自己融着テープとは
まず初めに自己融着テープとは、粘着剤を使っていないテープのこと。２～３倍に伸ばしながら巻きつけることにより、テープの表と裏が密着して一体化するのが自己融着テープです。一度融着すれば、ビニールテープのように剥がすことはできません。
テープ同士がくっつくので隙間がなくなり、剥がすときはカッターで切ることになります。なので、一度くっついてしまえば防水性も高いのです。
自己融着テープの誕生
自己融着テープはどのように誕生したのか。１８８７年、東京電燈が家庭用電灯の発電を始めました。その便利さから全国で電灯会社ができました。電気機器は国産化が始まったばかりだったため、ゴムテープなどすべて輸入品を使用していました。
そもそも自己融着とは何か？
※自己融着性…テープをパイプなどに巻きつけたとき、重なった部分にほんの少し空間ができてしまいますが、時間が経つにつれて粘着層のブチルゴムが少しずつ流れて、ほんの少しできた空間を埋め尽くしてしまう性質のことです。
自己融着テープは何からできているか？
自己融着テープは、ブチルゴムからできており、石油が原料の合成ゴムとなっています。1937年にアメリカのスタンダード・オイル社で開発されました。ブチルゴムは加硫してないので、もともと自分同士でくっつく“自己融着”の性質も持っています。
ブチルゴムは、自着性に富む素材ですが、形が崩れて流れてしまうため、ポリエチレンを加えて完成しました。組み合わせて完成したのが“自己融着テープ”です。
ブチルゴムとは
そもそもブチルゴムとは、合成ゴムの一種で、イソブレチンとイソプレンとの共重合体。イソプレンが少ないため、不飽和度の小さいゴム質で加硫しにくい。
１００均の自己融着テープ
１００均にも自己融着テープがあります。コストを考えると、１００均の自己融着テープでもいいかもしれませんね。
１００均では２Ｍ１０８円 ホームセンターでは１０Ｍ
自己融着テープの防水ってどうなの？
まず、ビニールテープ、ハーネステープと呼ばれるものは防水性が低いと言われています。先ほど話したブチルゴムですが、ブチルゴム仕様により密着性が高く、耐水性、耐湿性、絶縁性に優れているので、水道管の防水、水漏れの補修に最適なのです。
防水なら、自己融着テープ
屋外で雨などかかる場所、湿気が多い場所などでは防水性が心配ですし、金属が錆びる場合もあります。そんな時こそ“自己融着テープ”なのです！一度融着すると普通のビニールテープのように剥がすことができません。
そのため、一度装着すれば防水性能は高いのです。気をつけるコツは、巻き方です。防水性に優れているテープを紹介します。
①３Ｍ自己融着性絶縁テープＮｏ．２２４２
特長：鉛フリータイプです。テープ同士が自己融着によってくっつく、電気絶縁テープです。電気絶縁性・防水性に優れています。用途：電気接続部の絶縁・防水・シールなど。水道管の水漏れ補修。凸凹部の絶縁・防水。仕様：ライナーなし、切断にはカッターが必要です。
②レクター・アーロンテープ
特長：ぽたぽた落ち漏水、滲み補修。圧力がかかっている状態で補修できます。テープ同士が自己融着することで、簡単に補修を行うことができます。接着剤不使用、ゴムの伸縮性と密着力でテープ同士が融着し、破損部分や隙間を塞ぎます。
べたつきはなし。用途：水漏れ：エアー漏れなどの配管補修、各種ホースの補修。注意：塗装不可 ※テープ巻き付け後、保護のために上からレクターハイテープ・クイックテープまたはレクターシールの併用がおススメです。
自己融着テープの耐熱性
☆特長☆ マイナス５０℃～２６０℃超耐熱性 シリコンタイプが一番耐熱性に優れている。低温下でも柔軟性が高く、作業性に優れています。
シリコンテープ
ゴムとゴムが完全接着のため、接着材のベタベタが一切なく、テープを取れば元の状態です。
