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木曽駒ケ岳の登山ルートやアクセス情報まとめ!ロープウエイでも行ける!

中央アルプスの雄 木曽駒ケ岳、千畳敷カールまでロープウエイで簡単に行けることから登山者に人気のルートです。木曽駒ケ岳は3000m級の高山。乗越浄土から木曽駒ケ岳までの稜線歩きは天空の回廊のごとく別世界の大展望となります。登山ルートをいくつかご紹介します。
2020年8月27日
mmkk9944
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中央アルプス 木曽駒ケ岳

木曽駒ケ岳は、長野県上松町、木曽町、宮田村の境界にそびえる標高2956mの高山で、中央アルプス(木曽山脈)の最高峰です。この山の山容については小説家深田久弥の日本百名山に詳しく述べられています。 木曽駒ケ岳は、この山塊に連なる中岳、伊那前岳、宝剣岳を含めて呼ばれることもあります。 標高2600m付近の濃が池、千畳敷カール、および極楽平では氷河圏谷が発達していて駒飼ノ池などでは氷河底湖が見えます。 駒ヶ根ロープウエイが完成して千畳敷カールと駒ケ岳をセットで楽しむ人が増え、夏の登山シーズンでは大混雑します。また秋は千畳敷カールが真っ赤になり大絶景が見られます。

木曽駒ケ岳は日本百名山の1つ

小説家で随筆家の深田久弥は自らの著書「日本百名山」(新潮文庫)の中で、中央アルプスの木曽駒ケ岳を次のように紹介しています。 「木曽駒ケ岳の名前の由来は諸説あるが、岩か残雪によって山肌に駒の形が現れるという説が一番有力です」この残雪説は全国にあり、信州の白馬岳も有名で、地域の農家ではこれを見て田植えの時期を決めるようです。 また、「延々と連なった山脈も最高峰が駒ケ岳で、それと相対して東の方、伊那谷を距てて真向いにある南アルプスの駒ケ岳と区別するため、前者を木曽駒ケ岳(西駒)、後者を甲斐駒(東駒)と呼ぶ慣わしになっている」 これも駒ケ岳という山は全国にたくさんあります。伊那谷を挟んですぐ近くにあることから、昔の人は木曽と甲斐で分けたのでしょう。 この著書は登山家のバイブルとも言われるほど人気の高い本です。木曽駒ケ岳についても、すごく詳しく興味深く記述されていますから、ぜひ読んでもらいたい本です。

木曽駒ケ岳の登山ルート

中央アルプスで最も人気の高い木曽駒ケ岳ですが、古くから登山が行われていた歴史があります。その頃からのルートや、その後整備されてできたルートを合わせるとかなりの数になりますが、現在使われていないルートもあり、発表されているルートは木曽側、伊那側合わせて、11ルートほどです。

伊那側からのルート

1.千畳敷ルート:最も易しい、もっとも人気の高い初心者コースです。ロープウエイ千畳敷駅を起点として、乗越浄土、中岳を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:4時間) 2.馬の背、濃が池周遊ルート:木曽駒ケ岳から濃が池、駒飼ノ池を回って千畳敷駅に戻るルートです。(コースタイム:5時間) 3.宝剣岳ルート:千畳敷駅を起点として、乗越浄土、宝剣山荘を経て宝剣岳に登頂するルート」です。(コースタイム:3時間) 4.三ノ沢岳ルート:千畳敷駅を起点として、極楽平から三ノ沢岳(2889m)を登頂するルートです。(コースタイム:6時間) 5.北御所登山道ルート:菅の平バスセンター、黒川平、北御所登山口を起点として、伊那前岳、乗越浄土、中岳を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:11時間30分) 6.桂小場クラシックルート:小黒川渓谷上流にある桂小場登山口を起点として、胸付き八丁、西駒小屋を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:12時間20分) 7.空木岳ー宝剣岳縦走ルート:木曽駒ケ岳山頂を起点として、宝剣岳、空木岳方面の稜線縦走ルートで菅平バスセンターに戻る大変タフなルートです。(コースタイム:19時間)

