オニカサゴの分類
「オニカサゴ」の仲間が多く、似ている魚が多い
「オニカサゴ」は仲間が多く、類似しています。写真は代表的な「オニカサゴ」です。 多くの市場や釣りの現場では、カサゴ、オコゼ、ガシラ、オニカサゴ、オニオコゼ、等と、様々に一括りに取り扱われています。 専門的には2つの分類があります。分類の上位に当たる「目」で二分され「スズキ目」と「カサゴ目」の2つです。ですが、最下位は「オニカサゴ」であり、同じ魚と考えられます。 専門の先生のご見解では、「オニカサゴ」と特性が被った種は、2004年11月時点で12種類に整理したとの報告があります。
「オニカサゴ」の2つの分類名は
・「スズキ目」:「顎口上綱硬骨魚綱条鰭亜綱新鰭区棘鰭上目スズキ系スズキ目カサゴ亜目フサカサゴ科オニカサゴ属」 ・「カサゴ目」:「動物界 - 脊索動物門 - 脊椎動物亜門 - 有顎上綱 - 魚類 - 条鰭綱 - 新鰭亜綱 - 真骨下綱 - 棘鰭上目 - カサゴ目 - カサゴ亜目 - フサカサゴ科 - フサカサゴ亜科 - オニカサゴ属」(日本海洋データセンターより)
オニカサゴの仲間、フサカサゴです。見分けが付かない魚体ですが、オニカサゴの仲間です。
オニカサゴ/外国名
英語で3つの呼び名があります。その呼び名に共通している意味は、容姿と鰭や棘の形状と毒腺がある事から名付けられています。 ・Hairy stingfish=ヘアリースティングフィッシュ・・・針で刺す魚 ・Weedy stingfish=ウィッディ・スティングフィッシュ・・・雑草のように刺す魚 ・Scorpion Fish=スコーピオン・フィッシュ・・・サソリのように、毒がある意味の魚
オニカサゴ/学名
オニカサゴの学名:Scorpaenopsis cirrosa ( Thunberg, 1880)=スコーパノプシス・シロスタ・・・サソリ・巻きひげが直訳。サソリのように毒のある棘を持った魚の意味です。 学名は、世界に1つ、共通する命名を付ける事に決まっています。その決まりの発祥は、スウェーデンの博物学者「リンネ」により、18世紀に発案されています。 膨大な生物の名前の混乱を避ける目的で発案されたのです。地球上の生き物、全てを二名法という命名方法の発明です。二名法とは、属名と種名の二つで構成されています。
オニカサゴ/由来(漢字)
漢字: 漢字 「鬼瘡魚」、「鬼笠子」。 由来 :神奈川県三崎での呼び名にあり、鬼のような面構えからです。 地方の市場での呼び名: ガガネ/徳島県阿南市椿泊 『椿泊漁業協同組合』他のカサゴ類とともに、 カラコ/山口県下関市 、ゴウチ/山口県 長門市仙崎魚市場、 ホゴ/広島県広島中央市場 、ホゴメバル/広島県広島中央市場 キジンバチメ、等々です。
オニカサゴ/生息地域・分布
生息分布は、水深5〜171メートルと浅瀬から深場までに棲んでいます。 オニカサゴの生息は、岩場でじっとして、周囲の風景に溶け込んでいます。周囲に気が付けられないように、岩に擬態している魚です。 生息地域は、伊豆諸島、千葉県外房〜九州南岸までの太平洋沿岸、秋田県〜九州北岸の日本海沿岸、大阪湾、少ないのですが、沖縄にもいます。済州島、台湾北東部・南部、香港と広範囲に生息しています。 生態. 卵胎生。 交尾期は10月〜11月。 仔魚は11月から4月。
オニカサゴ/生態・生育環境
生態は卵胎生カサゴとは違い卵生で、雌がゼラチン質の卵嚢に包まれた卵を産み、雄がそれに放精し受精させます。 交尾期は10月〜11月。 仔魚は11月から4月。 沿岸部の比較的浅い水深5~150m程までの岩礁やサンゴ礁を中心にその周りの砂底などで甲殻類や小魚などを大きな口で捕食し成長しています。 オニカサゴは岩礁に擬態し、獲物がまじかに来るのをじっと待っています。
オニカサゴ/特徴・形態
