アトランティックサーモンの販売数
スーパーで実際に販売されているサーモンの多くは、トラウトサーモンと呼ばれているものです。トラウトサーモンは色合いが国産の鮭に似た濃いオレンジ色で、油分も多いです。
一方でアトランティックサーモンは、油分は多いもののトラウトサーモンに比べると色が薄いのです。そのため、スーパーでは鮭に近いトラウトサーモンが販売されていることがほとんどなのです。
西欧から冷凍で輸入される
アトランティックサーモンは日本名で「タイセイヨウサケ」と言います。主に欧州やアフリカ大陸の国々、中東で食べられている鮭です。飼育方法が容易なので養殖も盛んに行われていて、世界中で食されています。
もちろん、日本でも誰しも口にしているわけですがほとんどの人が日本の鮭、あるいはトラウトサーモンだと思って口にしているのが現状です。ではいったい、アトランティックサーモンはどこで販売されているのでしょうか。
アトランティックサーモンが販売されている場所
アトランティックサーモンが日本で販売され、実際に食べることができるのは飲食店です。 特に全国チェーン展開していて、かつ魚を扱っているのであればアトランティックサーモンを食べることができる可能性は極めて高いです。
何故なら、単価が安いので大量買付け可能な店舗でしか扱うことが出来ないためです。もっとも代表的なのが、回転寿司チェーンです。実は、アトランティックサーモンをキングサーモンとして販売している回転寿司チェーンも少なくないです。
アトランティックサーモンとペットフード
実は、人間だけでなくペットが食べるフードにもアトランティックサーモンが含まれていることがあります。ペットフードに使われる材料の中でももっとも大きな割合を占めるのが「肉」です。
畜産動物の肉と魚肉を比べると、魚肉の方が脂質が少なく、また魚肉に含まれる油は血液をさらさらにしてくれる効果があります。特にアトランティックサーモンは価格も低いため、ペットフードとして使われているのです。
安心して与えても良いのか?
アトランティックサーモンが含まれたペットフードを、自身が飼っている動物に与えてよいかどうかと言いますと、安易に「yes」と答えるのは難しいという現状があります。たとえばアレルギーの危険性です。
魚肉はアレルギーが発症しにくい食材ですが、それでも少ない確率で発症してしまう可能性はあります。また、消化がよいので食べ応えがなく、ペットにフードを与えすぎてしまい肥満になるという危険性もあります。よって、飼い主がよく吟味して与える必要があるのです。
アトランティックサーモンに危険性は?
では、実際にアトランティックサーモンには危険性があるのでしょうか。「魚」という食材で考えると、危険性と聞いて最初に思い浮かぶもののひとつが「寄生虫」や「ウィルス」です。
実際に有名芸能人が生の魚類を口にして寄生虫「アニサキス」に苦しんだというニュースを耳にした人も多いかと思います。寄生虫による被害は近年急増しており、不安に思う人も読者の中にはいらっしゃるかと思います。
天然が危険で養殖なら安全?
「天然のアトランティックサーモン」と「養殖のアトランティックサーモン」を比べると、後者の方が危険は少なく安心して食べられると言われています。
天然であるということは、自然の中で生きているという事を意味します。その為、寄生虫と共存関係になる可能性が極めて高くなるのです。しかし、ある条件下では双方ともに安全性が高くなります。
日本で食べるなら安心
アトランティックサーモンを日本で食べる分には、天然ものでも寄生虫などの危険性はかなり低くなります。なぜかというと、アトランティックサーモンに潜んでいる寄生虫であるアニサキスは低温に弱いからです。
マイナス20℃以下で24時間以上置いておくと、寄生虫は死滅します。日本にやってくるときは冷凍されているため、自然とその条件下に置かれているというわけです。
それでも不安な場合は
それでも不安だという方も、やはりいらっしゃるかと思います。刺身用のアトランティックサーモンに対して「安心かどうかわからない」という理由でわざわざ加熱してしまったという人も少なくないです。加熱することで寄生虫は完全に死滅するので、当然安心して食べられるようになります。
しかし、実は逆の方法でも安全性は増すのです。その方法というのが、冷凍です。ご家庭の冷蔵庫でも48時間以上冷凍すると寄生虫は死滅しますので、安心してアトランティックサーモンのお刺身を頂くことが出来ます。
天然アトランティックサーモンの注意すべき点
先ほど、日本で天然のアトランティックサーモンを食べる際にはさほど危険性はないと述べました。しかし、逆に海外で新鮮な天然のアトランティックサーモンを食べる際には危険性が高くなります。
何故なら寄生虫も生きているからです。いくら油の乗ったおいしいアトランティックサーモンであったとしても、これでは安心して食べることが出来ません。
