KURE(呉工業) 5-56
KURE(呉工業) スーパーチェーンルブ
自転車サビ取り:なぜ錆びるのか?
自転車には鉄やアルミニュウムなどの金属がたくさん使われています。そして特に鉄は錆びると赤くなってしまいますが、なぜ錆びるのでしょうか?
金属が錆びることを酸化するとも言いますが、鉄の表面に水分が付くと表面をイオン化して溶け出します。その部分に酸素がくっつく事で鉄が酸化して錆びるという現象が起こります。
鉄は錆びると表面が赤くなったりザラザラに荒れるのでわかりやすいのですが、アルミや銅などの金属もやはり酸化、つまり錆びます。
自転車サビ取り 1-浸透潤滑剤を使う
錆びた自転車の錆落としをする方法として、ケミカルを使う方法があります。有名なのは呉工業のCRC5-56シリーズがあります。この種のケミカルスプレーは、高浸透性の潤滑剤を、錆の中に浸透させて浮かせることで、錆落としを簡単にしてくれます。
錆びた部分に吹きかけて数分、錆がひどい時にはたっぷりかけてからしばらく置いておき、布で磨いたり真鍮ブラシなどで磨きます。軽度のサビ取りなら一番簡単な方法です。特に自転車のチェーンの錆落としにはおすすめです。
酷くなければこれ1発で復活するかもしれません。
自転車サビ取り 2-ワイヤーブラシで磨く
自転車の錆がひどい場合は浸透潤滑剤をかけて拭いただけでは落とせないことが多いので、画像のような真鍮製のブラシで磨きます。
真鍮製のブラシなら、ボルトのネジ山や鉄の地肌を傷めないので、自転車部品のサビ取りに最適です。
ただし真鍮も金属なので、直接塗装面などをこすると塗装が傷んでしまうので、自転車の塗装面に近い部分を磨いて錆落としをするときは、塗装面をマスキングしたり、外せるなら部品を外して磨きましょう。
自転車サビ取り 3-サンドペーパーで表面を削る
自転車の部品表面の錆がひどくて錆を落としてもアバタになってしまうほど錆が進行している場合は、サンドペーパー、いわゆる紙やすりで表面を磨きます。自転車の錆落としとしてはかなり荒療治ですが、進行した錆に対しては効果が高い方法です。
実際には金属表面を錆とともに削り取るのです。はじめは粗めの番手で磨き、段階的に細かい番手のサンドペーパーで磨きます。
自転車サビ取り 4-電動工具でサビ取り
ワイヤーブラシやサンドペーパーを使って、手作業で自転車の錆落としをしてみるとわかりますが、錆落としをする箇所や部品が多いととても時間がかかり大変です。
そんな時には電動工具を使うと早くて簡単に錆落としをすることができます。
ちょっと高いように思えますが、自転車一台分の錆落としをすることを考えると手間よりも安上がりですし、当然自転車以外の他の作業にも使えるので工作や機械いじりが好きな人にはおすすめです。
自転車サビ取り:自転車パーツごとの手入れ
自転車にはボルトやチェーンなど、鉄の部品が多く使われています。錆止めの表面処理がされていたり塗装されていれば錆びにくくなりますが、鉄の表面処理がされていない自転車部品は錆びやすくなります。
自転車のパーツにはそれぞれに錆びやすい部分がありますが、自転車のチェーンやギアなど、パーツごとの錆落としや磨き方、錆止めなどの簡単な手入れの方法と、サビ落としの後のサビ防止のための簡単な錆止めの手入れも解説します。
自転車サビ取り:チェーン
チェーンは自転車を漕いだ力をホイールに伝えるための重要なパーツです。チェーンが錆び付いてしまうと自転車のペダルを漕いだ力を大幅にロスしてしまうので、自転車の「チェーンのサビ取りは大切です。
あまりにも自転車の錆が進行してしまった場合には交換してしまうしかありませんが、軽度の錆であれば錆落とししてみましょう。
まずCRC5-56などの浸透潤滑剤をたっぷりとまんべんなく吹きかけて自転車のペダルをグルグル回します。すると潤滑剤がチェーンのリンクに染みていきますので、動きは良くなります。
その後ワイヤーブラシで磨ける部分を磨き、再び潤滑剤を吹きかけてからボロ布などでチェーンの汚れを油とともに拭き取ります。その後でチェーン専用の潤滑剤をあらためてチェーンに注油します。
CRC5-56は長期間の潤滑には向いていないので、長持ちする自転車などのチェーン用のオイルを注油すると錆止めになります。マメに自転車を手入れすることでチェーンとギアの寿命も伸びます。
自転車サビ取り:ギア
自転車は基本的にクランクに付いたフロントのギアとリアのホイールのハブに取り付けられたギアをチェーンで繋いで駆動します。特に後ろのギアは鉄製がほとんどなので錆びやすい部品です。同時にとても汚れやすいので、錆落としの前にまず汚れを落としましょう。
ホームセンターなどで売っているブレーキクリーナーなどをかけながら、ワイヤーブラシなどで汚れを落とし、その後でCRC5-56などをかけてからブラシなどで錆落としをします。
ある程度キレイになったら錆止めのために再度潤滑剤を塗っておきます。
もしもギヤを取り外すことができる人なら、外してしまったほうが簡単にギアをキレイにすることができます。
自転車サビ取り:ワイヤー類
自転車には数本の鉄のワイヤーが使われています。前後のブレーキワイヤーと変速機が付いていれば変速用のワイヤーです。ワイヤーは伸びたり錆びたりする消耗品ですが、少しでも長持ちさせるなら錆止めが有効です。
もしもワイヤーがひどく錆びているようなら交換してしまいましょう。
交換の時に少し価格は高くなりますが、ステンレス製のワイヤーに替えれば錆の防止になりますし、鉄のワイヤーでも、ワイヤーが露出した部分には小まめにチェーン用のオイルやグリースなどを塗ることで錆を防止することができます。
