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世界遺産「熊野古道」の初心者向けコース・歩き方!おすすめの見所をご紹介!

世界遺産に登録された「熊野古道」の初心者向けコース特集!初めて熊野古道を歩く初心者の方にも無理なく楽しんでもらえる、おすすめのコースや歩き方をご紹介します!世界遺産として認められた紀伊山地の大自然を、あなたも堪能してみませんか?
2020年8月27日
秋江 桂花
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観光地として人気の熊野古道

あなたは熊野古道を歩いたことがありますか?熊野本宮大社をはじめとする熊野三山へと続く、木々に囲まれた歴史ある熊野古道は、2004年に世界遺産に登録されました。今や観光スポットとして、熊野古道には毎年たくさんの観光客が訪れます。どんな人でも楽しめる熊野古道の、初心者向けコースや歩き方を早速見ていきましょう!

世界遺産「熊野古道」とは?

熊野古道は熊野三山の参詣道!

2004年、「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されました。紀伊山地の地図を見てみると、熊野三山と呼ばれる熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社を結ぶように、熊野古道が作られていることが分かります。熊野古道は、古くから人々が熊野詣のために利用した参詣道なのです。

熊野古道のかつての歩き方とは?

平安時代から続く熊野詣は、かつて「口熊野」と言われた田辺から始まります。現在「中辺路(なかへち)」と呼ばれる古道を辿って、熊野本宮大社に参詣するのが習わしでした。その後熊野川を下ったところにある熊野速玉神社と、那智川沿岸にある熊野那智大社にも足を運び、再び熊野本宮大社に戻ってきます。1ヶ月という長い時間をかけた歩き方で、人々は熊野詣を行なっていました。

熊野古道には細かく名前が付けられている

かつては熊野古道のことを「紀伊路」と読んでいましたが、現在では細かく名前が付けられているのを知っていますか?田辺から熊野本宮大社へ向かう「中辺路」や、田辺から海岸線沿いに熊野那智大社を目指す「大辺路(おおへち)」などは、世界遺産に登録されていることもあり現在も活用されています。地図を確認して、最適なルートを計画してみましょう。

熊野古道の主なおすすめ観光スポットとは?

熊野古道おすすめ観光スポット1. 熊野三山

熊野本宮大社・熊野速玉大社・熊野那智大社を「熊野三山」と言います。紀伊山地の地図の中央を横断する、中辺路を含む参道を利用して参詣することができます。かつて熊野詣をしていたルートを利用した、熊野三山めぐりが人気です。「熊野三所権現」として古くから信仰されています。

熊野古道おすすめ観光スポット2. 九十九王子

田辺から熊野本宮大社へ至る中辺路には「王子」と定められた、かつて神が祀られていた社があります。熊野詣に訪れた人々は、王子社で儀式を行いました。これらの王子社をまとめて「九十九王子」と呼んでいます。参詣道に数多く点在していることが由来です。中辺路を散策する際は、王子社を1つのポイントとしてルートを定めると良いでしょう。

熊野古道おすすめ観光スポット3. 那智の滝

那智の滝を知っていますか?日本三大名滝の1つであり、落差と水流の多さで日本一を誇っています。滝が3つに別れて流れ出ることから「三筋の滝」と呼ばれることもあります。飛瀧神社(ひろうじんじゃ)の御神体でもあり、滝の飛沫がかかると長寿になるという言い伝えが残っています。自然の力強さを一目見ようと、多くの人々がこの地を訪れます。

初心者おすすめコース1. 牛馬童子像〜継桜童子

舗装された道が歩きやすいコース

初心者にもおすすめな、熊野古道のハイキングコースをご紹介しましょう。1つ目は、紀伊山地の地図中央を東西に横断する、中辺路を利用したコースです。木の根元にある「牛馬童子像」から「継桜王子(つぎざくらおうじ)」の区間はおよそ6,5kmの行程で、所要時間は2時間10分です。

