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シモツケソウとは?シモツケと同じ?そんな疑問や特徴をご紹介!

山に群生して咲く花、シモツケソウ。シモツケや京鹿の子(キョウガノコ)と似ている山野草です。おもにピンク色の花を咲かせ、登山者たちの心を和ませてくれます。似た植物たちとシモツケソウの違いや、見分け方、育て方をご紹介します!
2020年8月27日
三ツ矢ナオ
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シモツケソウとは

見分け方もご紹介

シモツケソウとは、日本の山によく自生している植物です。ピンク、薄紅色の小さい花がまとまって咲き、そのあざやかな姿は登山者たちの心を和ませてくれます。まぎらわしい植物に「シモツケ」があり、混同されがち。シモツケとは親戚のような間柄ですが、別物です。シモツケソウの特徴や、似た植物との見分け方、育て方についてご紹介します!

シモツケソウの基本

シモツケソウは、関東~それより西の地域を原産とする日本の植物です。名前の由来は、現在の栃木県である下野(しもつけ)の国に多く生えていたことから。5~7月にかけて開花します。分類はバラ科シモツケ属です。バラ科というのはちょっと意外かもしれませんが、とげがあるのがポイント。おしべが勢いよく飛びだしている様子は、よく線香花火に例えられます。山の中では群落を作るので、よく目立ち、比較的見付けやすいです。濃いピンク色も目印。

シモツケソウの花言葉

花言葉は「穏やか」

シモツケソウの花言葉は「穏やか」です。しんとした心持ちのなかで見つめるシモツケソウは、確かに心を穏やかにしてくれますよね。素朴でひかえめな山野草らしい花言葉です。

シモツケソウに似た植物

シモツケ

シモツケソウには、よく似た植物が存在します。それは「シモツケ」。画像のお花がそうです。見た目だけでなく、名前もほとんど同じですよね。登山者の間でも、混同されがちです。でも、両者の違いを覚えておけば、きちんと見分けることができますよ。

シモツケとシモツケソウの違い


葉の形

いちばん分りやすい違いがこれです。人の手のひらのように、先がいくつかに分かれた葉をしているのがシモツケソウです。モミジにもちょっと似ています。対して、シモツケの葉先は、画像のようにまっすぐ。先っぽも分かれていません。

シモツケは落葉低木、シモツケソウは多年草

シモツケは低い木、シモツケソウは30~80センチほどの高さになる多年草(翌年以降も咲く花)です。シモツケは茎の部分が柔らかで、木っぽくない(木質化していない)です。ただ、シモツケは低木なので、旺盛に育ったシモツケソウと高さの面で見分けるのは困難です。

シモツケの花はアジサイのように、半球状にこんもりとまとまって咲きます。ちなみに、上の画像のように、ハート形に見える咲き方をしているものもまれにあります。運が良ければ、登山中に出会えるかも!? 対してシモツケソウは、まとまって咲くと言えばそうなのですが、シモツケよりは散らしたように咲きます。いくつかに分かれた茎の先に花をつけ、「縦の高さ」があるのがシモツケソウです。

京鹿の子(キョウガノコ)とも似ている

シモツケの他にも、見分けるにあたってややこしいのが京鹿の子(キョウガノコ)。キョウガノコはもともと山間部に自生していた植物ではなく、人の手で作られた園芸種だとされています。分類はバラ科シモツケソウ属です。側小葉がなく、頂小葉だけなのが特徴。

シモツケソウで作る野草風ガーデン!

野草の趣が強いシモツケソウ。人の手が入った感が少なく、自然な雰囲気を出せる、野草風ガーデン作りに向いているお花です。日当たりの悪い場所でも育ち、土もあまり選びません。あなたもシモツケソウを植えて、野草風ガーデンを作ってみませんか? 和風の平屋や古民家との相性も抜群ですよ! お庭を持っていない方でも、鉢植えで楽しんでみてくださいね。

シモツケソウの育て方1.場所

日当たり

半日陰が適しています。日光は少なめで育ちますが、完全な日陰はダメ。明るめの日陰~午前中だけ日の当たる場所がおすすめです。土の乾燥に弱めなので、日当たりが良すぎる場所は向きません。

