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シュウカイドウ(秋海棠)とは?花の特徴や育て方!日陰がおすすめ?

古くから歌人や俳人にも愛され、正岡子規も病床からその美しさを詠んだという秋海棠(シュウカイドウ)。ベゴニアとは違うの?日陰でも育てやすいって本当?秋海棠(シュウカイドウ)の基本情報に始め、その特徴や育て方、増やし方などその魅力をご紹介いたします。
更新: 2023年8月29日
しまうま花屋
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秋海棠(シュウカイドウ)とは

古くから親しまれ、日本庭園でもよく見られる秋海棠。 秋に憂いを帯びた花を咲かせる風情のある姿は、秋の季節を詠う季語としても俳人・歌人から愛されてきた植物です。 特徴的な葉を持ち一年中楽しませてくれる秋海棠ですが、今回は秋海棠とはどんな植物なのか、その特徴や育て方などをご紹介いたします。

秋海棠(シュウカイドウ)はベゴニアの一種?

秋海棠はベゴニアにとても似ていますが、ベゴニアとは違いがあるのでしょうか?科目名・学名から見てみましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 科目

科:シュウカイドウ科 属:シュウカイドウ属 秋海棠はシュウカイドウ属に属する植物です。シュウカイドウ属は球根性の草本が多い双子葉植物の仲間です。 シュウカイドウ科は学名で「Begoniaceae」といい、ベゴニアはもともとシュウカイドウ属を表すラテン語です。つまり、シュウカイドウ科とは日本語で、世界的にはベゴニア科という分類になるわけですね。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 学名

学名:Begonia grandis 秋海棠はシュウカイドウ科の植物なので、学名にもベゴニアがつきます。grandisとは「大きな」という意味があります。

秋海棠(シュウカイドウ)とベゴニアは同じ仲間

つまり、秋海棠はベゴニアの一種と言って間違いはありません。 しかし、ベゴニアの種類の中で、秋海棠が先に日本に入り、「秋海棠」という名がつけられ定着しました。その後さまざまな種類のベゴニアが日本に入りましたが、秋海棠の和風な姿とはちょっと違った洋風な品種が多かったために、それらは「ベゴニア」と呼ばれることになり、秋海棠とは呼び名が違っていったのです。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 原産地・名前の由来

日本において、洋風のベゴニアとは区別されてきた秋海棠。あまり見慣れない漢字を使っていますが、由来は何なのでしょうか。その由来を秋海棠の原産地とともにたどっていきましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 原産地

原産地:中国大陸・マレー半島 日本には江戸時代初期に、中国から園芸用として持ち込まれ定着した帰化植物とされています。主に園芸用として栽培されていましたが、本州においては各地で半野生化しています。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 名前の由来

秋海棠の名前の由来は、秋にバラ科の海棠(カイドウ)と似た花を咲かせることからつけられました。


「棠」という文字は中国由来で、一文字では山梨(バラ科の落葉高木)を意味します。「海棠」とはもともと中国では美人の代名詞として高貴な花を指す際に使われていた言葉で、玄宗皇帝が楊貴妃を評した際にも使われました。中国では海棠の美しさは特別なものだったのですね。海棠が日本に入ってきた際に、漢字をそのまま使って日本語読みしたといいます。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 別名

瓔珞草(ヨウラクソウ) 断腸花(ダンチョウカ) 瓔珞とは仏像の首飾りや胸飾りなどの飾り玉を指した言葉で、この瓔珞のように見えたのでしょうか。 断腸花とは、愛する人と引き裂かれてしまった女性の涙からこの花が咲いた、という中国の逸話に由来した別名です。 秋海棠の美しい姿は古くから愛され、さまざまな表現をなされてきたのですね。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 開花期・花言葉

秋海棠(シュウカイドウ)/ 開花期

開花期:8月〜10月 ベゴニアは四季咲きですが、秋海棠の開花期は秋のみです。 花が終わるとむかごをつけ、それらがこぼれて発芽することで株を増やします。冬の間は地上部は枯れてしまいますが、地中で球根となって越冬します。それらが春にまた芽吹き出します。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 花言葉と由来

花言葉:「自然を愛す」「恋の悩み」「片思い」 断腸花という別名の由来にもあるように、切ない恋の花言葉が多いようです。これは、秋海棠の語源ともなっている海棠の花言葉にも由来しています。 また、秋海棠の葉は左右非対称のハート形をしており、その姿が「片思い」という花言葉につながっていると言われています。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 品種

秋海棠は変異が起きにくいため、ピンク色の花が咲く普通種のシュウカイドウと白花シュウカイドウの2種類が主によくみられます。そのほか、早咲きの品種や純白の花を咲かせる品種などの改良品種はあるものの、あまり品種改良はなされていないようです。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 品種1.シュウカイドウ

一般的に知られるシュウカイドウです。明るいピンク色の花を咲かせます。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 品種2.白花シュウカイドウ