牛馬童子像と継桜王子

中辺路の箸折峠近くにひっそりと佇んでいる「牛馬童子像」は、花山法皇という人物を元に作られました。「継桜王子」は、ケヤキの根元に桜を継いだ木が周辺で発見されたことが由来となっています。

とがのき茶屋と野中の清水

中辺路にはかつて「近露」という宿場がありました。とがのき茶屋は、かつての熊野詣の雰囲気に触れられるスポット。行程に時間の余裕がある時は、とがのき茶屋で休憩するのはいかがですか?継桜王子の近くにある「野中の清水」は、今まで1度も枯れたことがないと言われ、日本名水百選にも選ばれている湧き水です。

初心者おすすめコース2. 発心門王子〜熊野本宮大社

熊野古道でもっとも人気があるコース


こちらも中辺路を利用した、観光客にもっとも人気があるコースです。「発心門王子」から「熊野本宮大社」の区間を、神聖な空気に包まれながら散策します。距離は約6,9km、所要時間は2時間です。

発心門童子と熊野本宮大社

中辺路の地図を見ると、「発心門王子」は音無川が流れる谷を離れ、上り坂を越えたところにあることが分かります。ここから先は、古くから熊野本宮大社の神域とされていて、人々はまずここの鳥居を目指して中辺路を歩みました。熊野詣の雰囲気を味わいたい方は、まずこの区間を歩き通してみましょう。

かつての熊野本宮大社があった「大斎原」

熊野本宮神社から石段を降りたところに「大斎原(おおゆのはら)」という場所があります。熊野川・音無川・岩田川が合流するこの場所に、かつては熊野本宮神社がありました。パワースポットとしても知名度のあるこの場所に、ぜひ訪れてみてはいかがですか?

初心者おすすめコース3. 大門坂〜熊野那智大社

熊野古道観光の魅力が満載のコース

大門坂や那智の滝など、熊野古道の魅力を最大限に味わうことのできるおすすめのコース。歩行時間は1時間ほどなので、初心者でも余裕を持って散策ができます。「大門坂」から「熊野那智大社」を目指す片道の行程は2,5kmほどです。

大門坂と熊野那智大社

地図を見ると「大門坂」と「熊野那智大社」は距離が近いように感じますが、道中は苔むした石段が続いています。雰囲気たっぷりの木々の景色を楽しみながら、ゆったり社を目指しましょう。

那智山・青岸渡寺

那智山にある「青岸渡寺」は、世界遺産としても登録されている天台宗の寺院。西国三十三所の第一番札所でもあり、古くから人々に親しまれて来ました。赤い色が目を惹く三重塔も人気です。

初心者おすすめコース4. 高野坂

水と融合した熊野古道の自然が楽しめるコース

地図を見ると分かる通り、熊野速玉大社は熊野川沿いに鎮座しています。熊野本宮大社から川を下ったところにある熊野速玉大社から高野坂を目指し、熊野灘を臨む水にまつわるコースです。約6,5kmの行程で、所要時間は2時間です。

高野坂と石畳

「高野坂」の苔の生えた石畳は、写真によく映えると話題を呼び、撮影スポットとしても人気を集めている場所です。坂を登り切ると、眼前には偉大な高野灘が。勢いよく波が打ち寄せる様は必見です。

阿須賀神社と神倉神社

地図を見てみると、熊野速玉大社から高野坂へ至る道のりには2種類あることが分かります。阿須賀神社を経由する古来からのコースと、神倉神社を経由する近世にできたコースです。近世のコースの方が距離は長いですが、比較的歩きやすい道のりと言えます。

コース1. 牛馬童子像〜継桜童子の歩き方

コース1-1. 前日に白浜温泉を観光しよう

中辺路・牛馬童子像〜継桜童子のおすすめの歩き方をご紹介しましょう!6,5kmの行程で2時間以上かかるこのコースは、意外と体力を使います。ゆったり挑戦してみたい方は前日に白浜温泉に1泊して、翌日に歩かれるのがおすすめです。

コース1-2. 熊野本宮温泉郷で疲れを癒そう

コース1を1日目に歩行した後、中辺路にほど近い熊野温泉郷に1泊するプランなら、2日目はコース2に挑戦して熊野本宮大社を目指すこともできます!体力に地震のある方はぜひ挑戦してみては?

