テンパール プラグ形漏電遮断器 (04-3213)
アース線とは
いうまでもなく電化製品はとっても便利なものです。電源プラグをコンセントに接続すれば、すぐに使うことができますよね。この電源プラグの横から飛び出している、細い緑色のコードを見たことはないでしょうか?
黄色が混じっている場合もあります。これはアース線というもので、安全のために専用の端子へ接続する必要があるんですよ。でも実際には、つなぎ方が分からずに接続しないままの人が多くいます。
電化製品の危険性
電化製品は電気をエネルギーにして便利な機能を作動させています。日本製の電化製品はしっかりと設計・製造されていますが、同じ電化製品を何年も使い続けて古くなってくると、劣化する部分がでてきます。
そこへ本来なら流れないはずの電気がまわり、電気がもれる漏電(ろうでん)という状態になるわけです。漏電した電化製品にふれると、感電してしまう危険性があります。
水まわりの電化製品に注意する
電化製品が漏電する原因は、主に劣化や故障によるものです。よく通電する水にぬれた時は、特に感電しやすくなります。水まわりにある洗濯機や衣類乾燥機、冷蔵庫、電子レンジなどは、比較的にですが感電する危険性が高いのです。
このようにいつも何気なく使っている電化製品は、感電という事故が起きる可能性を少なからず持ちます。怖いですよね。
アース線の役割
電化製品の故障や劣化などは、機能が使えなくなった時ぐらいにしか見つけられません。毎日使うものだから何も意識せずに触ってしまいます。ふだん点検はしませんよね。
見た目で漏電していることが分からないため、感電を回避することは難しいもの。でもアース線を正しく接続すれば、感電を防ぐことができます。アース線はどういう役割があるのかをご説明します。
アース線は電気を逃す
電化製品が漏電した場合、もれた電気にふれると感電してしまうため、どこかへ逃さないといけません。地面へ電気が流れるようにすれば、もれた電気は電化製品にとどまらずに逃れていきます。
この地面へ電気を逃す役割をするのがアース線なんです。さらに電気は、人体よりもアース線の方へ流れるという性質を持っています。アース線のブラグを専用の端子へ接続するだけで、働いてくれます。
アース線の役割は多い
アース線の役割は、電気を地面に逃して感電を防止するだけではありません。静電気やノイズを発生させないようにしてくれるほか、下項で詳しく説明する、電圧と電磁波をおさえる効果などがあります。
アース線は電圧をセーブする
アース線のついている電化製品は多くありますが、大きく二つにわけられます。ひとつは上項で説明した、水まわりで使う電化製品。水にぬれると漏電した電気に感電しやすくなってしまうためです。
ふたつめは、強い電圧がかかると壊れる電化製品になります。パソコンやゲーム機、テレビなどがあたりますよ。これらの電化製品へムダに強い電圧を与えないために、電気を地面へ逃さないといけません。
電磁波の予防にもなる
アース線を接続すれば、強い電圧を地面へ逃すことができます。高品質なインフラが整っている日本では、電圧の大きな変化はめったにありませんが、雷が落ちたりすると強い電圧が突然かかったりします。
それと人体への悪影響が不安視されている電磁波は、電圧の強さに関係しています。電気を地面へ流すことで電圧をセーブできるため、電磁波もおさえられるんですね。
アース線の取り付け方/接続が必要な場所
一般家庭をのぞき、アース線の接続が法律で定められている場所があります。コンクリート床の空間、飲食品の貯蔵庫、厨房などは水分が存在したり湿気が多いため、電気の通りやすい場所になります。
なのでアース線を接続して電気を地面へ流す必要があります。他にも水が飛び交ったり、結露(けつろ)が発生する場所は、漏電遮断機(ろうでんしゃだんき)を設置しないといけません。
万が一に備える
上記は飲食店や生鮮食品店、工場などが該当します。万が一の事態を想定して、法律でアース線の接続が定められているんですね。一般家庭で漏電の危険があるのは主に電化製品となりますが、漏電して感電するということはごくマレです。
でも実際に事故は起きています。不運が重なることは度々あるものです。一般家庭であっても万が一に備えて、アース線を接続しておいた方が安心ですよ。
アース線の取り付け方/接続してはいけない場所
湿気や水の多い場所や、電圧の変化に弱い電化製品はアース線を接続した方がいいです。ただ逆に、アース線を接続してはいけない場所があります。個人で取り付けることはまずありませんが、念のため覚えておきましょう。
ガス管は、もれたガスに電気が引火して爆発する可能性があります。水道管はほとんど樹脂で作られているため、アースの意味がありません。避雷針もNGになります。
アース線の取り付け方/端子の種類
コンセントとは電源プラグを接続する端子のことです。タテ長に空いた2つの穴がある機器のことですね。アース線のコードを接続する端子もコンセントについています。この端子は2種類あるんですよ。
ですがほとんどのコンセントは電源プラグ用のもので、アース線用の端子はついていません。必要性から水まわり用の電化製品を使う場所にあることが多いので、探して接続しましょう。