オニカサゴの特徴は、大きいもので30cm前後です。容姿は、縦高で、魚体に対し頭部が異常と思うほど大きいのが特徴です。これは、カサゴ属の特色です。オニカサゴ属の頭部顔面は、魚体の上下、後方に向けて棘がいくつも突き出ています。エラ蓋にも鋭いトゲが沢山あり、毒腺があります。カサゴの仲間も毒を持ち、背ビレ12棘9軟条、尻ビレ3棘5軟条、腹ビレ1棘5軟条あります。 また、ヒレは鋭く尖り、胸ビレの下部軟条は分岐せず太いのが特徴です。魚体全体は、赤から赤褐色で腹は薄紅色です。体側と背ビレや尾ビレ、尻ビレなど全体に小さな黒い斑点が散らばっています。 アゴには先端が手のひら状に分岐した6つの皮弁が髭のように付いていおります。波止場などで3㎝前後の赤い棘のあるオニカサゴ属の幼魚も毒があり、素手では絶対に触らない事です。真っ赤に腫れ上がり、我慢できない痛みが生じます。
オニカサゴ/釣り情報
オニカサゴは船釣りがおすすめです。水深5m磯から沖合の171m深さの岩礁が釣り場となっています。
釣り時期
船釣りが一般的で、餌はイカなどの短冊又はルアー(ワーム)です。 時期は年間を通して釣れ、ベストシーズンは秋から春にかけて(9月から2月まで)です。時合いは、朝マズメから午前中が最適です。
オニカサゴの釣り方
オニカサゴの一般的な釣り方は、船釣りで、水深5~171mと浅場から非常に深い棚狙いの釣り方が一般的です。 エサは、サバやサンマなどの切り身やイカの短冊釣りとルアー(ワーム)釣りがあります。 ポイントは、仕掛けの着底確認、仕掛けは底から1m程度を探り、小刻みに上下します。 常に底取りし、仕掛けを浮かせないようにします。下げすぎすれば根掛の可能性が高くなります。 釣れた場合は、上がるまで暴れまくりします。取り上げる時棘や鰭に絶対に触れないようにします。神経性の毒を持っています。
釣り場所
オニカサゴの釣り場所は広く、岩礁から沖合に掛けてがポイントです。 地域的は本州中部以南に広く棲息しています。大雑把には、関東以南であればどこでも釣れます。 釣りフアンが多い、関東エリアの人気が高いのですが、伊勢湾や日本海側の富山湾、九州の玄界灘で大物の実績が上がっています。
オニカサゴ/味・選び方
オニカサゴを味合う方法はいろいろあります。まずは、釣れたてを湯引きで味合うお刺身。ウロコを付けたまま湯引きすればウロコまで食べられます。2つめ、胃袋を湯がいて食べるのが1番です。内臓系は最初は躊躇しましたが、煮つけしましたところ独特の美味しさです。そして、ヒレ酒です。 オニカサゴといえば鍋物というイメージがあります。大きな頭部は鍋です。本当、オニカサゴは、頭の骨以外捨てるところはないのです。
オニカサゴの選び方
オニカサゴの釣りたては身がしまっています。歯ごたえを味合う方にはいいのです。ですが、1週間ぐらい冷蔵庫で保存して食べれば美味しさが増します。皮と肉との間にその秘密があると言われています。
オニカサゴ/栄養・寄生虫
オニカサゴは頭部が大きくタンパク質の肉の部分が少ないように見えますが、引き締まっており、食べ応えがあります。体にいい不飽和酸系が飽和酸より多くあります。また、無機質のミネラルが豊富です。元気の源です。
オニカサゴの寄生虫
オニカサゴに寄生虫はいないと言われています。ですが、まれに、アニサキスの寄生の可能性があります。アニサキスは氷締めにしても死ないのです。 マイナス25度以上で急速冷凍しないと完全にアニサキスは死滅しないと言われています。 体内に入った場合アニサキスは胃液でも死なないのです。
オニカサゴ/料理・調理方法
オニカサゴの釣りたての鮮度の良いものは、身か引き締まり独特な風味の刺身が味わえます。透明感のある白身です。その風味には、ほんのり甘みがあり非常に旨いのです。
オニカサゴの調理前には棘の除去が重要とは
オニカサゴの背ビレや腹びれなどには鋭いトゲがあり、毒も持っています。調理する前に棘や鰭が除去処理されているのを確認します。 オニカサゴの棘や鰭には神経性の毒があります。釣り時に即座に棘や鰭をハサミで除去します。市場での購入時うかつに直に触らない事です。毒はそのまま効き、刺さると腫れあがります
オニカサゴの調理
オニカサゴは捨てるところはありません。魚体を丁寧にさばき区別し保存します。1週間程度保存します。うま味が増してきます。
オニカサゴ/釣ってよし、食べてよし
オニカサゴについての解説でしたがオニカサゴへの興味が増したのではないでしょうか。冬場に美味しい魚の1番に上げてもいいほどの魚です。事前に、料理の準備が必要ですが、ぜひ市場などで求められ骨以外を残さず味わっていただきましょう。
沖合の岩礁小島周りから沖へかけての深場が釣り場所。