コース1-3. 日帰りで熊野古道を観光しよう


時間があまり取れないという方には、日帰りプランはいかがですか?白浜空港を利用すれば、1日で熊野古道を充分堪能することができます。白浜空港から牛馬童子像近くまで出ているバスを活用しましょう。

コース2. 発心門王子〜熊野本宮大社の歩き方

コース2-1. 前日に白浜温泉を観光しよう

発心門王子を過ぎて、中辺路に満ちている神聖な空気をゆったり味わいたい方におすすめの歩き方です。白浜温泉からはバスが出ているため、アクセスは良好。前日の行程にも時間に余裕があるため、白浜温泉周辺を観光するのもおすすめです。次の日は朝10時前に白浜を出発するバスに乗ることで、休憩を挟みつつ15時半に熊野本宮神社に到着することができます。

コース2-2. 前日に勝浦温泉を利用しよう

発心門王子から熊野本宮大社を目指すなら、勝浦温泉を利用した歩き方もおすすめです。山歩き前日は勝浦漁港で獲れた新鮮な魚に舌鼓を打ち、英気を養うのはいかがですか?勝浦温泉からバスで熊野本宮大社に向かい参詣した後、コース2を逆に辿って発心門王子を目指し、バスで白浜温泉に抜けるルートもあります。空港を利用しようと考えている方は、このルートも視野に入れてみては?

コース2-3. ガイドツアーを活用しよう

初めて熊野古道を訪れる初心者向けに、ガイドツアーが実施されているのをご存知ですか?中辺路の歴史や、世界遺産としての風格や魅力などを丁寧に教えてくれるため、事前知識なしでも楽しめるガイドツアーです。

コース3. 大門坂〜熊野那智大社の歩き方

コース3-1. 前日に勝浦温泉を利用しよう

勝浦温泉は熊野那智大社から比較的近い場所にあるため、バスによる移動時間が短いことがこの歩き方の魅力です。限られた時間を最大限に活用したい場合は、勝浦温泉に前泊するプランがおすすめです。那智の滝や青岸渡寺も回れるため、短時間で満足感が得られるコースとなっています。

コース3-2. 勝浦温泉でハイキングの疲れを癒そう

大門坂から熊野那智大社を目指すこのコースは、石段が長く続くボリューム満点の参詣道。熊野那智大社を訪れてすぐに帰るのではなく、勝浦温泉で1泊してハイキングの疲れを癒すのはいかがですか?自家用車で訪れる場合に特におすすめなプランです。

コース3-3. 世界遺産情報センターを活用しよう

那智駅の隣にある「道の駅なち」には世界遺産情報センターがあります。ここで地図がもらえたり参詣に関するお得な情報が得られるので、電車で訪れる方は特に利用したいスポットです。2階には「丹敷の湯」があり、長時間歩いた後の疲労を取るのにも活用できます。

コース4. 高野坂の歩き方

コース4-1. 前日に勝浦温泉を利用しよう

高野坂を歩く場合は、勝浦温泉を利用するのが適しています。紀伊勝浦駅からバスにスムーズに乗ることができ、最寄りの停留所から熊野速玉大社まで徒歩5分でアクセスできます。高野坂のアップダウンをクリアした後は、三輪崎駅から電車を活用するも良し、体力に自信のある人は宇久井駅や那智駅まで歩いても良しという、バリエーションが豊富なルートです。

コース4-2. 熊野川で川下りを楽しもう

宿泊地からバスで熊野本宮大社に参詣し、熊野川の川下りを楽しんで熊野速玉神社を訪れるというコースはいかがですか?2つの社は比較的歩行距離も少なく回れるため、その後の高野坂にも時間に余裕を持って臨めます。夏場に挑戦してみたいおすすめのコースです。

