ボディボードとは?
ボディボードは、板状のボードの上に腹ばいになり、波の力を利用して波乗りをするスポーツのことです。ただ波に乗るだけでなく、さまざまな技を駆使して波に乗ります。
ボディボードの特徴
ボディボードはハワイ島発祥のマリンスポーツです。サーフィンよりも小さめのボードを使い、ボードに腹ばいになって波乗りをします。ボディボードにはフィンがついていないため、サーフィンのようにフィンを使って進行方向を操作するのではなく、体重移動によるレールワークを使ってコントロールするのが特徴です。また、ボートが小さく、推進力があまりないため、足にフィンを装着しておこないます。
ボディボードに必要な道具①ボード
ボディボードはボードがなければ何もできません。ボードにはは、素材やサイズ、長さ、暑さ、形状がさまざまで、値段も高いものから安いものまで幅広く存在しています。自分のレベルや体型に合ったサイズや長さのものを選ぶ必要があるので、どのようなものを選ぶのか選び方には気をつけましょう。
ボードの選び方はこれに注意!
ボードの選び方で大切なのは、サイズや長さに注意することです。サイズや長さを間違ってしまうと、うまくコントロールできなかったり、浮力が足りずに波に乗りにくくなったりしてしまうので、ボードのサイズや長さは重要です。腹ばいになって波乗りするものなので、ボードを自分と並行に立ててみて、へそあたりの長さになるものが適度な長さになります。初心者で自分に合ったサイズや長さがわからない場合は、お店の人に相談してみましょう。
ボディボードに必要な道具②リーシュコード
リーシュコードは、ボードが離れていかないようにするためのコードです。リーシュコードは、波にのまれたり、ワイプアウトしてボードから手を放してしまった場合に、ボードを引き寄せるために使います。また、大きな波にのまれたときは、波にもまれてしまい、海中で上下左右がわからない状態になってしまいます。そんなときは、リーシュコードをたどることで、海面にたどり着くことができます。
リーシュコードの選び方
リーシュコードには二の腕につけるタイプと、手首につけるタイプがあります。二の腕につけるタイプは、波にまかれたときにリーシュコードが外れてしまうことがあるのがデメリットで、手首につけるタイプは、外れにくいですが、パドリングをする場合は邪魔になってしまうのがデメリットです。初心者のうちは大きな波に乗ることはないので、どちらのタイプを選んでも問題ないです。色やデザインもさまざまなので、自分が好きなものを選びましょう。
ボディボードに必要な道具③フィン
ボディボードは小さくて推進力があまりないため、沖に出たり波乗りをするために、足にフィンをつけて推進力とスピードを上げなければいけません。したがって、ボードと同様にフィンの選び方も重要です。フィンによってサイズや硬さが違うため、さまざまなフィンの中から、自分のレベルに合ったフィンを選ぶことが大切です。
フィンの選び方はここをチェック!
フィンの選び方で一番大切なのは、サイズが合っているものを選ぶことです。フィンのサイズが大きすぎると途中で脱げてしまい、小さすぎると足が痛くなる可能性があります。フィンは少し大きめなものを選び、フィンソックスでフィット感を調整するとよいです。フィンを選ぶ際は、フィンの硬さにも気をつけます。フィンが硬ければ硬いほど推進力は上がりますが、そのぶん足にかかる負担も大きくなります。初心者や脚力の弱い人は、柔らかめのフィンを選ぶとよいでしょう。
フィンその他
フィンにはフィン本体以外にも関連する道具があると便利です。 ①フィンソックス フィンソックスは、フィンのサイズが少し大きい場合に、フィンにフィットさせるために履いたり、フィンで足が擦れることによる痛みの予防目的で履きます。 ②フィンテザース フィンテザースは、フィンが足から外れて紛失しないための道具です。ボディボードでキッキングをしている際に、まれにフィンが外れてしまって、そのまま見つからなくなることがあります。フィンを紛失しないためにファンテザースを使うとフィンの紛失を防げます。
ボディボードに必要な道具④その他