フィッシングで得たならば
天然のアトランティックサーモンから手っ取り早く危険性を取り除き、安心しておいしく食べることの出来る方法は加熱してしまうことです。釣りたてならば、バーベキューにすると最高です。
海外では日本よりもバーベキューの道具の種類が多く、なんと簡易的なスモーク調理まで出来てしまうほどです。ですので、もし海外でアトランティックサーモンを釣るような機会があればバーベキューを考えておくとよいでしょう。
新鮮で安心な養殖アトランティックサーモン
養殖のアトランティックサーモンを生産している国なら、当然新鮮な養殖物が手に入ります。 養殖物は餌に寄生虫が入ることがないため、アニサキスなどに寄生されることなく成長します。そのため、安全性が高く安心して食べることが出来るというわけです。また、養殖のアトランティックサーモンは油ののりも良いです。
アトランティックサーモンについて回る油のデマ
「養殖」「アトランテックサーモン」で検索すると、「危険性が高い」というようなワードが多く目に入ります。しかし、実際にはそれらの情報はデマです。中でも多いのが「ノルウェー産のピンクサーモン」というものです。
何でも、油を出すため餌にダイオキシンが含まれているとか・・・そもそも、ダイオキシンなんて危険なものがたっぷりと含まれているのであれば、そもそも規制がかかって輸入されることはありません。
冷凍物=危険というデマ
油以外にも、冷凍されているから危険だというようなデマもあります。すでに説明したように、冷凍することで寄生虫を殺すことが出来るので、むしろ冷凍することで危険性はなくなるのです。
食に対する安心安全を確保するということは大切ですが、あまりにも極端な情報に飛びつくと間違った情報を拡散することにもつながります。特に「冷凍」という言葉は昔から食品デマ被害の対象で、検索するだけで様々なデマがヒットします。
安全においしく頂く方法
では最後に、アトランティックサーモンをおいしく頂ける簡単なレシピをご紹介します。もちろん、トラウトサーモンでも問題ありません。用意するのはサーモンとネギ、油揚げ、豆乳とシチューの素にゴボウとチーズです。なお、アウトドアご飯として活用する場合はゴボウとチーズ以外の材料で問題ありません。
サーモンに下味をつける
一口大に切ったサーモンに、塩と胡椒で下味をつけます。こうする事で臭みやヌメりが取れて、後々調理しやすくなるのです。また、味が入りやすくなるためおいしくなります。まれに下味をしない人がいますが、必ずしましょう。
ゴボウは必ず水にさらす
これもしない人が多いですが、ゴボウは必ず水にさらしましょう。すでにわかるように、少し水が変色していますよね。これがゴボウのエグみです。水にさらすことでエグみをとり、食べやすくしてあげるのです。
油揚げを焼く
油揚げを、焦げ目がつくまで焼きます。家でやるときはオーブントースターでも良いです。こうする事で食べるときに食感が生まれ、楽しく食べることが出来ます。また油揚げが旨みを吸収し、よりおいしくなるのです。
サーモンを焼く
そしてサーモンに片栗粉をまぶし、油の引いたフライパンで焼きます。火加減は強火が良いです。このとき、皮を下にして焼きましょう。皮がパリパリになりますし、身がフライパンにくっついてしまうという事態を避けることも出来ます。
後に旨みを移していくので、完全に火を通さなくて良いです。
ネギと油揚げを炒める
そして、ネギと焼いた油揚げを炒めていきます。このとき、先ほどサーモンを焼いたフライパンを使うと旨みがネギと油揚げに移るので、より一層おいしくなります。
豆乳を食材が浸るまで入れる
豆乳を入れていきます。量は食材が全身浸る程度です。アウトドアで楽しむ場合は、この時点で先ほどのサーモンを入れて2~3分ほど茹で、シチューの素を食われれば「サーモンの豆乳シチュー」が完成します。自宅で食べる際は、サーモンを入れずにシチューの素を入れます。するとホワイトソースのようにとろみがついてきます。
具材を器であわし、ゴボウを散らして焼く
画像を見てもわかるように、ゴボウを乗せた状態で焼いていきます。トースターですと数分程度でよいです。ゴボウがチップスのようになり、非常に香ばしい食感になります。
チーズを乗せ、焦げ目がつくまで焼く
そしてチーズを乗せ、とろとろに溶けるまで焼いたら「サーモンの豆乳グラタン」の完成です。牛乳に比べると豆乳のほうが安く手に入りますし、また牛乳以上に濃厚な味わいを楽しめます。火もしっかり通るので安心していただくことが出来ます。ぜひお試しください。
まとめ:アトランティックサーモンは安全な食材
様々な情報がありますが、アトランティックサーモンは安心して口に入れることの出来る魚です。特に養殖物であれば餌も十分配慮されておりますし、日本へ輸入される際には厳しい規制をパスしなければなりません。ですので、安全であるといえるのです。