ハイビスカスの特徴
ハイビスカスの特徴についてご紹介します。ハイビスカスはアオイ科フヨウ属(ハイビスカス属)に分類されています。ハイビスカスの花弁は、赤や黄色のほかに白、ピンク、オレンジなど南国の雰囲気を感じさせる色合いばかりです。ハイビスカスの開花時期は5月~10月の基本夏の間です。ハイビスカスの花の寿命は1日限りなのが特徴です。朝咲いて夕方には枯れてしまいます。最近では品種改良も進んで2日花を咲かせてくれるハイビスカスもあるようですよ。
ほとんどの地域で楽しまれているハイビスカスは鉢植えです。草丈30cmほどのものがほとんどです。沖縄などの温かい地域では地植えで楽しまれていて、草丈が3mまで成長します。ハイビスカスの原産地はハワイ諸島などで、イメージ的にはやはり沖縄の花の印象が強いですよね。
育てるポイント
ハイビスカスの栽培ポイントについてご紹介します。ハイビスカスの栽培場所は、日光が良く当たる場所です。ですが、夏の間は屋外で育てるのではなく半日陰へ移動させてあげてください。関東地方では庭植えに向いていないので鉢植えで育ててあげましょう。
ハイビスカスは暑さにも弱いですが、寒さにも弱いです。なので、冬越しを行わなければいけません。冬越しの方法について説明します。ハイビスカスの冬越しは、10月末頃までに室内へ取り込みます。冬越し前には剪定を行っておきましょう。 庭植えにしている場合の冬越しは、鉢上げを行わなければいけません。株を掘り上げて根を切って鉢へ植え付けます。屋外で冬越しする場合は、なるべく寒さに強い品種を選ぶようにして日当りのいい場所で育ててくださいね。冬越しを行ってハイビスカスを枯れさせないようにしましょう。
ハイビスカスの種類
ハイビスカスの園芸品種は主に3系統に分けられています。大輪系の花を咲かせて花色の種類がたくさんあるハワイアン系、花の大きさが小さく花色の種類が少ない在住系、花の大きさが小さく草丈が高くなるのが特徴のコーラル系があります。ハイビスカスのイメージは、暑さに良いイメージがありますが実はそうではありません。コーラル系以外のハイビスカスは気温30℃を超えてしまうと花が咲かない原因になります。自分の住んでいる地域に合わせてハイビスカスの種類を選んでくださいね。
ハイビスカスの育て方1「種まき・植え付け」
ハイビスカスは種からと苗から育てることができます。種から育てる場合は、ポットに植えて苗を作ります。種まき方法、苗植え方法をご紹介します。
種まき
ハイビスカスの種まき時期は、苗植えより少しはやめの4月頃です。生育ポットを使って種まきを行います。土はパーライトとパーミキュライトを混ぜた土を使います。種まきをする前に土を湿らせておきましょう。種は、一晩水につけておくと発芽しやすくなりますよ。 ポットに種まきをしたら土の表面が乾かないように水やりを行っていきます。本葉が4枚ほど出てくるまで日陰で育てていきましょう。本葉が育ったら苗の完成です。あとは鉢植えや地植えにしていきます。
鉢植えの方法
種まきを行って苗を作った場合は問題ありませんが、苗を購入した場合は根がかなり成長しているので早めに植え付けを行ってあげてください。鉢の底に鉢底石を入れて土を半分ほど入れます。ハイビスカスの苗を入れて、周りに土を入れて苗を固定させたら完成です。
地植えの方法
ハイビスカスの地植えに大切なのは日当りです。午前中からお昼過ぎまで日の当たる、西日の当たらない場所へ植え付けましょう。5月~10月の間、気温が6度以下になる地域では地植えは難しいです。冬越しは鉢上げを行ってあげてくださいね。 花壇などに穴を掘って苗を植え付けます。鉢の大きさより大きめの穴をほってください。半分ほど根をほぐしてあげましょう。地植えの場合、害虫がつきやすいので注意してあげましょう。
ハイビスカスの育て方2「土・肥料」
土作り
ハイビスカスを育てるための土作りについて説明します。ハイビスカスは水はけのいい土を好みます。自分で配合する倍は、赤玉土(小粒)7:腐葉土3の配合がおすすめです。水はけが悪いと感じたら配合した土に3割程度バーミキュライトを混ぜてあげましょう。
肥料
ハイビスカスの肥料の与え方について説明します。肥料を与える時期は、春から秋の成長期です。化成肥料などを多めに株元へ施します。元気がないと感じたり、夏の暑さのせいで成長が遅くなっているときは、薄めた液体肥料を与えてあげましょう。地植えの場合も肥料の与え方は同じです。
ハイビスカスの育て方3「水やり」
ハイビスカスの水やりについて説明します。春から秋にかけての水やりは、土の表面が乾いたらたっぷりと与えます。特に、ハイビスカスの開花時期は水分を多く必要とするので水切れしないように水やりを行ってください。夏場は特に水不足になりやすいです。関東以西で育てている場合は、朝と夕方2回水やりを行いましょう。 冬は乾燥気味に育ててください。地植えの場合は、乾燥が続くときだけ水やりを行いましょう。室内へ取り込んでいる場合は、暖房の風が当たらないように注意し、乾燥しないように葉水を行いましょう。
ハイビスカスの育て方4「植え替え」
