エバーフレッシュについて
エバーフレッシュは、小さく細長い葉っぱが涼しげに見える観葉植物です。ネムノキの仲間で、夜になると葉っぱを閉じる就眠運動が特徴的。 自生しているものは樹高が30mほどまで大きくなりますが、観葉植物として流通しているものは10cm〜200cmぐらいのサイズになります。
サイズが豊富なので、どんな場所にも置けますし、プレゼントにも最適!それに管理が簡単なのもポイントです。
剪定について
植物は成長するとともに、枝や葉っぱが増えていきます。そのままにしていると茂りすぎてしまい、樹形が乱れます。中にはムダに強く伸びた枝や生育の悪い枝、枯れた枝などがでてきます。そうしたいらない枝を切り取ってしまう作業を剪定といいます。
基本的には美容師のようにバランスを整えながら剪定しますが、植物によって適した時期ややり方が異なってきます。
剪定の効果
枝や葉っぱを切り取る剪定の目的は、樹形を整えるだけではありません。 剪定をすることでスッキリしますよね。それによって風通しがよくなり、今まで隠れていた枝や葉っぱへ光が当たるようになります。これは元気な成長に必要なこと。
さらに病気や害虫の被害を減らす効果もあります。 それから栄養分のムダな消費がなくなって、必要な枝や葉っぱだけを効率よく育てることができます。
エバーフレッシュの剪定
エバーフレッシュは育てやすさも人気の理由のひとつ。植物を育てたことのない人でも管理が簡単です。 同時にそれはよく成長するということでもあります。環境に問題がなければ普通に育てているだけで、枝や葉っぱはどんどん茂っていきます。
そこで必要になるのが、枝や葉っぱを切り取る剪定です。 初めて植物を育てる人は、剪定に難しいイメージを持つかもしれません。でもコツをおさえれば簡単です。
エバーフレッシュの枝や葉っぱが茂ってボサボサになると、おしゃれな観葉植物ではなくなってしまいます。それだと美観のためにエバーフレッシュを飾っても逆効果です。剪定によって本来の素敵な見た目をキープさせましょう。
観葉植物を育てるのに慣れていない人は、病気や害虫が発生した時に適切な対処ができない可能性があります。病害虫の被害をあらかじめおさえるためにも、剪定は重要です。
剪定の方法を解説
①必要な道具
剪定に必要な道具は剪定ばさみ。葉っぱを切り落とすぐらいなら、一般家庭にある野菜ばさみやキッチンばさみでも対応できますが、枝の場合は色々と問題がでてきてしまいます。
剪定ばさみ以外のハサミで枝を切り落とすと、切り口部分の木質な繊維が割れて、病原菌が侵入する恐れがありますので気をつけてください。
剪定ばさみであれば木質な枝もサックリと簡単に切り落とすことができるので、繊維は割れずキレイな切り口になります。何より剪定の負担が減るのが大きなメリット。
エバーフレッシュに限らず剪定が必要な植物に使えるため、持っておいて損はないです。種類は多くありますが、手におさまるサイズの剪定ばさみがおすすめです。
②剪定の時期
エバーフレッシュについては、剪定の時期を気にしなくても大丈夫です。4月〜9月頃がエバーフレッシュの成長時期にあたりますが、実は時期に関係なく成長する植物です。成長時期を待っているだけでも枝が伸び、葉っぱが増えてボサボサになってしまいます。
枯れた枝を見つけたり、枝や葉っぱが混みあってきたなと思ったら、その都度剪定をしましょう。成長スピードが早いので、年中いつおこなっても問題ありません。
③剪定方法
剪定するにあたり、枯れた枝などの忌み枝(いみえだ)と呼ばれる枝をまず切り落とします。忌み枝は不要な枝の総称で、いくつかに分類されます。枯れた枝や忌み枝は見た目が悪くなりますし、成長に悪影響を与え、病害虫の発生を招きます。残しておいてもいいことがありません。
忌み枝を剪定する
枯れた枝などの忌み枝は、また生えてこさせないために根元から切り落とします。その後、混みあっている枝を剪定して行く流れになります。ですが普通の枝は、根元からではなく不要な箇所だけ剪定してください。
忌み枝と呼ばれる不要な枝の種類は多くありますが、よく見かけるものを3つだけご紹介します。 ■蘖(ひこばえ):孫生えとも書きます。ヤゴとも呼ばれますね。木の根元から生える細くて若い枝です。 ■懐枝(ふところえだ):内側へ伸びる枝で、混みあったり病害虫の原因になります。 ■枯れた枝:幹から生えていても枯れた枝になっているものです。ここから病害虫の被害が生まれやすくなります。
剪定をする際は大胆に切り落とすことも大事
