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FELT F95のフレーム設計が凄すぎる!コスパ最強ロードバイクの魅力に迫る!

素晴らしいコストパフォーマンスと評価で話題のFELT F95。単に価格なリーズナブルなだけでなく、フレームの素材や設計など、ワンランク上のグレードの造りの良さと走りの良さを持っています。FELT F95・2018モデルの凄いところをレビューします。
2020年8月27日
荒石 誠
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この記事で紹介しているアイテム

シマノ|ST-R3000 右のみ 9速 コントロールレバー SORA/R3000 ESTR3000RIA

Shimano|Sora r3000 9-speedダブルbraze-on外装変速機

シマノ |リアディレーラー RD-R3000-SS 9S SORA(ソラ) ERDR3000SS

シマノ|BR-R3000 前後セット ブレーキキャリパー SORA/R3000

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Sunrace|CSR91 9-Speed

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FELTというブランド

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/inside/history/

モトクロスバイクのメカニックだったジム・フェルトは1980年代にトライアスロンバイクのフレームを製作しました。その10年後にドイツでFELT社を設立しました。そのポリシーはTo design, develop, and deliver the best bicycles in the world.というもので、非常に実直にバイクと向き合い続け、高い評価を受けているブランドです。

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/inside/felt_interview01/
FELTブランドの歴史をジムフェルトにインタビュー - Felt Bicycles 日本語公式サイト | フェルト ロードバイク,クロスバイク
私(ジム・フェルト)は南カリフォルニアの出身です。 多くの自転車業界の人と違って、私はモーターサイクル業界で経験を積んできました。私の幼い頃、父は航空産業のエンジニアでした。故郷の家は日本の町工場のようで、たくさんの工作機械があり、小さな時から使い方を教えてもらっていました。

FELT F95は台湾メイド

出典: https://www.giant.co.jp/giant18/about_03.php

多くの有名ブランドのOEM生産を手がけ、自社ブランドのバイクも安く高品質な製品を生産しています。

現在スポーツバイクの生産では台湾が世界最大のシェアを持っており、その品質も当然トップレベルです。世界中の多くのブランドのロードバイクは、実際には台湾のメーカーで造られたOEMです。むしろ品質的には安心です。ここで大切なのは自社のブランドで生産前の設計開発をしっかりやっているかどうかです。造るのは台湾でも、どんなロードバイクを造るかを決めるのがそれぞれのブランドなのです。

FELT F95は真面目な造りのロードバイク

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

FELTのFシリーズ2018モデルは同社のベーシックなロードバイクで、基本的にそのままレースに出られるスペックを持っています。F75、F85、F95と3グレード構成で、F95はエントリーグレードなのですが、その違いはシマノのコンボのグレードの差と言っても差し支えないと思います。一番上の105グレードとの重量差もわずかに500グラムほど。基本設計の部分に手を抜いていない良心的なロードバイクです。

FELT F95のフレーム・レビュー

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

FELT F95:フレームの素材・レビュー

FELT F95の2018モデルのフレームはアルミニュームパイプですが、同じアルミでも廉価なロードバイクの多くが6000系のアルミパイプで造られています。アルミは成分にマグネシュームやシリコンなどを添加すると特性が変わるのですが、その組成によって用途やグレードが変わります。FELT F95のフレームはワンランク上の航空機グレードの7005アルミニュームで造られています。

FELT F95:7005系アルミは高剛性

FELT F95の2018モデルは、エントリーモデルの価格でありながら7005アルミのフレームですが、6000系がしなやかで柔らかい特性を持っているのに対して、7005はより高剛性のフレームに向いています。その7005系のアルミフレームを、フレームサイズに最適化した厚みや長さのパイプを組み合わせてエントリー価格で本格的なレーシングバイクに仕上げています。

FELT ALLOY TECHNOLOGY
FELTのアルミフレームへの取り組みについて解説しています。

FELT F95のフレームは4サイズ

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/2017/f75-3/

FELT F95の2018モデルのフレームサイズは上位のF75、F85と共通の480、510、540、560の4サイズです。それぞれ適応身長は155〜165cm、 160〜175cm、170〜180cm、175〜185cmと10cm刻みで用意しています。トップチューブがスローピングしているフレームのロードバイクは、ステムとシートポストでの調整範囲が広いので、いずれかのサイズの身長の範囲のフレームサイズを選べば問題ないでしょう。

FELT F95のフレーム・ジオメトリーの特性をレビュー

出典: https://www.riteway-jp.com/bike_img/felt/2017/f95_mb.png

FELT F95のフレームは上位と同じフレームですが、いずれも7003アルミによる高い剛性とカーボンのストレートフォークの組み合わせから、クイックで軽快なハンドリングとパワーロスの無い、ペダリングのパワーを推進力に変える特性を持っています。価格を考えるとかなり本格的なレーシングバイクの設計です。これがFELTのブランドが価格を超えた評価を受けている理由です。

