目次
- スキー板のワックスがけをしよう
- ワックスの必要性
- 基本的なスキー板の取り扱いの手順について
- レンタル板でも簡易ワックスを塗るのがおすすめ
- 本格的にスキーを楽しむ人は日常のメンテナンスとチューンナップショップへ
- ホットワクシング(ホットワックス)とは
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ1
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ2
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ3
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ4
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ5
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ6
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ7
- スキー板のワックスがけお手入れグッズ8
- スキー板のホットワックスの手順
- ホットワックスの手順(動画編)
- スキー板のメンテナンスについてのまとめ
スキー板のワックスがけをしよう
以前はスキー人口が激減といわれるばかりでしたが、今再びスキーの注目が集まり人気が高まってきています。今回はスキー板のメンテナンスに必要なワックスがけについて簡単にご説明していきます。

スキー板の進化
スキーの大ブームを起こしていたバブル期から現在の間に、スキーの板は格段に進化を遂げて、昔のスキー板と形も素材も異なっています。板に使われている素材が進化して、最近のスキー板はとても性能が高いので、ワックスをかけてきちんとメンテナンスすれば何シーズンでも使う事ができます。

ワックスの必要性
スキー板を保護して滑走性を良くするため
ではなぜワックスをかけてメンテナンスが必要なのか?という疑問を持つ方もいると思います。その理由は滑走性を良くする効果があることと、酸化やサビからスキー板の寿命を長く持たせる効果があるからです。せっかく高価な板を買っても、基本的にスキーは冬期の間に楽しむスポーツなので長い期間保管しておく必要があります。お手入れせずそのまま放置してしまったらスキー板は酸化したりサビやカビに覆われて痛んでしまいます。ですのできちんとしたメンテナンスが必要です。

スキーが上達すること
定期的な頻度でワックスをかけてメンテナンスをしておく事で、スキーの板の性能を最大限に引き出すことができるので、スキー板自体の操作性を高い状態で維持する事ができれば、スキー板の滑走性が高まりスキー板の走りに身体が慣れることと、スキー板の構造を自分の手で触って理解する事でスキーが格段に上達するでしょう。

基本的なスキー板の取り扱いの手順について
スキー板にワックスをかけたりエッジをメンテナンスするお手入れの前に、基本的なスキー板の取り扱い方法の手順についてご説明していきます。滑走する頻度に関わらず、スキー場から帰ってきたらこのお手入れを日常に行うことがスキー板を長持ちさせる重要なポイントです。
スキー板とビンディングの水分を拭き取る
手順としてまずスキー場から帰ってきたらスキーについた雪を落とし、スキー板についている水分を布で優しく簡単に拭き取ります。ビンディングも同じ様に水分を簡単に軽く拭き取ります。布を持っていない時はスキー板を振るって落とすだけでも効果はあります。軽く拭くイメージで大丈夫です。

スキー板に傷がないかチェックをする
2つめの手順として、雪が落ちたスキー板が痛んでいないか、傷がないかをチェックします。滑走中に転んでスキーの板の表や裏に大きな傷がついている場合はビンディングが緩んでいることもあるので確認をします。スキー板の滑走面とエッジが欠けていないかもチェックをしましょう。

スキー板をしっかりと乾かす
軽く拭いた板は、宿泊施設等の乾燥室やボイラー室で次に滑走するまで乾燥させておきましょう。水分をなるべく残さないことがサビを防ぐ効果があります。乾かすためストーブのすぐ近くに置いたり、熱い場所にスキー板を置くと、いたが歪んだり、反ったり溶けたりするので気をつけましょう。ここまでがスキー板を長持ちさせる簡単にできる取り扱い方法になります。

レンタル板でも簡易ワックスを塗るのがおすすめ
スキー場や宿泊施設に到着してから当日にスキー板をレンタルして滑走を楽しむ人にもワックスかけはおすすめです。その理由はワックスを塗ると滑走性が良いので、よりスキーを楽しむことができるからです。本格的なメンテナンスは必要なく、塗り方も決まりはないので簡易ワックスやスプレーワックスと呼ばれる物をささっと塗るだけでお手入れ完了です。
これだけでOKのおすすめ簡易ワックスセット
日本製の安心ブランド、ガリウムの簡易ワックスセットです。ブラシもセットでこれだけあれば十分に対応できます。塗るだけなので塗り方や手順はいい加減でも大丈夫です。頻度はホットワックスをしない人、レンタルスキーの人はとにかく滑る前に塗るという塗り方で良いです。
簡易ワックスの塗り方
簡易ワックス、スプレーワックスの塗り方の手順はあまり気にする必要はありません。塗り方としてはスポンジのついた簡易ワックスの場合は滑走面全体に塗れば良く、スプレーワックス等の場合は全体に塗ったあと付属のコルクで伸ばせば大丈夫です。簡易ワックスを塗らないよりかは塗った方が良いですが、さらに滑走性を上げたい場合は、ブラシ等で磨く必要があります。

