スベスベマンジュウガニとは
スベスベマンジュウガ二の基本情報
ここからはスベスベマンジュウガニの特徴や生態やその強い毒性について、多数の情報をご紹介していきます。初めて聞く名前のカニだという方も、こちらをご参考にすればどんなに危険な生物なのかを知ることが出来ますので、勉強してみてくださいね!
スベスベマンジュウガニはエビ上目+脚目短尾下目オウギガニ上科オウギガニ科マンジュウガニ属に分類されています。猛毒を持つカニとして有名で非常に危険です。漢字名では「滑滑饅頭蟹」と書いてスベスベマンジュウガニと呼びます。名前は可愛らしいですが、食したら死をもたらす事のある危険生物です。誤って食べないよう十分注意しなければなりません。特にこのスベスベマンジュウガニが生息している地域に住む方は要注意です。
死に至らしめる毒を持つカニ
沖縄県の石垣島で採集されたスベスベマンジュウガニは筋肉中に1000MU/g以上もの毒を持っていた事もあり、十分人間を死に至らしめるだけの致死量を持っています。危険な生物でむやみに捕獲したりして扱わないようにしましょう。知識が全くない場合は、謝って食してしまう事もないとも限りませんので、こちらをご参考にして、知識を蓄えてくださいね!
オウギガ二科の有毒種カニでは死亡例も
スベスベマンジュウガニが属するオウギガニ科に属していて、暖かい海に生息しているウモレオウギガニとツブヒラアシオウギガニを食して死亡した例は、1984年までで日本国内で10件程の死亡事故が確認されています。
かつては鹿児島、沖縄と南の県で事故も
これら全ての事故は鹿児島県や沖縄県で発生し、この両県では、有毒蟹を食さないよう、ポスターやパンフレットなどで注意を促している程です。しかし、スベスベマンジュウガニが属するオウギガニ科の有毒蟹での事故件数は減少しています。
スベスベマンジュウガニの名前の由来は?
スベスベマンジュウガニの名前の由来は、体の表面がとてもスベスベ(つるつる)としていて、その見た目が饅頭のように丸みを帯びている形からそう名付けられました。
スベスベマンジュウガニの生態は?
水深100m程の海域に生息していて、海藻や貝類やゴカイなどを捕食しています。活動する時間帯は主に夜が一般的で、動きが鈍くゆっくりとしている為に磯遊びの際などに見つける事もあります。一見して普通の蟹と見分けがつきづらいですが、食べると強力な毒に犯されてしまうので注意しましょう。
こちらはスベスベマンジュウガニが実際に動いている映像です。動きが鈍く、素早い動きを滅多に見せる事はありません。丸い甲羅で優雅に歩いている映像です。こちらを視聴して特徴を確認してみてくださいね!
スベスベマンジュウガニの特徴
スベスベマンジュウガニは甲羅の長さが3.5cm程で、甲羅の幅は5cm程と小さめのカニです。水深100m程に生息して岩礁域やサンゴ礁の潮干帯に生息しています。素早い動きはせず、逃げない事もあり頻繁に見かける地域もあります。
饅頭のように丸い甲羅が特徴
スベスベマンジュウガニと言われる所以は、その名の通り甲羅が突起物がなく、全体的になめらかでとてもツヤがあるのが特徴です。体の色は赤褐色から紫褐色です。灰白色の斑紋があります。奇怪な模様でスベスベマンジュウガニの特徴でもあります。捕食しているのは、海藻や貝類やゴカイなどです。
スベスベマンジュウガニの分布地は?
スベスベマンジュウガニは海水生のカニで、房総半島から九州や、奄美大島や八重山諸島、台湾や中国やインド太平洋域に生息しているカニです。
スベスベマンジュウガニの漁は?
小型のスベスベマンジュウガニは、狙って捕獲するカニではなく、イセエビ漁などで混ざっていて、獲れる事が大多数です。強力な毒を持つので、食用になることは一切ありません。ウモレオウギガニと同様で、サキシトキシンやテトロドトキシンといった、数種の毒を持っています。間違っても食べないように注意しなければなりません。
スベスベマンジュウガニの毒性とは?
