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ライギョとは
ライギョとはこんな魚
ライギョはスズキ目タイワンドジョウ科に分類される淡水魚で、非常に獰猛で、肉付の良く細長い大きな肉食魚です。古くから日本に食用で移入され帰化したものが繁殖した外来種で、日本の各地で現在は釣れたり目撃される、存在感の強い魚です。
昔から水田の水抜きで捕獲されたり、鯉釣り等で釣れたりして、その巨大でグロテスクなニシキヘビの様な風貌から、田舎ではちょっとした騒動になります。
ライギョの歴史
ライギョの日本への移入
1923年に朝鮮半島から日本に食用として養殖用として持ち込まれました。朝鮮や中国では揚げ物や強壮剤で好まれ、古くから味がよい食用として一般的な魚のため、日本に移入されました。しかし日本では全く人気が無く、寄生虫の多い魚として敬遠され、自然化に放逐されたという説が有力で、現在は日本全国各地で外来種のライギョがみられます。
ライギョの日本への移入、亜種
先述の朝鮮から移入されたライギョは「カムルチー」で日本各地に居る大型のライギョはこの種類ですが、さらに2種のタイワンドジョウ科の亜種が日本には持ち込まれ繁殖しています。
その一つは「タイワンドジョウ」で原産は台湾、中国南部です。亜熱帯原産の魚のためか、カムルチーの様に北海道や東日本までは繁殖せず、西日本に留まる体長60㎝までの大型種です。
もう一つが「コウタイ」という種類で、現在は沖縄や西日本の一部で生息する体長30㎝の中型種です。何れも戦前の朝鮮、台湾が日本の領土化に置かれた時代に食用、鑑賞用で持ち込まれた外来種です。現在は「カムルチー・タイワンドジョウ」がライギョと区別せず呼ばれています。
ライギョの原産の生息地
ライギョの移入前の原産国、生息地
ライギョが外来種というのは前述の通りですが、元々はどの地域に生息していたのかをご紹介します。「カムルチー」は朝鮮半島から移入されましたが、元々は中国大陸のアムール川から長江までの朝鮮半島を含む広大な地域が生息地です。
「タイワンドジョウ」はカムルチーより南方の分布で、福建省以南、ベトナム、台湾、フィリピンが原産の生息地です。「コウタイ」はタイワンドジョウと同一の地域で台湾、中国南部が原産の生息地です。
ライギョの現在の分布
ライギョの日本の分布
ライギョ=カムルチーは現在、北海道、本州、四国、九州、沖縄まで広く分布します。元々は奈良県に民間の私的移入でしたが、どの様な経緯で北海道や沖縄まで移入されたかは不明です。
過去20~30年前にカミツキガメがペットとして販売されていたように、カムルチーも同時期に販売されていてたことが、まざまざと私の記憶にあり、同様に飼いきれずに放逐されたことが大きな要因と考えられます。
「タイワンドジョウ」は原産の生息地が亜熱帯ということも影響しているのか、西日本の各地と沖縄を生息地としてます。「コウタイ」はタイワンドジョウと同様に亜熱帯原産の魚で日本での生息地は西日本となっています。沖縄では、小さな側溝の様な川でも、生息地としていてみられます。
ライギョの名前の由来
ライギョ=雷魚の由来
ライギョ=雷魚の名前は外来種としては国内の魚の様に「和名」がつけられています。タイワンドジョウも同様です。英名ではライギョは「チャイニーズ、スネークヘッド」タイワンドジョウは「ブローチヘッド、スネークヘッド」ですが両者に和名を付けているのは、日本統治時代に命名したようです。
雷魚の名の由来は悪天候の嵐の時に地を這って移動することや、人などに噛み付き、雷が鳴っても離さないということから由来されています。
タイワンドジョウはライギョにそっくりな魚ですが、台湾から移入され、ドジョウのように空気を吸う魚ということで付けられたそうですが、実はタイワンドジョウの方が移入が早く、当時「ライヒー」という名前でライギョの語源になった魚ですが、後から来たライギョの方が大型でインパクトがあったので、ライギョと区別されました。
ライギョの生態
ライギョの大きさ形