簡易ワックス使用時の注意点
注意することとしては防水スプレーの使用と同様に、簡易ワックス、スプレーワックスは火のそばで使わない、大量に吸い込まない、換気をする等に気をつけるようにして使用しましょう。
塗らないよりかは生塗りでもOK
スプレータイプのワックスがない場合、固形のワックスを板に直接塗って(生塗り)コルクで軽く伸ばすだけでも滑走性は変わってきます。コルクも持っていない場合は、固形のワックスを板に直接生塗りするだけでも多少違いがでます。塗り方に決まりはありませんのでせっかくスキー場までやってきたのですから、何も塗らないよりかは何かしらワックスを塗った方がスキーをより楽しめるでしょう。

本格的にスキーを楽しむ人は日常のメンテナンスとチューンナップショップへ
スキー板を大事に使いたい人、本格的にスキーを楽しむ人、競技スキーをしている人たちは日常的にアイロンやブラシ、スクレーパーを使ったホットワクシング(ホットワックス)と呼ばれるメンテナンスを行い、シーズンの途中、大事な大会の前やシーズンの前や終わりにスキー板を専門店のチューンナップショップに出しています。自分のスキー板を車の洗車する様な感覚に置き換えてイメージしていただけたらわかりやすいかと思います。

ホットワクシング(ホットワックス)とは
スキー板の自分で日常的にできるお手入れ方法にホットワクシング(以下ホットワックス)があります。板を磨くためにアイロンでワックスを溶かして塗り、板にしみ込ませて余分なワックスを落としていく塗り方を繰り返し、滑走面の滑走性を高めるメンテナンス方法です。高い頻度で行う事で板にワックスがしみ込んでスキー板の滑走性が上がります。

ホットワクシング(ホットワックス)の頻度について
滑走性を上げる効果が高いので、滑走頻度や技術、本格的にスキーをしている人等によってメンテナンスの頻度は変わるかと思いますが、頻度としていえる事は自分のスキー板をどれだけ大事にするか、というモチベーションによって変わってくると思います。ワックスが大量に落ちるので必ずビニールシートや新聞紙と掃除用具を用意して行いましょう。

スキー板のワックスがけお手入れグッズ1
ここからは滑走性の効果を上げるホットワックスに必要な基本的なお手入れグッズをご紹介します。
ワックススタンド(バイス台)
ワックススタンド(バイス、チューンナップテーブル等)とはスキーのメンテナンスをするための作業台のことで、ワックススタンドと一緒にスキー板を固定するバイスが必要です。バイスでしっかりと固定することでホットワックスの作業ができます。
バイス
バイスで3点をしっかりと固定することでホットワックスの作業ができます。バイスがないと力を入れてスクレーパーを使う事やブラシで丁寧に磨く事ができません。
ビンディングのブレーキを上げるゴム
バイスでスキー板を固定した後に、スキー板の流れ止め機能であるブレーキのストッパー部分が引っかかって作業がしにくいのでゴムを使ってブレーキを上に上げて作業します。消耗品なので家庭用の太めのゴムで十分とめる事もできますが、専用のゴムの販売もあります。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ2
ワックスリムーバー(汚れ落とし)
滑走後汚れたスキー板や、ホコリがついた板にワックスをかけるのはNGです。スキーをキャリアに積んでいる場合やスキー場までの輸送中に排気ガスやホコリでスキー板は汚れてしまうので、まずスキー板の滑走面に残っている汚れをリムーバーで軽く落としてから作業に入ります。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ3
板を磨くのに必要なブラシは大きく3種類に分けられます。ブロンズブラシ、ナイロンブラシ、馬毛や豚毛の仕上げ用ブラシです。全部揃っていなくても、ナイロンがあれば効果を実感できます。
ブロンズブラシ
SWIX(スウィックス) スキー スノーボード用 チューニング ブラシ リフレッシュニング用
毛足の長さ:12mm
固いブロンズブラシで簡単に汚れを落とすことができますが揃えることができなくでも大丈夫です。滑走面の汚れやケバ、酸化膜を取るクリーニングで使うブラシです。
ナイロンブラシ
SWIX(スウィックス) スキー スノーボード用 チューニング ブラシ オールラウンド
毛足の長さ:9mm
ナイロンブラシがあればお手入れは簡単にできます。オールマイティに使えるナイロンブラシは一番使う頻度が高く持っていると簡単にお手入れができます。
仕上げ用ブラシ
SWIX(スウィックス) スキー スノーボード用 チューニング ブラシ 仕上げ用
毛足の長さ:6mm
仕上げの磨き用ブラシです。獣毛で作られている物が多いです。使用すると板が走る効果を実感できますが、これも揃える事ができなくても大丈夫です。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ4
アイロン
ホットワックスの塗り方の手順にはアイロンは欠かせないメンテナンスアイテムです。温度調節ができる物がおすすめです。ベースワックスや滑走ワックスを板が焼けない様にワクシングペーパーを挟んで塗っていきます。煙が出たら温度が高過ぎです。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ5
ワクシングペーパー
ベースワックスや滑走ワックスを塗る時にアイロンで挟んで使用します。ベースワックスを塗った時にペーパーに汚れがついていたら、スクレーパーを使って落とし、サイドベースワックスを塗っていききれいになるまで繰り返します。ホットワックスをすると一番使う頻度が高い消耗品になります。使って汚れたものは再利用せず新しい物を使いましょう。使うと薄く塗る事ができますがなければワックスとアイロンのみでもOKです。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ6
ワックスにはベース用から滑走用、温度や雪質によって沢山の種類があります。簡単なお手入れではあまり気にする必要はありません。今回は簡単な全雪質用のワックスをご紹介します。
ベースワックス
ベースワックス(パラフィンワックス)は、滑走面のベースを作り、滑走ワックス(トップワックス)の性能を高める下地のワックスのことで、ベースを作り上げるワックスです。滑走ワックスの性能を出すにはベース作りが必須となります。
滑走用ワックス
滑走ワックス(トップワックス)はベースワックスの上に塗るワックスのことで、板にベースがしみ込んで浸透し、整えられている状態で、フッ素等を含んだ滑走ワックスを塗る事で、滑走ワックスの定着を促す事ができ滑走性能が上がります。
スキー板のワックスがけお手入れグッズ7
スクレーパー
TOKO(トコ) スキー スノーボード用 チューニング スクレーパー プレキシースクレーパー
TOKOスクレーパー
スクレーパーは冷えて余分なワックスをこそぎ落としていく道具です。余分なワックスを落としてこそホットワックスの効果が出ます。スクレーパーを使うと大量のワックスのゴミが出るので必ずスクレーパーをする時は手順の一番最初に下にビニールシートを引いて作業しましょう。

