しじみ:砂抜き方法
お味噌汁にいれると美味しい、しじみは子どもから大人まで愛されている具材だと思います!食べて美味しく、栄養価も高いのが魅力的です。美味しいけれども、しじみを食べた時に「ジャリっ」という感触はなんとも言えない気持ちになりますよね。今回はしじみの砂抜き方法を「美味しくする砂抜き方法」「簡単で短時間にできる砂抜き方法」とをご紹介していきたいと思いますので、ぜひお試しいただければと思います!
しじみ砂抜き:短時間で簡単にする方法編
短時間でしじみを砂抜きするために必要なものは温度が45度から50度に温められたお湯とバットで行います。しじみだけではなく、はまぐりやあさりでも同様に行うことができます。通常は水の温度は気にせず砂抜きをおこないますが、砂抜きする水の温度を上げることで、何時間もかかる砂抜きが短時間でできてしまうので驚くほど簡単にしじみの砂抜きを行うことができます。
用意するもの
・しじみ(あさり、はまぐりもできます) ・温度45度から50度のお湯 ・平たいバット
しじみ簡単砂抜き:手順
1.温度45度から50度のお湯を用意します。 2.バットの上にしじみを並べます。(重ならないようにするのがポイントです。) 3.水道水で軽くしじみをもみ洗いしたあと、しじみが浸かるまでお湯をいれます。 4.5分ほど放置して完成です!
しじみ:簡単砂抜きについて
お湯で砂抜きする方法のことを「50度洗い」と呼ぶそうです。お湯が沸騰するくらいの温度だと貝のだしが出てしまうので注意が必要です。水の温度は人が飲めるくらいの温度で行います。実際のところ、しじみのような小さな貝は5分の放置だと完全とは言えず、数個はジャリっとする確率が高いので、心配な方は10分から20分とすこし長めに放置してみると良いと思います。
しじみ「50度洗い」の味は?
正直なところ、プロの料理人は50度洗いはしないそうです。理由として、お湯の温度がしじみにストレスを与えてしまうと感じているようで、旨味が抜けてしまうのだそうです。50度洗いと呼ばれるしじの砂抜きは、時間がないので短時間で砂抜きをしたい!という状況以外は通常の砂抜きをしたほうが無難かもしれません。
しじみ砂抜き:美味しくする方法編
次に紹介するしじみの砂抜き方法ですが、プロの料理人なども実際にされている方法です。しじみを美味しくいただくこともでき、しじみの砂抜きをより確実に行えるので、ジャリっという確率もかなり低くすることができるのでオススメです。
用意するもの
・しじみ ・料理用ボールかバット(鍋でも可能) ・ざる(ボールの中に入る大きさのもので、口が広く浅いものが理想的です。) ・塩 ・水
①塩分濃度0.3%の食塩水を作ります(1Lの水道水に約3gの食塩を入れます)
料理のテキストにも真水でしじみの砂出しをするようにと書いているので、料理屋さんでも、ご家庭でも水道水で垂れ流しにしてしじみの砂出しをされている方が多いようなのですが、この方法ですとせっかくのしじみの旨味成分でであるコハク酸・アラニン・グルタミン酸が逃げてしまうのです。
②ざるにしじみを並べる
この時に、なるべくしじみが重ならないように入れていくのがポイントです。しじみを並べるといったほうがわかりやすいかもしれません。しじみを重ねて入れてしまうと、上のしじみがせっかく吐き出した砂を下のしじみが吸い込んでしまうのを防ぐために重ねないように気をつけていれます。
③しじみを食塩水に入れる
しじみをいれたざるをを食塩水の入ったボールに入れていきます。この時に、ざるとボールの間に隙間をあけるのがポイントです。こちらは、ざるとボールの間をつくることで、容器の底から離れたかたちになります。そのため、しじみが吐き出した砂を再び吸い込まないようにするための工夫になります。また、底に溜まったしじみの排出物による水質の悪化を防ぐ役割もあります。
④暗い場所で置いておく
置いておく時間の目安ですが、夏は3時間から4時間くらい、冬は4時間から5時間くらいです。ポイントはあまり長時間置いておかずに比較的短時間で砂抜きをすることです。一度、砂抜きをしたしじみは弱ってしまうので、調理する4時間から5時間前に砂抜きをするのが理想的です。
⑤食塩水から取り出し放置します
食塩水から取り出したあとは、濡れ布巾を上から被せ3時間から6時間空気中で放置します。これはしじみに限った話ではありませんが、はまぐりやあさりなどの二枚貝は水がなくてもエネルギーを得られる身体の仕組みが出来上がっています。その機能が空気中で放置することにより働くことで、しじみの旨味成分であるコハク酸が増します。但し、湿り気は必要になるのでその点は注意が必要です。湿り気を与えるためにも、濡れ布巾を上からかけます。空気中の放置も長時間置きすぎるのは逆に味が落ちてしまいますので、短時間に抑える必要があります。夏場は室内の温度が高くなりすぎるので、冷蔵庫などの低い温度の場所で放置するようにした方が安心です。
⑥砂抜きの完成です!
