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幻の高級魚!きんきの生態や金目鯛との見分け方についてご紹介!

高級魚としてしられるきんき。また並んでしられる金目鯛。そんなきんきと金目鯛は全く違う魚だということをご存知でしょうか?知ってるようで知らなかったきんきの魚の生態や選び方、価格高騰の経緯まで、今回も情報量満載でお届けします!
更新: 2021年1月16日
Keisuke
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目次

きんき:どんな魚?

正式名はキチジと呼ばれていますが北海道ではキチジの名よりもきんきとして広まっています。超高級魚としられる真っ赤な魚体の魚です。非常に価値が高く、1キロ1万円を超えることもあります。

関東、北海道、東北で人気が高いです。スーパーなどにはあまりなく、デパートなどでみられる魚です。脂を持っている魚に人気があるので、近年ではさらに高価になっています。北海道の網走産地などでは釣り物がブランド化されています。

名称

きんきの正式名称はキチジと紹介しましたが、もともとは宮城県での呼び名だったそうです。

地方名としてはきんき(北海道)、キンキン(北海道南部、青森県、秋田県)、めんめ(北海道東部)、メイセン(岩手県)、アカジ(茨城県)などです。また、アイヌ語ではフレソイなどの地方名があります。

捕獲方法

北海道や東北地方では高級魚として捕獲されています。現在はトロール網(底引き網の一種)や底ざし網(魚のいそうな場所にめがけて網を張る方法)などが漁として用いられ、北海道の網走市では魚をより傷つけにくくするためのはえ縄(釣り針を使った漁の方法)も行われています。

また、カレイやタラなどのはえ縄漁にかかることもあり、昔は手繰り網も使われていました。

20世紀前半ではトロール網で大量に捕獲され、安価な魚でしたが近年は旬が冬であるために漁の安定性が確保できないことと、漁師さんの減少、燃料価格の高騰などが重なり漁獲高が減少して流通量が減少するとテレビなどでとりあげられるようになりました。

水揚げが最も多い北海道地域では網走漁業協同組合が「釣きんき」を商標登録するなど、ブランド化しており価格も上がってきています。

きんき:魚の生息場所は?


きんきは海に生息している海水魚です。水深150メートルから1200メートルの深海に生息しています。駿河湾以北の太平洋側、噴火湾、オホーツク海、南千島、樺太などに生息しています。なお日本海側にはいないといわれています。

北海道内の生息場所は日本海側を除く、オホーツク海側と太平洋側に生息しています。

きんき:魚の生態

きんきの生態ですが、きんきは卵生の魚です。(ほとんどの魚が卵生です)

産卵期は7月から10月で、北海道周辺では産卵期が2月から5月です。水深150メートルから1200メートルにある大陸棚斜面(大陸周辺の傾斜がゆるやかな斜面のことです)に生息しており、特に水深400メートルから600メートルに多く生息しています。

小型は大きい魚よりも浅場に生息する傾向があり、大き魚体はより深いところに多くみられる生態のようです。 主に魚や、イカ、エビカニなどの甲殻類、ゴカイなどを捕食しています。

きんきは大きな回遊はせずに季節的に深いところと浅いところを行き来する程度のようです。

岩礁帯に定住する傾向の強い魚で、きんきは他の魚とちがい浮き袋がないために深海から捕獲されても死なずに活きたままでの処理も可能です。

きんき:魚の選び方

おいしい魚の選び方ですが、一般的には赤がより鮮やかなものが良いと言われています。鮮度が良いほど真紅にかがやいており、時間が経つほどオレンジ色に変色していきます。

オレンジ色から黄色そして白っぽくなっていきます。身を触ってみて張りのあるもので、お腹を触ってみてしっかりしているものが良いです。

また、魚を捌いた時に肝臓に脂を巻いている魚は特に脂が乗っている魚で特に時間がたつにつれおいしくなっていきます。きちんと血を抜いて、はらわたをとってから水気をふいて寝かせておくと脂ののったきんきの場合は2週間前後寝かせると特に美味しくなります。