木曽側からのルート

1.福島Aルート:木曽町キビオ峠登山口を起点として、木曽駒ケ岳七合目避難小屋(山小屋)を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:13時間) 2.福島Bルート:中山道の宿場町木曽谷のコガラ登山口を起点として、木曽駒ケ岳七合目避難小屋(山小屋)を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:10時間) 3.上松Aルート:上松登山口を起点として、金縣小屋(山小屋)、玉乃窪山荘(山小屋)を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:9時間30分) 4.上松Bルート:木曽駒荘上松登山口を起点として、麦草岳、木曽前岳を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。(コースタイム:15時間)

[木曽駒ケ岳登山の代表的なルート5選]

今回は比較的人気の高いルートを選んで詳細をご紹介します。

①木曽駒ケ岳 千畳敷ルート

圧倒的に多い観光客に混じって登山客が千畳敷カールの遊歩道を行きます。

ルート概要


駒ヶ根ロープウエイの終点駅、千畳敷駅(標高26611.5m)を起点として、千畳敷カール遊歩道八丁坂分岐点から八丁坂、乗越浄土、宝剣山荘、中岳、を経て木曽駒ケ岳に至るゴールデンルートです。 大勢の観光客に混じって千畳敷駅を降りると、目の前に宝剣岳(2931m)が聳え、その麓が千畳敷カールです。千畳敷カールは国内有数の高山側物の宝庫、一周40分ほどの遊歩道が設置されています。遊歩道途中に剣ケ池があり、鋭い宝剣岳の先端が池に写っています。遊歩道途中に登山口の八丁坂分岐点があり、ここから登山開始ですが、観光客は入山できません。かなりの急登ですが八丁坂を通って1時間弱で乗越浄土という広い開けた稜線に出ます。運がよければ、八ヶ岳や富士山が見える絶景ポイントです。 宝剣岳の麓に山小屋の宝剣山荘があり、ここを右手になだらかに登っていきますと中岳(2925m)頂上に到着します。ここから急坂を下り、再び急登ですが木曽駒ケ岳山頂に到着します。稜線歩きとなりますので、北アルプス、南アルプス、八ヶ岳方面がすべて遠望できる大絶景が楽しめます。

千畳敷ルート

千畳敷駅ー千畳敷カール八丁坂分岐点ー八丁坂ー乗越浄土ー宝剣山荘(山小屋)、天狗荘(山小屋)ー中岳ー木曽駒ケ岳 コースタイム往復で約4時間の日帰りコースです。乗越浄土がほぼ中間点となります。 体力に自信のある人は、このルートに宝剣岳(2931m)登頂を加えることをおすすめします。宝剣岳は山小屋宝剣山荘のすぐ横から登れます。宝剣山荘から往復で1時間30分ほどのコースタイムですが、岩登りが主で鎖場が数か所あり、危険な箇所もありますから、初心者にはおすすめしません。

千畳敷ルートのアクセス情報

登山の起点は駒ヶ根ロープウエイの千畳敷駅(2611.m)です。ロープウエイの始発駅はしらび平駅です。 駒ヶ根ロープウエイ(1967年開通)、千畳敷駅、しらび平駅間で標高差は950mです。 しらび平駅までのアクセス:JR飯田線駒ヶ根駅からバスー10分で菅の台バスセンターー30分でしらび平駅に到着 マイカーの場合:中央道駒ヶ根ICから菅の台バスセンター駐車場に向かいます。(2~3分)菅の台の先からマイカー規制が行われていますから、すべて菅の台駐車場に駐車します。(600円/日) 菅の台駐車場からシャトルバスでしらび平に向かいます。(30分)

