どくだみの基本情報
どくだみは、どくだみ科どくだみ属の多年草です。 地中に深く根を張り、地下茎から地面のあちこちに芽を出すので、1本切り取ってもなかなか駆除できません。
放っておくと、辺りがどくだみだらけになってしまうほど繁殖力が強い植物です。 そんなどくだみには「十薬」と呼ばれるほどたくさんの効果や効能があり、昔から薬草茶として嗜まれてきました。
ゲンノショウコ・センブリと並ぶ「日本の三大薬草」ともいわれています。 どくだみのもつ有効成分や、優れた効果・効能についてひとつずつ学んでいきましょう。
どくだみの優れた効果と効能10
どくだみの有効成分は?
どくだみに多く含まれているのは以下のような成分です。
・ミネラル:カリウム、カルシウム、マグネシウム、鉄分、亜鉛、マンガン ・ビタミン類:ビタミンB2、ナイアシン、パンテトン酸、ビタミンK ・フラボノイド類:クエルシトリン、イソクエルシトリン(ケルセチン)、クエルセチン ・フリン、コリン こんなにたくさんの有効成分をもっているなんてすごいですね! 特にカリウムとクエルシトリンを多く含んでいます。
ビタミンやミネラルは馴染みがありますが、それ以外の成分は初めて聞いたという方も多いのでは? 個々の成分の効用については、以下のコラムから詳しくご紹介していきます。
1)デトックス効果
どくだみに多く含まれるカリウムは、体内の毒性物質や老廃物を体外に排出する解毒作用があります。 そのため、デトックスしたい女性に特におすすめ。最近肌の調子がよくない、何となくむくんでいるという方は継続して飲用してみて下さい。
2)ダイエット効果
どくだみに含まれるクエルセチンには、脂肪の吸収を抑制する効果があるといわれています。 デトックス作用によりむくみが解消されて、脂肪の吸収率も低くなるとなれば、ダイエットの力強いサポート役になりますね。 食事療法や運動と併用し、継続して飲み続ければさらに効果アップです。
3)アトピーやアレルギーの症状を緩和する
1)で書いたカリウムのはたらきにより、アトピーやアレルギーの症状が緩和される人もいます。 春先や秋口は花粉症の予防にも効果的です。 ニキビや湿疹なども解消され、お肌がキレイになるという嬉しい相乗効果も。
4)便秘解消効果
どくだみに含まれているクエルシトリン・イソクエルシトリンには、便を柔らかくするはたらきがあります。この緩下作用があるため、どくだみには便秘解消効果があるといわれているのです。 また、緩下作用だけでなく、利尿作用もあるので、膀胱炎の予防にも役立ちます。
5)動脈硬化の予防
年を取ってくると、血管の弾力性が次第に失われ、血のめぐりが悪くなったり、血栓ができたりする可能性が高まってきます。 どくだみのクエルシトリンには、血管の弾力性を回復させ、血液をきれいにしてくれるはたらきがあります。年齢を重ねて生活習慣病が気になる人にもおすすめ。
6)高血圧の予防
高血圧は、血管が老化したり、血液がドロドロになることによって発症のリスクが高まります。 また、外食がちな人は、塩分の多い食事でナトリウムを多量に摂取してしまう傾向がありますが、ナトリウムが体内に蓄積することも高血圧の原因に。
どくだみのカリウムには、ナトリウムを体外に排出するはたらきがあり、クエルシトリンは血管の老化を抑えます。
7)生理痛やPMS(月経前症候群)の緩和
生理前になると、女性の体は水分を溜めこんでむくみがちになります。この時期に余分な水分や老廃物を排出することにより、体の重さや不快感が解消されることも。 また、生理前に便秘になる人も、どくだみ茶を飲むことで症状の軽減が期待できます。
8)貧血の予防
どくだみには、鉄分も比較的多く含まれています。 そのため、どくだみ茶の飲用を続けることで、女性に多い貧血が改善される効果も。 シソと一緒に摂取するとさらに効果が高まるという報告もあります。
9)胃炎や胃かいようの改善
どくだみのクエルシトリンには消炎作用もあるため、胃粘膜の炎症を抑え、胃のはたらきを整えてくれます。 そのため、ストレス性の胃炎や胃かいようの改善にも効果的です。
10)骨粗鬆症の予防
どくだみ茶にはカルシウムも含まれているため、毎日飲用しているだけで自然にカルシウムを体内に取り入れることができ、骨粗鬆症の予防にもつながります。
どくだみ茶を飲み過ぎると副作用があるの?
どくだみ茶にカフェインは含まれている?