ライギョ=カムルチーは日本に居る外来種の3種の中で1番大きな魚で、本州にいる魚の中でも非常に大きな種類の魚です。体長は最大で120㎝、13kgにも達するようです。タイワンドジョウも記録では80㎝の個体が釣り上げられていて、大きさに関しては未だに未知なところがあります。
ライギョの顔は魚と言うよりアナコンダの様な顔つきで、口も同様に大きく鋭い犬歯が生えそろっています。胸鰭もトカゲの手の様に付いていて、器用に動かしホバリングや浮上します。顔から体躯はほぼ同一の幅で8(体躯):2(顔)位の割合で魚と言うよりアナコンダの顔にニシキヘビの胴体が付き、鰭が胴体の上下、尾に付いたといった感じです。
ライギョの習性
ライギョは水温が20℃以上になると活発に活動するようになります。餌は魚、エビ、カエル、小鳥などテリトリー内で動いて口に入る物なら何でも襲う獰猛な肉食魚です。口腔内には鋭い犬歯が多く生え揃い、魚やカエルを噛んで絶命させ捕食します。
夏場は非常に貪欲で、大雨の日は田んぼの中を這いまわり、田んぼ内のカエルを食べながら移動します。警戒心が強く、人や獣の気配があると泥の中に身を潜め活動を休止します。また、ライギョは空気呼吸ができ、水面に口を出し空気を吸い込みます。この生態のお陰で、浅い水田などの水域を這いずり回ったり、止水の淀んだ水域でも生息が可能です。
ライギョの繁殖
いかつく獰猛なライギョですが、繁殖は親が雌雄で卵や稚魚を守ります。場所によっては親が産卵、保護に相応しい環境の巣を水草で作って繁殖活動を行います。最近では治水工事が行われ、繁殖が上手く行われずに減少している傾向が強くなっています。
ライギョの生息環境
ライギョの生息している場所
ライギョは河川の下流域、池、沼、湖、用水路で見られますが、共通して多く見られ生息地にしている場所は流れの弱い、止水域でハスやホテイアオイ等の水生植物が繁殖する場所に多く生息します。また田園地域の用水池や用水路も多く見られ、田植え以降の水のある時期では、爬虫類の様に田、用水路を行き来しています。
ライギョの近縁種
世界のライギョの近縁種
外来種で元々居なかったライギョですがアジア、アフリカ大陸には数多くの近縁種がいます。また、熱帯魚の世界ではライギョと同様にこの近縁種たちが人気があり、販売されていますので将来他の種も外来種として増える可能性もあります。
レインボースネークヘッドは非常に模様が綺麗で人気種です。コブラスネークヘッドは、ライギョと同様に顔がヘビの様な大型種です。
レッドスネークヘッドは赤い色の幼魚が安価で沢山販売されていますが、10kgを超える大型種です。熱帯魚でも人気のライギョの近縁種はまだ沢山いますが、おおむね大型化し、貪欲なので大型設備と餌代で費用がかなり掛かるので、飼育は大変です。
ライギョの釣り方(ルアー釣り)
ライギョの釣れる時間、時期
ライギョが活発に捕食活動するのは水温が20℃位からですので、5月半ばから10月前半までがシーズンとなります。シーズン前半と末期は、午後の水温の高い時間帯が狙い目です。暖かい時期は朝一番と夕方が狙い目となります。
ライギョのルアー釣り タックル
ライギョのルアー釣りのタックルはブラックバスのタックルでも釣ることはできますが、水草に潜り込んだり、巨大なサイズのライギョを考慮すると専用のロッドや、バス用のビックベイトロッドを使用します。
リールはやはりパワーがあり、根に潜られても引きずり出せるベイトリールがおすすめです。ラインは根ずれやコンクリート等で損傷しますので、ズレに強いライギョ用のPEラインを使用します。※ロッドとリールは下記のリンクを参照下さい。
ロッド
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リール
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ライギョのルアー釣り ルアー
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ライギョのルアー釣りで一番一般的なルアーで釣果のよい、カエルのルアーがおすすめです。ライギョはハスの葉などの水面直下に落ちてくる、カエルや小動物を待ってるので、カエルのルアーを中心にラバージグやスピナーベイトで攻めます。中層より上を操作しスイミングさせます。