エバーフレッシュを剪定する際のコツは、大胆さです。おそるおそる切り落としても、すぐに成長するので剪定の意味があまりありません。感覚に個人差はありますが、ちょっと切りすぎかなと思う感じで大丈夫です。
目安としては、理想の仕上がりよりもひと回りコンパクトになるぐらい。 それほど大胆に剪定しないと、ちょっとの期間で見苦しい樹形に戻ってしまいます。
剪定の回数を減らす
エバーフレッシュを大胆に剪定することで、次に切り落とすまでの期間が伸びます。そうなれば剪定の回数も減りますよね。したがって管理の負担が減るわけです。 植物の管理は楽しいものですが、やることが多いとツラくなります。
せっかくできた観葉植物を楽しむという素敵な趣味。長く続けるためにも効率がよい簡単な方法を取り入れていきましょう。
④切るポイントやコツ
枯れた枝などの忌み枝や、いらない枝は根元から切り落とします。ですが葉っぱを生えさせたい枝の剪定に関しては、根元から切らないようにしてください。その枝の付け根から15cmほどを残して切り落とすようにします。
葉っぱを生やすための注意点
他の注意点として、節をキズつけないことがあります。節に新芽が生えるため、節から3mmは離れた場所を剪定しましょう。もうひとつ気をつけないといけないのが、新芽の色。エバーフレッシュの場合は黒っぽいので、枯れた枝と混同して切り落とさないでくださいね。
⑤樹形を整えよう
エバーフレッシュの剪定は、ただ枝を切り落としてスッキリさせるだけでは足りません。おしゃれに見せるよう樹形を整える「整枝(せいし)」も必要です。枯れた枝などの忌み枝や、混みあったいらない枝を剪定するのはもちろん、樹形のバランスを良くしていきます。
整枝をおこなえば、観葉植物としてのエバーフレッシュの魅力がアップします。おしゃれな樹形を意識して剪定をおこないましょう。
エバーフレッシュに個性を出す
エバーフレッシュの樹形に関して追加すると、支柱を立てたり誘引をおこなうことも効果的です。幹が曲がりくねったような個性的なエバーフレッシュは、こうした方法で作り出すことができます。 日常の管理や剪定に慣れたら試してみてはいかがでしょうか。
自分だけのオリジナルなエバーフレッシュを楽しめますよ。
⑥葉っぱを減らす
エバーフレッシュは枝だけでなく葉っぱもよく茂ります。特に成長する時期はモサモサになって、涼しげな印象はどこへやら。葉っぱがエバーフレッシュをおおってしまうと、内部の風通しや日当たりが悪くなります。
その結果、病害虫の被害を受けるリスクがグッと上がってしまうんです。葉っぱも大胆に剪定していきましょう。
葉っぱの割合
葉っぱも付け根から剪定していきます。どの葉っぱを切り落とすかは、重なっているところを重点的にバッサリいってください。樹形のバランスもふまえないといけませんよ。葉っぱも剪定すれば、かつてのさわやかなエバーフレッシュが戻ってきます。
切り落とす葉っぱの割合は、剪定前からみて3分の2ぐらいにしておきます。3分の1は残す感じですね。それ以上葉っぱがなくなると、枯れる恐れがでてきます。
枝だけにする
ガッツリと剪定し幹が露出する部分を作れば、おしゃれセクシーなエバーフレッシュが出来上がります。そこへ上項で説明した誘引などをほどこしたりすることで、ハイセンスなエバーフレッシュに。
おしゃれなカフェやショップに置いてあるエバーフレッシュを再現できますよ。 ですがこの方法はバランスが難しいので上級者向けになります。葉っぱの割合にも気をつけないといけません。
⑦大きくさせない方法
グングン成長するエバーフレッシュは、サイズも大きくなっていきます。最初に説明しましたが、自生している種類には30mほどまで樹高の伸びるものがあります。そのことからも分かる通り、本来エバーフレッシュは大きくなる植物なんです。
観葉植物として育てているなら、あまり大きくない方がいいですよね。置き場所の都合もあります。今後もちょうどいいサイズのエバーフレッシュを育てていくために、成長を止めてしまいましょう。
その方法は簡単!エバーフレッシュのもっとも上にある天頂を切り詰めればOKです。これで樹高が高くなることはありません。
挿し木をして増やしてみよう
エバーフレッシュの剪定をしたら、切り取った枝を捨てるのがもったいなく感じるかもしれません。この枝は有効利用できるんですよ。枯れた枝などの忌み枝は使えません。 挿し木という方法で、枝からエバーフレッシュを増やせます。
いくつか増やせば色んな場所にエバーフレッシュを置けるようになります。どんな場所にも合わせやすいおしゃれな観葉植物だから、プレゼントにも喜ばれるはず!