ロングライド用には別のラインアップ

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/bikes/vr60_8071/

35Cまでの太さのタイヤにも対応する余裕のあるフレーム設計で、ホイールベースもFシリーズより長くなっています。

上の画像はFELTの2018モデル・ロングライド用ラインナップのエントリーモデルですが、価格はF95とほぼ同じくらいで、フレームの素材やフレームの寸法などの基本設計が違います。こちらは柔らかく振動吸収の良いアルミ素材で、長いホイールベースは直進での安定性を優先した設計です。こうした造り分けをしっかりしているところも、FELTのブランドとしての良心でしょう。

FELT F95の2018モデルの細部をレビュー

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/inside/technology/alloy_tech/

ハンドルバーはフレームサイズごとに違うサイズをきちんとチョイスするなど、当たり前のことを当たり前にやってくれているFELT F95です。ではフレームの細部をレビューします。

コントロール テーパー ヘッドをレビュー

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

本来上位グレードのレース用バイクのトレンドである、上下異径のヘッドを採用しています。ヘッドチューブ下側はベアリング径1-1/2″の大径ヘッドでフォークのコラム、クラウン、およびヘッドチューブの剛性が向上しています。高剛性のストレートフォークとの組み合わせは、Fシリーズの高評価の一つ、剛性感の高い確実なハンドリングを可能にしています。

ストレート・カーボンフォーク・レビュー

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

ストレートフォークは普通の曲げのあるフォークよりも応答性が高くクイックなハンドリングになる傾向があります。

FELT F95の2018モデルのフロントフォークは、上位グレードと共通のカーボンファイバー製のストレートフォークです。正直この価格帯のロードバイクで、7000系のアルミにカーボンフォークの組み合わせはビックリです。それだけコストが下がったのでしょうが、FELTのF95はフレームもフォークも上位モデルと同じところが高評価です。

FELT F95の2018モデルのシートステー&チェーンステー

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

ストレートで無駄のない造りです。

FELT F95の2018モデルのシートステーとチェーンステーは、曲げや絞りを使わず、まるでクロモリのフレームのように無駄がありません。シンプルな分低コストでもあるでしょうが、それ以上に力が無駄に逃げないように考えられた設計です。こういう細かいことの積み重ねが、実走行の高評価のレビューにつながります。

FELT F95の2018モデルの太いダウンチューブ

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/f/

パイプは断面積が大きくなるほど曲げやねじれに対する剛性が高くなります。


FELT F95の2018モデルではパイプに対する余計な曲げや潰しの加工を最小限にして、剛性を優先しています。こうしてフレームの細部を見ると、全体に強いレース用のフレーム設計であることがわかります。エントリーモデルでもグレードに関わらずレースを念頭に置いたレビューでは高評価になるでしょう。

Fシリーズ開発者インタビュー

FELT F95の2018モデルのコンポーネント

低グレードから高グレードまで信頼のブランド、shimanoのコンポーネントです。FELT F95の2018モデルの変速系はshimano のコンポで統一されています。

出典: http://bike.shimano.com/ja-JP/product/component/sora-r3000.html

ロードバイク用のコンポとしてはSORAは廉価ですが、必要にして充分な機能と信頼性を備えています。

FELT Fシリーズレビュー・コンポは3種

Fシリーズのグレードの違いはほとんどが使用されるトランスミッションなどのコンポのグレードです。F75がshimano 105でレース用のエントリーグレードで、F85がshimano Tiagra、その中でもエントリーモデルのF95・2018モデルのコンポーネントはshimanoのSORAがメインです。その違いは主にリアのギアの枚数で、105が11速、Tiagraが10速、SORAが9速です。あとはグレードごとに少しだけ重量に違いがあります。

shimano SORA デュアルコントロールレバー

シマノ|ST-R3000 右のみ 9速 コントロールレバー SORA/R3000 ESTR3000RIA

出典:Amazon

DUAL CONTROL LEVER (2x9-speed)

FELT F95のブレーキレバー兼シフトレバーのデュアルコントロールレバーはSORAのST-R3000です。以前のSORAは親指も使うタイプのレバーだったのですが、現在の3000シリーズは上位グレードのコンポと操作が同じになり、市場の評価も上がりました。リアの変速は9速ですが、現在上位の11スピードとは段数が違うだけで、上と下のギアの歯の数に差はないので特に劣るわけではありません。むしろチェーンの耐久性は高いのでメリットもあります。

フロントディレーラー SORA FD-R3000

Shimano|Sora r3000 9-speedダブルbraze-on外装変速機

出典:Amazon

Front Derailleur (2x9-speed)

取り付けはバンドタイプのごく一般的なタイプ。ウイングの形状からして実は剛性が高い設計です。一時期105のフロントディレーラーの変形が問題になりましたが、こういうエントリーモデルほど壊れにくい設計だったりします。

リアディレーラー SORA RD-R3000

シマノ |リアディレーラー RD-R3000-SS 9S SORA(ソラ) ERDR3000SS

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

Rear Derailleur (9-speed)