砂抜きをしたあと、すぐに調理をしない場合は冷蔵保存または冷凍保存するようにしましょう。冷蔵保存と冷凍保存のメリットはそれぞれありますので、お伝えしていきます! また、砂抜きしたあとのしじみを洗う場合は食塩水で行う必要なありませんので、水道水でしじみ同士をこすり合わせて洗っていただいて大丈夫です。
しじみ:砂抜き時の水の量
簡単・短時間で行う砂抜きの方法と美味しくいただくための砂抜きの方法、両方に言えることがお湯や食塩水を入れる量に注意が必要ということです。どういうことかと言いますと、たっぷりの水の量であさりを浸けて沈めてしまうと、あさりが溺れてしまうということです。しじみが普段生息している、自然の湖であればしじみも自由に動くことができます。砂抜きをするときは非常に窮屈な容器の中で、数時間も砂を吐くような環境になるのでしじみが溺れて死んでしまう可能性があるということです。シジミが貝の口を開いて、水管という管を伸ばせば水の外に出られるくらいの量に調節してあげることがベストです。
しじみ:砂抜きは食塩水で!
しじみの砂抜きは食塩水でとお伝えしましたが、少し詳しく話しますと、しじみは汽水域と呼ばれる海水と淡水が混ざっているところに生息しています。そのため、しじみの生息している環境に近い環境を作るために、真水ではなく食塩水を使います。そうすることで、しじみに呼吸をさせることができ簡単に砂抜きすることができます。
砂抜き不要のしじみの場合は?
スーパーなどでよく目にする、「砂抜き済み」や「砂抜き不要」というシールが貼られているしじみの場合は砂抜きは不要なのでしょうか?実際のところはそこまで気にする必要なないみたいです。そのままでももちろん何の問題もありませんが、ご自身でしじみを砂抜きする場合はきっちりやる必要はなく、放置時間も短めと簡単な砂抜きで大丈夫です。
しじみ:冷蔵保存
砂抜きを終えたしじみを一回で使う分を小分けにして、ビニール袋に入れ乾燥しないように輪ゴムなどでとめて冷蔵保存します。夏場は3日程度、冬場は一週間前後までが美味しく食べられる期間です。冷蔵庫の中でもしじみは生きています。(それにより旨味が増していきます) 外部から栄養を取れないために徐々に身が痩せていきます。短時間であれば冷蔵保存がおすすめですが、長期間であれば冷凍保存がおすすめです。
しじみ:冷凍保存
冷蔵保存を同じように、一回分の量を小分けにしてビニール袋に入れ、輪ゴムなどで止めておきます。それを冷凍保存していきます。冷凍保存であれば、約3ヶ月間は美味しく食べられる期間です。
しじみ:保存後の調理方法
冷凍したしじみの調理方法ですが、解凍せずにそのまま加熱調理します。急激に加熱しないとしじみの口を開きにくいので、水からではなく、いきなり沸騰したお湯のなかにいれるのがポイントです!
しじみ:砂抜き後、冷凍保存でもっと美味しくなる!
しじみを冷凍すると美味しくなるという話を聞きますがそれは本当です!しじみを冷凍することによって、旨味成分の「オルニチン」が、生のしじみよりも4倍以上増えるといわれています。食塩水で砂抜きしたあと、ビニール袋にいれて冷凍します。しじみを解凍せずに冷凍のまま一気に加熱調理をしましょう。
しじみ:食塩水で砂抜きすると美味しくなる理由!
食塩水で砂抜きするとなぜ美味しくなるのでしょうか?これは浸透圧によるもので、真水ですと旨味成分が急激に減少してしまいます。しじみの生息域にもよりますがおおよそ、0.3%から0.5%ほどです。また、生息している環境よりも塩分濃度を少し濃くした食塩水につけてあげると、しじみがアラニン・コハク成分を合成してくれるので旨味成が増します。 特に旨味成分の中心であるコハク酸は食塩水で砂抜きをすると「コハク酸」が2倍から3倍に増えます。しじみを美味しく食べるためには、食塩水での塩抜き&冷凍保存で、美味しくいただきましょう!