シリコン・シリカ配合のため、-５０℃～２６０℃で安心して気密・絶縁・非伝導・防水のシール材、又、柔軟グリップ材、耐熱緩衝剤としても使用でき、優れた性能により、さまざまな用途で使用ができます。
必見！自己融着テープの使い方・巻き方のコツ！
使い方は簡単！！ポイント！使うときに時に『引っ張る』伸ばして使うことです。というのも通常のテープから発想して、テープ同士がくっつかないように開発したのが、自己融着テープなのですね。使うときは、テープを引き伸ばすことによって巻くと融着します。
☆使い方のコツ☆ テープを引っ張りながらテープを巻いていきます。半分重なるようにしてください。注意！！ 一度融着させたテープの再利用はできません。
自己融着テープの絶縁とは
日東 アセテート粘着テープ NO.5 1920
出典:楽天絶縁とは、電気機械や各種の電気回路・電子回路において、感電防止や電位の分離などを目的として、不導体もしくは各種の部品や装置を利用して、電流を遮断することです。
電線や地下テーブルの接続部分に、絶縁用としても使われています。伸ばしながら巻きつける。実際の工事現場などでは、この上にさらにビニール粘着テープで保護巻きして、絶縁効果を高めてます。また、ゴルフのグリップなどに巻きつけて、滑り止めとしても活用されています。
巻きつけたテープが一体化して絶縁耐力が増加するため、６６００Ｖの電圧にも耐えられ、高電圧のものを運ぶために、絶縁テープだけではなく誘導テープも使用することで安全を確保できます。
電圧によって異なるテープを使う理由
発電された電気が家庭に届くまで電圧は変わります。電圧によってテープも変わる。高電圧(６６００Ｖ)では自己融着テープ、定電圧(２００Ｖ・１００Ｖ)ではビニール粘着テープ ※電気を安全に運ぶために、電圧にあった絶縁テープを使う必要がある。
ビニール粘着テープは色の識別ができるほかに、コストも抑えられるが、高電圧では絶縁破壊を起こす危険があるため、コストは高いが電圧に耐えられる自己融着テープを使います。
絶縁破壊
ビニール粘着テープは多層巻きするとズレてしまうため、６６００Ｖだと絶縁破壊を起こす危険があります。※絶縁破壊…絶縁体に加わる電圧を増していくと、限度を超えた段階で絶縁性を失い、大電流が流れてしまう現象のことです。
自己融着テープの種類
種類が沢山あります。
☆プチル自己融着テープ☆
☆粘着性ビニールテープ☆
☆自己融着性絶縁テープ☆
☆自己融着テープ☆
☆保護用ＰＶＣテープ☆
☆自己融着テープＦＢ－Ｗテープ☆
☆自己融着性テープ「ハイボンテープ☆
☆ブチルゴムを主成分とした自己融着性☆
☆ポリエチレン基材＋ブチルゴム☆
☆加硫クロロプレンゴム基材＋ブチルゴム☆
塩化ビニールタイプ
まず、思い浮かぶのは塩化ビニールタイプ。このテープは絶縁性が高いことでも有名で、耐熱性や耐寒性も優れています。さらに柔軟性もあるので。伸ばして貼り付けも可能です。
アセテートクロス
寺岡製作所 アセテートクロス粘着テープ
出典:楽天塩化ビニール製より使いやすいとされているのが、アセテートクロス。柔軟性が高く凹凸のある面にも、ぴったりと貼れます。また手で簡単に切れるので、作業の時間短縮にもなります。
ガラスクロス
耐熱性に優れているガラスクロス。ガラス繊維を使った布のことで、高い耐熱性を持っている商品です。かなり高い熱まで耐えられます。それだけでなく、引張強度も高く破れにくく頑丈なテープになっています。
ブチルゴム(自己融着)
そして、ブチルゴム。(自己融着) 引っ張って巻いて一体化する性質。剥がれると困る箇所や防水性が欲しいのなら、ブチルゴムがおススメです。
まとめ
自己融着テープは優れたテープです。ただ巻き方を間違えなければですが、有効に使えるはずです。ですが巻き方を間違えてしまうと、防水にもなりませんし、耐熱にもなりません。巻き方のコツをしっかりとすれば、優れたテープなのです。
種類も豊富で、配線の処理、防水加工、パイプの補修など、選び方次第でいろんな用途に使えます。