錆は金属表面に水分が付着することで起きるので、金属の表面に油の膜を作ることで錆を防止することができます。できるだけ手入れの際に鉄の表面には注油しましょう。
自転車サビ取り:ボルト・ネジ類
自転車にはいたるところにネジが使われています。
高価なロードバイクなどはステンレスやジュラルミンのネジやボルトを使っていたり、鉄でも表面に防錆処理がされている部品を多用していたりしますが、ほとんどの自転車は錆と無縁というわけにはいきません。
雨に濡れて翌日見たら錆びていたなんてこともあります。
この画像のように錆びてしまうと、レンチをかける部分が崩れて最悪ネジを回すことができなくなったり、ネジが部品に固着してしまったりします。
通常自転車にネジを組み付ける時は、ネジ山にグリースを塗布して組み付けます。
錆で固着することを防止するためです。空気に触れる部分は濡れたら水分を拭き取るように手入れすることと、表面に油膜を作っておくことで錆を防止することができます。
錆てしまったら、やはりワイヤーブラシやサンドペーパーで錆落としをして錆防止のために表面に薄くグリースなどを塗布します。
自転車サビ防止:濡らさない
錆の原因は、水に濡れることによって鉄の表面が酸化するためです。錆を防止する一番の方法は水に濡らさないことですが、雨の日に乗ることもあるでしょう。駐輪しておく場所はできるだけ雨が当たらないところにしましょう。
高価な自転車ならできれば室内保管が望ましいです。どうしても濡れることを避けられないのなら、錆の出る箇所の油膜を切らさないようにすることが錆止めになります。
また、雨の中を走った後、濡れないところに保管できるのであれば、すぐに濡れたところを拭き取るようにすれば錆を防止することができます。
自転車サビ防止:錆びない部品に交換する
価格の安いシティーサイクルや、スポーツ車でも低価格の自転車に関しては、錆対策をしている部品を多用していることはありません。ですから濡らせばあちこちにどうしても錆が発生します。
これまでに書いてきた手入れをして錆を防止しながら、部品を錆びないものに交換することで錆びる箇所を減らすことができます。チェーンやワイヤーは消耗品ですから、交換の際には錆が出にくい部品に交換してしまいましょう。
チェーンはオイルを切らさなければそれほど錆びずに乗れるのですが、どうせ交換するならロードバイクやクロスバイクなら、アルテグラグレード以上のチェーンに変えてしまうとサビの心配をしなくて済むようになります。
ワイヤーもステンレス製のワイヤーに変えてしまえば錆の防止になり長持ちします。
自転車サビ取り:錆を科学的に転換する
いわゆる赤錆のことを我々は一般に錆と呼んでいますが、鉄の錆止めのための表面処理に黒錆というものがあります。この画像のスプレーのように、赤錆を化学的に黒錆の表面処理に転換してしまうものがあります。
錆を落とすのではなく、錆を錆止め処理の変えてしまうという発想の商品です。少し高価ですがこういう方法で錆止めをして、手入れの手間を省くこともできます。
もしも手に負えないほど全てが錆びてしまったら
もしも画像のように全体がひどく錆びてしまったとして、もしもショップなどに頼んだらとんでもない料金になるでしょう。
それは一台の自転車をバラバラにして、すべての錆を落として必要な箇所は塗装し直して使えない部品を取り替えなければならないからです。
いわゆるレストアとか再生という作業になります。こうなったら新車を買うよりも料金がかかるかもしれません。そうならないように愛車を大切にサビから守りましょう。
自転車サビ取り&サビ防止グッズのご紹介
ここでサビ取り、錆落としに役立つ商品を紹介します。どちらも手入れを楽に簡単にしてくれて錆の防止にもなります、上手に活用してください。
KURE(呉工業) 5-56
なんといっても有名な呉工業のCRC5-56です。錆落とし錆止め潤滑の効果があります。固く固着したネジも、吹きかけてから時間をおいて回すと回ることも多いですし、安くどこででも手に入るのでまずは1本常備しておきたいスプレーです。
ただし、チェーンなどは錆落としの後で、必ず保ちの良いチェーン用のオイルを注油することをおすすめします。
KURE(呉工業) スーパーチェーンルブ
これは同じく呉工業のチェーン専用のオイルです。こうしてチェーン専用のオイルを販売していることで、CRC5-56とは用途が違うということがお分りいただけるかと思います。
このオイルはオートバイなどにも使用できるもので、長持ちタイプです。シティーサイクルなどなら、これをチェーンの表面が乾かないように時々塗布すればいいと思います。ボルトの頭などにも塗っておくと錆の防止になります。
クロスバイクやロードバイクなら、専用のオイルもあちこちから売られています。
自転車サビ取りまとめ
自転車はどうしてもあちこち錆びるものですが、大切なのはできるだけ錆びないように使うことです。それには錆びやすい部分の油を切らさないようにするのが一番簡単な手入れになります。
錆びてしまったらサビ取りして磨いて油を塗って、その後は錆びさせないように定期的に手入れをしましょう。
そうして手入れの習慣がつけばおかしなところを発見したり、タイヤの空気圧も注意できたりするでしょう。手入れをした愛車で快適な自転車ライフを楽しんでください。
鉄の表面に酸素が結びつくと錆びるという現象になって現れます。