はじめに
今や温室栽培で通年栽培できるししとう、そんなししとうの種、調理の際にあなたは取り除きますか、それともそのままですか。そもそもししとうの種は食べられるのかどうか、取り除く際の取り方、などについても紹介していきます。
ししとうの本当に簡単な説明
ししとうはナス科の野菜で、仲間にはピーマンやナス、とうがらしなどがあります。ししとうはさらに、甘味種というカテゴリーに分類されます。このカテゴリーにはピーマンも含まれています。甘味種があればその反対の辛味種もあるのです。というのも、とうがらしの辛さを基準に分けたのがこの辛味種と甘味種なのです。
ししとうの種を食べる?食べない?
ししとうの種は可食部である
そもそもししとうの種を食べることはできるのでしょうか。答えはイエス、食べることができます。言い換えると、ししとうの種は可食部です。何故可食部であると断定できるのかと言いますと、実際そのまま食べても問題が無いからです。
ししとうの種には毒が含まれているとか、そういうことはありませんから、可食部になるのです。
ししとうのたねを取り除く理由はどこにある?
ししとうのたねは可食部ということはわかりました、そうなるとそもそも何故ししとうのたねを取り除くようになったのでしょうか。その理由の1つは、ししとうのたねはとても辛く、食べられたものじゃないと思われてたからです。
しかし実際には、ししとうの種は辛くありません、辛いししとうは種を取り除いてあっても、そもそも身が辛いです。つまり、種を取り除く理由は歯ごたえや嗜好などの違いでしかありません。
辛いししとうを食べることないよう避けるため、という目的ではししとうのたねを取り除く意味は全くありません。
ししとうが辛い理由は?
そもそも、どうしてししとうは辛いことがあるのでしょうか。その理由は諸説あります、栽培環境が高温多湿であるとストレスがししとうにかかってしまい辛くなる、生育日数が長いと辛くなるといったものです。
そもそもトウガラシの仲間でもあるので、25度以上の環境になるとさらに辛くなるトウガラシの特徴を引き継いでいるのかもしれません。
巷では、先がとがっているししとうは辛いと言われているようです。ししとうを栽培する木が弱ると、ししとうがストレスを感じてそのようになってしまう、という見解が出ています。
しかし、とがっているものが全て辛いというわけでもないですから、これも絶対とは言えません。分かっているのは、ししとうにストレスがかからないように栽培方法を気を付ける、といったところでしょうか。
辛味が好きな方は気にせずに食べられそうなので良いかもしれませんが、そうでない方、気を付けましょう。
ししとうの種の栄養価
ししとうの種には高い栄養価が含まれています。どのような栄養価が含まれているのでしょうか。
ししとうの種に含まれている栄養価は、βカロチン、ビタミンC、ナイアシン、カリウム、食物繊維、ビタミンP、クロロフィル、カプサイシン、などの栄養です。これらの栄養価はししとうの実にも含まれています。
つまり、ししとうのたねを食べることで、上述したししとうに含まれる栄養価を多く摂取することができるのです。種も食べることで調理の手間を1工程省くことができます。沢山の栄養を摂取することは健康増進にも一役買うので、一石二鳥ですね。
ししとうの種の取り方
ししとうの種は食べられる、ししとうの種には栄養が含まれている、そんなこと言われても食べたくない方もいらっしゃいますし、作る料理に合わせて種を取り除きたい方もいらっしゃるはずです。そこでここでは種の取り方を紹介します。
種の取り方に必要な道具
ししとうの種の取り方に必要なものは、まな板と包丁、あとつまようじです。これらを用意しましょう。
種の取り方
ししとうの種を取る際、まずはししとうのへたを切り落とします。へたを切り落としたら、つまようじを実の中に入れて、種と実の間に入れたら実を一周させてください。1週させたら実を揉んでください。この時、種を実から外すように意識して揉むと良いです。
ここまでの工程を終えたらほとんで種を取ったようなものです、そのまま口を下に向けて上部分を叩いてみましょう、そうすると種がそれはもう簡単に取れます。取り方自体はそれほど難しくはありませんので、必要があれば取り除けば良いと思います。
ししとうの種の寿命
ししとうの種にも鮮度があります。鮮度が悪いことを見分ける方法として、黒い種が出てくるかどうかという見分け方が有効です。このような種の変色は鮮度低下の初期段階になります。
ちなみに、鮮度がさらに悪化すると、ししとうの実から張りが消えます。さらにはくたり始め、変色が起こり、粘り気や悪臭を放つようになります(野菜に限らず他の食べ物にも発生するやつです)。
種は実の内側にあるので、種をより美味しく食べるコツは、購入・収穫後はできるだけ早くししとうを調理・食べることでしょう。とりわけ夏の時期に腐らせやすいので、収穫したらすぐ調理してします、又はビニールパックなどにししとうを入れて冷凍保存してしまいましょう。
ししとうを収穫・購入したらすぐに調理することを推奨します。手に入れてすぐ調理し、食べるようにすると鮮度がまだ残っている状態の食材を味わうことができますし、食料を腐らせて廃棄してしまうことも減らせるからです(そもそも腐っていたら意味はありませんが)。
しかし、仕事の忙しさや調理の手間の問題で食材が自宅にあっても外食やスーパーの総菜で済ませたりして食材を腐らせている方もいらっしゃるのではないでしょうか。そんな時に、そのままでも調理すれば食べられるししとうはおすすめです。
良いししとうとその種の選び方
次に良いししとうとその種の選び方を紹介します。新鮮という側面に着目すると、ししとうにも良い野菜と悪い野菜があります。これを見分けるにはどうすれは良いのでしょうか。選び方を習得して、料理を今まで以上に楽しみましょう。
実の色を確かめる
ひとつめはししとうの実の色を確かめることです。ししとうの実が綺麗な緑色をしているかどうか、これが大切です。熟していくと緑色から黒色へ、そして黒色から赤色へと変色していきます。
ししとうの先端が黒いとカルシウム(つまりは石灰)が栽培する土壌に不足しているのが原因になります。実際、黒いししとうを食べても問題は無いそうです、好みの問題か、または熟れ初める前のししとうを新鮮とするか、の違いでしょう。
これを読まれた方、まだ黒いししとうを捨てずに下まで読んでください。
黒いししとうが現れるもうひとつの理由は、必要異常の太陽の強い日差しから自身の実(身?)を守るため、というものがあります。その際、アントシアニン(抗酸化物質ポリフェノールのひとつで、紫色をした色素のこと)をししとうが作り出すことで部分的に黒くなるのです。
むしろ黒いほうが良いのでは?
