ソケットレンチとは
ソケットレンチとはどういう工具なのかを知っていただきたいと思います。 まずはレンチという物は締め付けたり緩めたりする工具の総称であります。ソケットレンチはソケットと呼ばれる様々な種類の先端部があり、これをレンチの差し込み口に装着し回す工具のことを指します。 基本的にはボルトやナットと締めたり、緩めたりするのに使います。
ソケットレンチの歴史
ソケットレンチは開発されるまではスパナやモンキーレンチしかなく、工場などの現場では機械整備などする際にサイズが違う多くの工具で作業しなければいけなく不憫をしいられて来ました。しかし、「少ないツールで多くの作業を」というスローガンをもって1920年にアメリカの工具メーカー「スナップオン」の創業者であるジョセフ・ジョンソン氏が発明しました。これにより業界では少ない工具で作業効率や作業状況ががらりと変わりました。初めて販売されたソケットレンチは「5本で50の仕事をする」のキャッチフレーズでハンドルを5種類ソケット10種類のセット販売でした。しかしラチェット式のハンドルが登場するのは10年後の1930年である。 日本で国産のソケットをはじめて作ったメーカーは「TONE」というメーカーです。こちらもツールメーカーを代表する多くのユーザーから信頼がある超大手メーカーです。
ソケットレンチの基礎知識
ソケットレンチの使い方を知る前に各部の名称を説明したいと思います。 「ハンドル」 持ち手のことを指し何種類かあります。 「アタッチメント」 ハンドルからソケットまでの間で取り付けるものです。 *延長したり差し込み角のサイズを変えたりするガジェットツールです。
「ソケット」 代表的には六角ですがほかにもたくさんの種類があります。 「ドライブ角」 装着や延長するための凸状の四角形で規格はさまざまです。 「差し込み角」 ソケットの凹状の四角形でこちらも規格はさまざまです。 *ドライブ角のことを差し込み角と呼ぶこともあります。 *この凹凸を嵌めることにより使用ができるようになります。 「口径」 ソケットの六角などのサイズ・寸法のことを指します。
ソケットレンチの差し込み角・ドライブ角の規格
作業内容やトルクによって規格とサイズが変わってきます。大きなトルクで締め付け、緩める際にはサイズはもちろん大きなものになり使用用途により規格とサイズを使い分けましょう。
ソケットレンチの差し込み角の規格
代表的な差し込み角の規格を紹介いたします。 ・1/4(6.35ミリ) 狭い箇所などでコンパクトな作業をするためのサイズ。 ・3/8(9.5ミリ) 一般的な寸法で車やバイクの整備などに使われるサイズである。 ・1/2(12.7ミリ) 一般的な大きなトルクで回す寸法であり、タイヤ交換や足回りなどに使うサイズである。 ・3/4(19.0ミリ) この寸法までになると建設機械や大型機械などに使うサイズである。 これ以上にも大きな寸法もありますがインパクトレンチなどの電動工具使用し人力で使用すること基本的に無いので一般が触れる機会はまず無いでしょう。
ソケットレンチのハンドルの種類
ハンドルには特殊な作業する場合を除き大体使う種類は4種類です 使い方を踏まえ紹介していきたいと思います。
ラチェットハンドル
ラチェットハンドルとは代表的なハンドルで中の歯車がカチカチと回る事により工具1回転させずとも締緩出来ます。 使い方はダイヤルもしくはレバーを動かし右回転・左回転のみロックが掛かる作動をしロックされてない回転方向は空転します。これにより少ない運動でスピーディーに締め付けたり緩めたりすることが出来るようになります。 *注意*あまり負荷が掛かる物を回すと壊れるの可能性があるのでで気をつけて下さい。
スピンナハンドル
スピンナハンドルとはラチェットハンドルと違い完全に固定した状態で回すことができ、力を込めて回す作業に向いています。 使い方はてこの原理の要領で端の方に力を加えるほどより力を伝えることが出来ます。 裏技みたいなものですがスピンナハンドルに鉄パイプで延長することにより軽い力で回すことも可能ですが自己責任でお願いします。 六角ボルト・ナットなどを回す際にハンドルと対象物が直角になるように構えて回してください。
ドライバ型ハンドル
ドライバ型ハンドルとは大きな六角などの対象物を回す物ではなく小さい力で手元で回す工具です。主な使い方はビットと呼ばれるプラス・マイナス・ヘックスなどの多種多様な先端ツールを取り替えドライバー代わりとして使用します。 通常のドライバーのように使う使うことは力が伝わりづらくあまりオススメできません。
スライドヘッドハンドル
スライドヘッドハンドルとは日常的に使うことは無いと思いますがあれば割と便利な工具です。その特徴は中心にあるヘッド部分が左右に可動することです。使い方はまず端に寄せることによりスピンナハンドルと同じような使い方ができ、ヘッドを中心に寄せエクステンションバーと呼ばれる延長アタッチメントを装着することによりT字で回すことも可能とする多様性のある工具です。 *注意*ただし負荷を掛けすぎるとバーが曲がるので曲がりそうな場合は工具を変えましょう。
ソケットレンチのアタッチメントの種類
ソケットレンチのアタッチメントの種類には作業用途に向いた接続する補助工具があります。いろいろな種類と規格がありますが、よく使われる物をいくつか紹介したいと思います。
