蚊取り線香とは?
蚊取り線香と言えば、花火やスイカに並ぶ夏の風物詩。誰もが一度はあの渦巻き状のユニーク姿を見たことあるでしょう。でも、見た事あるし使用しているという方でも、なぜ渦巻き型をしているのかは知らないと言う方も、少なくありません。この記事では身近だけど案外知らない、蚊取り線香のことを取り上げていきます。
昔から知られてきた、蚊取り線香の効果
蚊取り線香の歴史は古く、なんと明治時代にまでさかのぼります。 と言っても、最初期の蚊取り線香はみなさんご存知の「渦巻き型」ではなく、蚊取り線香が「渦巻き型」になったのは明治35年ごろとされています。今の渦巻き型の蚊取り線香を知っていると、ちょっと信じられない話ですね。
蚊取り線香の効果と歴史
蚊取り線香は明治23年頃に生まれましたが、既に明治25年の時点で、長時間蚊に効く事と、香りの範囲が注目され、明治27年には大阪朝日、大阪毎日の広告に次々と注文が募り、さらに長時間効くよう、さらに範囲が広くなるよう…香りのよさも求められ、28年にはお馴染み「渦巻き型」の蚊取り線香の試作がつくられ出すようになっていきました。 さらに、蚊取り線香の効き目の評判は国内に留まらず、米国にも輸出され、世界にその効き目を轟かせています。 移り変わりが激しい明治時代にこれだけ話題になったと考えると、蚊取り線香が如何に画期的だったかよくわかるでしょう。
蚊取り線香はナゼ渦巻き?形に関するトリビア
蚊取り線香と言えば渦巻き状になった独特の姿。蚊取り線香が渦を巻いているのには、きちんと理由があり、視覚的にわかりやすくするため渦を巻いているわけではなく、より長時間効くように、このような姿になったと言われています。
渦巻きだから効果が長続き
最初期の蚊取り線香は上の項でも紹介した通り、お線香と同じ真っ直ぐなものでした。当然、火をつけたら香りを放ちますが…真っ直ぐだとあっと言う間に燃え尽きてしまい、また煙の範囲も狭く、同時に2~3本燃やす必要があると、確かに効くと言えば効くのですが、燃費が悪いものでした。 そこで考えられたのが、蚊取り線香を太く長く作り、かつ収納に困らない形にすること。ただ長くするだけでは場を取るため、蚊取り線香そのものを「渦巻き型」にすることが考えられました、蚊取り線香が中々燃え尽きず、長時間あの香りを発し続けるのも、この渦巻きのおかげなのです。
蚊取り線香の効果や、その使い方
蚊取り線香の効果は名前の通り蚊に効く香りを広範囲に広げること、通常のお線香との違いとして、その香りの成分には「ピレトリン」や「ピレスロイド」などの、蚊を駆除するための成分がふんだんに盛り込まれています。ピレトリン等の成分により何故蚊が追い払えるかも気になりますが、何といってもまず気になるのは、その使い方でしょう。
基本的な使い方は他のお線香と同じく、マッチやライターなどので渦巻きの先に火を付けたら、あとは燃え尽きるのを待つだけ、蚊に効く成分を香りに乗せ散布するため、火がついている間はずっと効果が続きます。 時間にすれば、蚊取り線香が効果を発揮する時間は約6~9時間とされています。
蚊取り線香を置く場所は真ん中か風上!
蚊取り線香の効く範囲は2メートル~3メートル位と言われており、屋内であれば部屋の隅っこに置いていても十分に範囲内となります。香りにより広がる成分は、風によって範囲が左右されるため、風上に置いたり、部屋の真ん中に置くとより効くとされています。といっても部屋の真ん中に置くのはちょっと…という事もあるでしょう、そんな場合は部屋の一口と出口の二か所に蚊取り線香を配置すれば、スペースを邪魔することなく効く範囲を広げることが出来ます。
使用のさい注意するのが、蚊取り線香は火を使用する事、火災を防止するため、燃えやすそうなものの傍は避け、屋内で使用する場合は換気を行うようにしましょう。蚊取り線香につく火はほんの小さなものですが、万が一燃え移ったら、取り返しがつかない事になる場合もあります。 くれぐれも、火をつけるときには気を付けましょう。
蚊に効果があるヒミツ
蚊取り線香の香りや成分には何故蚊を駆除する効果があるのか?それはある花と同じ成分が使用されているからなのです。その花の名前は「シロバナムシヨケギク」と呼ばれるキクの仲間、この花は「除虫菊」の名称を持ち、古くより虫に効く成分を持つことで知られていました。蚊取り線香の香りの主成分であるピレトリンも、この除虫菊の成分に由来するものです。 蚊取り線香は除虫菊なしには生まれなかった、と言っても過言ではありませんが。現在はこの除虫菊由来の成分であるピレトリンは余り使用されておらず、代わりに類似成分であるピレスロイドが主成分として使用されています。 また、除虫菊そのものが蚊に効くわけではないので、見かけても無闇に摘むことは行わないようにしましょう。
蚊取り線香の効果は他の虫にも効く?
