日本で愛される桔梗の季節
桔梗といえば、日本人になじみの深い和風の可憐な花です。桔梗が咲く季節になると、どこか探してしまう、そんな経験をお持ちの方も多いのではないでしょうか?桔梗を愛した日本の歴史は古く、家紋として使う武家や秋の七草のひとつにも挙げられていますね。そんな桔梗は、もともと日本全土の山林地帯に自生していたもので、可憐で清楚な淡い紫色の花が特徴ですよね。しかしここ最近では、桔梗の花の色も増えてきました。白色・季節の早いもの・白×紫のダブル咲きなどもあるんです。桔梗の季節をもっと楽しめる、さまざまな桔梗の魅力に迫っていきたいと思います。
日本中を魅了する桔梗の季節
桔梗は、昔から日本人に愛されてきたかわいらしい草花です。その歴史は古く、万葉集にも登場しています。今でも広くガーデナーから愛され続け秋の季節の庭園にはなくてはならない存在になっています。また、桔梗は鎌倉時代では多くの武士からも愛され、家紋にも用いる愛されようでした。日本人の心を鷲づかみにした桔梗の季節はいつなんでしょうか?さっそく見ていきましょう。
桔梗の季節の訪れ
春の七草と並んで、秋の七草がありますよね。桔梗は、秋の七草のうちの一つなんです。秋の七草とは、・女郎花(おみなえし)・ススキ・桔梗・撫子・藤袴(ふじばかま)・葛・萩(はぎ)の七つを指しています。秋の七草は、万葉集で山上憶良という人が詠んだものが秋の七草に数えられたそうです。「秋の野に、咲きたる花を、指折り、かき数ふれば、七種(ななくさ)の花」、そして「萩の花、尾花、葛花、瞿麦(なでしこ)の花、姫部志(おみなえし)、また藤袴、朝貌の花」というものです。桔梗が出てきていないように感じますが、実は「朝貌の花」というのが桔梗ではないかというのが有力だそうで、今では秋の七草の一つとして桔梗は定着しています。
桔梗と季節の草花の共演
秋の七草に数えられていますが、桔梗の開花時期は春から秋まで季節をまたぎます。開花時期が長く、春の季節から秋まで開花するため、その間の季節の様々な草花と上手に共演します。主張しすぎない姿は大和なでしこを連想するでしょうか?どんな花とも波長を合わせて、よくなじみます。季節によって様々な桔梗の表情を見ることができますね。
桔梗の季節は絶滅危惧
桔梗は、春から秋まで長く楽しめるあでやかな草花でした。桔梗はそもそも東アジアに広く分布している多年草です。日本でも、昔は山林や草原などで自生している姿を見ることができていました。しかし、近年は桔梗にとって好まれる土壌や日当たりがなくなり、絶滅危惧種になってしまいました。桔梗の根は、太くまっすぐに伸びています。その姿は、小いさな大根のようになっています。この太くまっすぐな根に、桔梗はたくさんの栄養を蓄えているんですね。この太い根は人に対しても良い効果があるとされ、古くは漢方薬に利用されていました。その根を目的に、たくさんの桔梗が掘り起こされ、たくさんの桔梗の園芸品種も明治中頃には絶滅してしまいました。今の桔梗の園芸品種も、いつ絶滅してしまうかわからないということで、絶滅危惧種に指定されています。桔梗の咲く季節が楽しめなくなってしまうのは悲しいですよね。
日本が魅了される桔梗の季節
絶滅させてしまった品種もあるほど人気のある桔梗ですが、それでもやはり桔梗の咲く季節は楽しみたいものです。桔梗を自宅で栽培してみるのもよいかもしれません。畑などを荒らすこともなく、自宅で桔梗が咲く季節を楽しめるのも情緒を感じますね。さて、桔梗の季節にはこんな面白い姿を見ることもできますよ。桔梗の蕾の季節から観察していると、蕾が徐々に風船が膨らむようにして咲く姿を見ることができます。この状態のことを英語では「バルーン・フラワー」と表して呼んでいます。また、この膨らんだつぼみ状態で花びらを開くと、水が出てきます。
七草の季節の桔梗・基本情報
桔梗の基本情報をまとめました。
科名・属名
桔梗の科名属名は、キキョウ科キキョウ属です。
学名
桔梗の学名は、「Platycodon・grandiflorus」でした。
和名・別名
和名はそのまま、桔梗です。別名では、アリノヒフキやボンバナ、ヨメトリバナなどと呼ばれているようです。
原産国
桔梗の原産国は、日本・東アジアです。
桔梗の花名由来
桔梗という花名の由来には、2つあります。まず、桔梗という花の漢字の読み方が「キチコウ」と中国で読ばれていた古都から由来するという説。そして、昔の儀式で神に吉凶を占ってもらう時に桔梗をお供物してしていた時代がありました。その時に占う吉凶が、そのまま桔梗を「ききょう」と呼ぶようになったという説があります。
分類
桔梗の分類は、耐寒性多年草です。宿根草なので、土壌が合えば毎年桔梗の季節にはきれいな花を毎年開花してくれます。
