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インバーターとは?その原理から用途、役割などの基本情報をご紹介!

色んな種類の電化製品でよく見かけるインバーター搭載という言葉。インバーターは電源回路や装置のことで、周波数を変更してモーターの回転速度を変えたりできます。様々な用途に使われていて、省エネの役割もあるんですよ。原理やコンバーターとの違いなどを解説していきます。
更新: 2021年3月3日
gauyorim
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インバーターについて

エアコン、洗濯機、ライトなど、様々な種類の電化製品。インバーター搭載が当たり前になりました。CMやお店でもインバーター搭載を売りにしています。

インバーターについては、省エネの役割があることは知ってるけど、原理や用途はいまいち分からないという人が多いと思います。インバーターのおかげで、温度や明るさなどの微調整ができているんですよ。その結果、省エネにもつながっています。

インバーターの役割

インバーターの役割は簡単にいうと、電圧と周波数を変えることです。モーターで動く機械は電圧と周波数を変更し、調理器やライトなどは周波数が高くなるように変えています。

コンピューターの場合は電圧と周波数ともに一定にする役割を持ちます。このようにインバーターは、機器の種類や用途によって役割に違いがあります。ざっくりと説明しましたが、原理や仕組みを詳しく解説します。

インバーターは電気を変換する

まず、電気は2つに分けられます。交流と直流との違いです。聞いたことはありますよね。家のコンセントから得られる電気は交流で、乾電池の場合は直流になります。

この交流は電圧と周波数が定まっていて変えられません。でも一度直流にした後でまた交流に戻せば、変更できるようになります。こうした交流→直流→交流に電気を変換する装置がインバーターです。

回路について

交流→直流の回路は「コンバーター回路」、交流→直流→交流の回路が「インバーター回路」とされています。日本では、このコンバーター回路やインバーター回路に、コンデンサーなどをあわせた総称としてもインバーターと呼んでいるんですよ。

電圧と周波数を変更する理由

インバーターを介せば、電圧と周波数を変えられるようになると知れました。なぜ変更する必要があるのでしょうか。分かりやすくいうと、コンセントから得た交流のままでは電圧と周波数を変えられないため、電気をオンかオフにするしかできません。

ところが電圧と周波数を変更できれば、細かな微調節が可能になります。なのでインバーターを搭載してコントロールするんですね。

インバーターはモーターの回転速度を変える


インバーターの役割は、電気を変換するだけではありません。周波数を変えられるようになると、モーターの回転速度を細かく調節することができます。インバーターがなければ、モーターの原理として速度を変えることはできません。

モーターの速度をコントロールすることで、機器の用途は大きく広がります。ふだん使っている電化製品でもモーターを使用しているものは多くありますよ。

電圧の調節も必要

モーターの回転速度は、周波数を変えるだけで調節できます。ですが電圧もその変化に合わせないと、モーターに悪影響となり破損してしまう恐れがでてきてしまうんです。

「Vf制御」という方法であれば、周波数に合わせて電圧も自動で変化します。こうした制御ができるインバーターを「VVVFインバーター」と呼びます。周波数とともに電圧も変化することで、問題なくモーターの回転速度を調節できるのです。

インバーターのメリット

インバーターがあれば、電圧と周波数を細かく変更し、機器の動きを微調節できます。荷物を乗せたベルトコンベアーの場合、電源やスイッチを入れて動作を開始した時に、突然動き出すと荷物が倒れたり落ちたりしますよね。

なのでゆっくりと動き出す必要があります。逆も同様です。このゆっくりと動作させることができるのはインバーターの能力になります。

電源周波数も関係ない

地域によって電源周波数に違いがあることは有名ですよね。東日本が50Hzで、西日本が60Hzというやつです。

現在ではほとんど心配いりませんが、電源がどちらかだけに対応している電化製品の場合は、この周波数が合っていないと正常に動作しないことがあります。ですがインバーターがあれば、周波数を変更してくれるので問題ありません。遠くに引っ越す時も安心です。

インバーターエアコンの利点

インバーターを搭載している家電の代表はエアコンじゃないでしょうか。もしインバーターがなかったら、実際にはオンかオフしかありません。クーラーの原理は、オンにすると部屋を冷やし、設定温度になるとオフになります。

また室温が上がると、オンになり冷やすということを繰り返します。設定温度まで冷やすことにもっともパワーを使うので、しょっちゅう強い力で運転しないといけなくなります。

インバーターエアコンの場合

インバーターを搭載しているエアコンなら、オンとオフの間の力で運転ができます。一度設定温度まで下がれば、あとはその温度をキープするだけの、ゆるやかな運転を続ければよくなります。

冷えたり暑くなったりと極端な変化がなくなり、適温の状態が続くわけです。設定温度にするためフルパワーを出すのも、使い始めだけで済みます。このように効率が良くなって、使い心地にも利点が生まれます。

インバーターライトの利点


インバーターを搭載したライトもあります。エアコンなら温度調節ですが、ライトは明るさの調節ができるようになるんですよ。ライトの原理もインバーターがなければ、オンとオフだけです。