エクステンションバー
エクステンションバー(エクステンションロッド)とは作業するに箇所が深く手の届かない場などにソケットレンチからソケットまでの延長を目的として使います。エクステンションバーのサイズはさまざま寸法がありますが、個人的におすすめな寸法は75ミリ・150ミリ・300ミリがあれば大体の作業が出来ると思います。
ユニバーサルジョイント
ユニバーサルジョイントとは工具箱にあっても使い方がいまいち分からない工具ですが、車やバイクのメンテナスに良く使われます。ボルト・ナットが真っ直ぐな箇所にいないとき少しの角度を付け回せる優れものです。使い方はラチェットハンドルなどにエクステンションバーを接続してソケットとの間に付けて下さい。はじめは使いづらいと思いますが慣れるとかゆいところにも手が届く工具なのです。
ソケットアダプター
ソケットアダプターとは使い方はハンドルのドライブ角とソケット差し込み角のサイズが違う規格を接続するために使用します。ソケットアダプターで規格を縮小・拡大しても強度はもとの規格ですので、大きなトルクで締め付けたり緩めたりする場合はサイズを変更せずに使用してください。
クイックスピンナー
クイックスピンナーとは使い方は人それぞれですが、ラチェットハンドルやエクステンションバーに接続して使用します。ラチェットハンドルはボルトナットがゆるゆるでは作動しませんのでこちらを使用することによりテンションを掛け回すことが可能となります。基本的な使い方はラチェットハンドルとソケットの間に接続し握りこむようにし親指と人差し指で回し使います。
ソケットレンチのソケットの種類と規格
ソケットといって作業内容や使用用途によって使い分、規格・サイズ・寸法がたくさんあります。 それではソケットについて解説していきたいと思います。
六角ソケットの規格
ボルト・ナットにはISO規格とインチ規格があり日本では基本的にはISO規格となっております。アメリカ製品や一部のヨーロッパではインチ規格となっておりますのでそれに合わせてソケットのサ規格も変えていかなければなりません。 ISO規格では整数で表記されています。 インチ規格では分数での表記となっておりますのでご注意ください。
六角ソケットの種類
六角形を二重にした構造となっており、締め緩め作業する際に六角形より差し込みやすくするために十二角形の構造となっています。
通常のソケットに比べてソケット部の寸法が長いのが特徴です。ナットを外す際にボルトのねじ部分が干渉して掛からない場合やエクステンションロッドを付けなくても深く届かない場合に役立つソケットです。
プラス・マイナス・六角・星型などさまざまな寸法がありのエクステンションロッドなどを差し込み使うのもありな先端作業用です。
角がなめたボルト・ナットを緩めるためのソケットです。ソケット内部がツイスト状の形状をしており刃がしっかりかみ合うことにより緩めることを可能としています。 角がなめているので寸法はサイズ通りに使えない場合がありますので注意して下さい。 お目に掛かる事はあまり無いと思いますがとても便利なツールです。
ソケットレンチの魅力
ボルト・ナットを締め付ける道具はスパナやメガネレンチ、モンキーレンチなどさまざまあります。スパナやモンキーレンチは強いトルクで締め付け緩めると角がなめてしまう事が多いです。そんなときはメガネレンチを使うのですが、ソケットレンチにくらべ手が入らない箇所や取り回しが効かない箇所では不便です。ソケットレンチはエクステンションロッドなどを使えば奥ばったところなど作業がしやすく多種なサイズのソケットを差し込み汎用できるのがいいところでもあります。
ボックスレンチとは
ハンドルとソケットが一体となっている工具のことでソケットは六角形のものを指します。ソケットのサイズも決まっているのでボックスレンチはソケットレンチのようにさまざまなソケットを差し込み一本のハンドルで複数のサイズはできないのが特徴です。
ボックスレンチの基礎知識
ソケットレンチとは違い差込口が一体となっており決まっているサイズで締め緩めする工具です。ソケットレンチはエクステンションロッドを装着し延長して使用しますが。ボックスレンチはある程度の柄の長さがあります、エクステンションロッドで延長して使うことはできませんのでご注意下さい。
ボックスレンチの種類
ボックスレンチには何種類も持ち手や形状があります。代表的なものを紹介していきたいと思います。
L形ボックスレンチ
文字通りのL字型のボックスレンチとなります。キセルレンチと呼ばれることもあります。首の角度は基本的には90度ですが90度以上の角度が付いているものもあります。スペアタイヤが付いている車にはトランクルームなどにジャッキと共に入っています。ホイールやナットを交換されている方はサイズや幅が合わないことがありますので、いざという時のために一度確認されることをオススメします。
T形ボックスレンチ
T字型のボックスレンチは機械整備には欠かせない工具となっております。早く回すことや締め具合の微調整もできるので非常に便利です。柄の長さも30センチを超える超ロングなものまであります。使用用途の注意点ではハンドル部は左右均等に力を入れて使用しなければボルト・ナットから滑って外れることもありますのでご注意下さい。
