しかし、柊にはそのような怖い意味の花言葉はありません。したがって、プレゼントとして贈る際も、心配はいりませんよ。
上記でご紹介した花言葉と一緒に贈ってみてくださいね。
柊(ヒイラギ)を誕生花とする日
柊(ヒイラギ)は冬の花。誕生花にしている日は、どの日にちも冬の季節です。 2月3日 11月8日 12月7日 12月25日
柊(ヒイラギ)の基本データ
科名・属名
モクセイ科モクセイ属
学名
Osmanthus heterophyllus
和名
ひらぎ 柊
原産国
日本 台湾
柊(ヒイラギ)とセイヨウヒイラギの見分け方
柊(ヒイラギ)と セイヨウヒイラギは、よく似ているのですが、実は違う種類です。一番わかりやすい見分け方は実の色です。そのほかの違いは次のとおりです。
柊(ヒイラギ)
モクセイ科に属します。柊(ヒイラギ)の葉は「対生型」に区分され、葉が一か所から左右に発生します。柊(ヒイラギ)の実の色は黒色です。節分の魔除けとして使われます。
セイヨウヒイラギ
セイヨウヒイラギは、モチノキ科に属します。セイヨウヒイラギの葉は「互生型」に区分され、葉が互い違いに発生します。セイヨウヒイラギの実の色は赤色です。クリスマスの飾りやリースに使われます。
柊(ヒイラギ)の種類
オニヒイラギ
葉は明るい緑色です、新芽はやや黄色味がかっていて、成長とともに緑色になります。名前のとおり、魔除けの効果が高いと言われている品種です。
マルハヒイラギ
園芸種です。葉のトゲがなく丸いのが最大の特徴で、小さい子供のいる家庭など、トゲのことを考えずに植えることができます。ほかの種類と同じく白い花が咲きます。
フイリヒイラギ
葉に白い斑模様があります。日本では、本州南部から沖縄に自生しています。白がはいっているので、庭に、明るく可愛い雰囲気をもたらしてくれます。
ゴシキヒイラギ
ピンク、黄色、薄黄色の斑が入っている美しい葉から人気の種類です。観賞に向くように開発された園芸種です。和風の庭、洋風のガーデンなど、雰囲気を選ばず植えられるのが魅力です。
柊(ヒイラギ)は魔除けの意味がある
柊(ヒイラギ)には、「鬼の目突き」という別名があります。その昔、鬼が柊(ヒイラギ)の葉の険しいトゲに目を突かれて逃げた、という言い伝えに由来しています。
また、柊(ヒイラギ)は英語で、hollyと呼ばれます。神聖を意味するholyを語源としていて、柊(ヒイラギ)のトゲが、キリストを邪悪なものから守った言い伝えから由来しているそうです。現在でも、魔除けのために柊(ヒイラギ)を使う風習があります。
節分
節分に、柊(ヒイラギ)の枝と、イワシの頭を焼いたものを玄関に飾る風習があります。柊(ヒイラギ)の葉のトゲとイワシの臭気により、鬼が近寄れないとされていて、「柊鰯(ヒイラギイワシ)」と呼ばれています。
鬼門除け
柊(ヒイラギ)は、風水で、邪鬼の侵入を防ぐと言われています。古くから「家の庭の、表鬼門(北東)には柊(ヒイラギ)を、裏鬼門(南西)には南天(ナンテン)を植えると良い」との言い伝えがあります。玄関に柊(ヒイラギ)を飾っておくのも良いそうです。
柊(ヒイラギ)の育て方
柊(ヒイラギ)は、比較的丈夫で、初心者にも育てやすく、鉢植えも地植えもできる植物です。育て方のコツとしては、冬の防寒対策です。根元に腐葉土や枯れ葉を置くなど、少し寒さから守ってあげると良いでしょう。
土づくり
柊(ヒイラギ)は、水はけが良く、かつ水もちの良い土を好みます。鉢植えの場合、赤玉土(小粒)7と腐葉土を7:3くらいの割合で混ぜた土を準備します。市販の花木用土でも良いでしょう。地植えの場合は、植える場所を少し掘り起こし、腐葉土を混ぜ込みます。
水やり
鉢植えの場合は、表面の土が乾いたら、しっかり水やりします。地植えの場合、よほどのことがない限り水やりは必要ないでしょう。
場所
柊(ヒイラギ)は、日当たりの良い場所を好みます。ただし耐陰性があり、少し日当たりが悪くても大丈夫です。また、寒風が強く当たる場所は避けましょう。
肥料
よほど痩せた土でない限り、肥料を施さなくても大丈夫です。どうしても心配な場合、株元に化成肥料を施します。2月もしくは、6~8月におこなうのが良いでしょう。株の周りに少し腐葉土を施すのも効果的です。
植えつけ・植え替え
柊(ヒイラギ)の植えつけの適期は、4月下旬~5月です。根についた土を崩してしまわないように注意して植えます。鉢植えの場合、苗よりもひとまわり大きい鉢を準備します。
剪定
柊(ヒイラギ)は、はじめのうち、自然のまま放任していても、ある程度、樹形がまとまる木です。成長して大きくなってくるにつれ、枝が様々な方向にのび、樹形が崩れてくるので、剪定で形を整えます。
輪郭からはみ出て気になる枝や、不格好に伸びている枝を切りましょう。剪定の適期は、6月下旬から7月です。柊(ヒイラギ)は芽吹きが良く、多少切りすぎたと思っても、じきに新しい枝がのびてきます。少し太いめの枝を切っても大丈夫です。
柊(ヒイラギ)の増やし方
柊(ヒイラギ)の増やし方には、種まきと挿し木があります。一般的なのは挿し木です。種まきの場合、苗が完成するまでに数年かかります。
種まき
柊(ヒイラギ)は、種をまいてから発芽までに時間がかかる植物です。根気強く見守りましょう。10月ごろ、黒い実がつきますので、そこから種を取り出し、果肉を水で洗い流します。
そして、種まき用の土を入れたポットに、すぐにまきます。直射日光を避けて、土が乾燥しないよう水やりを続けます。発芽した苗が、10センチくらいに育ったら好きな場所に植えましょう。
挿し木
柊(ヒイラギ)の挿し木の適期は、6~7月です。元気な枝を10~15センチくらいの長さに切り取り、切り口を2時間ほど水に浸けておきます。その際、切り口付近にある葉は取り除いておきます。
挿し木用の土を入れたポットに、挿し木枝を挿します。直射日光を避けて、土が乾燥しないよう水やりを続けます。約3カ月くらいすると発根しますので、根がしっかりしたら、苗の完成です。
まとめ
柊(ヒイラギ)の花。小さく可憐な白い花は、まるで、冬の訪れとともに地上に降り立った天使のようです。可愛い天使は、やさしく甘い香りを漂わせ、癒しをもたらしてくれます。
一方、柊(ヒイラギ)の葉は、険しいトゲを持ち、鬼さえ逃げるという言い伝えがあります。大切な天使を守っているのかも知れません。この真逆とも言える花と葉のイメージ、対比するコントラスト。柊(ヒイラギ)の最大の魅力ではないでしょうか。