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出生魚「ブリ・ハマチ・カンパチ」の違いと順番は?分類は赤身魚!?

ブリやハマチ、カンパチと言った魚は出世魚だという話を聞いたことがある人は多いと思います。ですがどの大きさでどの呼ばれ方をするかご存知ですか?今回は出世魚であるブリやハマチの順番ごとの名前や、ブリとカンパチの違い、実は白身魚ではない点などを説明していきます。
更新: 2024年3月15日
日下部 柚希
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出世魚のブリは大きさによって名前が変わっていく!

ブリは出世魚で、ブリまで成長する過程で地方によって変わりますがイナダやハマチなどの名前で呼ばれます。ここではどういった順番でどの名前になるのかを見ていきます。

名前は聞くけど出世魚ってなに?

出世魚はハマチ(イナダ)→ブリやセイゴ→スズキのように成長する過程で名前が変わっていく魚のことを言います。戦国時代などの武士は元服して成人になったり、出世すると名前が変わる風習がありました。

これにならって魚でも成長するにしたがって順番に名前を変えるものを出世魚と呼ぶのです。

日本全国で80㎝を超えるサイズになるとブリと呼ばれる

出世魚のブリは地方によってその呼び名も変わります。しかしどの地方でも必ず大きさが80㎝を超えるサイズになると、名前がブリになります。それより小さいサイズになると地方によって名前に違いがあります。

出世魚のブリは関東での名前の順番は?

ブリは関東ではそのサイズによって、子供の時期からモジャコ→ワカシ→イナダ→ワラサ→ブリという成長の順番で名前が変わっていきます。イナダは漢字では「鰍」と書きます。ブリに成長する手前なので漢字にある通り旬が秋と言われると納得できますね。

関西や九州だと名前がイナダからハマチに!

一般的によく聞く「ハマチ」という名前はブリに成長する前のサイズの西での呼び方なのです。地方によって細かな違いはありますが、大きく成長の順番で分けるとモジャコ(ワカナゴ)→(ツバス)→ハマチ→メジロ(オオイオ)→ブリとなります。ハマチが西での名前というのは驚きですね。

その他の地域で特徴的な名前はどんなもの?

出世魚であるブリの子供の名前には他にもガンド(三陸、北陸)やマルゴ(島根)なともありますが、稚魚よりも少し大きいサイズになるとワカナ・ツバス・コズクラ・ワカナゴなど多くの名前がついています。このことからもブリが多くの地域で古くから愛されてきた魚というのがわかります。

ブリ・ハマチとカンパチは共に出世魚だけど似ているようで違うもの!

カンパチもブリ・ハマチと同じようにスズキ目アジ科ブリ属の回遊魚で、こちらも出世魚ですが別の魚です。一般的には天然もの、養殖もの問わず「カンパチ」として出回ることが多い魚です。ここからはそんなカンパチについて見ていきます。

出世魚としてのカンパチの名前の順番は?

カンパチもブリと同じように地方によって名前が変わりますが、関東では子供のほうからシオッコ→シオゴ→アカハナ→カンパチの順番で呼ばれます。また関西になると子供のほうからシオ→カンパチと関東に比べて名前が少ないのがわかります。

カンパチの旬は夏から秋!


天然もののカンパチの旬は夏から秋と言われていて、この時期になると千葉の外房や神奈川の相模湾で捕れるようになります。冬が旬と言われるブリとは違う魚というのがここからもわかります。

カンパチはブリに比べて体が黄色っぽく、顔も丸みがあるとされていて、なおかつ漢字では間八と書かれるように顔を正面から見ると八の字に見えるのです。

カンパチの大きさはどれくらい?