照明として使うなら当然オンの状態になりますが、ただオンになっているだけだと光がチラついて目に負担がかかります。蛍光灯のあかりで文字をずっと読んでいると疲れてしまうのはこのためです。

インバーターライトの場合

インバーター搭載のライトなら、オンとオフの間の明るさに調節することが可能です。周波数を高くすることで、ライトによるチラつきが少なくなり、目が疲れづらくなります。

夜にスマホやタブレットを長時間に渡って操作することが多くなりましたよね。目は意識的に守っていく必要があります。せめてライトによる目への負担を減らしたい人は、インバーターを搭載したライトがおすすめです。

インバーターホームベーカリーの利点

ホームベーカリーとは、パン焼き器のことです。このホームベーカリーでもインバーターは大活躍してくれます。インバーターがないと、これまたオンかオフしかないので、常に一定の力でしか生地をこねられません。

作るパンを変えるなら、生地や材料を変更する方法のみとなります。自分好みのパンを本格的に作る時は、手で生地をこねた方が良い場合もでてきます。

インバーターホームベーカリーの場合

ホームベーカリーにインバーターが搭載されていたらどうでしょうか。オンとオフだけではなくなるので、生地を微妙な力加減と変化でこねることができます。それもホームベーカリーに搭載されているメニューやスイッチを押すだけでOK!

手よりも上手に生地をこねてくれて、美味しいパンが焼き上がります。作るパンを変えるのも生地や材料の他に、こね具合も加えられるので、バリエーションを増やせるんです。

インバーターの省エネ効果

3種類の電化製品を例にして、インバーターの効率の良さや用途を説明しました。オンとオフだけだと、ちょっとのパワーで十分な場合もオンの時は強い力を出すしかありません。これはムダな力を発生させてしまいます。

ムダなエネルギーを出さない方法は、出力を微調整すること。つまりそれができるインバーターは、ムダなエネルギーをセーブしてくれる省エネの効果があるのです。

省エネの原理

分かりやすく再度インバーターエアコンを例にしてみます。インバーターが搭載されていない場合は、設定温度を目標にしてオンとオフを繰り返します。オンのたびに設定温度まで最大の力で動くため、多くのエネルギーを消費します。

インバーターが搭載されていれば、最大の力を出すのはスイッチを入れた時のみです。設定温度になると、室温が変化しない程度の力で済むため、消費エネルギーが少なくなります。

省エネ効果

それならインバーターには、どれくらいの省エネ効果があるのか気になりますよね。エアコンの場合、設定や環境などすべてがベストな状態だと、約85%の省エネ効果があるとされています。

あくまでベストな状態ということなので実際は多少なりとも下がるものの、インバーターの省エネ効果はとても大きいものです。電気は毎日使いますから、長い目でみると電気代を大きく節約することが可能になります。

種類を問わずに省エネ


エアコンを例にしましたが、インバーターが搭載されている他種類の電化製品や装置も違いはナシに、省エネの効果を発揮してくれます。ライトであれば周波数を高くして目の負担を減らすうえに、明るすぎな光を弱めてムダのエネルギー消費をおさえることができます。

ホームベーカリーの場合、インバーターの目的は主に生地のこね具合などになります。ですがムダな力は使わないので、省エネにも役立っています。

インバーターの欠点

インバーターは効率的で省エネ効果があり、使い心地が良いとイイことづくめですが、欠点もあります。完璧なモノはそうそうないものです。その欠点とはノイズ。インバーターから出るノイズは、他種類の電化製品にとって良くありません。

ノイズを閉じ込めるためにインバーターをカバーへおさめたり、フィルターなどでさえぎる必要があります。被害を受ける電化製品側に防御をほどこすのも有効です。

インバーターの活躍期間

家庭でインバーター搭載の電化製品を使う場合、コンセントから電気を得ます。そして交流→直流→交流へと電気を変換しますが、この工程があまりスマートではありません。

元の交流を直流にせず、そのまま電圧と周波数を変更できるようにする装置が作られれば、インバーターは必要なくなります。ただ、そのような装置はまだ実用的ではありません。当分はインバーターが活躍することでしょう。

コンバーターとは?

コンバーターはインバーターと違いがあります。交流→直流の回路は「コンバーター回路」と説明しました。ここからさらに交流へ変換するのが「インバーター回路」です。

コンバーターは直流、インバーターは交流にする用途の違いがあります。インバーター搭載の機器は、実はコンバーターも搭載していて状況に合わせて作動しています。コンバーターの働きも重要で必要なものなんです。

まとめ

インバーターについて詳しく説明してきました。その役割や用途から仕組み、コンバーターとの違いなどについてご理解いただけたと思います。様々な種類の電化製品をより快適に使えるうえ、省エネ効果もあるインバーターは、今や搭載されていないと困る装置になりました。

どういうものか分かれば、さらに上手く使いこなすことができます。微調節ができるという利点をぜひ意識してみてください。