魚の選び方や処理なども間違った情報などがそのまま信じられているので、本当の選び方や処理の方法を知っている魚屋さんに聞いてみるのが良いと思います。

きんき:味

魚の旬は秋から冬にかけてです。白身魚で身だけではなく皮にも脂がのっています。また、ほどよく繊維質の筋肉で身離れが良いです。きんきにいたっては小さい魚でも美味です。


きんきの栄養価

冬が旬のきんきは肉質がやわらかく脂が乗っているため焼いても鍋にしても煮てもおいしい魚です。小骨が少ないので子どもや高齢者にも食べやすい魚といわれています。また、タンパク質よりも脂肪分の方が多い珍しい魚です。

鉄分と協力して貧血を防げたり、皮膚や髪の健康を保つ銅を多く含んでいます。脂肪分が多いのでDHAやEPAも豊富でDHAで知られているさんまやさばなどの青魚と同等なのです。ビタミンEも豊富で味だけではなく栄養面からも非常に価値の高いお魚なのです。

きんき:食べ方

きんきのおいしい食べ方の代表は、煮付け、鍋物、塩焼き、さしみ(皮霜造り、焼き霜造り)、唐揚げなどですが、どの料理方法でもおいしい魚です。

最近では冬になると漁師さんが、獲れたきんきのおいしい食べ方を紹介するようなテレビ番組などがあるのでそういったものなどを参考にしてみるのも良いと思います。私のおすすめの食べ方は刺身ですが、きちんと処理されたきんきを寝かしてから食べると本当にほっぺたが落ちます。

きんきと金目鯛の見分け方は?

きんきと金目鯛はなにが違うのでしょうか?人によっては北海道や東北などでとれた魚をきんきと呼ぶと言っていたりもしますが、実際に金目鯛ときんきは全く違う魚なのでわかりやすく説明していきます。

金目鯛

金目鯛はその名の通りキンメダイ科のお魚です。主な生息地は駿河湾から相模湾にかけてです。関東では比較的有名な魚ではないかと思います。金目鯛も脂肪の多い白身魚で、きんきと同様に煮付けが代表的な料理方法ですが、お刺身も大変美味です。魚の身は柔らかいです。


きんき

きんきの正式名は「キチジ(吉知次)」と呼ばれています。

キチジは金目鯛と違いカサゴ科の魚なので、全く別の魚になります。生息地や産地も金目鯛と違い主に北海道や東北地方のため、関東よりも北海道などでは有名なお魚です。脂肪分でいうと、金目鯛も脂肪の多い魚ですが、きんきはさらに脂肪が多い魚です。

見た目は金目鯛と似ていますが、肌の色が金目鯛よりも少し淡い朱色で目も透明です。尾びれや背びれの形からも見分けがつきます。とくに金目鯛の尾びれは真ん中が深く切れ込んでおり、Yの字の尾びれですが、きんきはそこまで真ん中は切れ込んでいません。

きんきと金目鯛の値段

きんきと金目鯛の違いはおわかりになったかと思いますが、なんといっても値段も全く違います。 過去、水揚げされた金目鯛ときんきの値段ですが、 千葉県産 金目鯛 1200円 北海道産 きんき 3500円 なんと倍以上の値段がついています。

産地の違いなのか、魚としての価値の違いなのかはわかりませんが見た目よりも値段の方がわかりやすいかもしれませんね。

高級魚:きんきのまとめ

きんきや金目鯛といった魚の名前をいままで聞いたことはあると思いますが、きんきは非常に奥の深い魚です。(どの動物や生き物も奥が深いですが)おそらく、きんきと金目鯛の違いがあやふやだった方もいると思いますがこの記事を機にぜひ覚えていただければと思います!

北海道や東北の宿ではきんきがでてくることもありますので、北海道・東北に遊びに来る機会があればそういった宿を選んでみてはいかがでしょうか?きっと宿のホームページの料理写真を見るだけでお腹が空いてくるはずです。

お正月の贅沢としてもきんきの料理が出てきたら嬉しいですね。きちんと処理して寝かした魚は本当に美味ですので、ご自身でも色々と試してみられてはいかがでしょうか。ここまで読んでいただきましてありがとうございました。