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イチゴを栽培する
多くの人たちに好まれているイチゴ。甘酸っぱさと風味が、食べた人をとりこにしてしまいます。市販のイチゴを購入して食べてもいいのですが、とれたてのイチゴはもっと美味しく味わえますよ。 イチゴ狩りをしたことのある人はご存知かと思いますが、フレッシュなイチゴはみずみずしさと自然な甘さが際立ち、お口の中がさわやかな幸せで満ちあふれます。
家庭菜園でイチゴ狩り
とれたてイチゴを食べたいからと、イチゴ狩りにはなかなか行けなかったりしますよね。でもフレッシュなイチゴを食べたい!それなら家庭菜園でイチゴを育てて収穫し、その成果を存分に味わいましょう! たくさん育てられれば、美味しいイチゴでお腹いっぱいになることも夢じゃありません。子どもがいるなら収穫は一大イベントになりますね。
イチゴの育て方
育て方が分かれば家庭菜園での栽培は簡単です。苗を入手したら植え付けし、水やりと肥料の基本的な管理をおこない、不要な葉っぱや花を摘み取って、病害虫の被害に気をつけるだけです。 収穫の時期には冷蔵庫に練乳を備えておいてくださいね。何もつけなくても美味しんですが、やっぱり外せません。
イチゴについて
イチゴは、バラ科の多年草です。学名は「Fragaria×ananassa(フラガリア・アナナッサ)」で、フラガリアがフレグランス、アナナッサがパイナップルになりますので、パイナップルの芳香という意味の名前なんですね。 アメリカ原産のバージニアナ種とチロエンシス種がヨーロッパへ渡り、オランダで誕生したその雑種が、いわゆるイチゴになります。誕生年は18世紀ごろといわれています。
イチゴの特徴
株の根元にある根茎をクラウンといいます。このクラウンから葉っぱやランナーという茎が出てきます。 イチゴの食べるところは「花托(かたく)」という部分が大きくなったもので、果実ではありません。小さなツブツブが果実なんです。そのためツブツブ1つずつの中にタネが入っています。だからといってツブツブは大きくなりませんよね。こういった果実は「痩果(そうか)」と呼ばれています。
イチゴの育て方/品種を選ぶ
イチゴを家庭菜園で栽培するにあたって、まずは品種を選びましょう。イチゴの品種はたくさんあるので迷ってしまうと思います。初心者であれば、栽培が簡単になる育てやすさを重要視してください。 イチゴは長く育てることになるので、病気や害虫の被害を受けることがあります。こうした被害を受けづらい品種がいいですね。それと小粒の方が育てやすいですよ。あとは酸味や甘みのバランスなど好みになります。
有名なイチゴの品種
家庭でよく栽培されている、育てやすい有名なイチゴの品種を簡単に説明します。参考にしてみてください。 ■宝交早生(ほうこうわせ):病気に強い品種で育てやすさに定評があります。酸味と甘みがちょうどよく一般受けします。 ■女峰(にょほう):小粒で甘みの中にちゃんと酸味もあります。 ■ダナー:アメリカ原産のイチゴです。 他にも、さちのか、タンゴなどがありますよ。
イチゴの育て方/適した環境
イチゴは暑さと乾燥を苦手とします。涼しくて湿度のある環境が適しています。適温は17度〜20度ぐらいを目安にしてください。それと日当たりの良い場所に置くことも重要です。 プランターでも育てられるから、ベランダ栽培もできます。ただ、元気に育つ環境作りを意識する必要があります。上記をふまえて、日光がよく入ってくる場所を確保してください。日の当たる時間が短いと、花がつかず結実しません。
連作障害
イチゴは連作障害があります。この連作障害とは、同じ場所に同科の植物を植えると、病害虫の被害を受けたり、土の養分が少なくなっていることから成長に悪影響が出てしまうことです。 2年以上あいだを空ければ、その場所にまた同科の植物を植えて無事に育てることができます。土をごっそり変えてしまえば、2年待つ必要はなくなります。プランター植えなら対策も簡単ですね。
冬越し
寒さに強いイチゴですが、晩秋から冬の間は成長を休む期間になります。この期間はランナーなどの茎や葉っぱが枯れます。枯れてしまった!と悲しまないでくださいね。これがイチゴの冬の越し方なんです。冬の寒さを浴びることで、果実がいっぱいつくようになりますよ。ですが冷たい北風に当たったり雪が積もると弱ります。寒冷地では株元へワラなどをおおってあげるのが安心です。
イチゴの育て方/植え付け
イチゴはタネからではなく苗から育てていきます。この苗の状態が収穫量に関係してくるので、良い苗を選んでください。葉っぱは大きく濃い緑色、茎は太くてしっかりしたものが見分けるポイントになります。それとウイルスフリーと記載のある苗にしましょう。これはウイルスに感染していないという意味です。
用土
弱アルカリ性で水はけのよい土が、イチゴ栽培に適しています。 プランターに植え付けるなら、実もの野菜用の培養土(ばいようど)がおすすめ。イチゴ専用もあるので、見つけたらこっちを試してみるのがいいですね。自分で作る場合は、赤玉土小粒6割、腐葉土(ふようど)3割、ピートモス1割で配合してください。
植え付け