リアディレーラーはショートケージタイプです。変速性能自体は上位機種と変わりません。プーリーも105と共通で、チューンするにはデュラエースのベアリング入りプーリーを入れるとさらに良くなります。

シマノ|BR-R3000 前後セット ブレーキキャリパー SORA/R3000

出典:Amazon
出典:Amazon

SORA デュアルピボット・ブレーキキャリパー

ブレーキもSORAのデュアルピボット・ブレーキキャリパーです。上位モデルよりもキャリパーの剛性がわずかに劣るためにタッチは少し頼りないところはあり評価はイマイチです。裏技として、アルテグラのブレーキシューに取り替えるという手があります。ブレーキシューが減って交換するときに上位機種のブレーキシューに取り替えるのがおすすめです。実際に私も交換してみましたが、機会があればレビューします。

クランクセット

クランク|クランク本体 シマノ クランクセット FC-R345

出典:Amazon

オクタリンク・クランクセット(2x9スピード)


クランクはSORAのシリーズの中では完成車用として供給されている廉価モデルのようです。オクタクランクというボトムブラケットを使用するタイプで、これも特にネガティブなことではありません。またエントリーモデルらしくチェーンホイールはshimano製の50/34Tのコンパクトクランクになっています。クランク長は170mmと175mmをフレームサイズに合わせて変えているところも良心的で評価の高いポイントです。

カセット・スプロケット

Sunrace|CSR91 9-Speed

カセットスプロケットはshimanoではなくSunRace 9スピードの11-28T

リアのカセットは11-28Tとワイドなギアレシオを選択しています。ちょっと残念なのはコストダウンのためSHIMANOではないのですが、どうしてもSHIMANO以外のパーツが混じると若干変速性能は落ちます。ただ9スピードですからそれほどでもないかもしれませんが、できればSHIMANO製のカセットに交換したい部分です。

FELT F95の2018モデルのホイールセット

ホイールはオリジナルのFelt Road RSL3でチューブレスタイヤ対応です。Fシリーズはすべて同じホイールで、タイヤもVittoria Zaffiro(F75だけは同pro)の700cx25cでサイズも共通です。これは大事な部分で、F95でもフレームやフォーク、ホイールを含めた基本的な部分は上位機種と同じということです。その価格差はほとんどコンポのグレードの違いということになります。

あえてFELT F95を選ぶ理由

FELT Fシリーズの基本的な部分は同じだと書きました。F75とF95の価格差は5万円ですが、その差は変速機のグレードによるもので基本的な性能には差がありません。ホイールは前後で約2kgもあるので、エントリークラスのホイールとしては普通ですが、いっそ価格差の分でF95のホイールを軽量ホイールに交換した方が、実はロードバイクとしての性能も評価もアップします。

FULCRUM(フルクラム) RACING 5 LG レーシング5 LG 2015 ホイールセット シマノ用【並行輸入品】

出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon
出典:Amazon

カンパニョーロのホイール部門フルクラムのホイールセットです。

このフルクラムレーシング5ホイールは前後のペアで重量は1650gです。タイヤとチューブも合わせて軽量化すれば、ノーマルより500gは簡単に軽量化できますが、ホイール外周部の軽量化は他のフレームやハンドルなどを軽量化するよりもはるかに大きな効果があります。ですからホイールとタイヤを交換するだけで、実際に走行した評価やレビューはノーマルのF75よりもF95の方がずっと高くなるでしょう。

FELT F95の注意点

FELT F95は一番安くてギアはリア9段変速です。ですがそれでいいのです。シングルスピードが3段変速になったならすごいことですが、9段が11段になったからといっても、一番小さなギアと大きなギアは同じだったりします。その間の段数が増えているのですが、それですごく速くなるわけではありません。むしろ段数が増えたことで困ったことがたくさんあります。まずチェーンが薄くなって著しく耐久性が落ちました。8段の時にはチェーンの交換なんて忘れるほどだったのに、10段からは2000kmも走ると交換になってしまい、切れやすくもなりました。

FELT F95レビューまとめ

出典: https://www.riteway-jp.com/bicycle/felt/2017/f95-3/

FELTというバイクブランドは、調べるほどに良心的なロードバイクを造っています。中でもF95は10万円を切る価格で、フレームなどの基本的な骨格は上位機種と同じで、エントリークラスのレーシングバイクとして充分な性能を持っています。重量差も500g程度と、タイヤとホイールを交換しただけで上位機種よりも軽くなるのですから、カスタマイズするベースにもおすすめです。シートポストやサドルやハンドルを軽量パーツに換えればすぐに7kg前半の重量に収まるのですから高価な軽量バイクもびっくりの設計です。用途はレース用の設計ですから、ツーリング目的だとちょっとフレームが固いかもしれませんが、草レースなどを楽しみたいサンデーレーサーには良い選択になると思います。