観光のおすすめ拠点1. 白浜温泉

万葉集にも取り上げられている白浜温泉

白浜温泉は、日本三大温泉にも選ばれている人気の観光地です。万葉集や日本書紀にも取り上げられていて、昔の人にも親しまれていた日本三大古泉でもあります。白浜温泉から熊野古道各地に路線バスが通っていて、特に中辺路を散策するのに便利な観光拠点です。


白浜温泉の外湯めぐりが人気

白浜温泉は、外湯めぐりが見どころの1つでもあります。湯崎七湯という歴史ある温泉のうち、ただ1つ残っている「崎の湯」は、太平洋を間近に臨めるロケーションが魅力です。「牟婁の湯(むろのゆ)」には、「砿湯(まぶゆ)」と「行幸湯(みゆきゆ)」という2種類の温泉があり、それぞれ異なった効能が期待できます。

夏に訪れたい白良浜

白浜温泉からほど近いところに、砂浜が美しいことで知られる「白良浜」があります。夏にぜひとも訪れたい観光スポットです。また国の名勝でもある高島は「円月島」の名称で親しまれていて、夕陽を見るために毎年たくさんの人が集まって来ます。

観光のおすすめ拠点2. 勝浦温泉

那智山のふもとに位置する勝浦温泉

熊野那智大社や周辺の熊野古道を観光するのにぴったりな温泉地です。地図を見ると分かりますが、海に面しているこの地は、海の幸が楽しめることでも知られています。湧出量が豊富であり、ずらりと温泉旅館が並んでいます。活気がある人気の観光拠点です。

湯川温泉や太地温泉もおすすめ

勝浦温泉街の隣、汽水湖の湖畔には「湯川温泉」という静かな温泉街があります。日常から離れてゆったりした時間を楽しむのにぴったりです。自家用車で熊野古道周辺を訪れる場合は太地温泉もおすすめ。遊覧船に乗って、くじらの町の魅力を味わってみませんか?

海の幸が堪能できる勝浦漁港

地図を見ると、那智勝浦が海の町であるということが分かります。実は勝浦漁港は、生マグロの水揚げが日本でもっとも多いことで知られています。勝浦に宿泊して美味しいお刺身に舌鼓を打つ、至れり尽くせりのプランが人気です。

観光のおすすめ拠点3. 熊野本宮温泉郷

湯の峰温泉は日本最古の温泉?

熊野本宮大社からすぐ近くの場所に、熊野本宮温泉郷があります。そのうちの1つ「湯の峰温泉」は1800年以上前からあり、世界遺産に登録されている「つぼ湯」が話題となっています。元々は熊野詣の前に体を清める場として利用されていた湯垢離場(ゆごりば)で、熊野を訪れた際はぜひ立ち寄りたい温泉です。

露天風呂が人気の川湯温泉

大塔川沿いにある川湯温泉は、河原に湧き出る湯を利用した温泉です。河原を掘ると、簡単に温泉が湧き出て来ます。夏場は川遊び、冬場は温泉という季節によって異なった楽しみ方ができる観光スポットです。

大露天風呂で疲れを癒せる渡瀬温泉

渡瀬温泉の魅力は、何と言っても大きな露天風呂。温泉街全体の時間がゆっくりと流れていて、思いっきり羽を伸ばせます。キャンプ場が併設されているため、アウトドアな体験もできるのが特徴です。

世界遺産の熊野古道を歩いてみよう!

いかがでしたか?今回は、熊野古道の初心者向けコースや歩き方をご紹介しました。ぜひモデルルートを参考にして、時間に余裕を持った計画を立てましょう。熊野古道を散策する際は、履きなれたトレッキングシューズやハイキングシューズを使用し、地図や携帯食料を持参しましょう。無理をせず安全に世界遺産の魅力を楽しんでくださいね。