無視しようと思っても、どうしても無視できない存在がコバエ。屋内屋外に関係なく沸く姿を煩わしく思う方も多いはず。蚊取り線香は蚊に限らず虫全般に効くので、もちろん鬱陶しいコバエにも十分なほど効果を発揮してくれます。ただし、使用する際は燃えそうなものの傍は避け、害があるかもしれないので、小さなお子様やペットがいる場所では使用しないようにしましょう。
コバエ取りとどっちが効果的?
コバエ対策のグッズは蚊取り線香以外にもいくつか存在し、中には蚊取り線香より手軽にコバエ駆除が出来るものも存在しますが、蚊取り線香とコバエ対策グッズはどちらがよりコバエに効くのでしょうか? コバエといっても様々な種類が存在し、中には生命力が強いコバエも存在するため、蚊取り線香でもコバエ駆除は出来ますが、全ての種に通用するかと言うと、ちょっと不安が残ると言う感じです。
屋外のコバエ対策には蚊取り線香
ですが、コバエ対策グッズの殆どは屋内で使用することを前提としてつくられているため、バーベキューなどの屋外でのコバエ対策には大変おすすめ。蚊取り線香は「携帯できる」という特徴があるため、香りを発しつつ範囲を広げることが出来るのも、特に屋外では大きな利点となります。 屋外で長時間のコバエ対策をしたいと言う場合は、コバエ対策グッズより、蚊取り線香がおすすめかもしれませんね。
あの虫にも効果アリ!?その効果範囲の広さ
蚊取り線香は蚊のみでなくコバエや全ての虫に効くとわかったところで「あの虫」にも効くか、検証していきます。そう、台所のアイツこと「ゴキブリ」にも蚊取り線香は効くのかと言う話です、結論から言ってしまえばゴキブリにも蚊取り線香は効き、使い方次第では殺すことだってできてしまいます。 蚊のみでなくゴキブリも駆除できるとあらば、是非とも使用したくなりますね。
虫を飼育している方は要注意
ただ、蚊取り線香でゴキブリを駆除する際は注意が必要で、蚊取り線香はすべての虫に害を与える為、カブトムシやクワガタにも害をもたらす場合があります。また、強靭な生命力を持つゴキブリが死ぬほどと言うのもあり、やり過ぎると使用する側に害が及ぶことも…確実にゴキブリを退治したいと言う場合は、市販のゴキブリ対策グッズを使用するか、蚊取り線香で弱ったところに洗剤やお湯をかける等の処理を行いましょう。
中にはアレルギーも!?蚊取り線香のもたらす害
蚊のみでなく他の虫にも効果的で、長時間成分を散布してくれるなど良い事ずくめの蚊取り線香ですが、当然その使い方にはさまざまな注意が必要です。人によっては蚊取り線香の香りが身体に合わなく感じたり、中には気分が悪くなってしまうと言う方もいるかもしれません。蚊取り線香の香りを吸うと体調が悪くなると言う方はアレルギーの疑いがあるため、症状が出たらすぐに使用をやめるようにしましょう。
基本的に無害だが、効果には注意
人によってはアレルギー反応が出る場合があるもの、蚊取り線香の成分は基本的には無害で、しっかり喚起を行うか、屋外で使用する分には無害で、何の問題もありません。ただ、ペットを飼っている方は注意する必要があります、犬や猫などを飼っていると蚊取り線香は使えないかと言うと、そうでもなく「使い方による」という面が大きくなっています。 使い方や成分次第で、有害にもなるし、無害にもなりえる存在です。
購入前に成分表を確認しよう
ペットの傍で蚊取り線香を使った場合、害をもたらす場合がありますし、昆虫などののペットを飼っている場合は使用しないほうが賢明でしょう。蚊を駆除するはずがペットに害を及ぼし、寿命を縮めかねません。 では、どんな使い方をすれば害がないのかと言いますと、購入する前に成分表を確認し、ピレトリン100パーセントの蚊取り線香を使用するようにしましょう。ピレトリンは由来なので、天然成分がいいと言う方にもおすすめします。 昆虫などを飼われている方は、ハーブなどの成分を由来とする商品を使用し、害を与えない成分で守ってあげましょう。
蚊取り線香で誤解しがちなコト
蚊取り線香は広く知られているぶん、誤解もされやすく、正しい使い方を行われていないという事も少なくありません。蚊取り線香は蚊を駆除するため作られたものですが、従来の蚊対策グッズとか効き目や使い方が異なり、同じ感覚で使用すると「蚊取り線香を使っているのに効かない」と感じてしまうことも、度々あるかもしれません。 ここでは蚊取り線香の使い方に関する誤解の中でも、特に間違えやすい3つのポイントを紹介していきます。
蚊取り線香は退治するのではなく、追い払うもの?
