しじみの味噌汁の美味しい作り方
しじみの味噌汁の作り方は奥が深い
味噌汁の中でも人気の高いしじみの味噌汁。少ない材料でつくれることも魅力のひとつです。このしじみの味噌汁は美味しくするためのコツがあります。いくつかの手間を加えることで、しじみ汁は格段に美味しくなります。 すぐに使える美味しいしじみの味噌汁の作り方をご紹介します。
しじみの基本情報
日本のしじみの大半がヤマトシジミ
しじみは塩分濃度の低い海域や河口に生息している小型の二枚貝です。日本において最もポピュラーなしじみはヤマトシジミと言われるもので、全国に生息しています。国内に流通しているしじみの大部分がヤマトシジミと呼ばれるしじみです。 ちなみにヤマトシジミ以外にはセタシジミとマシジミの2種が日本で生息しています。セタシジミは琵琶湖の固有種、マシジミは今では数が減少しています。
しじみの美味しい時期は?
しじみは1年中食べられますが、その中でも旬の時期は夏と冬と言われています。夏のしじみは「土用しじみは腹薬」という言葉もあり、産卵を控えた栄養たっぷりの状態です。冬は「寒しじみ」と呼ばれ、寒さで身が引き締まったしじみを食すことができます。 またこれとは別に春から初夏にかけてが最も美味しいという「春がしじみの旬」という説もあるようです。
しじみの漁獲量は島根が日本一位!
しじみの漁獲量は島根が日本一位です。なんと島根だけで全国の漁獲量の4割以上を締めています。島根の漁獲量は4172トンで、2位以下は2位が青森3147トン、3位が北海道928トン、4位が茨城495トン、5位が東京381トンと続きます(農林水産省発表の漁業統計2016年)。 漁獲量の多い地域が山陰、東北、北海道、関東と分かれていることから、しじみが日本中で漁獲できることが伺えます。
しじみと日本人
しじみと日本人の付き合いは縄文時代から?
しじみを日本人が食材として用い始めたのははるか昔、なんと縄文時代からだと言われています。貝塚からしじみの殻が多数発見されています。しじみは昔から日本全域で比較的簡単に採取できる食材だったようです。
江戸時代にはしじみ売りが職業のひとつに
江戸時代にはしじみ売りは職業のひとつとして定着していました。しじみ売りは下町の庶民の風物詩となっていたようです。 私達が普段食べているしじみは長い年月に渡って日本人の食を支えてきたんですね。
しじみの健康効果を知ろう
健康食品としても知られるしじみ
美味しいだけでなく健康食品としても知られるしじみ。ではしじみにはどういった健康効果があるでしょうか。しじみの健康効果をご紹介します。
しじみにはオルニチンが大量に含まれている
しじみにはアミノ酸の一種であるオルニチンが大量に含まれています。オルニチンは健康効果の非常に高い成分です。オルニチンは肝臓の解毒作用を高める働きがあり、肝臓の機能を守ってくれます。「飲み過ぎにはしじみ」というのは、このオルニチンの働きから来ているんですね。
オルニチンだけじゃない!しじみに含まれる成分と健康効果
しじみに含まれる成分はオルニチンだけではありません。 しじみの他の成分として貧血に効果のある鉄分も多く含まれています。また鉄分の吸収を促すビタミンB12も含まれているので効果的に貧血予防ができます。
しじみの味噌汁の作り方のコツ1
しじみの砂抜きにもコツがあり!
スーパーなどでは既に砂抜き済みのものもありますが、そうでないしじみははじめに砂抜きする必要があります。そしてこの砂抜きにもしじみの味噌汁を美味しく作るコツがあります。
砂抜きの際に塩を1%混ぜよう
しじみの砂抜きのコツは、砂抜きで使う水に塩をほんの少し混ぜることです。塩は水の量に対して1%と極わずかで大丈夫です。塩を入れることでしじみの中の旨味成分の排出を防ぎます。排出されるのが砂などの不要なものだけになるんですね。 砂抜きに塩をほんのちょっと入れる、この一手間でしじみの味噌汁がとても美味しくなります。
砂抜きは時間も重要!
砂抜きは時間も重要です。塩を含ませた水に3時間から6時間はつけておきましょう。その後しじみを水から取り出して、今度は皿などに移して乾燥を防ぐためにペーパータオルなどをかけた上で3時間ほど置いておきます。空気にしじみを晒すことで、コハク酸というしじみの旨味成分が多く作られます。 砂抜きが済んだあと、しじみは軽く水洗いをしましょう。
しじみの味噌汁の作り方のコツ2
しじみは冷凍させた方が美味しい!