しじみ:栄養
しじみはたんぱく質(アミノ酸)・ビタミンB12が豊富で、人間が生きていくために必要な栄養素がたくさん含まれています。
主な栄養素
ビタミンB12 たんぱく質 カルシウム 鉄 ビタミンB1
しじみ:効果効能
しじみの栄養素をおつたえしましたが、その中でも特に代表的な栄養素の効果効能を挙げていきます。ちょっとした豆知識として見てみてください。
ビタミンB12
水に溶ける水溶性のビタミンで、悪性の貧血に有効なビタミンです。ビタミンB12は葉酸と協力して赤血球中のヘモグロビン生成を助けてくれます。また、脳からの指令を伝える神経を正常に保つような働きなどもあります。
たんぱく質
たんぱく質は三大栄養素の一つであり、生きていく上でもっとも重要な栄養素といっても過言ではありません。プロテインはたんぱく質のことを指しますが、プロテインはギリシャ語でもっとも重要なものという意味なのです。髪、皮膚、血管、臓器、爪などの材料がたんぱく質です。
カルシウム
カルシウム=牛乳というイメーですが、しじみにも豊富に含まれています。また、カルシウムもとても重要な役割を果たします。カルシウムといえば骨と返ってくるほど、CMなどでのイメージが定着しています。確かにカルシウムの99%は骨になりますが、残りの1%が脳からの伝達に関わる役割を果たすのでカルシウムはなくてはならない栄養素の一つです。
しじみ:砂抜きのまとめ
簡単にできるお湯の砂抜き
先ほども少し触れましたが、時間がどうしてもないという場合は短時間で砂抜きができる「お湯」を使った方法が向いています。ただし、しじみの砂抜きを完全にするためには、しじみの状態や時間(10分から15分と少し長めにする)が関係してくるので、少しはジャリっとしてしまうかもしれません。
食塩水を使った通常の砂抜き
続いて、通常の砂抜きについてですが、あらかじめ準備する時間があるという場合は間違いなくこちらの砂抜き方法の方がメリットが多いです。しじみの旨味を引き出し、さらにお湯の砂抜きよりも確実に砂抜きをすることが可能な方法なので、ジャリっという不快な思いをすることも少なくなります。
じゃりっとしない砂抜きのコツまとめ
簡単・短時間にできる砂抜き方法とジャリっとせずに美味しくできる砂抜き方法の2つの方法をご紹介しましたが、ここでそれぞれジャリっとしないためのコツをまとめていきたいと思います。
しじみを重ならないように平らに並べる
まずは、お湯を使った砂抜きを一般の砂抜きに共通する砂抜き方法のコツは「ざるやバットの中にしじみを重ねずに平らに並べて入れることです」重ねない理由は、重なってしまうと下にいる貝が砂を吸ってしまい、ジャリっとする原因になってしまうからです。
放置するときは暗闇に置く
しじみなどの貝は薄暗いところの方が砂をよく吐きます。放置するときは冷蔵庫に入れても良いですし、ざるやバットに新聞紙やふきんなどをかけて薄暗くして起きましょう。そのまま3時間から6時間放置します。実際のところ、3時間から4時間ほどで砂抜きはできますが、確実に砂抜きができるのは6時間くらいなので、急がず焦らず6時間待った方がジャリっとせずに砂抜きできます。
美味しいしじみの選び方
ここまでせっかく美味しいしじみの砂抜き方法をお伝えしましたので、しじみもなるべく美味しいものを厳選したほうが良いですよね。スーパーなどで売っているしじみは、パックを軽く揺らしてみて水管がすばやく動くかをチェックします。泡がたくさん出れば、それだけしじみが元気な証拠でもあります。
半開きの貝は食べられない
目で見たときにしじみが半開きになった貝は、食べられません。しじみのように小さな貝はひとつひとつ目で見ていくと大変な作業になるので、音で聞いてチェックすると良いです。死んでいるしじみは、生きているしじみよりも軽いために揺らすとカラカラとした音が鳴ります。最初は聴き比べるのはわかりづらいかもしれませんが、ぜひ一度試してみてください。
しじみ砂抜き:最後に
しじみ砂抜きの方法や、栄養のこと、選び方などしじみについて情報をお伝えしましたがいかがだったでしょうか?砂抜きも簡単に行うことによるメリット・デメリット、水の温度によって短時間にできることなど、すでにご存知の方ももいらっしゃるかと思いますが、ほんの一手間かけるだけでとても美味しくすることができるので、これからしじみを使う時はぜひ一手間かけてみてください。今まで食べていたしじみが見違えるほど美味しくなるはずです!