ハイビスカスはとても生育が盛んです。なので根詰まりを起こしやすいです。毎年植え替えを行って根詰まりを防ぐことが大切です。ハイビスカスの植え替え時期は5月~6月です。この時期以外にも、鉢の底から根が出てきていたり、水やりを行ったとき浸透しにくくなったら根詰まりを起こしている可能性があるので植え替えを行ってあげましょう。
植え替え方法
ハイビスカスの植え替えの手順について説明します。まず、鉢からハイビスカスの苗を取り出します。根についた土を手で崩していき、ハサミを使って根を切っていきます。今まで使っていた鉢より一回り大きな鉢に植え替えをしていきます。鉢底に鉢底石や軽石を入れて土を入れていきます。株を植え付けたら土を入れて株を固定していきます。植え替え後はたっぷりと水やりを行ってください。植え替え後、1週間は直射日光に当てないようにしてください。根がしっかりついて来たら日向へ移動させましょう。
ハイビスカスの育て方5「剪定」
剪定方法
ハイビスカスの剪定方法について説明します。ハイビスカスの剪定時期は10月~11月の花が咲き終わったころです。ハイビスカスの株の全体を半分にする勢いで剪定していきます。また、剪定を行うことでハイビスカスの様子を把握することができます。剪定した枝の切り口が茶色であれば枯れています。緑であれば枯れていません。ハイビスカスの様子を確認したいときは、枝を剪定して確認しましょう。冬になると葉が落ちます。葉が落ち始める前に葉を剪定してあげてくださいね。
花がら摘み
ハイビスカスの花がら摘みについて説明します。ハイビスカスの花は一日で枯れてしまいます。咲き終わった花は自然に落ちていきます。花が落ちたらがくの部分をハサミで切り取ってあげましょう。5月~10月の開花時期の間は毎日行ってあげてください。しっかり花がら摘みを行ってあげることで翌年の花への養分を回すことができます。種が欲しいときは、いくつかそのままにしておいて種を採取してください。
ハイビスカスの育て方6「増やし方」
ハイビスカスの増やし方について説明します。ハイビスカスは種類によって増やし方が異なります。在住系とコーラル系は挿し木、ハワイアン系は接ぎ木で増やしていきます。一般的には挿し木という増やし方で増やしていきます。増やすのに適している時期は、5月~7月です。挿し木と接ぎ木の増やし方についてご紹介します。
挿し木の方法
挿し木での増やし方について説明します。挿し木を行うことができるハイビスカスは二年目以降の株のものです。挿し木に使う土は無菌・無肥料のものを使用します。まず、ハイビスカスの枝を10cmほどに切り取ります。切り取った枝は下の葉を取り除いておきましょう。2週間ほど水につけて水あげを行います。
準備した土を水で湿らせて、3cmほど埋まるように土に枝を挿します。明るい日陰で管理していきましょう。10日ほどは土がずっと湿った様態になるように水やりを行います。その後は土の表面が乾いたらたっぷり水を与えましょう。約1か月ほどで発根するので、鉢植えに変えます。生育に合わせて鉢を大きくしていき、株を大きくしてあげてください。
接ぎ木の方法
接ぎ木の方法について説明します。まず、ハイビスカスの台木を準備します。枝や葉を切り落として幹を10cmに切り落としたものです。穂木も葉をすべて取り除いて10cmほどに切っておきましょう。穂木の切り口を削っていきます。ナイフを使って鉛筆を削るようにすぱっと削りましょう。両側から削って、V字に見えるようにしてください。
台木のほうは、上から下に向かってまっすぐにナイフを入れていきます。ぐりぐりナイフを動かしたり刺しなおしたりせずにしてください。台木の切り口に穂木を差し込みます。ぴったり合わせることが成功のカギです。あとはテープでしっかり固定してあげてください。接ぎ木での増やし方は難しいので初心者の場合は、挿し木をおすすめします。
ハイビスカスの栽培で注意したい病気・害虫
ハダニ
暖かい時期になるとハダニが発生しやすくなります。ハイビスカスの株の成長期はハダニに気を付けましょう。3月~10月の湿度が高くなる時期は要注意です。ハダニに養分を吸われてしまうと葉が白くなります。水を吹きかけたり、農薬を使用して駆除していきましょう。
アブラムシ
ハイビスカスの生育期に合わせてアブラムシが発生しやすくなります。花や茎から養分を吸い取り、生育を遅くしてしまいます。発生した場合は手作業で駆除し、大量発生している場合は農薬を使用して駆除していきましょう。
すす病
ハイビスカスは1年中すす病に気を付けておかなければいけません。すす病にかかってしまうと、葉の表面にすすがついたように黒くなります。進行すると株が弱ってしまいます。すす病の原因はアブラムシなどの害虫です。すす病にかからないようにするためにも害虫対策をしっかり行いましょう。
ハイビスカスを育ててトロピカルな印象に!
ハイビスカスは、意外と暑さと寒さに弱い植物です。イメージでは、暑さに強いイメージですよね。ですが、意外と繊細な植物です。育てる場所や手入れはしっかり行ってあげてください。ハイビスカスは育て方が少し難しいので初心者より、ガーデニングになれている人におすすめですよ。ハイビスカスを庭先で育てて、南国気分を味わいましょう。