塩抜きの済んだしじみをさらに美味しくするコツがあります。しじみの冷凍です。しじみは冷凍することでもっと美味しくなります。ビニール袋などで小分けにしてしじみを冷凍しましょう。
冷凍してしじみが美味しくなる理由
冷凍することによってしじみが美味しくなるのは理由があります。通常は冷凍すると味や鮮度が低下したり、また栄養素が失われてしまいます。しかし、しじみの場合は冷凍することにより、オルニチンの量が増えるのです。冷凍することによってオルニチンの量は最大で8倍にもなると言われています。 オルチニンの増加によってしじみがさらに美味しくなります。
冷凍したしじみはなぜ美味しくなるのか
冷凍したしじみはなぜ美味しくなるのか。実はそのメカニズムはまだ詳しくは解明されていないようです。一説には、しじみの環境の変化から身を守るための能力とも言われています。 身近にある食材なのにまだ解明されていない謎をもつしじみ。しじみの世界は奥が深いですね。
冷凍したしじみの保存期限は?
冷凍したしじみの保存期限は1ヶ月ほどです。ある程度の期間は保存がきくようですね。大量に塩抜きして、冷凍するときに小分けに保存して、必要な分だけを取り出すということも可能です。
しじみの味噌汁の作り方のコツ3
しじみは解凍するときにもコツがある!
しじみは解凍するときにもコツがあります。このときにしじみを自然解凍してしまうとこれまでに作られてきた旨味成分が流れ出てしまうのです。まさにこれまでの苦労が水の泡となってしまいます。注意しましょう。 しじみを使うときは自然解凍をせずに、そのまま水を入れた鍋に入れて煮立てましょう。
アクを取り除いて味噌を溶かす
火は最初は中火で煮ましょう。このときにアクが出てきますので、このアクを丁寧に取り除きます。しじみが開いてきたら弱火にして、味噌を溶かしていきましょう。
お好みの材料でトッピング
しじみ汁は材料が少なく作れる点も魅力です。しじみだけでも十二分に美味しいですが、お好みでトッピングしてください。細かく刻んだネギや三つ葉などを加えると、見栄えもよくなります。
味噌汁だけじゃない!美味しいしじみレシピをご紹介
しじみの美味しい使い方
しじみの調理方法として、しじみの味噌汁は有名です。しかし、味噌汁以外でもしじみを使った美味しい料理はまだまだあります。 しじみ汁以外の美味しいしじみ料理の作り方をいくつか紹介します。
お酒のつまみにもなるしじみの佃煮
はじめはお酒のつまみにもなるしじみの佃煮を紹介します。しじみ以外の材料は生姜と各種調味料です。材料も少なく作りやすいですね。 生姜を食べやすい大きさに切っておきます。鍋にカツオのだし汁を入れて火にかけてざらめ、砂糖、醤油、たまり醤油を加えます。この煮汁にしじみと生姜を加えて煮詰めて完成です。
いくらでも食べられる美味しいしじみご飯
しじみご飯も材料が少なく比較的簡単に作れるのでおすすめです。材料は各種調味料のほかはトッピングとして三つ葉あれば大丈夫です。 塩抜きしたしじみをお湯に入れて口を開かせせます。お湯から出して貝と身に分け、煮汁50ccとシジミの身を鍋に入れます。わいてきたら火を弱めましょう。砂糖、酒、しょうゆを入れ、汁気が1/2位になるまで弱火で煮ます。後は炊いたご飯と混ぜて完成です。
相性ばっちり!しじみパスタ
しじみはパスタにしても美味しいです。材料はお好みでトマト缶やねぎや玉ねぎなどを加えましょう。 味付け方法も様々あり、茹でたパスタとしじみを塩や醤油で炒めたり、野菜ブイヨンを加えたりなど、お好み方法で調理しましょう。しじみの旨味と成分がたくさん含まれた美味しいパスタの完成です。
しじみの味噌汁を食べよう
しじみの味噌汁は美味しい!
しじみの味噌汁についていかがだったでしょうか。このようにしじみの味噌汁はコツを知ることで今までよりも美味しく作ることができます。 古くから日本で愛されてきたしじみ。そのしじみの健康効果をこれからも美味しく調理して頂きましょう。