②木曽駒ケ岳 北御所登山道ルート

静かな登山道ですが、登山道はよく整備されています。

ルート概要

菅の台バスセンター駐車場、黒川平、北御所登山口を起点として、木曽駒ケ岳に至るルートです。ロープウエイが完成する前までは、このルートがメインルートでした。ただ標高差が1500mもあり、ロングトレイルでもありますので中級、上級者向けのルートです。最近ではこのルートを使用する人が非常に少なくなっていますから、静かな登山をゆっくりと楽しみたい人には適したルートです。 危険な箇所はありませんが、急登が続きます。7合目でようやく森林限界となり、視界が広がります。 伊那前岳からは、千畳敷カールと赤い屋根の千畳敷駅がはるか下方に見えます。乗越浄土では他のルートからの登山者と合流しますからにぎやかい広場です。その先山小屋宝剣山荘から分岐して中岳、木曽駒ケ岳に至ります。

北御所登山道ルート

北御所登山口ー蛇腹沢登山口ー針葉樹林帯ー清水平(水場)-五合目うどん屋峠(ここまで2時間)-七合目船窪(森林限界)-ハイマツ帯ー八合目石碑ー伊那前岳(2883m)頂上ー勤名銘石ー乗越浄土ー山小屋宝剣山荘、山小屋天狗荘ー中岳ー木曽駒ケ岳(2956m) コースタイム:往復11時間30分(1泊2日) 標高差:1500m

北御所登山道ルートのアクセス情報

菅の台バスセンター駐車場に車を置いて、バスでしらび平方面に向かいます。途中の黒川平からでも同じバスに乗れます。この場合は黒川平に駐車します。バスで北御所登山口で下車です。菅の台バスセンター、北御所登山口間のバスは所要時間約20分料金は580円です。


③木曽駒ケ岳 桂小場クラシックルート(西駒登山ルート)

ロングトレイルのルートですから体調を整えて挑戦しましょう。静かな山歩きが楽しめます。

桂小場クラシックルートの概要

小黒川渓谷の上流の桂小場の登山口を起点として、山小屋西駒山荘を経て木曽駒ケ岳に向かうルートです。 桂小場登山口から大樽小屋まで比較的ゆるやかな登山道ですが、ここから臆突き八丁、胸突の頭までは文字通り急登が続きます。西駒小屋が森林限界となります。山荘からは稜線縦走となり、伊那前岳。宝剣岳、木曽駒ケ岳を眺めながらゆっくり進みます。木曽駒ケ岳の頂上についたら、もし時間に余裕があれば宝剣岳を経由して駒飼の池と濃が池を周回して、お花畑を見るのもいいでしょう。

桂小場クラシックルート

桂小場登山口(1268m)-野田場ー白川分岐ー大樽小屋ー胸突き八丁(2145m)-津嶋神社ー胸突きの頭ー水場ー山小屋西駒山荘(2685m)ここまで3時間40分ー濃ケ池分岐ー馬の背分岐ー木曽駒ケ岳 コースタイム:往復10時間(1泊2日)

桂小場クラシックルートのアクセス情報

登山口の桂小場へは、公共交通機関がありませんので、タクシーかマイカーで行くことになります。 中央道伊那ICから小黒川渓谷上流に向かい、信州大学農学部の宿舎から100mほど先に駐車場があります。駐車は30台くらい可能です。伊那ICからここまで車で20分くらいかかります。 登山口には登山届用のポストがあります。間違いなく投函しておきましょう。

④木曽駒ケ岳 福島Bルート(大原コース)

木曽福島側には2コースあります。いづれも木曽福島駅から登山口までが遠いです。Bルートの方が人気がありますのでこちらをご紹介します。

福島Bルートの概要

木曽側木曽福島からバスで木曽駒高原まで行き、コガラ登山口を起点として木曽駒ケ岳7合目避難小屋を経て木曽駒ケ岳に至るルートです。昔からある古いルートで登山者は少ないです。5合目から6合目にかけて山肌が崩落しています。7合目から8合目にかけては岩場となり、下る時に玉乃窪カールから登山道への取り付けルートが不明瞭な所がありますので要注意です。 福島Aルートがありますが、こちらは、登山口までが遠く(Bも同じ)、登山道が荒れています。危険な場所もありますのでこちらはおすすめできません。

