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タラバガニはヤドカリの仲間?!カニじゃないその理由をご紹介!

鍋や焼きガニ茹で蟹など冬の美味しい味覚の代表ともいえるカニ。その中でも大きくて美味しくて好きな人も多いタラバガニ。生物学上ではヤドカリと同じ仲間だったってご存知でしょうか。ヤドカリの仲間のタラバガニと他のカニとの違いについて迫ってみます。
2020年8月27日
佐藤3
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目次

日本人はカニ好きな人が多い?

食品も多く扱う通販サイトがカニについて調査したところ、20代~50代の男女に「カニが好きですか?」という質問をしたところ多く人が「好き」と答えました。その数はアンケート全体の9割もの人が好きだったという結果が出ました。

タラバガニ好きは70%

そのアンケートの中ではカニの種類も答えてもらう欄があり(複数回答可能)、一番好きなカニの種類では「タラバガニ」が1位で全体の7割。その次がズワイガニで5割。好きな人とそうでない人が半々という結果でした。 タラバガニとズワイガニは日本人が好むポピュラーにカニのツートップということがわかりますね。

タラバガニのどこが好き?

1位のタラバガニと2位のズワイガニの順位の違いはそれぞれの特徴によります。まず、カニの大きさはタラバガニの方が大きく、食べごたえもあります。ふんわりと柔らかい身のズワイガニと比べて「しっかりとしまった筋肉質な身」がタラバガニの肉の特徴です。 「大きくて食べごたえのあるタラバガニ」に軍配があがったようです。

タラバガニのお値段は?

タラバガニとズワイガニの好みの差は大きさな肉質だけでなく、お値段にもあるのではないでしょうか。通販サイトで売られているカニの値段を参考に100gあたりの値段を出してみると タラバガニは100g1200円ほど ズワイガニは100g600円ほど という結果になりました。カニ缶などでズワイガニは高級というイメージがありますが、タラバガニはその倍もする超高級なカニという結果になりました。「高いカニを食べているという満足感」もタラバガニが好きという結果につながっているのかもしれませんね。

タラバガニの名前について

タラバガニの名前の由来

タラバガニというのは漢字では「鱈場蟹」タラが水揚げされる鱈場(たらば)で穫れることからこの名前が付きました。元々は通称だったのですが、混乱を避けるため通称がそのまま分類名に採用されました。

タラバガニの英語名


タラバガニの英語名は「red king crab」です。タラバガニは体が大きいのでking crabという体の大きな蟹の仲間としてこう呼ばれています。 ちなみに、同じく英語でking crabと呼ばれるものに「カブトガニ」がいますがカブトガニもタラバガニと同じくカニの仲間じゃなく、クモの仲間となっています。

タラバガニとヤドカリの関係

タラバガニとズワイガニ。好きなカニの1位2位をそれぞれゲットしている人気のカニですが、実はタラバガニとズワイガニは同じカニという名前がつく生き物でも生物学上の分類は違います。それでは、タラバガニはカニではなく何の仲間なのでしょう。

タラバガニはヤドカリの仲間

タラバガニはカニと呼ばれていますが、実はヤドカリの仲間。タラバガニは本当はカニじゃないんです。小さな姿で貝殻を背負ってちょこちょこと可愛らしい姿のヤドカリと、大きくてゴツゴツした立派な体のタラバガニが同じ種類なんてちょっと意外ですね。

ヤドカリとカニの足の数

カニと名前のつくものの中で、タラバガニのようにヤドカリの仲間を見分けるには足の数を数えるのが一番早くわかる方法です。生物学上では「カニは足が10本」と足の本数で分けられています。タラバガニをよく見てみると、足が8本しかないことにお気づきでしょう。足が8本しかないタラバガニはその足の数からカニの仲間ではなく、「ヤドカリの仲間」として分類されているのです。

ヤドカリ下目タラバガニ科

ずっとヤドカリの仲間として分類されていたタラバガニですが、近年はヤドカリ科ではなくタラバガニ科という新しい分類で分けられるようになりました。 それでも「エビ目ヤドカリ下目タラバガニ科タラバガニ属」となっているので今でもタラバガニは「カニよりはヤドカリに近い生き物」という見方がされているのです。 足の数でヤドカリの仲間と見られてしまうというのは面白いですね。

