緩衝材とは
緩衝材という文字を見たことがあるでしょうか。たぶん、読み方がわかれば「アレのことか」とわかる人も多いでしょう。緩衝材は物を移動させる時の衝撃を緩和して破損を防ぐための資材のことです。 身の回りでよく見かけ、使うことも多い緩衝材。今日はこの緩衝材について詳しく見ていきましょう。手元に緩衝材が無い時の代用品や正しい包み方、使い方もご紹介します。
緩衝材の読み方
緩衝材は「かんしょうざい」と読みます。緩は「緩急(かんきゅう)をつける」という時のかん。衝は「衝撃(しょうげき)」のしょう。材はそのまま資材(しざい)のざいです。これを組み合わせることで、衝撃を緩和する資材という意味となります。
緩衝材の種類と材質
私たちの日常生活には衝撃によって壊れてしまったり、傷ついてしまうと価値が大きく落ちる物などがたくさんあります。物を大切に移動させたいという時にはこの緩衝材のお世話になることでしょう。 ここでは、身の回りで見かける機会も多い緩衝材の種類とその材質についてお話していきます。
プチプチ
緩衝材といえば、このプチプチが有名ですね。材質はポリエチレンでできていて、2枚のシートから成っています。初めて開発したのはアメリカのエアープロダクツ社。洗浄に強いビニールを貼った壁紙を作ろうとした研究者が誤って中に気泡が入ってしまったことからヒントを得て作られた商品です。
気泡緩衝材
プチプチは登録商品名で一般的には「気泡緩衝材」と呼ぶのが正しい呼び方です。この気泡緩衝材は多くの商品名が通り名のようになっていて「エアキャップ」や「ミナパック」、「エアパッキン」「エアクッション」「エアマット」「キャプロン」「エアーバック」など多くの名前で呼ばれています。 ちなみにプチプチの登録商標を持っているのは日本の「川上産業株式会社」です。
ウレタン
ウレタンといえば食器洗い用のスポンジなど生活の多くの場面で見かける化合物です。様々な形に簡単に成形することができるので物への衝撃を緩和する緩衝材としても多く使われています。その形は薄いシート状であったり、卵パックのような形がたくさん集まったものであったり、中に入れるものにピッタリな穴が開けられたものであったり様々です。
発泡ポリウレタン
ウレタンフォームは発泡ポリウレタンとも呼ばれています。このウレタンを作る過程で発泡剤を混ぜ合わせてウレタンの中にたくさんの気泡が入った状態に成形されます。プチプチと同じ原理で空気が入っていることで衝撃が緩和されるため、緩衝材に適した素材として広く使われています。
スポンジ
スポンジはギリシャ語のスポンゴスという言葉を語源としていて、元々は海にいる海面生物の組織を腐らせ取り除いた「骨格」のようなもの。天然のスポンジとは海の中の生物からできています。 スポンジは吸水性に優れているだけでなく、中にたくさんの穴が開いているため空気を多く含み緩衝材としても利用されます。緩衝材として利用される時は天然スポンジではなく人口の発泡ポリウレタンのスポンジが使われます。
緩衝材の使い方
緩衝材もただ入れるだけでなく、使い方、包み方でさらに壊れにくく物を梱包することができます。
緩衝材の包み方
緩衝材の使い方にも色々あり、ポリウレタンの粒の中に壊れやすいものを入れたり、その形にフィットするようにあらかじめくぼみが作られている緩衝材もあります。 一般的にこわれものを発送するときは、シート状のプチプチに包んで使うという方法があります。ここでは、プチプチや薄いウレタンシートの緩衝材に物を包んで衝撃緩和をする包み方のコツについてご紹介します。
使い方ポイント①基盤
パソコンなどの基盤は小さな突起物がたくさん出ています。プチプチには平らな面と凸面があり、凸の方に基盤の表面が当たると引っかかって破損してしまうことが心配されます。 そういった引っかかると壊れてしまうようなものを包む時は平らな面が物に当たるような向きで包みましょう。