蚊取り線香は蚊を殺し、駆除するものではなく、蚊を追い払い近づけないためのものです。弱らせることは出来ても、確実に殺すことは出来ません。蚊取り線香で蚊が落ちるのは、煙に含まれる成分によりマヒしてしまうため。蚊を落とすのは飽くまでオマケ、蚊を寄せ付けず、長時間効き目が続くと言うのがメインと言った感じです。
煙には当てなくても効果アリ!
蚊取り線香は煙に当てなければ意味がないと思われがちですが、火が付いた手前より範囲が広がっていくため、蚊取り線香のすぐ傍でなければ効き目を発揮しないと言う訳ではありません。蚊取り線香から発せられる煙は「ここから成分が散布される」という目安に近く、煙の範囲と、成分の届く範囲は実は関係ないのです。一見届いていないように見えない場所にも成分が届くため、範囲が狭くならないかと言う心配は不要です。 ただ、風下だと成分が流されてしまう場合があるので、できれば風上に置くようにしましょう。
蚊取り線香の消し方は簡単!
長時間効き目が続くのは嬉しいけど、意外と知られていないのが蚊取り線香を途中で消したくなった時の消し方。火をつけたは良いが、消し方がわからず燃え尽きるまでそのまま…と言う方も少なくありません。蚊取り線香の消し方は大きく分けて3つあり、1つは火のついた少し後ろの部分を、ニッパーで切り離す消し方、火のついた部分ではなく「少し先」を折ると、より安全に火を消すことが出来ます。
2つ目は水をかけ火を消すこと、湿気って使えなくなるのではないかと思ってしまいますが、消火後にしっかり乾かしてあげれば、問題なく使用することが出来、切り離す消し方より道具が揃えやすく、おすすめです。 3つ目はボールペンのキャップを被せる等を行い、酸素をなくしてしまう事。この消し方をする時は風で火を煽ってしまわないよう、しっかり空気の通り道を塞ぐことが重要です。 この3つ以外にも、蚊取り線香を買うと付いてくる皿のふちにくっ付けるのもおすすめで、驚くほどあっと言う間に消えてくれます。
市販の蚊対策グッズとの効果比較
蚊取り線香のほかにも、昨今は様々な蚊対策グッズがあり、蚊取り線香を使わなければ駆除できないと言う訳ではありません。蚊取り線香のほかにも、スプレータイプや、1回プッシュしたら24時間効果が続くワンプッシュタイプのもの、蚊取り線香にも、コンセントに挿しておくと自動で成分を散布してくれるものもあります。
屋内向けと屋外向け、効果は一長一短
同じ蚊対策グッズでも、屋外向けに作られたものと屋内向けに作られたものでは大違い。スプレータイプは屋外でも使用することが出来ますが、範囲が狭く、持続した効果を得るのは難しいとされています。 ワンプッシュタイプも、屋内では絶大な効果を発揮しますが、屋外やエアコンが効いた部屋などでは効果が激減してしまうため、これも屋外ではおすすめすることができません。 勿論ですが、電子式のものはコンセントがなければ機能しないため、近場にコンセントがない場合が多い屋外での使用はおすすめすることができないと、これさえ買えばどこでも大丈夫!と言う感じではありません。
蚊取り線香をおすすめする点は、何といっても屋外でも使用できること。電源を必要とせず、どこでもその効果を発揮してくれ、携帯器に入れ持ち歩けば、屋外で蚊にされれる可能性がグッと少なくなります。 蚊取り線香を使用する際は屋外か、開けた場所で使用することをおすすめします。
蚊取り線香をアレンジ!より効果的に使おう
蚊取り線香は日用品と組み合わせアレンジすることで、より便利なものへと早変わりします。特に数あるアレンジの中でもおすすめするのは、ホッチキスの針と組み合わせ「自動で火が消えるタイマー」を作る事。 やり方は至って簡単で、ここで消えてほしいという場所に針を被せるだけ。 蚊取り線香は1時間で10センチ火が進むため、1時間で消えてほしい場合は先から10センチの部分にホッチキスの針を被せるようにしましょう、これで思った通りの時間に、蚊取り線香が消えてくれます。
蚊取り線香の効果がもたらすメリット
蚊取り線香のメリットは屋外でも使用することが出来、さらに長時間その効果が続くこと。やり方さえ覚えてしまえば、どのタイミングで消えてほしいかも調節でき、香りで選ぶなんてこともできます。 香りを楽しみながら蚊を追い払えると思うと、なんともお得な逸品ですね。
蚊取り線香の効果がもたらすデメリット
蚊取り線香がいくらおすすめだからと言っても、煙が体質に合わないと言う方もいるでしょう。いくら効き目があるからと言っても、無理な使用は行わないようにしましょう。 長く効く事も見様によってはデメリットとなり、確実に蚊を駆除したい場合はちょっと物足りない、と言う感じです。
蚊取り線香で気持ちいい夏を!
夏の風物詩「蚊取り線香」はユニークな見た目のみならず、屋外でも蚊対策をしたいと言う方や、お線香の香りは落ち着くと言う方におすすめしたい逸品です。 より多く蚊を殺せるかより、追い払えるかを重要視すると言う方には、見逃せないものとなっています。