福島Bルート

木曽福島大原バス停ーコガラ登山口(1340m)-ヒュッテ奥原ー木曽駒高原山の宿こまくさービルトップー四合目ー五合目ー木曽駒ケ岳七合目避難小屋ー八合目ー玉乃窪山荘ー頂上木曽小屋ー木曽駒ケ岳頂上 コースタイム:12時間30分(1泊2日)

福島Bルートアクセス情報


福島Bルート登山口コガラ登山口へのアクセス:木曽福島駅前バス停でおんたけ交通、木曽福島高原線に乗車、終点の大原下で降車。バス停を下りたらバス停前の坂道を山側に上る。木曽駒高原スキー場の駐車場の案内板のところの分岐を右に進む。木曽駒高原スキー場ロッジ前をさらに道沿いに上がっていくとコカラ登山口があります。 大原下バス停からコカラ登山口まで4.1km、徒歩で1時間10分かかります。 JR木曽福島駅からタクシーで20分かkります。 駐車場は50台ほど 登山届ポストあり。

⑤木曽駒ケ岳 上松Aルート

木曽側上松ルートも2ルート、いずれもJR上松駅が起点となっています。

上松Aルートの概要

木曽側からは4ルートあるが、その中の1つでJR上松駅から国道19号線を経て町道駒ヶ根線旧アルプス山荘上駐車場が起点となります。ここが上松Aルート登山口です。登山道は整備されていて危険な箇所は少ないですが、5合目手前に落石ポイントがあります。5合目から急登となります。木曽駒ケ岳頂上山荘にはテント場があります。人気の高いテン場ですので場所の確保が大変です。 今回のルートには宝剣岳登頂を含めました。1泊2日コースならば宝剣岳にも上って上松に帰れるでしょう。 なお宝剣岳はヘルメット着用が望ましいです。

上松Aルート

上松Aルート登山口(旧アルプス山荘の上)-敬神ノ滝小屋(頂上まで7.5時間の表示あり)-五合目金縣小屋ー木曽前岳ー玉乃窪山荘ー頂上小屋ー木曽駒ケ岳ー木曽駒ケ岳頂上小屋(泊) 木曽駒ケ岳頂上小屋ー中岳ー宝剣山荘ー宝剣岳(2931m)ー宝剣山荘ー中岳ー木曽駒ケ岳頂上小屋ー木曽駒ケ岳ー頂上木曽小屋ー玉乃窪山荘ー木曽前岳ー金縣小屋ー敬神ノ滝小屋ー登山口 コースタイム:木曽駒ケ岳まで約7時間 宝剣岳を経由すると7時間30分 計14時間30分

上松Aルートのアクセス情報

上松Aルート登山口はJR上松から19号線に入り、19号線の小野の滝交差点を東に向かい、旧アルプス山荘の上にあろます。町道駒ヶ根線旧アルプス山荘上の駐車場です。 駐車場の収容台数は15台くらいです。 JR上松駅からタクシーで20分、マイカーで20分くらいです。

まとめ

中央アルプスの木曽駒ケ岳への登山は、駒ヶ根ロープウエイが完成して、千畳敷カールと合わせてゴールデンコースとなっています。初夏から初冬にかけて観光客と登山客で大混雑です。千畳敷カールの遊歩道の途中に八丁坂分岐点があり、ここが木曽駒ケ岳方面登山の入り口です。ここで観光客と登山客が見事に分けられます。いきなりガラ場の急坂の登山道ですから観光客が入ってこられません。苦しい思いをして乗越浄土に到達すると、北や南アルプス、中央アルプス、八ヶ岳などの山並みが目に飛び込んできます。登ってきた人だけが見られる大絶景です。 ここから中央アルプスの木曽駒ケ岳の登山ルートがほとんど見渡せます。今年はこのルート、次はあのルートと思いを馳せることのできる魅力的なポイントです。