挿し木のやり方
エバーフレッシュの挿し木に適した時期は、5月〜9月の梅雨〜夏。 剪定した枝を先端から10cm〜15cmぐらいの長さになるよう切ります。枝の上側についている葉っぱは3枚〜4枚残して、あとは取り除いてください。
挿し木用の土か、赤玉土をポットへ入れ、枝の切り口を下にして土へ挿します。水切れに注意して明るい日陰などの場所で育てれば、数ヶ月後には根っこが出てきます。そして鉢に植え替えます。
挿し木のポイント
枝に残す葉っぱは、そのままだと水分を多く蒸発してしまいます。なので半分ぐらいに切ってください。 枝の切り口はナナメにするのがコツ。根っこが早く出てきます。キレイな切り口にするため剪定ばさみで切り取るようにしましょう。
水分の蒸発防止として、土に挿す前に切り口を20分ほど水につけておいてください。土に挿さず、そのまま水につけておくだけでも根っこが出てきますよ。
エバーフレッシュの育て方や注意点
エバーフレッシュを剪定し、枝を挿し木にして根っこがでてきたら、その苗を鉢に植え替えて育てていきます。エバーフレッシュの育て方を簡単に説明しますので、参考にしてください。もちろん、挿し木で増やした苗だけでなく、購入したりプレゼントされた苗も同じ育て方になります。
適した環境
エバーフレッシュは日陰でもある程度は成長しますが、日光が大好き。なので日当たりと風通しのよい場所で育てます。ですが直射日光に当たり続けると、葉焼けという症状が出ることもありますので注意しましょう。 暑さに強いのですが、寒さには弱いです。
10月〜冬の時期は、室内の暖かくてなるべく明るい場所へ置きます。 それと急激な環境の変化があると落葉します。場所を変えたら少しずつ慣らしてください。
植え付け
植え付け、植え替えともに適した時期は5月〜9月ごろ。 土は水はけがよければ大丈夫です。観葉植物向けの培養土(ばいようど)を使えば間違いありません。有機用土の場合はコバエが出てくるのため、無機質な土でおおってください。
水やり
土が乾いた後で、たっぷりと水やりするのが基本です。春〜秋はエバーフレッシュが成長する時期なので、こまめに土の状態を確認して、乾いていたら水をあげてください。つねに土が湿っていると根っこがくさって枯れてしまうので気をつけましょう。
冬は成長を休む時期のため、水を消費しません。乾き気味にしておくのがちょうどいいです。暖房が効いた場所で乾燥しすぎな時は、きり吹きで葉っぱに水をかけます。
まとめ
難しいと思われがちなエバーフレッシュの剪定方法を説明してきました。やり方が分かれば簡単です。基本は枯れた枝などの忌み枝を先に切り落とし、樹形を整えながら、いらない枝を剪定するだけ。
さわやかでおしゃれな観葉植物なので、こまめに剪定して良いルックスをキープしましょう。エバーフレッシュを置いた場所は素敵な空間になりますよ。 挿し木も簡単なのでぜひ試してみてくださいね。