ブリと同じように出世魚であるカンパチですが、成長すると1m50㎝といわゆる「ブリ御三家」の中では一番サイズが大きくなる魚です。また成長するとわかりづらくなりますが、子供のころは目のあたりから黄色い線が走るのも特徴です。

ブリやカンパチに似たようなものにヒラマサというものもある

ヒラマサはブリやカンパチと同じくスズキ目アジ科の魚です。見た目はブリとカンパチの特徴のちょうど中間にあるような見た目となっています。ヒラマサの旬は5月~7月くらいと言われていて、ブリやカンパチと並んで「ブリ御三家」とも呼ばれている魚です。

出世魚のブリやハマチ、カンパチは実は赤身魚!

ブリやカンパチはスズキ目のため白身魚と勘違いしてしまうこともありますが、アジ科なのでアジ同様赤身魚なのです。回転寿司とかでブリやハマチを食べたことがある人は身がちゃんと赤身なのを見たことがあるはずです。

赤身と白身の差は、その魚の身100gあたりのヘモグロビン、もしくはミオグロビンの含有量によってわけられています。赤身魚の身はしっかりと赤みを確認できるものも多いので、見分けはつきやすいと言えます。

回転寿司で見るハマチは実は養殖もの?

関東ではハマチとは呼ばないはずなのに、回転寿司などでハマチと書かれているのを見たことがある人はいるのではないでしょうか。実は一般的にお寿司などで見られるハマチは養殖されたものが多いと言われています。

もともとブリは回遊魚で、年間を通して安定的に捕れるものではないからです。

またハマチは本来であればブリに比べてサイズが小さなものなので、養殖のように安定した量が流通出来ないと回転寿司など安い値段で供給できないのは納得できます。そのため、一般的にハマチと呼ばれているものは養殖ものと見てほぼ間違いなさそうです。

出世魚のブリやカンパチは養殖?天然もの?

ハマチが養殖という話をすると、ブリやカンパチ、イナダなどはどうなのか気になりますよね。実はブリもスーパーなどでは養殖のものが多く見られます。もちろん旬の時期なら天然ものも売られています。

またカンパチは天然ものはブリよりはるかに漁獲量が少ないので、高級魚扱いとされています。そのため売られているのは養殖のほうが多くなります。

イナダは天然ものだけが取引されている!

関東でイナダをスーパーなどで見る場合は、イナダとして取引されるものはすべて天然ものと言われているので、天然ものとなります。もちろんそれよりも小さいサイズのものは、養殖ではそのサイズで出荷されることはないため、すべて天然ものとされています。


出世魚のハマチはどうやって養殖されている?

ハマチの養殖は主に四国や九州といった西日本で行われていて、養殖方法としては「筏式」と「フロート式」の2つがあります。共にフロートを使っていますが、筏式の場合は枠をフロートで浮かしてから網を吊り下げますが、フロート式は枠を使わない方法です。

いずれの方法でも網の中に、ブリやハマチの幼魚の名前である「モジャコ」と呼ばれる稚魚を入れて養殖をしているのです。

出世魚のハマチをさらに長く養殖することでブリにまで成長!

ブリの子供という見方もできるハマチですが、養殖が安定してきたことでハマチとして出荷せず、さらに長い時間養殖させてブリまで成長させるようなことも行っています。昔よりもブリが1年通して買えるようになっているのはこのような要因もあります。

カンパチもハマチと同じように養殖されている

カンパチの養殖は鹿児島湾や愛媛県などで行われています。特に鹿児島県はカンパチの全体的な養殖量の6割近くを占めているのです。これは鹿児島湾の水温や潮の流れと言った条件が、カンパチの養殖に向いているからとされています。

カンパチにはブランド化されているものもある

鹿児島産のカンパチは養殖している場所ごとにブランドをつくっているのもあり、味も天然ものにひけをとらない良質なものも多くあります。ここではそんなブランドカンパチをいくつかご紹介していきます。

垂水漁協のブランドカンパチ 「海の桜勘(おうかん)」

海の桜勘は鹿児島県垂水市の漁協がブランド化したカンパチのことを言います。平成16年7月にブランド認定されています。カンパチを養殖する時のエサに鹿児島県産のお茶をブレンドしていることが特徴です。