桔梗の開花時期
桔梗の咲く季節を紹介します。
桔梗の開花時期・季節
桔梗の開花時期は、5月中旬~9月です。
桔梗が誕生花の日
桔梗の誕生花は、8月2日・8月28日・9月1日でした。夏と秋の季節になっていますね。
七草の季節の桔梗・花言葉
桔梗の花言葉をまとめました。桔梗には、主な花言葉と、色別の花言葉が設定されていました。桔梗の花には、実は紫や白などがあり、色によっても花言葉があるんですね。ここでは、ピンクの桔梗の花言葉・白の桔梗の花言葉・紫の桔梗の花言葉をそれぞれ紹介していきます。
紫桔梗の花言葉:「永遠の愛」「誠実」「清楚」「従順」
桔梗全体の花言葉は、「永遠の愛」・「誠実」・「清楚」・「従順」でした。桔梗のかわいらしい花の見た目そのもののような花言葉ですね。
白桔梗の花言葉:「従順」
白い桔梗の品種は多く、紫の桔梗に並んで植えられていることも多い色です。白の桔梗は、やはり見た目にあった「従順」といった昔の大和お撫子のような印象ですね。
ピンク桔梗の花言葉:「薄幸」
ピンク桔梗の花言葉は、「薄幸」でした。紫の桔梗の花言葉は「清楚」でしたが、ピンクの桔梗はやや薄い色味をしていてはっきりした色ではありません。その点から「か弱い女性」や「儚さ」「虚しさ」「薄幸」な印象を持たれるようです。
桔梗の花言葉由来
桔梗の花言葉の由来は、花言葉とは裏腹に少し悲しい話が由来だったようです。例えば、桔梗の花言葉の「永遠の愛」と「誠実」という花言葉は、恋人の帰りをひたすら信じて一生涯待ち続けていたという話に由来しています。けなげに待ち続けている姿に、見えてきますね。
桔梗の季節には白も見られる
桔梗にはたくさんの園芸品種があります。桔梗の品種についてみていきましょう。開花時期が早い品種もあります。
アポイギキョウ
普通の桔梗よりも小さく育つ矮性タイプ。中でもアポイギキョウは代表的な品種で小型の桔梗です。その草丈は約10から20cm程度に収まりますので、生け花にも向きます。ピンクや白などがあります。
ウズキキョウ
白の桔梗とピンクの桔梗があります。葉がちりめん状になる園芸品種。
五月雨
早い時期に咲くタイプの桔梗です。開花時期は、5月下旬から6月にはどんどん花が咲き始めるます。紫・白・ピンク・絞りなど豊富な色の桔梗があります。
桔梗の季節を楽しむスポット
自生している桔梗はなかなか見れなくなりましたが、桔梗の季節にぜひ行ってみたい桔梗の庭園を紹介していきます。
廬山寺(ろざんじ)
京都にあるお寺です。ここは、紫式部の邸宅のあった場所でまさに源氏物語が書かれた場所です。豊臣家が徳川の怒りを買って取り壊されたという歴史があまりにも有名な悲劇的な場所でもありますが、豊臣家ゆかりの寺として人気のあるスポットです。桔梗は約1000本が咲き誇ります。 住所:京都市上京区寺町通広小路上ル北之辺町397 桔梗の数:約1,000本 開花時期:6月中旬~7月中旬 時間:9:00~16:00 金額:400円 駐車場:10台無料あり
ききょうの里 谷性寺(桔梗寺)
桔梗の里は、谷性寺という場所にあります。「桔梗寺」とも呼ばれていて、京都で桔梗を見たい人は一見の価値があります。桔梗を家紋にしていた明智光秀の首塚があります。 住所:京都府亀岡市宮前町猪倉谷性寺門前 桔梗の数:50,000株 開花時期:6月下旬~7月中旬 時間:9:00~17:00
桔梗が家紋の武家
桔梗は、武士からも愛されていました。その象徴が明智家で、桔梗を家紋に使っていたんです。武士がこれほどまでに桔梗を愛したのには理由がありました。鎌倉時代に土岐光衝が戦に出かけることになります。その時に戦場で一輪の桔梗が咲いていました。願掛けのつもりで桔梗の花を摘み、兜に挿して戦に出たところ思わぬ好戦となり、戦にみごと勝利しました。その折、桔梗を戦場の縁起花として家紋にしました。このことがきっかけになり、瞬く間に噂は広まっていきます。その紋章は桔梗紋と呼ばれ、桔梗をモチーフにして様々な紋章が出来上がりました。五角形の桔梗のバランスの取れた美しさに、好んで家紋として使用されていったようです。
桔梗の着物
桔梗のデザインは美しく、広く着物にも使用されました。武士だけが身に着けるものではなく、着物として一般的に広く扱われるようになります。桔梗の紋の形にはたくさんの種類があり、桔梗の花、三つ割桔梗、三つ葉花桔梗、抱き桔梗や中心に円を描いたものなどがこしらえられました。
桔梗の季節を楽しもう
いかがでしたか?桔梗についての詳しい詳細や、豆知識が増えたと思います。桔梗について触れてきましたが、自分でも育ててみたいですね。育て方も簡単で宿根草なので毎年桔梗の開花時期が待ち遠しくなるのではないでしょうか?桔梗が咲く季節には、一段と楽しめますね。