スキー板のワックスがけお手入れグッズ8
フィニッシュクロス
ブラッシング等で発生する静電気を除去する効果と、滑走中のゴミや汚れの吸着を抑えてワックスの効果を高めるためのフィニッシュパッドです。ブラシで磨けば無理に揃えなくても大丈夫です。
スキー板のホットワックスの手順
ホットワックスに必要な道具を揃えたら、次は実際にホットワックスの手順をご紹介していきます。本格的なやり方は沢山ありますので、今回は先ほど挙げたお手入れグッズを使って簡単にできるホットワックスの手順をご紹介していきます。必ずスキーの先からテールに向かって作業することを忘れずに行って下さい。
まずスキー板の状態の確認とセッティング
まずスキー板の状態を確認して、ワックススタンドに取り付けたバイス台にスキー板を固定します。その後ブレーキ部分をゴムで止めて作業中にブレーキが引っかからない様に固定します。この後バリ取りといわれるエッジの調整等をしますが、簡単な作業としてはエッジには触れずそのまま進みます。
まず滑走面の汚れを取る
軽くリムーバーをかけて汚れを浮かせたあとにペーパーで滑走面の汚れを拭き取ります。次にブロンズブラシやナイロンブラシで滑走面の汚れを取ります。次にスクレーパーを板に対して斜めに当ててこする様に残っているワックスを落とします。(※全ての作業は基本的にスキーのトップからテールに向かって行います。)

アイロンでワックスをかける
ベースワックス(種類がなければ滑走用ワックスでも可)アイロンに付けて溶かし、スキーの先端からテールまでポタポタと垂らしていきます。次にアイロンを持っている手の反対の手で引っ張りながらスキー板とアイロンで挟む様にワックスペーパーをトップからテールまで同じスピードでアイロンをかけていきます。波を打たない様に一定のスピードでアイロンをかけていくのがポイントです。この時温度が高すぎると板が焼けてしまうので、使うワックスに合わせて温度を調節します。

スクレーパーでワックスを落とす
塗ったワックスを、スクレーパーでスキーのトップからテールまで落としていきます。スクレーパーをかける時は両手でスクレーパーを持ち、前に削ぎ落としていくイメージで均等に行って行きます。

ブラシで滑走面を磨く
最後に細いナイロンか柔らかめのブラシで滑走面を磨いていきます。アイロンでワックスペーパーを使ってワックスを伸ばした時にワックスペーパーに汚れが残っていた場合や、ベースワックスを使った場合は以上の流れを数回繰り返して滑走面をきれいにして完成です。

ホットワックスの手順(動画編)
写真や文章で見ても疑問や不安は出て来ると思うので、そんな方は一度youtube等の動画を見て下さい。こういうことなんだとわかっていただけるはずです。
スキー板のメンテナンスについてのまとめ
スキー板のメンテナンスである「ワックスがけ」についてご紹介していきましたがいかがでしたでしょうか?ワックスがけは道具があれば以外に簡単にできるものなのです。どこまでのメンテナンスをどれくらいの頻度で行うかによって効果は変わりますが、全てスキー板を使う人のモチベーション次第でやってもやらなくても塗り方は自己流でも大丈夫です。スキー板を大事にしたい方は是非やってみて下さい。
