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キタマクラの名前の由来とは?生態や毒の危険性、特徴をご紹介!

キタマクラという名前をもつ不吉なフグ。その名前には警告のような由来があり我々への一つのメッセージのようなものです。そしてキタマクラの気になる毒性や生息域・特徴など見たら直ぐ分かるように今回は外見の特徴や何処にどんな毒があるのかをご紹介します。
2020年8月27日
pomesmix
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目次

キタマクラの名前と由来

キタマクラの分類

動物界脊索動物門脊椎動物亜門条鰭綱フグ目フグ亜目フグ科キタマクラ属

キタマクラの外国名・学名・漢字・地方名

○外国名:Scribbled tody ○学名:Canthigaster rivulata ○漢字:北枕 ○地方名:イソネズミ・キンフグト・ウメフグ・ケタマクラ・オマンブフグ・ヒデイシ・キンチャクフグ・フクト・メクラフグ・ギンバフグ・モチフグ・ギンフグ・ヨコフグ。

北枕という名前の由来

「北枕」といえば、人が亡くなったときに頭を北向きにして寝かせることを言います。この北枕は死に関係・忌むなどのことからとても縁起が悪いモノとして知られ人々に古くから伝えられてきた言葉です。そして、この北枕とキタマクラの関係は「キタマクラを間違っても食べてはいけない、食べたら死が待っている」と名前に敢えて死を想起する言葉を使い、先人たちが注意を足しているモノとなります。

キタマクラの生態とは?

1.キタマクラの形態・特徴


キタマクラの生態:フグ類のキタマクラ属魚類は側偏した体をしており、背側が灰褐色~茶褐色の体色で多少の変異があります。腹部は白色をしており、胸鰭~尾鰭にかけて暗色縦帯が体側に2本あるのが見受けられます。雄には紫色の鮮やかな婚姻色があります。目はギョロっとした丸い目をしており体は楕円形に近い形なのでカワハギと間違える事も少なくはありません。そして、まばらにだが小さな棘が喉部~腹部にかけて存在します。キタマクラの雄は体長が13センチ程度に成長して雌は体長が7センチ程になります。雌より雄のが大きく成長します。

2.キタマクラの生態・特徴

キタマクラは基本単独行動で集団で群れを作ることはありません。そして、キタマクラはとても好奇心旺盛でダイバーへ近寄ったり色んなものを突いたりします。キタマクラの歯はとても強靭で甲殻類や貝類すら捕食します。そして釣り糸すら難なく噛み切るのでアングラーからは外道として嫌われています。しかし、キタマクラの見た目とその性格から観賞用として一部では人気があります。

キタマクラの食性

キタマクラは雑食性で棘皮動物や藻類・貝類・甲殻類・軟体動物に加え釣り餌など様々なモノを捕食します。 そして、アングラーが使用するワームなどのソフトルアーも容赦なく食いつきボロボロにするほど食欲旺盛です。

キタマクラの産卵

キタマクラは夏季に産卵期を迎えます。雄の婚姻色は青い模様をしており、雌は繁殖期に入っても特に体の変化はありません。婚姻色の発現したキタマクラのオスは繁殖期の雌を見つけると積極的な求愛行動をとる為に輝くような青色の体をより一層輝かします。キタマクラの卵は沈性卵で粘着性となっており、産卵床として海藻にくぼみを作り産卵します。

キタマクラの生息地

目で見えるところにも


キタマクラの生息地は日本の海で頻繁的に見られて水深30m程の珊瑚礁や岩礁などの浅海岩礁域・藻場や水深100mから200m以深にある砂地などの水域でも確認できます。生息地は福島県より南の太平洋岸や九州の西岸・琉球列島・伊豆諸島・小笠原諸島に加えインド西太平洋やハワイ諸島に分布します。

キタマクラの持つ毒の危険性

名前に死の意味が付く程の危険性

北枕が由来である名前、キタマクラは名前に「死ぬぞ」という意味のメッセージが込められており、どれほどの毒の危険性を持っているか気になります。キタマクラの毒は「テトロドトキシン」で腸や肝臓そして皮膚に毒性を持っています。逆に精巣や卵巣・身には毒がないため一部の地域では食用にされているといいます。しかし、基本は流通もしておらず食用でもないフグですので下手に触れないでおきましょう。

テトロドトキシンとは?