使い方ポイント②複数梱包
小物などをたくさん緩衝材で包んでひとつのダンボールに入れる場合、凸面同士が隣り合うと入れにくい、出しにくいという問題が起こってきます。 緩衝材としてのプチプチはどちらの面を表にしても衝撃の緩和に関してはあまり関係ありませんので、そういった場合は内側に凸面がくるようにして外は平な面にすると、縦にいくつも並べたとしても目的の物がサッと取り出しやすくなるのでおすすめです。
使い方ポイント③食器
引っ越しで多くのご過程で一番緩衝材が必要になるのが「食器類の梱包」ではないでしょうか。大切なカップやグラスや皿などが引っ越しで壊れてしまったら困りますね。 そんな時の緩衝材の使い方は食器によってポイントがありますので食器ごとにご紹介します。
ティーカップ
カップと受け皿がセットになっているティーカップは必ず受け皿とカップは別々に緩衝材で梱包しましょう。特にカップは持ち手の部分が細く壊れやすくなっていますので、その部分を緩衝材で包んで補強してあげると一層安心して運ぶことができます。できれば専用の箱などに入れて運搬すると良いのですが、専用の箱が無い場合は隙間にも緩衝材の切れ端などをつめて中で食器が移動しないようにするとよいでしょう。
シャンパングラスやワイングラス
グラスの中でもシャンパングラスやワイングラスなど脚つきのものは脚の部分が華奢な作りになっているためそこから割れてしまうことが考えられます。ティーカップの持ち手と同じように緩衝材をぐるぐると巻きつけて保護してあげることで割れやすい脚への衝撃を抑えて保護することができます。
皿
皿の包み方で気をつけたいのは緩衝材の薄い部分と厚い部分をできるだけ作らないということです。薄い部分があったら、そこに包んだ緩衝材以外の切れ端を入れてできるだけ均等に衝撃が加わるようにしてあげましょう。 更に、包んだ皿の入れ方にも衝撃を緩和させるコツがあります。箱詰めする時に縦に積み上げるのではなく、横にして(皿は縦向き)梱包するようにします。 この場合も隙間があると中でぶつかり合いますので隙間を埋める、緩衝材に包んだ食器をさらにまとめて緩衝材で包むなどの工夫をすることで、箱の中で皿が暴れること無く割れにくくなります。
緩衝材の代用品
よく壊れ物を発送する人は緩衝材のストックもあるでしょうが、一般家庭で急に壊れ物を送らなくてはいけない時わざわざプチプチを買いに行く時間もコストももったいないという時があるでしょう。 そんな時に緩衝材の代わりに使える、身の回りの品をご紹介します。
緩衝材の代わり
一般的に緩衝材の代用として使われることが多いのは新聞紙でしょう。くしゃくしゃと丸めて隙間に詰めたり、新聞紙を何重かにしたもので包みます。この他、タオルで包むのも衝撃を抑えてくれる働きがあります。 それ以外ではシュレッダーで裁断した紙を鳥の巣のようにクッションにして物を入れ、更に上にもシュレッダーの裁断クズを入れるという方法もあります。。
コピー用紙
いくらシュレッダーで裁断されているとしても「書類を緩衝材に使うのはちょっと」、という人は新しいコピー用紙をシュレッダーにかけたものを使用すると良いでしょう。コピー用紙は新聞紙の代わりに丸めて緩衝材としても使うことができます。
まとめ
緩衝材の読み方、その材質や種類、使い方などご紹介してきました。緩衝材が急に必要になった時にはコピー用紙など新品の安い紙類があると便利ですね。他の人に送るのではない場合は、タオルや古い衣類なども緩衝材の代用として使用できます。 大切で壊れやすい物を衝撃から守ってくれる緩衝材。上手に使って壊れやすい物を保護していきましょう。