白い花が咲く品種です。普通種と比べて弱いので、一緒に植えると繁殖しにくくなってしまう恐れがあります。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 品種3.裏紅シュウカイドウ


葉の裏が濃い紅色になる品種です。カラーリーフとしてお庭に映える品種です。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 特徴1.日陰でも育つ

丈夫でシェードガーデンにもぴったり

日陰の庭は、植えるものに困るうえに暗くなりがちで、悩むことも多い場所。そんな場所でも丈夫に花を咲かせてくれるのが秋海棠です。 秋海棠はジメジメとした明るい日陰か落葉樹の下などの半日陰を好みます。花のない夏などの季節にも爽やかな緑色の葉が美しく、暑さにも強いのであまり手間がかかりません。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 特徴2.ハート型の葉

ハート型の葉が美しい

秋海棠が日本庭園でも愛される理由のひとつとして、美しい葉のかたちが挙げられます。 花言葉にも由来するように、秋海棠の葉は左右非対称の長さ20㎝程度にもなる大きなハート型をしています。葉茎の付け根は赤みを帯びていて、花のない季節にも楽しませてくれます。 しかし葉にはシュウ酸が含まれていて毒性があります。食用や薬草としても使われていたようですが、扱いには気をつけましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 特徴3.雌雄異花同株

花の咲き方が面白い

秋海棠は雄花と雌花のそれぞれを同じ株につける「雌雄異花同株」といわれる種類の植物です。そのため、花の咲き方が少し変わっています。

まず、葉の脇から細い花柄を伸ばし、その先に花径3㎝ほどの花を咲かせます。これらは雄花で、4枚の弁があり、中心の黄色い雄しべが綺麗なコントラストを作り出します。

雄花が次々と咲いた後に、雄花より小さい5枚の弁を持った雌花が下向きに咲きます。雄花のように全開になって咲くことはありませんが、雄花とはまた違った可憐な姿を見せてくれます。 次々と咲くお花を見比べて楽しむのも良いですね。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 基本情報

形態:球根・多年草 草丈:40〜80㎝ 花色:ピンク、白 耐寒性:強い 耐暑性:強い

秋海棠(シュウカイドウ)/ 育て方1.日当たりと場所


秋海棠は、寒さに弱い他のベゴニアとは違い耐寒性があるため、戸外で育てられます。 湿潤で明るい日陰や半日陰などが適しています。 暑さにも強いですが、直射日光が当たると葉焼けを起こしてしまいます。また、乾燥に弱く、風が強いなど乾燥する場所は生育が悪くなる可能性があるので注意しましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 育て方2.水やり

土が乾いたら、たっぷりと水をあげましょう。 ■庭植えの場合 湿り気のある場所であればほとんど水やりは必要ありませんが、植え付けたばかりの時期などは気をつけましょう。 ■鉢植えの場合 土の表面が乾いたらたっぷりあげましょう。水切れを起こさないように注意しましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 育て方3.植え付けと植え替え

適期は4月です。 塊茎が隠れる程度に植え、深植えしないように気をつけましょう。 ■庭植えの場合 保水性を高くするため、腐葉土をよく混ぜてから植えます。 ■鉢植えの場合 水はけがよく保水力のある、赤玉土小粒6:腐葉土3:軽石1などの配合土が適しています。植えっぱなしで大丈夫ですが、土が悪くなってきたら春に植え替えをしましょう。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 育て方4.肥料

肥料をあげすぎると肥大化してしまいます。 ■庭植えの場合 植え付ける際に腐葉土などの腐植質をよく混ぜ込んでおけば必要ありません。 ■鉢植えの場合 植え付ける際に緩効性肥料を混ぜ込んでおきましょう。追肥は必要ありません。

秋海棠(シュウカイドウ)/ 育て方5.増やし方

秋海棠の増やし方には3種類あります。 ■むかごでの増やし方 花が終わる季節になると、葉の脇にむかごができます。むかごとは茎の一部が丸く太ってできたもので、実とは違いますが、むかごが地面に落ちるとそこから芽を出し、新しい株になります。むかごを収穫して植えてみましょう。 ■種での増やし方 花が終わったあとの種を収穫して増やすこともできます。むかごと種の2種類あるのは、むかごは地面に落として繁殖させ、種は風で飛ばして遠くでも繁殖させるためです。種でも発芽率は高いため、増やしやすいです。 ■挿し木での増やし方 茎を切り取り、赤玉土に挿します。根が出たら、植え替えます。 どの方法でも増やしやすい植物ですので、挑戦してみてはいかがでしょうか。

まとめ

秋海棠(シュウカイドウ)は丈夫で育てやすく、初心者にも難易度の低い植物です。 日陰でも咲いてくれるのが嬉しいですね。シェードガーデンのアクセントに、植えてみてはいかがでしょうか。