英] anthocyanin アントシアニンとは、ナスやブルーベリー、アヤムラサキという種類のサツマイモに含まれている紫色の色素のことで、 抗酸化物質ポリフェノールの一種。 植物が紫外線から実(身)を守るために蓄える成分であり、視神経の働きを支えているロドプシンという色素の再合成を促して、古くから目の働きを高める効果や眼精疲労を予防する効果があることで知られている。 又、活性酸素の生成を抑制し、血液をきれいにする、肝機能を向上させる、血圧を抑制する、などの作用があるということが分かっている。
ここまで読んでくださった方なら察しが付くと思いますが、黒い(カルシウム不足で黒いのは抜きにして)から栄養価が悪いというわけでもなく、むしろ栄養価増えていてよいのではないか、という結論にたどり着きます。
再度申し上げますと、熟れ始める前の状態が食べ時と考えた場合の選び方をすると綺麗な緑色が良い、ということです。
身の表面の状態
身の表面がどのような状態かを確認することも選び方の際に役に立つひとつです。確認するのは、ししとうに張りがあるかどうか、そしてその実にツヤがあるのかどうか、これらになります。硬いししとうは鮮度が落ち始めている可能性があります。
購入する場合、もしできるなら少し触ってみると良いでしょう。弾力があって張りがあるかどうか、直接触れて感じてください。
その他
上記以外にも、良いししとうの選び方のコツがあります。まとめて紹介すると、ししとうのへたがピンとしているかどうか、そしてもうひとつが切った時に切り口に変色が発生していないかどうか、です。
切り口が変色しているかどうかを確認するには切込みを入れる必要があるため確認は難しいですが、へたを確認するのはパッと見ればすぐにわかると思います。選び方の参考にしてください。
ししとうの種を使えるレシピ:ししとうの炒め物
食べられるだけでなく栄養価も含んでいるししとうの種、紹介した取り方をせずとも美味しく食べられるレシピを紹介しようと思います。1つ目はなす、ひき肉、そしてししとうの炒め物です。
写真を見ただけでもお腹が空いてくるほど美味しそうな、ししとうを使った炒め料理です。ししとうとなすの鮮やかさとひき肉の色具合が絶妙で、食欲をそそります。辛さと甘さが交わる味が良く、ご飯をおかわりしたくなります。
旬の時期ならよりおいしいですが、温室で栽培されたものなら通年購入できるのでリピートで作ることも可能です。
料理方法
なすを食べやすい大きさに切り、ししとうはヘタを切っておく。☆を全て混ぜタレを作っておく。中火で熱したフライパンに油を入れ挽肉を炒める。挽肉にある程度火が通ったらなすとししとうを入れ炒める。野菜に火が通ったら☆を混ぜ合わせたタレを入れ、しっかり絡ませる。※タレは砂糖が下に溜まってるのでしっかり混ぜて入れる タレがしっかり絡めば盛り付けて完全♪挽肉の代わりに豚こま切れで♪
ししとうの種を使えるレシピ:ししとうのてんぷら
王道を往くししとうの天ぷら、しかしただの天ぷらではなく豚肉入りです。肉と一緒に食べれば小さなお子様でも美味しく味わえます、いわんや大人もです。ししとうを肉で巻いて天ぷら衣をつけて油で揚げるだけですので、簡単に料理できます。
下にレシピを紹介しますので参考にしてください。
材料
材料(2人分)は以下になります。 ししとう(8本) 天ぷら粉(大さじ1.5杯) 豚肉(ししとうに巻く分、小間切れをおすすめします) 揚げ油(適量)
料理方法
ししとうが爆発しないように爪楊枝などで穴をあけます。そのししとうを肉で巻いて、ボウルに入れた天ぷらの衣をしっかりつけます。そうしたら、鍋に油を入れて熱し、170度になった油に天ぷらの衣が付いたししとう(肉付き)を投入してください。程よく揚がったら取り出して完成です。
まとめ
みなさんが取り除いていた(そうでない方、すいません)ししとうの種も立派な食べ物です、食べられるのです。この記事が種を捨てずに味わう方法の参考になればと思います。黒いししとうを食べられますので、黒いから捨てていた方、黒いししとうも食べたり、栽培している方は土壌の手入れの目安にすると良いかもしれません。
ししとうをもっと食卓で楽しめるようにしましょう。