ライギョのルアー釣り 釣り方
ライギョのルアーでの釣り方は、ブラックバスの様にテクニックはあまり必要が無く、ハスの葉や水草の廻をズルズル引いて行くだけです。食いが渋い時は水草の上にルアーを乗せたり落としたりして誘います。
ライギョは口が堅いので早合せは禁物です。食いついても慌てずルアーを持っていくのを確認して大きく合わせフッキングさせます。追い合わせを入れる必要もある位口が堅いので、フッキングを確認を落ち着いて取り込みましょう。
ライギョの釣り方(ポカン釣り)
ライギョのポカン釣り タックル
日本に古くから伝わる釣り方で、元々は食用のナマズを釣るのに使用された釣法です。過去は長い述べ竿を使用しましたが、現在では上述のタックルに、ワームフックを使用し、トノサマガエルやアカガエルの足を糸で結びポイントに投げ込みます。
ライギョのポカン釣り 餌、釣り方
現在ではルアーゲームの発達でほとんど行われていない釣法ですが、実際釣れる釣法です。カエルがかわいそうですが、ポイントに投げ入れアタリを待ちながら釣れるまで移動する釣法です。 過去にこの釣法で大きなライギョを仕留めたのを目撃しました。
それは延縄漁のように用水路付近に鉄パイプを打ち込み、ロープ、ナイロンライン、カエルとフックを結び一晩仕掛けておくというやり方です。3か所仕掛け、翌朝1か所で大きなライギョが掛かっていました。ゲーム性は低いですが確実な釣法と感じた物です。
ライギョの料理
ライギョ食べられる?
序文の方でも触れましたが、ライギョは元々中国北部や朝鮮半島では味のよい人気の食用の魚です。日本では海の幸が豊富で、輸入でも鮭などの魚も安く手に入りますので食べませんが、大陸では揚げたり蒸したり料理して食べます。中国南部や東南アジアでは鍋やカレー等の料理でナマズと共に味がよいとされ、多くの種が食用で料理されています。
ライギョの料理/素揚げ
筋肉の発達したライギョの味と食感は、鶏肉の様だといわれます。甘みのある身に、程よく脂が乗り上品な味の魚料理で、ハンバーガーのフィレオフィッシュ以上の味との感想です。ちなみにフィレオフィッシュも、アフリカの淡水の肉食魚です。
ライギョの料理/塩焼き
筋肉質で身が締まり脂の乗ったライギョの塩焼きは知る人ぞ知る絶賛料理といわれます。身のほぐれも良く食感も楽しめる、鱧やウナギのような味と絶賛されます。
ライギョの料理/カインチュア
ベトナム南部の野菜と共に煮込むスープです。ライギョ以外でもナマズやテラピアなども使われますが、ライギョが一番味が良く人気で高価のようです。
ライギョの栄養
ライギョの栄養成分、効能
ライギョ等の黒っぽい淡水魚にはカルシウム、鉄分、リンが多く含まれます。当然、良質のたんぱく質が食べることで摂取でき、分岐鎖アミノ酸が多く含まれ、その効能は骨の強化、血液の浄化効果、アミノ酸による中枢神経の疲労回復、皮膚の若返り効果が期待できます。
ライギョの寄生虫
ライギョの寄生虫(顎口虫)
ライギョの寄生虫は戦前から知られる「顎口虫」が有名です。恐ろしい寄生虫で生食では人間にも寄生し、皮膚や筋肉の組織の隙間を這いまわり、皮膚下で成長します。人間の人体内で移動し、眼球や脳にも悪影響を及ぼし、最悪は死に至る程危険な寄生虫です。この寄生虫がいる可能性の高いライギョは、絶対に生食を避けるべきです。
ライギョ正体/まとめ
ライギョは不思議な魅力をもった魚
ライギョは元々日本に居ない魚でしたが、特定外来種としてブラックバスやブルーギル、アカミミガメのように駆除が叫ばれない、昔から日本に居たような不思議な魚です。生態も不思議で他の魚が住めないような、水路や水生植物が異常繁殖した場所に活き活きと生息し、荒天を利用し自由に往来しています。
見た目も爬虫類の様な顔、ニシキヘビの様な模様で、女性などが見たら悲鳴をあげてしまいそうですが、非常に野性味が強く、好きな人は釣りで追い求め、家の水槽で飼っている程です。
好き嫌いが分かれる極端な魅力と、不思議な生態に満ちた魚が「ライギョ」という筆者の感想で、アジアでは広く食用とされ、今日も食卓やお店で食べられる、アジア人との係わりの深い不思議な魚です。