2種類あるアース線用の端子
2種類あるアース線用の端子は、コードのつなぎ方も違います。取り付ける前にどのタイプか確認してください。ひとつめは、端子についているネジへ入れるタイプです。もうひとつは、アース線のコードを挿しこむだけのタイプ。
当然、後者の方がラクなつなぎ方になります。ですが前者も簡単に接続できますよ。取り付けが初めてだと面倒に思えるかもしれませんが、ちゃちゃっと完了させられます。
アース線の取り付け方/つなぎ方
アース線コードのつなぎ方は2種類あると説明した通りです。それぞれのつなぎ方を説明します。どちらもマイナスドライバーがあるとスムーズに取り付けられますよ。コンセントにアース線用の端子があるか先にチェックしておきましょう。
アース線用の端子には電気が流れていないので安心してください。ただ、接続する際は安全のために、コンセントに挿さっている電源プラグを全て抜いてくださいね。
ネジ式のつなぎ方
コンセントのアース線用端子がネジ式の場合は、プラスドライバーが必要になります。まずマイナスドライバーでカバーを開けます。開けられるなら指でもOKです。そうするとネジがありますので、プラスドライバーでゆるめてください。
そこへアース線のコードをはさんだらネジをしめます。最後にカバーをしめたら完了です!ネジを見ると難しそうに感じてしまいますが、とっても簡単です。
挿しこみ式のつなぎ方
挿しこみ式はワンタッチで済みます。ネジ式と同じように、カバーを開けてください。カバーの開け方がちょっとしたコツで、壁に対して直角以上の角度で開くようにします。
アース線コードの挿しこみ口が見えるので、そこへ挿しこみ、カバーを締めれば完了になります。電源プラグをコンセントに挿すぐらい簡単に取り付けられます。たったこれだけで、電化製品の漏電による感電を防止できるのです。
アース線の取り付け方/電化製品
数ある電化製品の中でも、特にアース線を接続した方がよいものをご紹介します。まずは水まわり電化製品の代表でもある洗濯機です。本体はプラスチック樹脂製なので電気を通しません。でも洗濯に使われている水が漏電した電気を通します。
次にウォシュレット。これも水を多く使いますよね。もうひとつは電子レンジ。設置の想定場所に近いコンセントの多くは、アース線の接続端子がついています。
アース線の取り付け方/端子が無い場合
アース線を接続できる端子がついているコンセントは多くありません。感電が心配だからアース線を取り付けたいと思っても、どうしようもできない場合がでてきます。解決するには、単純に端子を新しく設置しないといけません。
これには工事が必要になります。工事は「電気工事士」の資格を持った人にしかできないので、工務店などに依頼します。アース線の取り付けに関しては、資格の必要はありません。
アース線のコードを長いものにする
使っていないアース線の端子があるのに、遠くて接続できないという場合は多いです。このケースでは工事をするまでもありません。アース線のコードを長いものに変えてしまえばいいんです。
コードを継ぎ足して延長する方法もありますが、どうせコードを購入するなら長いものにしてしまいましょう。コードの付け替えは簡単です。電化製品にネジでついていますので、ネジの太さに合う端子のコードを選んでください。
アース線は何本挿しても大丈夫
ちょうどいい場所にアース線の端子があっても、他の電化製品の分で使っていることがあります。先客がいるからと、あきらめる必要はないですよ。一カ所のアース線の端子に、複数のアース線を接続しても大丈夫です。
漏電した電気を地面に流すだけなので、電気が混み合って何か問題が起こるということはありません。ただし、数が多すぎて物理的に接続しづらい場合は、ムリしないようにしてください。
アース線以外の漏電対策
テンパール プラグ形漏電遮断器 (04-3213)
アース線の端子が遠すぎるなど、どうしてもアース線を取り付けられない場合もあります。そのうえ工事が難しいなら、アース線以外の漏電対策を検討してみてください。プラグ形の漏電遮断器というものが売られています。
「ビリビリガード」が有名で、コンセントに射しこむだけです。この機器に電源プラグを挿せばOKで、つながっている電化製品が漏電すると電気が切断される仕組みになっています。
アース線の取り付け方/外し方
アース線を取り付けた後でその電化製品を移動させたくなったり、引っ越しとなればアース線を外さないといけません。外し方は簡単で、取り付けと反対の作業をおこなうだけです。
端子のカバーをマイナスドライバーで開けて、ネジをプラスドライバーでゆるめ、アース線のコードを抜きます。ネジを軽くしめてカバーを閉めれば終わり。ホコリがたまらないようカバーを閉め忘れないようにしてください。
アース線の取り付け方/まとめ
アース線の必要性と取り付け方などを説明してきました。アース線をちゃんと接続している人は少ないかもしれません。ですが万が一、電化製品が漏電すると感電してしまう危険があります。
それに電圧の変化に弱いパソコンやテレビは高額な分、壊れてしまったら大変です。アース線を取り付けるのは簡単で、すぐにできます。手間のかかることではありません。まだ取り付けていないなら、すぐに接続しましょう。