プランターに植え付ける場合、幅が60cmで深さ20cmぐらいの標準サイズに3株までとしておきます。通気性のよさも重要になるので、テラコッタ製のプランターを用意しましょう。 プランターに鉢底石をしいてから土を入れます。これで水はけがよくなりますよ。植え付ける際、上項で説明したクラウンを埋めないようにしてください。クラウンが土中に埋まると成長しなくなることがあります。浅植えが基本です。
植え付けのコツ
プランターに土を入れたら、土の表面を平らにします。でこぼこしているとそこに水が残り、ナメクジなど害虫が発生しやすくなってしまうためです。 それから、ランナーが伸びていく方向とは逆にイチゴがなります。なのでランナーがプランターの奥になるよう植え付ければ、収穫が簡単ですよ。
イチゴの育て方/管理
イチゴの苗を植え付けたら、水やりや肥料を与えたり、不要な葉っぱやランナーを摘み取る管理をおこなっていきます。 イチゴに適さない水やり、思いつきで肥料をほどこす、適当な摘み取りではいけません。それぞれやり方がありますので、イチゴの状態も見ながら正しい管理をしてくださいね。詳しい管理方法を説明します。
水やり
イチゴは乾燥に弱いと説明した通り、水をよく欲します。水切れさせないことと、根っこをくさらせないことが管理の肝になります。 水やりの基本は、土が乾いてからふんだんに水やりすること。イチゴの場合は根っこが浅いので、乾いたらすぐに水やりするように心がけてください。土の乾燥した状態が長く続かないようにします。
水やりの注意点
水やりの注意点は上記のように水切れさせないことですが、他にもあります。 水をかけた時に土が飛んで葉っぱにつくと、病気にかかる場合があります。なので土が飛ばないようにゆっくりと水やりしてあげてください。もみガラをまくと防止できます。 それと、冬場でも土が乾いたら水やりする必要があります。ただ成長を休んでいる期間なので、少なめの水量で大丈夫です。
肥料をほどこす
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肥料はあまり与える必要がありません。一般的な化成肥料の場合は、植え付けてから3週間ぐらい経った時と2月の下旬ごろに、少しだけほどこせばOK。 肥料3要素のひとつであるチッソが多いとよく成長しますが、果実は大きくならないばかりか、病害虫の被害が多くなるので気をつけましょう。 イチゴ専用の肥料もあるのでこちらを使うのがベストですね。与える量は肥料によって異なりますので説明を確認してください。
肥料の注意点
イチゴは深く植え付けない上に、もともと根っこが浅いです。それにイチゴの根っこは強くないため、根っこが肥料に負けてしまいます。なので肥料をほどこす時は、株にあまり近づけないようにしてください。
不要な葉っぱとランナーを摘み取る
冬になると茎や葉っぱは枯れてしまいます。病害虫の予防のためにも、これらは全て摘み取ってください。 冬は成長を休んでいますが、この期間にも葉っぱや花がでたりします。春に生える新しい葉っぱへ養分を届けたいので、こうした葉っぱや花も摘み取ります。 収穫期よりもずいぶん早い時期に伸びてきたランナーも摘み取ってしまいましょう。
イチゴの育て方/増やす方法
イチゴの株はランナーから増やせますよ。いくらでもイチゴを育てられるんです。 収穫期に伸びたランナーには子株ができます。収穫が終わる時期に株分けし、来年の親株にします。 ランナーに子株がついたままの状態で、種まき用か赤玉土小粒の土を入れたポットへ置き、針金などで固定してください。根付いた後でランナーをカットしますが、親株の方に3cmほど残すようにします。
イチゴの育て方/病害虫と鳥
イチゴをちゃんと育てていても問題が起こる場合があります。イチゴに限らないことですが、病気や害虫が発生し被害を受けることです。どのような病害虫があるのか、そして予防や対策方法を知っておけば大丈夫。 その病害虫よりもやっかいなのが鳥です。イチゴが赤づくと食べにやってきます。防鳥ネットを張ってイチゴを守ってください。
病気と害虫
■灰色カビ病:夏前後の高温ではないけど湿度は高い季節に発症します。水やりのしすぎ、チッソ過多、日光が足りない状態になっていないかを確認し改善してください。症状のある部分は除去します。 ■うどんこ病:低温で乾燥した時期に発症する病気です。患部は除去して殺菌剤を散布します。 ■アブラムシ:粘着テープなどにくっつけて駆除してください。多ければ殺虫剤で全滅させます。
イチゴの育て方/収穫
4月〜6月ごろが、お待ちかねの収穫期!ついにとれたてのイチゴを味わう時がやってきました。 花が咲いてから1ヶ月ぐらいで食べられる状態になります。イチゴ1粒の全体が赤くなったら美味しいよのサイン。ヘタのちょっと上をハサミでカットして収穫します。 気温の高い午後はイチゴが痛んでしまうので、まだ涼しい午前中に収穫した方がいいですよ。
イチゴの育て方/まとめ
家庭菜園でイチゴを育てる方法を説明してきました。栽培するイチゴの種類を決めたら、健康な苗を慎重に選びます。温度と日光を意識して、水やりに気をつければ育てるのは簡単。肥料や摘み取りなど、他の管理も必要になればそのつどおこなってください。 ランナーで増やすこともできますから、イチゴづくしというパラダイスを楽しめます。フレッシュで美味しいイチゴをぜひ味わいましょう!