快適にボディボードを楽しむために、ボードやフィン以外にも、あった方が便利な道具を紹介します。
ワックスで滑り防止
ボディボードでは、手や肘をついて波乗りをします。このとき、素材によっては手や肘が滑ってしまうことがあります。手や肘が滑るのを防止するために、滑り止めとして塗るのがワックスです。ワックスはサーフィン用のワックスで大丈夫です。ワックスは夏用と冬用の2種類あるので、季節によって使い分けます。また、ボディボードではボードの上を移動するので、お腹部分にはワックスを塗らないでください。
寒いときはウェットスーツを着よう
夏の暑い時期は水着で楽しめますが、夏が過ぎると水着で海に入るのは耐えられなくなります。ボディボードは夏だけでなく一年中楽しめるスポーツです。寒い時期に海に入るときは、ウェットスーツを着て海に入ります。ウェットスーツには生地の厚さが数種類あり、真冬でも海に入ることができます。季節や水温に合わせたウェットスーツを選ぶことが大切です。
ボディボードのやり方①基本姿勢
ボディボードにおける波乗りのコツは、正しい姿勢で乗ることです。正しい姿勢で正しい乗り方をすることができれば、波乗りは難しくありません。正しい乗り方を理解し、波乗りを成功させましょう。
基本姿勢が大事
波乗りをするときは、基本姿勢をキープした乗り方を意識することが大切です。 【基本姿勢】 ①ボードの中央に腹ばいに乗り、手は前方を掴むように置きます。このとき、肘が90度に曲がっている状態にします。 ②足の付け根をボードのテールに合うように置きます。 ③胸を反らして目線は前方に向けます。 最初は胸を反らす姿勢を維持することが難しいかもしれませんが、できるだけ胸を反らすように意識しましょう。 胸を反らすやり方は、広背筋を締めるように力を入れるのがコツです。
ボディボードのやり方②スープで練習
海に着いて準備ができたら、いきなり波乗りしたいという人は多いと思います。しかし、いきなり波のうねり(波が盛り上がり崩れる直前の部分)に乗るのは難しいです。最初はスープと呼ばれる、波のうねりが崩れた後の白い波の部分で、波の乗り方を練習するのが早く波乗りするためのコツです。
まずはスープで練習しよう
最初にスープで波の乗り方を練習する理由は、スープは押す力が強いからです。初心者が、いきなり波のうねりから乗ろうとしてもうまく波に乗れず、波に置いていかれます。これは、初心者は波の乗り方がわからず、波に乗る基本姿勢やフィンでキックして加速する技術が足りないからです。まずは波打ち際のスープでテイクオフ(波乗りのこと)の練習をすることで、波の乗り方や波から押される感覚を覚えることが大切です。スープでの練習は、波が来たタイミングで波の進行方向を向いて基本姿勢になり、足をキッキングして加速します。うまく波の力を捉えることができれば、波から押されたまま岸まで波に乗れます。
ボディボードのやり方③波に乗ろう
スープで何度も練習して、波の乗り方や波から押される感覚がわかったら、次は波のうねりから乗ることにチャレンジします。波のうねりから乗るには、波を乗り越えながら沖に出なければなりません。岸から沖に出ることをゲットアウトと言います。
ゲットアウトしよう
ゲットアウトするときには、向かってくる波を越えて沖に出ていきます。小さい波であれば、波の上を越えていけるが、大きな波だと波の力に押し戻されてしまい前に進めません。そこで、大きな波がきたら波の下にもぐって波をやり過ごします。この波の下にもぐって波をやり過ごすことを、ドルフィンスルーと言います。ドルフィンスルーのやり方は次のようにやります。 ①大きな波がきたら全力でキックしてスピードを上げます。 ②波の1メートルほど手前になったら、ボードと体を海中に沈めます。 ③ボードと体を沈めるためには、ボードの左右を掴み、片方の膝をボードの一番後ろの真ん中に乗せます。 ④肘を伸ばして体重をかけることで、ボードの頭を沈めます。 ⑤頭が沈んだら、膝でボードの後ろを押して全体を沈めます。 ⑥波を通過したらボードに体をつけて、前方を上に向けて浮力を利用して水中から出ます。 目標地点にたどり着くまで、大きな波がくるたびに①~⑥を繰り返して沖に出ます。
波のうねりで華麗にテイクオフ!