その他のタラバガニの違い

足の数だけでなく、タラバガニはズワイガニなどカニの仲間とは大きく違うところがあります。それはタラバガニの足の向きです。カニが並べて売られているところを見るとズワイガニなどカニの仲間は足が内側に折れ曲がっています。でも、タラバガニの足は外側に曲がっています。ここもタラバガニがカニじゃないとハッキリわかる見た目の大きな違いです。


タラバガニの歩き方

足の折れる向きが違うことで、タラバガニにはもうひとつ面白い違いが生まれてきます。それはタラバガニの歩き方です。 砂浜でちょこちょこ横歩きして移動しているカニ。カニは横歩きする生き物として有名です。一方ヤドカリは前後に移動しているのにお気づきでしょうか。これは、足の折れる向きに理由があります。内側にしか折れ曲がらないカニの仲間は横にしか歩けませんが、外側に折れ曲がるタラバガニの足は「前後に移動」することができます。 この歩き方からもタラバガニがカニじゃないとわかります。

タラバガニの産地

産地もタラバガニとズワイガニは違いがあります。タラバガニが穫れるのは北の方。日本では北海道の根室など。ノルウェーやロシアもタラバガニの産地として有名です。 一方ズワイガニは日本のあちこちで穫れ、水揚げされる場所によって名前も変わるのが特徴です。京都や島根など山陰地方で穫れると「松葉ガニ」。越前地方(福井県)で穫れると「越前ガニ」と名前が変わります。海外ではオホーツクやアラスカなどでも多く水揚げされます。

タラバガニの甲羅

カニを見たときにとても目立つのが甲羅の部分です。タラバガニは甲羅がとても大きくてゴツゴツしているのが特徴です。一方ズワイガニはタラバガニと比べると甲羅は小さくてツルツルしています。

タラバガニの食べ方

タラバガニはそのおすすめの食べ方にもズワイガニとは違いが見られます。タラバガニはどのような食べられることが多いのでしょうか。

タラバガニはカニ味噌は食べない?

カニは身も美味しいけれど「カニ味噌」が好きという人も多いでしょう。タラバガニは甲羅が大きいならさぞかしカニ味噌もたっぶり入っていて楽しめるだろう…と思いがちですがタラバガニのカニ味噌はよほど新鮮でなければ食べることはありません。 カニ料理屋に行ってもタラバガニのカニ味噌を出してくれるところは稀です。基本的にタラバガニはカニ味噌ではなくその身を楽しむカニとなっています。

タラバガニとズワイガニ/食べ方比較

タラバガニは「茹でガニ」や「焼きガニ」にして食べると美味しいカニの種類です。「蟹刺し」や「カニしゃぶ」として食べられているのはズワイガニです。どんな料理で出てくるかでもタラバガニかそうでないカニなのかの見分けがつくこともあるでしょう。

タラバガニの仲間


実はタラバガニの他にも、カニと名前がついている生き物の中には実はカニじゃないヤドカリの仲間が隠れています。タラバガニ以外のヤドカリの仲間にはどんなものがいるのでしょうか。

タラバガニ科/花咲ガニ

花咲ガニもタラバガニと同じくヤドカリの仲間でカニと名前がつく生き物です。花咲ガニも食べるととっても美味しいですよね。足の数や歩き方が違っても、多くの人がその身にカニの美味しさを感じて好んで食べるところはタラバガニと一緒です。

タラバガニ科/アブラガニ

花咲ガニの他「アブラガニ」というカニも同じくヤドカリの仲間です。こちらも茹でるとタラバガニと間違える人が多いくらいよく似ている姿をしています。もちろん、味もとても美味しいカニです。 生物学の分類が違ったからといって味は変わりません。むしろ美味しいと感じる人も多いのだからカニでもヤドカリでも関係ないですね。

タラバガニと近い種類のカニ

日本で有名なタラバガニの仲間は上の2種類ですが、海外にもタラバガニの仲間がいます。南米にいる「南タラバガニ」や「南極イバラガニ」です。この2種類のカニはタラバガニ科ではありませんが、非常にタラバガニに近い生き物として分類されています。

まとめ

大きくて立派な体と足をもつタラバガニがヤドカリの仲間だという驚きの事実をお話してきました。いかがでしたでしょうか。 タラバガニがヤドカリの仲間だとしてもその美味しさや食べごたえは普段からみんなが「カニの味」として覚えているものに変わりありません。茹でガニや焼きガニなどで美味しくタラバガニを楽しみたいですね。