テトロドトキシンはキタマクラと同種のふぐが有している事でとても有名です。死を連想させるこの、「テトロドトキシン」とは一体どんな毒なのか? まず始めにテトロドトキシンの毒の強さは「青酸カリウムの1000倍」にも近い毒性を持っており、300度を超える高温でも強力な毒は分解される事はありません。人間が摂取して死に至るであろう致死量は2~3ミリグラム程です。もし、テトロドトキシンが体内に入った場合は早くて20分でそこから最大3時間以内の短い時間で異変が体に現れて「身体の痺れ」「麻痺」「頭痛」「嘔吐」などの症状が現れ始めます。 テトロドトキシンの摂取量が最悪多かった場合はさらに重症化となり「呼吸困難」「体温低下」「意識障害」などが発祥して8時間以内に必ず適切な処置をしなければ最悪なことに死に至る事となります。

2.テトロドトキシンの危険性

そして現在になっても、テトロドトキシンには有効な「治療法・解毒」が見つかっていないのです。科学が進歩した現在でも「治療法・解毒」が見つからないほどの危険性の高い猛毒故にもし、テトロドトキシンに発症したと感じればすぐさま医療機関や救急車に連絡して、適切な処置を受ける必要性があります。

キタマクラの部位によって毒の危険性が変わる

上記で説明したようにキタマクラの持つテトロドトキシンはとても強力で危険性の高い猛毒ですが、キタマクラの部位によってはその毒の強さに強弱があることが分かっています。キタマクラに毒が含まれる部位は腸や肝臓・皮膚の3ヶ所になりますがそのうちの腸と肝臓の2つは比較的毒性が低く食べたところで死に至る事はないといいます。逆に残りの皮膚は非常に強力な毒、粘液毒を出しているために必ず素手でキタマクラを触るのは止めておきましょう。素手で触ったあとにその手で目などの粘膜や食べ物などを触って口内に入ってしまえば取り返しの付かない事態となります。キタマクラの皮膚毒は他の魚と一緒の水槽に入れるとキタマクラの持つ毒で他の魚は全て死滅するそうです。


キタマクラの気になるお味は?

一部の地域では食用とされている。

キタマクラはテトロドトキシンを持つ毒魚ですが身には毒が含まれていないために食用として扱う地域もあります。では、キタマクラの身はどのような料理になってどれほど美味しいのか気になるとこです。フグといえば刺身ですね。キタマクラのお刺身はサバフグ属の刺身よりもフグとして美味しい肉であるトラフグ属に近いと言います。しかし、キタマクラの身はどうもから揚げなどの揚げ物には向かないようで水っぽいお味になるそうです。なので、キタマクラは刺身やしゃぶしゃぶが美味しく食べれる調理法だと考えられます。 ※キタマクラを食べることはお勧めはしません。

毒性の頻度

無毒も実在する

そもそも、テトロドトキシンとは有毒細菌から生産されて、それをプランクトンなどが捕食~の「食物連鎖」によってフグに多くのテトロドトキシンが卵巣や肝臓などに蓄積されているのです。そしてフグには毒の「季節差」が存在しこれは結構知られています。次に「毒性の頻度」というもの。先ほどの季節差に加え臓器差や種類差・地域差・個体差が存在します。基本、料理の知識は臓器と種類を中心に使われます。ここで一番注目したいのは「固体差」です。なにが凄いのか、それは猛毒を含むフグの中で稀に自然状態の中、「無毒・ほとんど無毒」といえる固体が存在することです。ただし無毒といえど、残念ながらそれは外見で判断することは出来ません。

まとめ

フグは高級食材として扱われる種から外道として嫌われるモノがいたりと様々な種類が存在します。そして、そのほとんどが毒を有しており一般人である素人は調理することが出来ません。個人的に調理して食べることは出来ますが知識がないとリスクを伴います。そして他人へ料理して提供するには免許が入りますので覚えておきましょう。キタマクラは意外と簡単に釣れてしまいますが釣れた際は手で触らずにトングなどを使って海へリリースしておきましょう。そのまま、地面などに放置するのは子供などに危険が及ぶこともありますので放置はやめましょう。そして魚の命の尊さも忘れてはいけません。