これによってコレステロールが下がったり、鮮度が保たれたりとメリットがあるのです。

統一飼料も作った根占漁協のブランドカンパチ 「ねじめ黄金カンパチ」

ねじめ黄金カンパチは鹿児島県肝属郡南大隅町にある根占漁協がブランド化したカンパチです。こちらは平成18年3月にブランド認定されています。

ねじめ黄金カンパチの特徴はねじめ漁協の養殖場で育ったカンパチのうち、「ねじめ黄金カンパチ」という統一配合飼料を使うことで、肉質などが均一化されていることです。

鹿屋漁協のブランドカンパチ 「かのやカンパチ」

かのやカンパチは鹿児島県鹿屋市の漁協がブランド化したカンパチのことを指します。平成19年11月にブランド認定されています。かのやカンパチの特徴は養殖場の水温が暖かく、流れも速いためカンパチが動き回り身がしまることがあげられます。

また環境保全活動にも力を入れている漁協です。

出世魚のブリの天然ものと養殖の見分け方はある?

買い物に行って魚売り場でブリやカンパチを見かけた時に、それが養殖なのか天然なのか気になったことはありませんか?簡単に違いが見分けられたら買い物でも選びやすくなります。ここからはブリの天然ものと養殖ものの見分け方をご紹介していきます。


ブリの場合は氷見ブリをはじめとしたブランドのブリでもない限りは、養殖のほうが脂がのっているもののほうが多いです。そのため、身の色が赤身の中に白っぽい感じが強いのが養殖と言えます。

もし天然ものと一緒に並んで売られていた場合は、見比べてみるとわかりやすいはずです。

出世魚のブリは養殖でも天然ものより高いこともある!

ブリに限らず養殖されている魚の多くに言えることですが、天然ものとの違いの1つとして脂の乗りが強いという事が上げられます。これは天然ものに比べて運動量が少ないことや、えさに起因するものなのです。

一般的には天然もののほうが値段が高いものですが、ブリの場合は養殖のほうが高いという逆転現象が起きることがあります。

これは一般的に買う人が脂がのっているほうを好んで買う傾向がある事が多いので、天然ものより脂の乗りがいい養殖のブリのほうが値段が高いことがあるのです。

ハマチやカンパチのおいしい食べ方は?

カンパチやブリの子供であるハマチがお寿司のネタとしてよく食べられていますが、お寿司やお刺身以外でもおいしく食べる方法があります。ここからはそれぞれの食べ方について見ていきます。

カンパチのおいしい食べ方

カンパチはブリやハマチと比べて脂が少なめなので、お寿司やお刺身が向いている魚ですが、それ以外でも照り焼きや西京焼きといった焼き物でもおいしく食べられます。

もしカンパチのアラなどが手に入った場合は、ちょっと贅沢ですが煮つけや潮汁にするとおいしく食べられます。

それ以外でもカンパチはブリで作るような調理法をしても美味しいです。カンパチはブリより脂が少ないので、同じような味付けにすると濃くなってしまいます。ですので少しあっさり目の味付けにしたほうがより一層おいしく食べられることが出来ます。

出世魚の子供であるハマチのおいしい食べ方

ブリの子供で赤身のハマチですが、こちらもブリやカンパチと同じような食べ方をしておいしく食べられます。

また脂の乗りもカンパチとブリの中間くらいになるので、ハマチのしゃぶしゃぶやマグロと同じようにしょうゆや酒などを合わせた調味料に漬けておくと一味違った味わいが楽しめます。

シーズンごとに楽しめるブリやカンパチをおいしく食べよう!

ブリやカンパチは食卓のさまざまな場面で食べる機会も多い魚です。ですが養殖と天然ものの違いや見分け方、旬などを知っておくとよりいいものを選んだり、おいしく食べることが出来るはずです。

お刺身としてハマチやカンパチ、照り焼きや煮物としてブリなど料理法によって素材を変えるとまた料理が楽しくなるはずですよ。