ホームセンターで売られている、草花用の培養土を使えばよく育ちます。水はけの良さも大切ですが、湿り気を好む植物ですので、保水性とのバランスが良くなるようにしましょう。地植えするなら、土の乾きが遅めの場所を選びます。群生させると美しいので、広めのスペースを取ってあげると良いでしょう。


シモツケソウの育て方2.水やりと肥料

水やり

土の表面が乾きだしたら、たっぷりと水を与えましょう。乾燥は好まないので、まめに水やりすることが大切です。地植えした場合も、雨水だけに頼らず、水やりをするのがベターです。

肥料

植え付けるとき、元肥として緩効性肥料を与えます。その後の肥料は、春~秋に与えましょう。市販の液体肥料で大丈夫です。また、地植えの場合は鉢植えほど肥料を必要としません。花つきが悪いときに与えてみる程度で良いでしょう。

シモツケソウの育て方3.かかりやすい病気

うどんこ病

シモツケソウがかかりやすい病気は、うどんこ病です。うどんの粉をまぶしたように白っぽくなります。この白い部分はカビ。うどんこ病にかかってしまった部分は、見た目が悪いので切り取ってしまうことをおすすめします。

シモツケソウの育て方4.増やし方と植え替え

株分け

株分けで増やせます。株分けとは、大きくなってきた植物の根を切り分けて、別々の株として育てていく方法です。シモツケソウの場合、種まきは基本的に行いません。最初は苗を買ってきて、大きくなってきたら株分けをすると良いでしょう。

植え替え

地植えであれば特に必要ありませんが、鉢植えで育てている場合、根が伸びていける範囲を広げてあげるために植え替えを行います。2年に1度ほどの頻度で、時期は2~3月が良いでしょう。何年間も植え替えせずに放っておくと、根が鉢の中でぐるぐる巻きになり、根詰まりを起こします。植え替えをするときは、もとの鉢よりひとまわり大きな鉢へ移してあげてください。大きい鉢の用意が難しいのであれば、株分けをしてコンパクトなまま管理するのもありです。

知っておきたい特徴

冬の寒さは大丈夫?


植物を育てるとなると、気になるのが耐寒性です。シモツケソウは寒さに強いので、とくに防寒対策は必要ないでしょう。充分に屋外で越冬させられます。鉢植えにこだわる必要もあまりないでしょう。ちなみに、耐暑性は普通です。シモツケソウは日陰になりがちな場所に植えられる植物なので、直射日光にさらされることは少なく、あまり気にしなくても夏越しできます。

シモツケソウの盆栽

シモツケソウは盆栽としても親しまれています。ただ、盆栽の中ではそこまでメジャーではありません。

山野草共通の育て方

シモツケソウ以外の山野草を育てたいときにも、覚えておきたいポイントがあります。それは、砂礫(されき)地や傾斜に生える植物が多いので、根の通気性をしっかりと保たなければならないということ。浅めに植え付けてあげましょう。

山野草ガーデン作りのコツ

落葉樹を植える

山野草は半日陰を好むものが多いので、落葉樹を植えて日陰を作ってあげます。また、冬になると落ちた葉は自然と腐葉土になり、土壌改善の効果をもたらしてくれますよ。マンションの小さなベランダだと、木を植えるのは困難ですが、自由に使えるお庭をお持ちなら、ぜひ木と組み合わせてください。

四季折々の山野草を植える

山野草ガーデンの醍醐味は、なんといっても四季の移ろいを自然な姿で楽しめるところです。いつも花が咲いている状態にしたいなら、当然ですが開花時期の違う花々を植える必要があります。たとえば、2~4月はバイモやニリンソウ、5月~梅雨はホタルブクロ、夏はシモツケソウやリンドウ……といった風です。一年ごとに新しい植物を植えるのが面倒なら、多年草を地植えしましょう。鉢植えにすると、根の生長に合わせた植え替えの手間がかかります。水やりも頻繁に必要。ただし、気候によって場所移動ができるのはメリットです。

まとめ

いかがでしたか? シモツケソウの見分け方や半言葉、育て方をご紹介してきました。ピンクの花が可憐で、ひっそりと山に咲いていながら華やいだ印象のある植物です。一面にシモツケソウが咲いている様子は圧巻! 山に登ったときは、ぜひシモツケソウを探してみてくださいね。似ているシモツケと見分けるコツは「葉を見ること」! 葉先がモミジのように分かれているのがシモツケソウ、分かれていないのはシモツケですよ!