スベスベマンジュウガニに含まれている毒は麻痺性貝毒の成分であるゴニオトキシンやネオサキシトキシンやサキシトキシンやフグ毒にも含まれているテトロドトキシンなどです。これらの毒はこのスベスベマンジュウガニの生息地により、毒量も異なってきます。
こちらのスベスベマンジュウガニは口に入れない限りは無毒の蟹です。触ったりハサミで挟まれたとしても問題ないです。このスベスベマンジュウガニは捕食している餌により毒素を取り入れている可能性があります。この蟹をもし海で見たとしても相手にしない方が良いでしょう。特にお子様のいらっしゃるご家庭の方など、様々なものに興味が豊富な年代の子供は特に注意が必要です。
神奈川県三浦半島のカニの毒性
主にフグ毒の主成分であるテトロドトキシンが多量に含まれています。むやみに捕獲するのは危険なので避けましょう。
亜熱帯性地域に生息しているカニの毒性
亜熱帯性地域に生息しているスベスベマンジュウガニは、麻痺性貝毒を主成分として持つカニと、フグ毒を主成分となるテトロドトキシンを持つカニに分かれています。
中間域に生息しているカニの毒性
上記のどちらにも当てはまらない中間域に生息しているスベスベマンジュウガニは、一個体が両毒を併せ持っている例もあります。
それぞれの毒の症状は?
ここではスベスベマンジュウガニが持つ強力な毒がどのような症状に至らしめるのかを詳しくご紹介します。こちらをご参考にして誤って食す事のないように知識を蓄えてくださいね!
スベスベマンジュウガ二が持つ毒1.テトロドトキシン
まず最初にご紹介するのはテトロドトキシンです。テトロドトキシンはフグ毒としても有名で、誤って食した場合、接触後20分程で症状が現れ始めます。
第一段階の症状
第一に指先や口唇部や舌端の痺れという症状が現れます。他にも目眩などによる立ちくらみで歩行困難となる場合もあり、頭痛や腹痛などの初期症状が出ます。
第二段階の症状
第一段階の初期症状が終わり、次は運動麻痺が進行します。嘔吐や知覚麻痺や、言語障害や呼吸困難や血圧降下などの症状が現れ始めます。
第三段階の症状
全身が麻痺し、身体を思うように動かす事が出来なくなります。骨格筋の弛緩や呼吸困難や血圧の降下が進行し、意識が朦朧としてきます。
第四段階の症状
最後の症状は意識の消失です。呼吸停止となってしまい、死亡に至ります。フグ毒だけでなくスベスベマンジュウガニにもこの毒が含まれている事を忘れないようにしましょう。
スベスベマンジュウガ二が持つ毒2.サキシトキシン
サキシトキシンとはアレキサンドリウム属の赤潮を形成している有毒渦鞭毛藻が作っている麻痺性毒物の一つです。この藻類を食す事で、通常は毒を持たない海の生物が毒化してしまいます。
テトロドトキシンと同様のフグ毒の成分
フグの他にも二枚貝のムラサキイガイや真牡蠣やアサリや帆立貝の中腸腺に蓄積する事もあります。ヤドクカエルの一種が持っている事が確認されていて、スベスベマンジュウガニの場合、このサキシトキシンが筋肉に蓄積します。
サキシトキシンの主な症状
テトロドトキシンと成分は一緒で、神経細胞を阻害し、麻痺や呼吸困難を引き起こします。最悪の場合呼吸麻痺で死に至らしめる程です。現在では有効な治療法は確立されていないのが現状です。
毒性まとめ
以上がスベスベマンジュウガニが持つ毒の症状になります。一見普通のカニと見た目は多少は異なりますが、見分けを付けにくいですが、食すだけで死に至らしめる程の強力な毒を持っていますので注意しましょう。これらの症状をよく確認して、知識を蓄えておくだけでも役に立ちますので、是非ご参考にしてみてくださいね!
スベスベマンジュウガニについてのまとめ
いかがでしたでしょうか?主に暖かい気候の地域に生息するスベスベマンジュウガニは、一見して普通のカニと何ら見た目は区別をつけにくいですが、実際には食すだけでも、人間を死に至らしめるほどの強力な猛毒を持っています。南の県だから関係ないということではなく、スベスベマンジュウガニの特徴や特性を知っているだけでも、知識が増えますので、是非何度も閲覧して勉強してみてくださいね!