緑茶や紅茶を飲みすぎると気になるのがカフェインですが、どくだみ茶にはカフェインは含まれていません。ですので、妊婦さんや子どもが飲んだり、夜眠る前に飲んでもカフェインによる悪影響を及ぼすことはありません。
どくだみ茶の副作用は?
どくだみ茶には便秘を解消する成分が含まれているので、胃腸があまり強くない人はお腹が下り気味になることがあります。 また、どくだみ茶にはカリウムが大量に含まれているので、過剰なカリウムを体外に排出する腎臓機能が弱っている人にもおすすめできません。
簡単にできる!どくだみ茶の作り方
それでは、次に自家製のどくだみ茶を作ってみたい人に簡単にできるどくだみ茶の作り方についてご紹介します。特に難しい作業はないので、時間がたっぷりとれる休日にチャレンジしてみて下さい。
①採取するのに最適なのは初夏
どくだみは、6~8月の初夏に白い花を咲かせます。この時期はどくだみの有効成分が最も高くなるので、どくだみ茶にするどくだみを摘み取るのに適しています。
庭や家の近くに繁殖しているどくだみを摘み取る場合は、排気ガスや農薬、犬の排泄物などの影響がない土に生えているものを使いましょう。 葉だけを摘み取るのではなく、根に近い部分から刈り取るように採取します。花がついたままでも大丈夫です。
②よく洗ってから乾燥させる
刈り取ったどくだみは、枯れた葉や別の雑草を取り除いた後、丁寧に洗って土を落とします。 その後、軽く水気を切ってから、何本かまとめて束にし、風通しの良い場所に吊るしてカラカラになるまで乾燥させます。
どくだみの量が少ない場合は、平ザルなどの上で乾かしてもOKです。
生の葉を放置しておくと独特の匂いが気になりますので、摘み取ったらなるべく早めに乾燥させるようにしましょう。
③使いやすい大きさにカットする
完全に乾いたら、茎から葉を取り外しながら、適当な大きさに切ります。 この時も、花や茎がついたままでOKです。 特に決まりはないので、保存しやすい大きさに切っていきましょう。
④フライパンで空煎りする
仕上げにフライパンで乾煎りして、湿気をさらに飛ばします。 強火だと焦げてしまうので、弱火でじっくりと煎ります。
⑤完成
これで完成!密封できる保存容器に入れて保存し、使う分だけ取り出してお茶にします。 ガラスのキャニスターを使うと密封度が高く、茶葉もたくさん保存できるのでおすすめです。 1回分ずつお茶パックなどに小分けしておけば、忙しい時も気軽に飲めますね。
どくだみ茶の効果的な飲み方は?
どくだみ茶を飲む時は、1回に10~15gぐらいの茶葉を使うのが適量といわれています。そして、ただ茶葉をお湯に浸けるだけではなく、「煎じて」飲むのがポイント。
煎じるというのは、お湯で茶葉を煮出し、煮つめて濃縮させることですが、沸騰しない60~70℃程度のお湯に弱火で30分ほど時間をかけて煮出すのがどくだみの有効成分を最も効果的に抽出できるそう。
このひと手間が面倒だと思う人は、朝一番にその日1日分の量を作ってしまいましょう。1日の合計摂取量は、1L程度であれば問題ないようです。
あまり時間を置きすぎるとどくだみ茶の成分が変化してしまうこともありますが、その日のうちに飲みきれば問題ありません。水筒などに入れて職場に持って行くのもいいですね。
煮出す時に鉄製や銅製の鍋を使うと、鍋の成分がどくだみに含まれているタンニンと反応して体に悪影響を及ぼすことがあるので避けて下さい。
どくだみ茶の粉末ってあるの?
どくだみ茶を毎回煮出して飲むのは難しい、あるいは旅行先などでもどくだみ茶を飲みたいという人におすすめなのが、どくだみ粉末をお湯に溶かして飲む飲み方です。
お湯だけでなく、ほかのお茶に混ぜたり、ヨーグルトなどに混ぜて採り入れることもできます。煎じて飲むよりも有効成分を多く採り入れることができるという説も。 粉末だとつい多く入れすぎてしまうこともあるので、飲み過ぎには注意して下さいね。
まとめ
どくだみ茶の有効成分とさまざまな効用について、お分かり頂けたでしょうか? 手作りのどくだみ茶は、匂いが強かったり、渋みがあったりしてあまり美味しくないと感じることもあるかもしれません。
そんな時は、同じくノンカフェインの玄米茶や麦茶とブレンドしたり、少量のハチミツなどを加えてみるのもいいかもしれません。
無理なく長く飲み続けられる方法を探してみて下さいね。