目標地点にたどり着いたら、波のうねりでテイクオフをします。テイクオフのやり方は、スープで練習したときと同じようなイメージでやります。波のうねりでテイクオフする場合は、スープと違ってキッキングで十分なスピードをつけなければ、波に置いていかれて乗ることができません。また、波のうねりから乗る場合は、波を滑り落ちるような形で波乗りをします。このときに、ボード前方が水中に潜っていると、急ブレーキをかけた状態になり、波乗りができません。前方が水中に潜らないために、胸を十分に反ることで、重心を中心に持っていくことがテイクオフのコツです。
ボディボードのやり方④技にチャレンジしてみよう
テイクオフができるようになったら、ボディボードの技をやってみましょう。
ターン
ターンは、波乗りするときにまっすぐ進むのではなく、左右に曲がる技です。ターンのやり方は次のようにやります。 ①ターンをするときは、岸に向かって真っすぐにテイクオフするのではなく、少し斜めを向いてテイクオフします。 ②テイクオフした後に、波のボトムに下りきる前に、ボードを波が来る方向に傾けます。 ③ボードを傾けるには、波が来る方向の肘と腰に体重をかけて、片方を水中に沈めます。 ④片方が沈んだら、沈めた方向にターンできます。 うまくターンするコツは、ターンしたい方向を見ることです。ターンをすることで、常に波のうねりを捉え続け、波のうねりにずっと乗っていることも可能です。
スピン
スピンは、波の上でクルクルとボードごと回転する技です。スピンをするにはターンができなければいけません。スピンのやり方は次のようにやります。 ①テイクオフして波のボトムに下りきる前に、ターンで波を上っていきます。 ②ターンのときはボードの片方を水中に沈めていますが、スピンするためにターンの途中でフラットにします。このとき、回転しやすい状態になっています。 ③基本姿勢では、足の付け根をテールに合うよう置いていましたが、スピンをするときには足が水の抵抗となってスピンできなくなるので、体全体をボードの上に乗せるよう前方に移動します。前方に移動するときに、膝を曲げて水中から出しておくことが上手くスピンするコツです。 ④前方に移動すると、重心が前になってボードの前方が沈んでしまうので、思いっきり胸を反ることで重心が中央にくるよう意識しましょう。 ⑤これだけでは回転が足りないので、頭を回転したい方向に思いっきり振って、回転を加速させるのがスピンを成功させるコツです。 ⑥回転したら再び基本姿勢に戻って波乗りします。 ターンができるようになったら、スピンに挑戦するのも楽しいです。波の上をクルクルとスピンできるようになれば、波乗りがより一層楽しくなります。
ボディボードのルールとは?
波乗りをする前に、波乗りのルールを理解しておくことが大切です。海ではたくさんのボディボーダーやサーファー達と一緒に波乗りをします。波乗りをするうえでルールを守らないと、他のボディボーダーやサーファーの迷惑になったりケガをさせてしまうことに繋がります。特に初心者のころは、波乗りのルールに慣れていないので注意が必要です。
押さえておくべきルール
●1つの波には1人しか乗れない 波乗りをするスポーツでは絶対に守るべきルールです。誰かがすでに乗っている波には乗ってはいけません。1つの波に複数の人が乗ってしまうと、ぶつかってケガや事故の原因になってしまいます。 ●波乗りの優先権 複数の人が同じ波に乗ろうと動いているときは、波のうねりに一番近い場所で早くテイクオフした人が、波乗りの優先権を持っています。テイクオフする前に、自分よりうねりに近い場所でテイクオフしようと動いている人がいないか確認します。波乗りの優先権を持つ人が波乗りしたのに、同じ波に自分も乗ると、前乗りになってしまいルール違反となります。 ●他の人の邪魔になったら謝る ゲットアウトしている途中では、前からボディボーダーやサーファーがどんどん波乗りしてきます。波乗りしている人の邪魔になることがないように、避けながらゲットアウトしなければいけませんが、避けきれずに邪魔をしてしまうこともあります。そのときは、一言謝ることが大切です。
ボディボードのまとめ
ボディボードは老若男女を問わず初心者でも気軽に始められるスポーツです。うまく波乗りができると、波との一体感やスピード感を得ることができます。ただ波乗りするだけでも十分に満喫できますが、ターンやスピンの技を覚えることで、より長く波乗りができたり、カッコよく波乗りができるスポーツです。お手軽な値段のボディボードセットもあるので、今年の夏はボディボードにチャレンジしてみてはいかがでしょうか?