T形フレックスレンチ
T型ボックスレンチの先端が首折れしているものから、ジョイント部がフリーになっているものまである形状のものになります。奥ばった箇所などの作業に有利な工具となっております。
X形ボックスレンチ
形状はアルファベットのX字となっておりそれぞれの先端はサイズの違うものが四方に付いており、クロスレンチ・クロスリムレンチと呼ばれることもあります。基本的にサイズは17・19・21・23ミリとなっております。欧州車用など14・17・21・23ミリのサイズもあります。こちらの工具はタイヤ交換に用いられるのが一般的です。タイヤ交換する際に踏んで使用される方はいますが間違った使い方でありナットを痛めますので、しっかりと手で緩めてください。
Y形ボックスレンチ
3つの異なったサイズがセットになっており形状も手のひらサイズのものが多く見受けられます。ソケットサイズも8・10・12ミリなどの小さい寸法で、主にバイクのメンテナンスや自転車のメンテナスに使われることが多いです。使い方は親指と人差し指で柄の部分をはさみ握りこむようにして使用します。
ボックスレンチの使い方
共通して言えることはハンドルは締め緩めする際には握りこむようにして使いしっかりとボルト・ナットをソケットから外れない用に奥まで当ててください。タイヤなどを外す際硬ければクレ556などをスプレーして10分ほど置いて再開して下さい。どうしても硬く回らない場合はインパクトレンチなどの電動工具を使用して下さい。
ボックスレンチの魅力
私個人の考えなのですがタイヤ交換などの場合ソケットレンチと比べてクロスレンチを使うことにより素早くナットを締め緩めすることが可能です。ほかにもソケットレンチは一本のハンドルでサイズの違うソケットを用意すれば様々なボルト・ナットの寸法に対応できますが、多くのソケットを用意しなければなりません。使う場所が決まっていればボックスレンチ一本で対応できるのが利点でもあり魅力です。
ボックスレンチのあれこれ
ボックスレンチはソケットレンチより以前から存在し活躍しています。ボックスレンチが登場する以前はスパナやメガネレンチなどしかなく作業者は現場で不憫していましたが、ボックスレンチにより作業工程はスムーズになりました。
ソケットレンチ・ボックスレンチの違い
ソケットレンチとボックスレンチの違いはまずソケットを交換できるかどうかです。そして見た目が大きく違います。使用用途によって工具の使い方もかわってきます。たとえばソケットレンチではソケットやアタッチメントを交換することにより様々な作業ができ大きなトルクにも対応できるものもあります。ボックスレンチでは一本が決まった寸法になりますので同じ作業専用の工具として大変重宝します。
おすすめのソケットレンチ・ボックスレンチのメーカー
せっかく工具を買うならいい工具を買いたいですよね。いい工具というのはしっかりと手入れさえしていれば世代を超えて使うことができます。そこでオススメの工具メーカーを紹介したいと思います。
Snap on(スナップオン)
世界で一番有名な工具メーカーとも言えます。アメリカのメーカーでラチェットハンドルやソケットを発明し採用したことでも有名です。基本的に昔から店舗で販売せず整備工場を訪問し販売したり現場の意見を取り入れて開発していき地位を確立していきました。今日では通販や店舗でも買えるようになっております。いい工具なんですが価格もなかなか高額です。しかしそれに見合った品質・耐久性・保証もしっかりとしておりますのでお金に余裕がある方はぜひとも買ってみて下さい。
KTC(京都機械工具)
国内メーカーでは最大手の工具メーカです。トヨタに1950年に車載用工具に採用され、それによりユーザーの信頼を得て大手へと突き進んでいきました。シンプルなデザインでこれといった特徴もありませんが値段が買いやすい設定となっておりライトユーザーにオススメです。さらに上を目指すならNEPROS(ネプロス)は別格ですのでこちらもぜひともチェックしてみて下さい。
MAC TOOLS(マックツールズ)
自動車やバイクの整備工具としては世界一だと思います。すべての工具が強度が高く多少手荒な使い方をしてもびくともしません。そして自動車整備専門の工具いわいるスペシャルツールが豊富でかゆいところにも手が届きます。欠点は価格の高さでなかなかセットで揃えることは難しいです。整備士なら一度はあこがれるメーカーなので一度手にとってもらいたいです。
SIGNET(シグネット)
カナダで1990年に創業された新しい工具メーカーですが。ギアレンチに関しては抜群の性能です。さらに比較的に安くセットも買えますのでコストパフォーマンスは良いです。しかし値段相応の素材なのでメッキや大きなトルクをかけるにはあまり向いていません。これから工具セットを買われるライトユーザーは必見です!
ソケットレンチ・ボックスレンチのまとめ
どちらの工具にも作業箇所・作業内容でメリット・デメリットがありますが、自分で使ってなれることによ意味があると思います。おすすめはまずはソケットレンチのセットとクロスレンチがあれば大体の作業ができます、そして足りない工具などを自分で買い足していき自分専用の工具箱を造ってみてはいかがでしょうか。
六角形のボルト・ナットを締め付け緩め作業を行う代表的な寸法で六角形の構造です